「マツエクと目薬の相性」ってあるの?マツエク装着中の目薬の使い方について知っておこう

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Beauté読者様から「マツエク装着中の目薬の使用は、問題ないのでしょうか?」というご質問をいただきました。アイリストは特に目を酷使する仕事。疲れ目のケアや気分のリフレッシュなどの目的で、目薬を愛用しているという人も多いのではないでしょうか。今回は、普段何気なく使っている目薬とマツエクの相性について今一度考えてみましょう。

目薬の成分によりマツエクは取れやすくなる?

一般的に目薬は、以下のような症状の改善や目的で使われる医薬品です。

目のかすみ・疲れ
目の乾き
目のリフレッシュ
コンタクトの不快感
ものもらい・結膜炎
目の充血
アレルギーなどによる目のかゆみ・充血 など


目薬は、ものもらいや結膜炎などの治療に用いられますが、目に爽快感を与えたり、目のかすみや疲れを解消したりと、割とライトな目的で使用されることも多い医薬品です。
近年では、スマホやPCを長時間使用することにより目に負担がかかり、ドライアイの症状を訴える人が増加していることもよく知られています。ご存知の通り、ドライアイとは涙の分泌量が減ったり、涙の質が低下したりすることによって、目の表面をうるおす力が低下した状態のこと。日本眼科学会によると、現在、日本では約800~2,200万人ものドライアイ患者がいるといわれています。
このようにドライアイの患者が増え続けている今、マツエクを装着している人の中にも、目の乾きを解消する目的で日常的に目薬を使用している人も多いと予想されます。
では、マツエク装着中でも、普段どおりに目薬を使用してもよいのでしょうか?

目薬の主な成分とは?

一般的に目薬は、涙に近い性質を持つ人工涙液に、はたらきの異なるさまざまな成分を添加して作られています。商品によって配合成分や配合量は異なりますが、ドラッグストアなどで市販されている目薬の多くは、以下のような成分で構成されています。

成 分

はたらき

コンドロイチン硫酸エステルナトリウム

角膜保護成分:涙の蒸発防止作用により目にうるおいを与える

L-アスパラギン酸カリウム

アミノ酸類成分:目の組織呼吸を高める

タウリン

アミノ酸類成分:目の組織代謝を促進する

ビタミンB6

(ピリドキシン塩酸塩)

ビタミン成分:目の組織代謝を促進する

天然型ビタミンE

(酢酸d-α-トコフェロール)

ビタミン成分:血行を促進し、栄養を送り届けることで疲れ目を改善する

クロルフェニラミンマレイン酸塩

抗ヒスタミン成分:ヒスタミンのはたらきを抑え、炎症やかゆみを改善する

 

また目薬にトロみを付けたり、品質を安定させたりするための主な添加物として、以下の成分があげられます。

ホウ酸、ホウ砂、L-メントール、ユーカリ油、クロロブタノール、ベンザルコニウム塩化物、エデト酸Na、ポリソルベート80、pH調節剤など 

目薬はマツエク装着中でも問題なく使用できる

目薬に含まれる主な成分を確認しましたが、どれを取っても硬化したグルーに影響を及ぼすような強い成分はありませんでした。またpHに関してもチェックしてみたところ、一般的に目薬の多くは、涙に近いpH7.5~8の弱アルカリ性に調整されているので、グルーに影響を及ぼすとは考えられません。

以上より、目薬の成分がマツエクに悪影響を及ぼす可能性はほぼないといえるでしょう。

ただし、目薬が液体の医薬品であることには注意が必要です!

装着直後の点眼には注意が必要!

目薬の成分自体は、マツエクに影響することはなさそうですが、忘れてはいけないのは目薬が液体であるということです。
マツエクが特に水分を嫌うのは、グルーが完全硬化する前、つまり施術直後ですよね!これまでのBeautéでも、完全硬化前のグルーに水分が付着したときに起こるさまざまな問題を解説してきました。

ここで今一度、マツエクを装着してから完全硬化するまでに濡れるとよくない理由をおさらいしてみましょう。

マツエクのモチが悪くなる

グルーが完全硬化する前に多量の水分に触れてしまったり、長時間水分に触れたままの状態になったりしてしまうと、硬化がスムーズに進まず、接着力が落ちてしまう可能性があります。見た目では問題なく接着できているように見えても、触ったり、タオルの繊維に引っかかったりするような弱い刺激で、簡単にエクステが取れてしまうことも…。

