お客様目線で考察しよう『なぜか数回でマツエクを辞めてしまう』その理由とサロンでの対策とは?
みなさんがこれまでに対応したお客様の中に、「何回か来店されていたのにリピーターにはなってもらえなかったな…」という方はいませんか? 当然、他のサロンへと移られた方もいるとは思いますが、もしかするとマツエクそのものを辞めてしまったのかもしれません。今回は、このような方の心理について解き明かすことがテーマ。中には、みなさんが気づいていない失客のヒントが隠されているかも。早速、見ていきましょう。
マツエクを数回で辞めてしまった方の理由にはいくつかのパターンがある
アイリストの施術に満足いただけたからといって、すべてのお客様がリピーターとなってくれるとは限りません。中には、何回か来店された後にまったく音沙汰がなくなってしまう方もいますよね。みなさんは、その理由について考えてみたことはありますか?まずは、具体例を挙げつつ考えてみましょう。
①メリットよりデメリットの方が大きく感じた
マツエクに対して「目元がぱっちりとした」「好みの雰囲気に近づけた」とメリットを感じる一方で、「自まつげが弱くなった気がする」「目の違和感が気になる」などのデメリットの方が大きいと感じた方がこのケース。「メリットもあるし、やめるのはもったいないかも…」と続けるか迷った末に、結局辞めてしまうというパターンが多いです。
②メイクやファッションの好みが変わった、合わなかった
最近では、メイクもファッションもナチュラルがトレンドですよね。お客様の中にも、以前は派手で華やかなデザインが好きだった方が、メイクやファッションがナチュラル志向になるにつれてマツエクをしなくなることはよくあります。マツエクをしてみた結果、あまり今のファションやメイクと合わなかった…という方もいるかも知れません。
③もともとマツエクに対して興味が薄かった
目元を華やかにしてくれるマツエクは、結婚式や成人式など大切なイベントのときにも便利な方法。最近では、なにかのイベントに合わせ、「やったことないけどつけてみようかな」となるお客様もいます。ただ、このような方々はマツエクを継続的につける必要性はあまり感じていない場合がほとんど。目的のイベント以外でマツエクをする方は少ない傾向にあります。
④続けたいけれど理由があって続けられなかった
マツエクは続けたいけれど、さまざまな理由から諦めざるを得ない方もいます。例えば、「仕事先でマツエクNGと言われた」「妊娠や出産がきっかけで通いづらくなった」「お金がかかりすぎて続けられない」といった理由が挙げられます。
そして最後に、
⑤他のサロンに移ってしまった
数回来店されていたのに急に来られなくなる原因として多いのは、「他のサロンへ移られた」ではないでしょうか。サロンに悪いイメージを持たれた状態で他サロンへ変更されたとなると、再来店いただくのはかなり難しいでしょう。しかし、マツエクを辞めていない以上はまた戻ってきていただける可能性もゼロではありません。
アイリストとして一番防ぎたいのは、お客様がマツエクそのものを辞めてしまうこと。次は、お客様に長くマツエクを続けてもらうためにはどうすればいいのか、一緒に考えていきましょう。
カウンセリングで解消できること
先ほどお伝えしたさまざまな理由の例をもとに、ひとつずつ対策を考えていきましょう。お客様との大切なコミュニケーションの場であるカウンセリング。マツエクへの足が遠のく前に、アイリストはどのようなお声がけができるでしょうか。
【お声がけ例①】「マツエクをしてからまつげが弱った」と感じておられる方へ
「マツエクによってまつげが弱る」というのは、まったくの間違いではありません。自然な状態の自まつげにエクステによる重みを与えれば、どうしても負担をかけることになってしまうからです。しかし、自まつげにダメージを与えるものはマツエクだけではないということも事実。マスカラやつけまつげも含めて自まつげに何かをつける以上は、多少のダメージを覚悟しなくてはなりません。そのため「マツエクだとダメージが強いから、マスカラだけにします」という方には、誤解を解くためにもアイリストがしっかりと説明をしなくてはならないでしょう。
また、「マツエクをしてから毛が抜けるようになったんです」という方も、誤ったイメージを持たれている可能性があります。マツエクをするとこれまで以上に自まつげに意識が向くようになる人が多いですよね。そうなると、まつげの抜けも自然と目に入るようになります。しかし、本来まつげというのは毛周期によって、自分でも気づかないうちに自然と抜けおちているもの。お客様にも「まつげは毛周期によって自然と抜け落ちるものなんです。お客様のまつげは不自然に抜けているところもないので大丈夫ですよ」とお声がけをすることで、安心されるかもしれませんね。
