グルーの粘度の違いが正しく測れる!「ミリパスカル秒」ってどんな単位?

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アイリストにとってグルーの粘度は、施術のしやすさ、仕上がりの美しさを左右する重要なポイント。それにもかかわらず「粘度って実際に使ってみないと分かりづらい…」「商品情報に『粘度が高い』って書かれていても使ってみたらサラサラだった」といった失敗をした方も多いのでは?粘度を表す確かな“基準”が欲しいところですよね。そこで今回は、最近になってマツエク業界でも使われるようになってきた粘度の単位「ミリパスカル秒」について解説しましょう!

「ミリパスカル秒」とは?

エクステやグルーなどマツエクにまつわるアイテムには、さまざまな単位があります。
例えば、エクステの長さを表す「mm(ミリメートル)」、グルーの内容量を表す「ml(ミリリットル)などもそうですね。もし仮に、これらの単位が無かったとしたら、エクステの長さやグルー量は「長い/短い」「多い/少ない」という曖昧で主観的な情報でしか判断できなくなるでしょう。単位があるおかげで、複数の商材を客観的な情報をもとに比較検討することができるわけです。

ところで、アイリストのみなさんはグルーの粘度を測る単位があることはご存知でしょうか?

グルーというのは、保管状態やその日の気温や湿度によって状態が変化しやすい、極めて不安定な性質をもつもの。当然、粘性についても「昨日と今日で全く違う!」ということもしばしば起こりやすいのです。

こんなときに便利なのが、物質の粘度を表す「mPa・s(ミリパスカル秒)」という単位。この数値が高くなるにつれて、粘度も高くなります。

マツエク商材を扱う通販サイトでは、グルーの商品情報にミリパスカル秒を使って粘度を示しているメーカーも増えてきつつありますが、まだそれほど一般的とは言えません。ただ、これを知っているのと知らないのでは大違い。ミリパスカル秒について知っていれば、

  • 数値からグルーの粘度を推し測りやすく、比較検討しやすい(購入してから失敗するリスクが減る)
  • 自分の使いやすい粘度を数値として知ることができ、グルーを選びやすくなる

といったメリットがあります。単位という基準で測れることはとても便利ですよね。

そして、Beautéとしては「今よりももっと“ミリパスカル秒”という単位が、アイリストの中で一般的なものとして認知されるようになってほしい」という想いがあります。なぜなら、みなさんご存知の通り、グルーの粘度というのはマツエク施術の操作性、そして仕上がりの美しさに大きく関わるものだからです。

グルーの粘度は操作性に関わる

これまでのBeautéでも度々お伝えしてきた、グルーの粘度と操作性の関係。粘度が高い/低いというテクスチャーの違いは、アイリストの手先の感覚を微妙に狂わせてしまうこともあります。ただ、ミリパスカル秒という単位によって粘度を数値化できたとしても、どの値からが粘度が高い、または低い状態なのか、感じ方は人それぞれでしょう。だからこそ「自分に最適な粘度は〇ミリパスカル秒」という基準を明確に持ち、それによって粘度の差を見極めることが大切です。

グルーの粘度が高いとどうなる?

例えば、比較的粘度の高いグルーを使うとどうなるでしょうか。
メリットとしては、

  • 自まつげに絡みやすくなり、エクステを密着させやすい
  • 硬化速度が遅いものが多く、スライド装着しやすい

といったことが挙げられます。

ただ、これはあくまで使用期限を過ぎていない保存状態のいいグルーに限った話。グルーは時間の経過とともに(未開封だったとしても)どんどん粘度を増していきます。これはもちろんグルーに含まれる増粘剤の影響では決してなく、劣化による現象です。このような状態になってしまうとグルーの接着力は弱まり、自まつげにも密着しづらくなってしまいます。とろっとした滑らかな粘度ではなく、「ドロドロとしている」「糸をひく」といった状態であれば、このグルーはもう廃棄した方がいいでしょう。

メリットだけを見てみると新人でも扱いやすく、便利なグルーのように思われます。
しかし、

  • モチが悪くなる傾向にある
  • グルー量が適量よりも多くなりやすい
  • 硬化するまでに時間がかかるため、施術がテンポよく進められない

といったデメリットもあるのです。粘度が高いということは、それだけグルーに含まれる増粘剤の量が多いということ。みなさんご存知の通り、グルーの主成分は接着力のもととなるシアノアクリレートですよね。接着効果を高めるためにはシアノアクリレートの純度を高めなくてはなりませんが、粘度が高いグルーは増粘剤などの“不純物”が多く含まれているため、モチが悪くなってしまうというわけです。

また、粘度が高いことでエクステにグルーが多くつきやすく、グルー量の調整がしづらいとの声も。さらに硬化速度が遅いと、隣り合うエクステがくっつきやすくなったり、施術スピードが遅くなったりするため、粘度がありすぎると扱いづらいこともあります。

粘度が低い=サラサラなグルーは扱いやすい?

