「なんだか最近自分もまつげも元気がない…」ストレスとまつげの関係、その対処法とは?
マツエクを施術するにあたって、ベースとなる自まつげが健康であることはとても重要なこと。自まつげの健康状態がよくないと、マツエクのデザインやモチにも影響してしまいます。しかし、なかにはハリやツヤがないなど、自まつげの健康状態があまりよくないお客様もいらっしゃるでしょう。その健康状態を左右している原因のひとつとして考えられるのが、ストレスによるものです。ストレスとまつげが一体どのように関係しているのでしょうか。詳しく検証していきましょう。
まつげの状態とホルモン分泌の関係とは?
まつげの健康状態を左右する原因には、さまざまなものが考えられます。たとえば、アイメイクやクレンジングなどによって自まつげにダメージを与える「外的要因」。そのほかに、生活習慣の乱れや栄養不足などによる「内的要因」があります。今回のテーマであるストレスは後者の内的要因のひとつ。まずは、ストレスが与える自まつげへの影響や、関係性についてみていきましょう。
ストレスが自まつげにもたらす影響とは
ストレスで髪が抜けることがあるというのはよく耳にしますが、まつげもストレスの影響を受けるの?と思われる人もいるかもしれませんね。まつげも髪の毛同様、体毛の一部です。生活習慣やストレスによって髪がダメージを受けるのと同じように、まつげにも大きく影響します。強いストレス状態にさらされた場合には、髪の毛のようにまつげが抜け落ちてしまうこともあります。ただし、いっきにごっそり抜け落ちるというわけではありません。目を擦ったりしたときに、気が付くと抜けていたということがほとんどです。そのため、お客様自身は自まつげの変化に気付いていないケースもあるかもしれません。
施術時に、お客様の自まつげが部分的に抜け落ちて隙間ができていたり、左右の目で自まつげの本数が異なっていたりといった状態が見られた場合には、ストレスを含む何らかの影響によるものの可能性があるでしょう。また、自まつげがストレスの影響を受けているときには、以下のような症状が見られることもあるようです。
◆ツヤがなく乾燥している
◆ハリやコシがなく貧弱
◆部分的に抜け落ちている
◆白髪のまつげが生える
◆切れ毛や枝毛がある
このような状態の自まつげにエクステを装着することはあまり推奨できません。デザインやモチにも影響するほか、自まつげにさらに大きな負担をかけてしまい、ダメージを進行させてしまうことも考えられます。そのため、上述したような状態が見られたら、施術に注意が必要です。
ストレスとまつげの関係性
画像元:武田薬報web
では、ストレスがまつげになぜ影響を与えるのか、そのメカニズムに焦点をあててみましょう。
まず、まつげや髪の毛など人間の体毛は、血液から送られる栄養素や酸素を、毛根にある毛母細胞が吸収することによって成長をしています。しかし、ストレス状態にさらされてしまうと、体全体の健康状態を保つ役割を果たしている自律神経やホルモンバランスが乱れてしまい、緊張状態を維持させる交感神経の働きが優位になってしまいます。
緊張状態が続くと血管は収縮。毛母細胞まで栄養素が行き届かないことが原因で、まつげの成長に悪影響を及ぼします。その結果、まつげが弱ったり、抜けたりと先ほど紹介したような症状が見られる場合があります。これが、ストレスがまつげに影響を与えるメカニズムなのです。
日常的な行動が抜ける原因になっている場合も
日常的に取っている何気ない行動が、まつげの健康状態を悪化させていることもあります。次のような行動を取っている場合には注意が必要です。
・朝食を食べない
準備に追われる忙しい朝は、朝食抜きの日もあるという人も多いのではないでしょうか。しかしこれはまつげにとってNG行動。
人間は活動するために熱エネルギーが必要ですが、朝食を食べないと体温が上がらず低体温のままとなってしまいます。そうすると、血行不良を招き、結果まつげに必要な栄養素が行き届かずに不健康なまつげとなってしまうのです。
また、さらに体温が低いと眠りが浅くなり、ストレスが蓄積される原因にもなってしまいます。体とまつげの健康維持のためにも、朝食をしっかり食べてから1日をスタートさせるということはとても大切なことなのです。
・夜更かし
厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、日本人の5人に1人の割合で十分な睡眠時間が取れていないということが示されています。しかし、睡眠は、脳の疲労回復や記憶の整理のほかに、体の成長、損傷した細胞の修復などといった重要な役割を果たすもの。睡眠時間を十分に確保できないと、ホルモンバランスの分泌や自律神経の働きに異常をきたし、さまざまな体の不調を引き起こします。これがストレス蓄積の一因となってしまうことも考えられるでしょう。
・寝だめ
寝不足もよくありませんが、まとめてたくさん寝る「寝だめ」も逆効果。体を長時間動かさないことから、筋肉が過度にゆるんでしまい、それに伴って血管が過剰に拡張することも。そうなると体全体の血流が滞って酸素や栄養素の供給が毛母細胞まで行き届かなくなってしまい、結果まつげの成長を妨げてしまうこととなります。
これらはどれも普段の生活のなかでついついとってしまいがちな行動。しかし、自まつげの成長を妨げてしまうことから、マツエクを楽しむためには控えたいところです。お客様の中にもこれらの行動に心当たりがある方がいらっしゃるはず。ぜひ、お客様にも「こんな行動取っていませんか?」と案内してみましょう。
対処法
ストレスによるまつげへのダメージを防ぐためには、どのような対策を立てることができるでしょうか。考えてみましょう。
内側からの対策
自立神経を整える
自律神経には、行動を活発にさせる交感神経と、ブレーキの役割を果たす副交感神経があり、両者は対の関係でどちらかが優位になるようにできています。日中は交感神経が優位に、休息前には副交感神経が優位になっているのが好ましい状態です。
しかし、先ほども紹介したようにここにストレスが加わると、バランス感が乱れて交感神経が刺激されてしまい、目元やまつげの健康状態悪化することとなってしまいます。ストレスを抱えると睡眠不足になる人も多くいますが、これは自律神経のバランスの乱れが原因。
休息に入るときに副交感神経を優位にさせるために、以下の点に気を付けるとよいでしょう。
◆食後は胃腸が働き交感神経が活発になってしまうため、就寝の3時間前に済ませる
◆布団に入ってからのスマホの使用は控える
◆布団に入ったら考えごとをせず、音楽を聞いたりしてリラックスする
ストレスを緩和する
根源であるストレスを取り除くことも大切なこと。ストレス社会と言われている現代においてストレスを排除するというのは容易なことではないでしょう。けれど、自分なりのストレス解消法を見つけて溜め込まないようにするほか、ストレスを小出しにしたり、うまく小休止する工夫をしたりすれば、ストレスをいくらか軽減することができるかもしれません。
また、悩みを誰かに話したり共感してもらったりすることも、ストレス緩和に効果的と言われています。お客様の話や悩みに耳を傾けることであれば、アイリストとしてもお客様をサポートすることができるでしょう。
外側からの対策
まつげ専用美容液を使用する
まつげに栄養が行き届きにくい状態であるのなら、外側から自まつげに栄養を与えてあげるのも方法のひとつ。いまある自まつげを守るだけでなく、これから新しく生えてくる自まつげを強くする効果も期待できます。
サロンのオプションメニューとして導入しているのであれば施術メニューといっしょにおすすめしたり、扱いがない場合でも、お客様自身にホームケアとしてすすめてみたりするとよいでしょう。
ストレスが原因でまつげに影響が出ている場合は、体や心が悲鳴を上げているサイン。マツエクのデザインやモチを左右するだけでなく、放置するとうつ病や精神疾患を招いてしまう可能性も否めません。
担当しているお客様の施術時に「ここ最近、なんだか以前よりまつげに元気がなくなったような気がする…」と感じた場合には、クレンジング材を変えたかどうかなどのヒアリングや会話のなかで、合わせてストレスの有無もさりげなく探ってみるようにしましょう。もし、ストレスを感じていらっしゃると判断できた場合には、上述したような予防や対策を立てることで、まつげや体の状態が悪化してしまうのを防ぐことができるかもしれません。
まとめ
マツエクを長く楽しんでもらうためには、まつげの手入れをするだけではなく、体の内側からケアをしていくことも大切です。多くの人が何かしらのストレスを抱えていると考えられますが、小さなストレスでも放置すると大きなものとなり、まつげにもその症状が現れるかもしれません。ぜひお客様にもストレスとまつげの関係性についてお伝えしてあげるといいでしょう。自覚症状もあり、悩まれているお客様には対策法もいっしょに案内してあげられるといいですね。Emm190504
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