「マツエクはまつげに良くないもの」という誤ったイメージは、アイリストの声かけ次第で正しく理解してもらうことにつながります。普段から丁寧に説明してあげることを習慣づけておくといいでしょう。
【お声がけ例②】「マツエクは派手なもの」と感じておられる方へ
先に挙げた「マツエクを数回で辞めてしまう方」の例で言うと、②や③のお客様がこのケース。つまり、「マツエクはイベントのとき限定でつける」「ナチュラルな雰囲気が好きになったからマツエクを辞める」という方の意識の底には、「マツエクは派手で普段使いには向かない」というイメージが根づいている可能性が高いです。このようなお客様には、「普段使いするマツエクの良さ」をお伝えするといいでしょう。具体的には、
- まつげのカールがしっかりとキレイにつく
- 自まつげが自然に伸びたように見せることができる
- ナチュラルメイクでありながら、自然な目力を出すことができる
といったメリットが挙げられます。今のマツエクのトレンドはかつて流行ったような「派手で、つけている感が強く出るもの」ではありません。ナチュラルでありながらしっかりと印象的な目元にしてくれる、そんなイメージをお客様に持ってもらえれば「普段もつけてみようかな」と感じてもらえることでしょう。
【お声がけ例③】理由があってマツエクを続けるのが難しい方へ
先の例の④に当てはまるようなお客様は、理由によってはマツエクをおすすめすることが難しい場合もあるでしょう。ただ、中にはマツエクの優先度が低いことで辞めてしまう方もいます。
例えば、出産や妊娠でマツエクを辞められる方、価格面で続けるのが難しい方であっても、自分の美容にかけるお金がまったくのゼロという方は少ないでしょう。マツエクをする方は美意識の高い方がほとんど。美容にかけるお金や時間を節約するとしても全てを辞めるのではなく、「美容院、ネイル、化粧品、マツエク…」と並べてみたときに、もっとも優先度が低いものから辞めることになるはずです。マツエクを途中で辞めてしまう方というのは、マツエクの優先度が低かったということ。アイリストとしては、このような方に少しでも「マツエクだけはずっと続けたい!」と感じてもらえるように、日ごろからメリットをお伝えする必要があります。そのためには、さまざまな料金設定のプランをお伝えする、目元の悩みを相談しやすいカウンセリングを心がけるなどの心配りも忘れてはいけません。
技術レベルで解消すること
次は技術面での対応策について考えてみましょう。
アイリストの技術が原因でマツエクを数回で辞めてしまう方の例としては、
- 直後はきれいだけど、数日後のばらつきが気になってしまう
- 目の違和感が気になってしまう
など。このような方の中には「他のサロンに変えよう」とならずに、マツエクそのものにマイナスのイメージを持ち、辞めてしまう方もいます。もし自分がこのお客様の担当アイリストだったとしたら、とても残念な気持ちになりますよね。
対応策としては、技術を磨くということが一番ではありますが、お客様が違和感に思うこと、不快な思いをしたことを打ち明けやすい雰囲気を作ることも大切。お客様心理を知ることで改善点を見つけることにもつながるはずです。カウンセリング時には、前回の施術について「何か違和感や気になったことはありませんでしたか?大丈夫でしたか?」と必ずお聞きするようにするといいでしょう。
また、中には「施術中の体勢が辛い」という方も稀にいます。
具体的には、
- 目を閉じていることに恐怖を感じやすい方
- じっとしているのが苦手という方
といった方。このような体質であれば「私にはマツエクが向いていないかも…」と思われても仕方がないですよね。もしカウンセリングのときに、このような体質で悩んでおられるようなら、施術時間を少しでも速めてあげることで解決できることもあります。これもアイリストの技術次第。施術スピードを速めることで「ここなら私でも通える!」というお客様を一人でも増やしていけたらいいですね。
まとめ
もし、初回来店のときの対応や施術が原因で失客してしまうと、再び来店してもらうことは難しいでしょう。なぜならいくらサロンが情報を発信したとしても、一度マツエクに対して興味を失ってしまうと、もうアプローチする手段がないからです。ただ、途中で辞めてしまう方は、それまでの来店時の対応や施術次第でリピーター化できるチャンスが残されていますよね。
アイリストとしては、一人でも多くのお客様にマツエクを長く楽しんでもらえるように、さまざまな働きかけをしていくことが大切。そして、「マツエクを続けたい!」と感じてもらえるような施術や接客を目指していきましょう。
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