それでは、粘度が低いサラサラとしたグルーはどうでしょうか?
先ほどの粘り気の強いグルーの特長とは逆で、

  • モチが良い
  • 硬化速度が速く、施術スピードがアップする

といったメリットと、

  • グルーの量が多すぎると液だれを起こすことがある
  • 硬化速度が速く、スライド装着するまでに固まってしまいやすい
  • グルー量が適量よりも少なくなりやすい

といったデメリットがあります。そのため、エクステのベストな装着位置を見極めるのに時間がかかる新人にとっては扱いづらいかもしれません。ただ、この硬化速度に慣れることができれば、装着スピードが格段にアップするはず。モチも良くなるため、よりお客様に喜んでいただけるような仕上がりになることでしょう。

キャリア別!粘度で選ぶおすすめのグルーは?

最後に、アイリストのキャリア別におすすめのグルーをご紹介しましょう。粘度の違いからいくつかピックアップしてみました。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

【初心者向け】粘度が高いタイプ

【メディカラッシュ】国産速乾グルー

画像元:ビューティガレージ【公式】

こちらは、「アイラッシュガレージ」のオリジナルブランド「メディカラッシュ」の低刺激性ブチルグルー。アイリストの操作性を考えて品質面にこだわりぬいた国産製品です。硬化後にエクステの根元が硬くなりにくく、違和感の少ないナチュラルな装着感がウリ。刺激の弱さを叶えつつも、粘度や硬化速度などバランスの取れたグルーです。

内容量

5ml

粘度

250mPa・s

主成分

ブチルシアノアクリレート

OP操作性重視タイプ■マザーグルー「MOTHER GLUE」■

画像元:まつげエクステのアイコスメ[松風]

こちらは、高品質な商材を扱うことで知られる「松風」のヒットアイテム。粘度が高く、施術速度が遅い新人アイリストにはまさにおすすめしたいグルーです。超速乾ではないため、スキルアップのためのレッスン用としても重宝するでしょう。名前の通り、操作性がよく幅広いアイリストにとって扱いやすいと評判の商品です。

内容量

10ml

粘度

375mPa・s

主成分

エチルシアノアクリレート

【上級者向け】粘度が低いタイプ

【メディカラッシュ】国産ウルトラ速乾グルー≪プレミアム≫

画像元:ビューティガレージ【公式】

先ほどご紹介した「メディカラッシュ」で人気の上級者向けグルー。「1秒速乾」とモチの良さ、そして密着度の高さが最大の魅力です。施術スピードの速いベテランアイリストが使えばその効果を最大限に発揮できることでしょう。

内容量

10ml

粘度

150mPa・s

主成分

エチルシアノアクリレート

マイスターグルー「MEISTER GLUE」■日本製超低粘度最速施術タイプ

画像元:まつげエクステのアイコスメ[松風]

松風のグルーの中で最も粘度が低く、サラサラと流れるようなテクスチャーが特長。そして超速乾タイプのため、施術スピードがかなり早くなります。グルー量の調節が難しい新人には扱いづらいかもしれませんが、一日に多くのお客様を対応するベテランアイリストにはぜひ試してみてほしいグルーです。

内容量

10ml

粘度

100mPa・s

主成分

エチルシアノアクリレート

最後に…粘度の値を見るときに注意してほしいこと

シアノアクリレートはお伝えした通り、かなり状態が変化しやすい繊細な性質を持っています。そのため、粘度を計測する際にも毎回同じ数値になることはほぼありません。つまり、グルーのメーカーが表記している粘度の値は、何回か計測したうちの平均的なデータだと捉えるべきでしょう。また、グルーの粘度が高い=速乾性がないというのも、メーカーによって微妙に違いがあります。最終的には、やはり自分の感覚で確かめたものが一番正確で信頼できるはず。さまざまなグルーを試すことが大切、ということには違いありません。

まとめ

今回は、mPa・s(ミリパスカル秒)という粘度の単位についてご紹介しました。まだあまり一般的な単位とはいえないものの、今後は粘度の表記に取り入れるメーカーも増えてくるかもしれません。自分の普段使っているグルーはどのくらいの数値なのか、意識してみるといいでしょう。ただし、グルーの扱いやすさというのは粘度だけで測れるものではないですよね。ミリパスカル秒の値だけに限らず、さまざまな視点から「自分にとってベストなグルー」を探ってみてください。190431Esa

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