【画像解説】目幅による本数の印象の違い・本数選定の方法とは?
「本数が多くなるほどマツエクの印象は強くなる」。アイリストならもちろんご存知の常識ですが、ここに太さやマツエクの種類を加えて考えると、また印象は違ってきます。さらに本数選定には「目幅」も重要なポイント。本数が同じでも目幅によって印象が異なることを、画像で解説していきます。今回は、目幅による本数選定の方法を深く考えていきましょう。
マツエクの印象を決めるのは?
マツエクデザインを決めるエクステの種類・本数・太さ。これらが変わることで、マツエクの印象は異なりますよね。
この「仕上がりの印象の違い」とは、「エクステの密度の違い」にあります。
密度が高い |
ボリューミーな印象 ・リッチ感がある ・目元がぱっちりしている ・エクステの存在感が強い |
密度が低い |
ナチュラルな印象 ・やりすぎていないこなれ感 ・自まつげに近い軽い感じ ・エクステの存在感は弱い |
マツエクが国内で広まり始めた頃は、「しっかりと付けている」印象の密度が高いものが主流でした。しかし、現在は「ナチュラルに見せる」「さりげなく盛る」といった、自然なマツエクに注目が集まっています。
マツエクの印象を操作しているのは密度です。ナチュラルな仕上がりは密度が低く、印象的な仕上がりは密度が高いデザインが多くあります。
エクステの種類や本数、太さが与える印象の違い
さて、マツエクの印象である密度を調節するには、本数や太さ、エクステの種類を変えていきます。今一度、本数・種類・太さが与える印象をおさらいしていきましょう。
エクステの本数による印象の違い
エクステの本数は、
◆本数が少ない→エクステの印象が弱い
がスタンダードな考え方です。本数が多いとエクステの密度は高くなるため、印象が強くなるのは頷けますね。
しかし、一概に「エクステの本数が多ければ印象が強い」とは言えません。例えば、エクステの種類が異なるとどうでしょうか。
エクステの種類による印象の違い
「本数が多いから印象が強い」は、その通りなのですが
◆ボリュームラッシュ
◆フラットラッシュ
この中のどれを使用するかによっても、印象は異なります。
シングルラッシュよりも細いエクステでできたボリュームラッシュは、本数自体は多いもののエクステの密度が低く、ナチュラルな印象に仕上がります。つまり、ボリューミーな印象であることは間違いないのですが、「本数が多いから印象が強い」という図式は当てはまらないのです。
フラットラッシュはシングルラッシュよりも、平たい形状のため密度が高くなり“濃く”見えるのが特徴。シングルラッシュで好みの印象の目元をフラットラッシュで叶えるなら、本数はやや少なめにする、という人もいます。
太さによる印象の違い
本数とエクステの太さの関係も、もちろん太いエクステを使えば少ない本数でもマツエクの存在感を発揮できますよね。太いと密度が高くなるため、エクステの印象は強くなります。したがって、本数は少なめでも十分なマツエクの存在感を得られることが多いです。
反対に細いエクステを選べば、印象は弱めに。「このマツエク、ナチュラルな印象だな」と感じたSNSの写真でも、意外と本数を使っていることはないでしょうか。この場合、細いエクステを使用していることがあります。
このように本数の選定は、背景となるエクステの種類や太さを考えた上で行わなければなりません。
メニューに120本・160本と本数を記載しているサロンは多いことでしょう。とはいえ、お客様が「何本を選べば理想の目元になるの?」「なりたいイメージはあるけど、本数がわからない…」と迷うケースはかなり多いはず。そこで、カウンセリングの結果で得た“なりたい目元”に向けてアプローチしていくわけですが、理想のデザインを叶える本数とエクステの密度を選ぶには、ぜひここに注目してみましょう。
◆エクステを装着する範囲
今回のテーマである“目幅の違いによる本数選定”。この目的はエクステの密度調節です。
次は、目幅によってエクステの密度が異なるケースを、実例を見ながら一緒に考えていきましょう。
画像で解説。目幅によってエクステの印象はどう変わる?
日本人の平均目幅はおよそ3cm。しかし、平均より狭い・広いは人それぞれです。さらに、同じ目幅の人でも目頭を空けてエクステを付けたり、反対に目尻から広がるように装着したりすると、接着範囲が異なります。
同じ本数を装着しても、印象が異なる例を画像検証していきましょう。
上下の写真を比べると、上は目幅が広めです。どちらも、太さ0.15mm・120本・シングルラッシュですが、目幅によって密度の違いが明らかですよね。
下は目幅が狭いため、かなり密集して見えます。「上の方がナチュラルだな」という印象を抱いた人も多いのではないでしょうか。もう1枚見ていきましょう。
こちらも、上が目幅の広い写真。下が狭い写真です。こちらも太さ0.15mm・120本・シングルラッシュと条件は同じ。特に下の写真は目頭を空けて装着しているため、装着範囲自体も狭くなっています。
いかがでしょうか。上下のマツエクを見比べると、印象の違いは一目瞭然。本数選定には目幅は重要なポイントです。
このように、目幅が異なることで「エクステの種類・本数・太さが同じなのに印象が変わる」ことが分かりました。
お客様のオーダーに、
◆「デザイン表の写真が好みなので、写真と同じ本数で」
といったものはないでしょうか。しかし、目幅は画像にあったように人それぞれ。そのため、お客様の要望をそのまま施術に反映するのではなく、「理想通りの目元になれる本数かどうか」を見極めなくてはなりません。
先ほどのオーダーを例に出して言えば、120本のマツエクオーダーは本数だけを見ると「濃いめがお好みなのかな?」と受け取れますね。しかし、そのご友人は目幅がかなり広めかもしれません。120本でも相当ナチュラルな仕上がりになっていれば、オーダーされたお客様は濃いマツエクが好みではなく、真逆の仕上がりを想像していたことになります。
カウンセリングでは希望の本数や太さを聞くことはもちろんですが、どういったイメージで装着したいのかも確実に聞きましょう。マツエク経験者であればある程度の想像はできますが、初めてのお客様だと「何本つけたらいいの?」と迷われることが多いです。まずは「100本以下ならナチュラルです」などと言い切る前に、お客様の好みの印象をヒアリング。その上で理想を叶える本数を、目幅も基準にして選定していきます。
また、施術中にオーダーされた本数と、お客様の仕上がりイメージに差がでることに気づいた場合は
などとお声掛けしましょう。マニュアル通り希望本数を装着し、お客様の理想と現実の施術結果がかけ離れてしまうのは避けたいものです。
自分自身の目幅が広いのか狭いのかは、普段はなかなか意識できないもの。プロとして、適切な判断で本数のアドバイスができるよう、目幅にも注意を向けてみてくださいね。
そして既存顧客、特にリピーターであれば、お客様の特徴として目幅は把握しておきたいものです。「目幅が広め」「狭め」などはカルテに記載しておき、今後のデザイン提案に役立てましょう。
まとめ
印象を左右するエクステの本数。目幅によって本数が与える印象は異なるため、本数選定には目幅は重要なポイントとなります。「本数はメニューで決まっているから」「お客様のオーダーだから」といったマニュアル通りの施術から、目幅を考慮した本数選定をすればお客様の理想に一歩近づくことができるでしょう。ワンランク上の提案ができるアイリストになるために、ぜひ覚えておいてください。190119E3s