エクステがどうしても倒れやすい(流れやすい)方へおススメのデザインと装着方法
髪の毛の生え方に癖がある人がいるように、まつげも同様に生え方に癖が見られる人がいます。生え癖も人によってさまざまで、たとえば、上向きまつげや下がりまつげ、逆さまつげなどが挙げられますが、なかでもマツエクの施術で技術を要するのが、外側に流れるように生えているまつげです。このような生え癖のある自まつげは装着方法に注意しないと、エクステも自まつげに沿っていっしょに流されてしまい、美しい仕上がりになりません。では、どのように装着するのがよいのでしょうか。今回はエクステが倒れやすい生え癖のあるお客様への施術方法について詳しく検証していきましょう。
まつげの癖についておさらい
過去にもBeautéではまつげの癖について取り上げましたが、装着方法をご紹介する前にもう一度しっかりおさらいしておきましょう。
まず、まつげの癖はなぜ起こるのでしょうか。たとえば、まつげの癖には上向きや下向き、逆さ向きなどさまざまなタイプがありますが、こうしたまつげの原因には、「①先天的な理由によるもの」と「②後天的な理由によるもの」の2種類が存在します。
①先天的な理由によるもの
生まれつき髪の毛に癖がある人がいますが、これはその人の体質によるもの。これと同じように、生まれつきまつげにも癖がある人がいます。髪の毛に癖がある人は、まつげにも生え癖があることが多いようです。また、なかにはまぶたや毛穴などの形状に影響されて、まつげの生え方に癖が出てしまう人や、まぶたや頬の肉の重みによってまつげが押されて癖がついてしまう人も。上まつげが下向きに向かって生えている“逆さまつげ”がこの例に挙げられます。
②後天的な理由によるもの
日常的な動作や目元のメイクなど、後天的な理由によってまつげに癖が見られる場合もあります。具体的な例は以下の通り。
◆うつ伏せで寝る癖や目元を擦る癖がある
◆ストレスによる血行不良
◆栄養の偏りや栄養不足
◆加齢
などが、理由として挙げられます。このような後天的な理由によるものであれば、行動の癖や生活習慣を見直すこと、また、美容液を使って自まつげに栄養分を与えることなどで改善することが期待できますね。
一方、マツエクの施術で問題なのは、先天的な理由によるものです。生まれつきある自まつ毛の癖は頑固なものが多く、施術したてのときはまっすぐに装着できていても、徐々に自まつげの生え癖に沿ってエクステも流れていってしまいます。結果、バラつきが出てきてしまうように。そのため、自まつげに生え癖が見られる人に施術を行なう場合は、少しテクニックが必要です。では具体的にどのようにエクステを装着していくのが好ましいのでしょうか。次で確認していきましょう。
また、下向きまつげや上向きまつげの人への施術に関する記事はこちらをご覧ください。
<下向きまつげの人向けの関連記事>
<上向きまつげの人向けの関連記事>
イラスト解説!正しい装着方法とは?