白化現象が起こる

白化現象とは、完全に硬化していないグルーに水分が付着することにより起こる現象。ひとたび白化現象が起きると、グルーが元の状態に戻ることはありません。よって、マツエクの見た目を大きく損なってしまいます。

アレルギーを起こす可能性が高まる

グルーは完全に硬化するまでの過程で、ホルムアルデヒドという揮発成分を発生し続けます。このホルムアルデヒドは水に溶けやすいという性質を持っており、水に溶けたホルムアルデヒドが目のまわりの皮膚や粘膜に付着すると、アレルギー反応を引き起こす恐れがあります。硬化の際に発生するホルムアルデヒドはごくごく微量ではありますが、敏感な人には注意が必要です。

目薬使用の注意ポイント

施術直後の目薬の使用は、極力控える!

理由:グルーが完全に硬化する前に水分が付着すると、グルーの接着力低下・白化現象・アレルギー反応などを引き起こす可能性があるから。


▼こちらの過去記事でも、完全硬化前のグルーが水分に付着してはいけない理由を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

普段の目薬の使い方にも注意が必要?

グルーが完全に硬化すれば、水分が付着したとしても白化現象やホルムアルデヒドによるアレルギー反応を引き起こす可能性はほぼなくなるでしょう。しかしご存知のとおり、グルーが完全に硬化したあとも、マツエクにとって水分が大敵であることに変わりません。

▼マツエクのホームケアについてまとめた過去記事でも、マツエクが水分に弱いということは解説しています。

マツエク装着中は、洗顔やお風呂、汗などのほか、目元に水分を滴下する目薬の使用にも注意が必要ということは納得ですよね。では、マツエク装着中にふさわしい目薬の使い方とは、どのような方法なのでしょうか。

目薬の正しい使い方とは?

普段、目薬をどのように点眼していますか?そもそも、正しい方法で目薬をさせているのでしょうか?以下、点眼薬に特化した参天製薬が推奨する正しい目薬のさし方を参考にまとめました。

1.手を洗う

画像元:参天製薬 正しい目薬のさし方

まず、手をせっけんでよく洗います。汚れている手で目薬の容器の先を触ると、目薬が汚染されてしまう可能性あり。

2.キャップを清潔な場所に置く

画像元:参天製薬 正しい目薬のさし方

容器から取り外したキャップを清潔なところに置き、汚染を防止します。

3.点眼する

画像元:参天製薬 正しい目薬のさし方

目薬を目の中に確実に入れます。聞き手で目薬を持ち、反対の手で下まぶたを軽く引きながら点眼するとやりやすいでしょう。

4.しばらくまぶたを閉じる

画像元:参天製薬 正しい目薬のさし方

目薬が涙点(るいてん)から流れ出ていかないよう、しばらくまぶたを閉じるか、目頭を軽く押さえます。目薬が流れ出てしまうと薬の効果が発揮できなくなるため、パチパチとまばたきするのはNG!

5.あふれた目薬をふき取る

画像元:参天製薬 正しい目薬のさし方

目のまわりにあふれ出た目薬を、清潔なガーゼやティッシュでふき取ります。

正しく使えば、ほぼ問題なし!

普段、目薬を使うとき…目をパチパチしたりしていませんか?よく見る光景ですが、目をパチパチすると、目薬があふれ出て効果が十分に発揮されないそうです。この誤った方法は、マツエクに目薬が大量に付着する可能性があるので、マツエクにとってもNG行為といえます。
また正しい目薬のさし方の「あふれた目薬をふき取る」という最後のステップは、マツエクに水分を付着させないという意味でも大変重要です。

つまり目薬の正しいさし方を実践すれば、マツエク装着中であっても問題なく使用できるといえるでしょう。

まとめ

今回は、マツエクと目薬の相性についてまとめました。目薬は成分が問題なのではなく、目薬の水分がマツエクに影響を及ぼす可能性があります。しかしマツエク装着中だからといって、特別な目薬のさし方をする必要はありません。目薬本来の正しい点眼方法を実践すれば、マツエクを装着していても問題なく使用することができるでしょう。お客様から目薬の使用について質問された際には、的確にアドバイスしてくださいね!190626Euk

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