加齢によるまぶたのたるみ、マツエクをしていることの影響はあるの?
マツエクをしているとまぶたがたるむ、こんな話を聞いたことはありませんか?本来、まぶたのたるみは加齢とともに起こりやすい変化のひとつ。マツエクと本当に関係しているのか気になるところです。また、マツエクをするお客様の年齢層も年々幅広くなってきているため、今後は目元のたるみに悩みながらサロンに来店する方も増えてくるでしょう。今回のBeautéでは、まぶたのたるみとマツエクの関係について詳しく解説します。
まぶたの老化を早めるものとは?
目元というのは顔のパーツの中でも目立ちやすく、その人の印象を決める大事な部分です。
ただ、他の部分と比べて皮膚は薄くとてもデリケート。そのため、加齢とともにシワやシミ、クマ、たるみなどさまざまな悩みが出てきやすい部分でもあります。
Beautéではこちらの記事の中で、加齢による肌の変化を解説しました。
簡単におさらいすると、年齢を重ねるにつれて目の周りは次のように変化していきます。
画像元:アンチエイジング | 目をゆる〜くマジメに考える 目ディア
◆コラーゲンやエラスチンが減少 ⇒ ハリや弾力がなくなり、たるみが目立つようになる
◆セラミドが減少 ⇒ 肌の潤いがなくなりバリア機能が低下する
◆油分が減少 ⇒ 乾燥によるかさつきやシワ、くすみが目立つようになる
◆エストロゲン(女性ホルモン)の減少 ⇒ ツヤがなくなり、くすみが目立つようになる
ただ、このような目元の老化が進むスピードには当然ながら個人差があります。同じ年齢の女性であっても実年齢より若々しく見える人、老けて見える人がいるのはそのためですね。
老化を進行させてしまうものは、
- 生活習慣の乱れ(食生活、睡眠不足、飲酒など…)
- パソコンやスマホなどによる眼精疲労
- 疲れやストレスがたまりやすい
- 濃いメイクの頻度が高い
- 紫外線を受けることが多い
など。これらはすべて、目元の皮膚や筋肉に余計な負担をかけてしまうものです。そしてアイリストが考えなくてはならないのは、「マツエクは目元にとって負担になるのか?」ということ。確かに、これまでのBeautéでも「マツエクはデリケートな目元に過度な刺激や重みを与えてしまいかねないもの、だからこそ慎重に施術を進めなければならない」とお伝えしてきましたね。マツエクが目元にとってどんな影響を与えるのか、詳しく考えてみる必要がありそうです。
マツエクの重みと目元のたるみの関係
みなさんはお客様から「マツエクをするとまぶたがたるむって本当ですか?」と尋ねられたことはありますか?実はこの話、アイリストやマツエクに詳しいお客様の中ではよく言われてきたものです。ただ、「お客様から聞かれたらどうお答えすべき?」「真実が知りたい!」というアイリストもいることでしょう。
結論からいうと、「マツエクをするとまぶたがたるむ」という話はまったくの間違いではありません。しかし、やや誤解のある表現です。
そもそもマツエクというのは、自然な状態の自まつげにとっては余計な重みでしかありません。それは当然といえば当然のこと。これはマツエクに限らず、つけまつげやマスカラにもいえることですよね。
「スカルプD」などのまつげ美容液を販売するアンファー株式会社が行った「まつ毛の負担調査」※結果によると、マツエクをつけた状態でまぶたを持ち上げる1年分の負担は、なんと女性柔道選手(65㎏級)1人を1cm持ち上げる負荷に相当するとのこと。日常的にマツエクをする方であれば、かなりの負担がまぶたにかかっていることになります。
※片目のマツエク本数60本、重さ0.013gをつけた状態で、1日6時間睡眠、5秒に1回まぶたを5mm動かすまばたきをするとして計算。
マツエクの負担によって眼瞼下垂になることも…
マツエクの重さが原因となって「眼瞼下垂(がんけんかすい)」という症状が引き起こされることもあります。これは、上まぶたがたるむことで目を開きにくくなる状態のこと。眼瞼下垂になると、目元が老けて見えるだけでなく、頭痛や肩こり、腰痛、眼精疲労などを併発することもあります。
もしも、みなさんのお客様の中で、
「最近、肩こりがひどいなぁ…」
「あれ?私ってもっと二重がぱっちりしてなかったっけ?」
「右目と左目で開き方が違う」
と感じている方がいらっしゃれば眼瞼下垂かもしれません。ただ、これらの症状の原因がマツエクにあるとは気づかない方がほとんど。お客様のほとんどは、マツエクがまぶたにそれほどの負荷をかけているとは思いもよらないでしょう。
マツエクはしない方がいい?
まぶたのたるみを進行させる、そして眼瞼下垂の原因にもなりうると聞くと、「マツエクって怖い!」と感じる方も多いはず。アイリストの中にはお客様の不安をあおらないように、マツエクがまぶたに与える負担について伝えないようにすべきと考える人も多いかもしれませんね。
ただ、マツエクがまぶたに与える影響についてお客様に理解いただければ、まぶたやまつげに対して負担の大きすぎるデザインを選ばれることも少なくなるでしょう。アイリストが、お客様の目元にとってベストなデザインを提案したいときにも説得力が増すはずです。
目元に負荷がかかるということは事実、しかし、マツエクをしない方がいいということではありません。マツエクは目元を華やかに美しく見せることのできる、さまざまなメリットのある技術。まったくしない方がいいということではなく、上手につき合っていくことが大切なのです。
マツエクをもっと楽しむために!目元のたるみ対策
最後に、お客様にたるみを気にせずマツエクを楽しんでいただけるように、対策方法を学んでおきましょう。
まぶたの筋肉を鍛える
目の周りの筋肉や皮膚を支える靭帯を鍛えることでたるみを改善することができます。
① 目線を上下左右に動かす
② 目を見開いて眉をつり上げるようにして、5秒間キープする
③ そのまま下まぶたを上に引き上げるようにして目を閉じ、5秒間キープする
これを5回程度繰り返します。そのあとマッサージをして目の周りをほぐしましょう。
まぶたとまつげの両方をケアできるまつげ美容液を使う
まつげ美容液の中には、まつげだけでなくまつげの生え際(まぶた)までケアしてくれるものもありますよね。店販品として取扱いのあるサロンは、たるみ対策のひとつとしてご提案しやすいでしょう。美容液というと“自まつげケア”としておすすめするアイリストが多いですが、たるみに悩む方にもぜひご提案してあげましょう。
無理のないマツエクをしない
これは、アイリストだからこそ責任をもってお客様にお伝えしなくてはならないこと。お客様の自まつげに見合わないような太さや本数のデザインをおすすめしない、というのは基本中の基本。たるみが気になる方、眼瞼下垂の可能性のある方にはマツエクを少しお休みいただくということも、ときには必要でしょう。たるみのひどい状態ではマツエクが美しく見えないこともあります。お客様によりマツエクを楽しんでもらうためにも、マツエクをするタイミングをしっかりと見極めてあげましょう。
まとめ
マツエクが「自まつげ」に与える負荷についてお客様にお伝えするアイリストは多いですが、「まぶた」との関係について話すことは少ないかもしれません。しかし、目元の皮膚や筋肉というのはかなり繊細なもの。そのため、マツエクのような軽さであっても女性にとって悩ましいたるみの原因となることもあるのです。これは、アイリストにはぜひ知っておいてもらいたい事実。お客様にもっとマツエクを楽しんでいただくためにも、しっかりと知識を持っておきましょう。190509Esa
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