みなさんもご存知の通り、マツエクを美しい仕上がりにするためには、エクステを装着する自まつげの選定が大切です。生え癖のある自まつげが部分的な場合、その箇所を避けて装着することができますが、これでは隙間ができてしまったり、エクステの装着本数が限られてしまったりすることがあるため、お客様の希望する目元を再現するのが難しくなってしまいますね。しかし、だからと言って自まつげに沿って装着してしまうと、生え癖といっしょにエクステも傾いてしまうことに。
また、そのほかの方法として、まつげパーマなど自まつげの癖を矯正する技術を使ってからエクステを装着する方法も考えられますが、これはその分費用が追加でかかってしまうことからお客様によっては断られてしまうケースもあるかもしれません。
そこでアイリストとして求められるのが、癖のある自まつげの方向を修正しながらエクステを装着するという技術です。
マツエクは大きく分けると4つの装着方法がありますよね。
◆下付け…自まつげの下側にエクステをくぐらせて装着する方法
◆横付け…自まつげの横側にエクステを沿わせて装着する方法
◆絡め付け…自まつげをくぐらせるようにエクステを絡めて装着する方法
この4つの装着方法のなかで、癖のある自まつげに適している付け方は「絡め付け」です。
まずはこちらの画像をご覧ください。
左側のイラストは自まつげの倒れている方向の反対側にエクステを接着した「横付け」で施術したもの。右側のイラストは、自まつげが倒れている右側からエクステを接着し、自まつげとクロスさせるように装着した「絡め付け」で施術したものです。
どちらもエクステ自体はまっすぐに装着することができています。しかし、横付けの装着方法では根元の部分のみしか装着面が確保できていません。そのため、日々の生活のなかでの摩擦に負けてしまい、短いモチとなってしまうことが懸念されます。一方、絡め付けの方法で装着しているものを見てみると、装着面を多く確保できているのが分かりますね。
また、絡め付けは、自まつげの倒れている側からエクステを接着することで、自まつげの根元部分を支えることができ、倒れ気味の角度を矯正する効果も期待できるように。
これらを見ても分かるように、絡め付けは「自まつげの方向の修正」と「マツエクのモチ」の両方を叶えられる有効な施術方法であることが伺えます。美しい仕上がりにするためにも、お客様に長くマツエクを楽しんでもらうためにも、絡め付けの装着方法はしっかりと習得しておく必要があるでしょう。
おすすめデザインってあるの?
癖のある自まつげの方向を修正しながら、エクステを装着することができる絡め付け。しかし、エクステは繊細な人工毛であることから、自まつげが外側へ流れようとする癖が強い場合、絡め付けでは対応しきれずまっすぐには方向を矯正できないケースもあるかもしれません。そのような場合には、自まつげの癖を活かしたデザインを提案するのも対策法のひとつです。たとえば、次のようなデザインがおすすめです。
提案デザイン①:セクシーデザイン
出典:@eyeplus.designさん
最も提案しやすいのが、セクシーデザイン。もともとが目尻側に向かって自まつげが流れているため、自まつげに沿ってエクステを装着することで、自然な仕上がりのセクシーデザインを実現することができます。また、セクシーデザインは目幅が強調されるため、顔の横幅をカバーするうれしい効果も。お客様にもこの点をお伝えしながら提案すると、喜ばれるかもしれません。
提案デザイン②:キュート&セクシー
出典:@eyeplus.designさん
エクステが目尻側に流れると目幅が強調されてしまいますが、それよりも縦幅を強調してキュートデザインに寄せたいとなると、相応の長さのエクステを装着しなければなりません。そのため、ナチュラルな仕上がりを好む人には満足いただくことができないことも。しかし、まつげの中央から目尻にかけて長さを出していくキュート&セクシーなら、自然な仕上がりを叶えることができますね。
お客様の要望に沿って施術することはもちろん大切なこと。しかし、お客様の目元や自まつげの特徴に合ったデザインを提案することもアイリストとして大切なことです。それら双方をすり合わせたうえで、具体的なデザインに落とし込んでいくことがお客様にとっての最適な“似合わせデザイン”となります。
お客様のなかには自身の自まつげに生え癖があることを把握していらっしゃらない方も多いものです。初めて担当するお客様であれば、ヒアリングの際にどのような生え癖が見られるのかまでしっかりお伝えしてあげるようにしましょう。
まとめ
お客様の目元や自まつげの生え方は十人十色。単純に一本ずつエクステを装着していくような単調作業をしていては、お客様を満足させることはできません。倒れるような生え癖のある自まつげのお客様には、生え方によって一本一本エクステの位置や方向、装着方法などを変えていくことが大切です。どんな生え癖の自まつげにも柔軟に対処できるように、日々の業務のなかで技術をブラッシュアップさせていきましょう。190424Emm
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