グルーが馴染まない!原因と困ったときの対応策は?お声がけの参考になる質問例も
毎日数多くの施術を行っていると、中にはどうしても「あれ?なんだかグルーが馴染んでいない気がする…」というようなこともありますよね。グルーが馴染まない原因にはさまざま理由がありますが、よく挙げられるのは『油分』と『水分』ではないでしょうか。よくある分だけ、悩んでいるアイリストも多いはずです。
今回はBeauté読者から寄せられたお悩みをピックアップし、グルーが馴染まないときの原因と対応策について紹介していきます。お客様へお声がけするときに参考にできる質問例も記載しています。
馴染んでいない?と感じたら、まずは原因を探ろう
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今回、読者のアイリストからBeautéに寄せられたのは、こんな質問。
この『なんだか馴染んでいない気がする』というお悩み、アイリストなら誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。
マツエクのグルーは非常にデリケートなものです。どのサロンもグルーの管理に気を遣っていますよね。また、常日頃から施術速度を落とさないために努力を重ねていると思います。スランプなどの要因がないようなら、安定して施術が行えるはずです。
しかし、グルーをしっかり管理している・アイリスト自身にも落ち度がないと思っているときでも、どうしても冒頭のお悩みのようなケースが出てくることも。
まずしてほしいことは、状態を把握すること。あなたが「馴染んでいない」と感じたとき、以下のどちらに近い状態でしょうか?
◆硬化しきっておらず、接着できなくて馴染んでいない感じ
グルーが弾く場合・硬化しきっていない場合とでは、原因に違いがあります。現状をよく理解・把握し、原因の裏にある根本的な問題を突き詰めていきましょう。そうすれば、「なんだ、これが原因だったのね!」とスッキリ解決するかもしれません!
さて、次からは「弾いてしまう」「硬化しきっていないかも?」というときの原因と対策法について見ていきましょう。
弾いてしまうときの原因とは?できる対策は?
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「グルーが自まつげに馴染まず弾いてしまっている感じ」の場合、まつげや目元の油分が原因となることが多いようです。マツエクと油分の関係についてはいろんな見解がありますが、オイリーまつげや目元に油分が残っている状態だと、エクステが接着しにくいのは事実です。
弾いてしまう…その原因とは?
どんなところにマツエクが弾く原因となっている可能性があるのでしょうか?サロン側に起因すること・お客様側に起因すること、両方見ていきましょう。
◆前処理が不十分で、まつげの油分や汚れがしっかり落ちていない
◆施術回数が少ないなどカウンセリングが不十分でお客様の肌・毛質について理解しきれていない
◆お客様の前日・当日のコンディションが把握しきれていない
◆当日、目元のメイクをして来てしまった
◆前処理剤では取り除きにくい、日焼け止めやアイクリームなどを塗っている
◆自まつげがオイリーで、もともと弾きやすい毛質
◆その日の体調や肌のコンディション
できる対策は?お客様には、どのようにお声がけしたら良い?
原因について分かったところで、次は対策について知りましょう。お客様側に起因する可能性が高い場合のお声がけ方法についても述べています。
前処理で目元・自まつげ周辺の油分や汚れ・メイクをしっかり落とす
クレンジングやプライマー、アイシャンプーなどの前処理は、その後の施術の良し悪しを決める大事な工程。ほとんどのアイリストがしっかり前処理を行っていると思いますが、慣れてくると作業がおざなりになりがち。前処理の方法や手順を改めて再確認してみましょう。
お客様に対しては、可能な部分でご協力いただけないかお声がけしてみましょう。
施術前の目元メイクは事前にご遠慮いただくと良いですが、初めてマツエクをされるお客様の中にはそのことを知らない方も当然いらっしゃいます。予約時などに「マツエクがつきにくくなってしまうため、当日は目元のメイクはせずにご来店くださいね」と事前にお伝えすると良いかも。ネット予約などの場合は事前の確認事項欄にきちんと記載しておきましょう。
また、「前処理をしっかりするとモチが良くなっておすすめです。アイシャンプーはいかがですか?」など、メリットがあることをさり気なくアピールしつつ、オプションメニューをご提案すると良いでしょう。
カウンセリングをしっかりと行い、コンディションなどをチェックする
毛質により自まつげがオイリーな方の場合、なかなかエクステが接着しない!ということもあります。月経のサイクルが原因で、その日だけオイリーまつげになっている、ということも考えられます。
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事前のカウンセリングにて、ある程度毛質やお客様のその日の体調などを把握しておきましょう。施術回数が少ない=カウンセリング回数が少ないということは判断できる素材が少ない状態。「これまでにマツエクが取れやすいことはありましたか?」「本日のご体調はいかがでしょうか?」など、踏み込んで聞いてみても良いかもしれません。
接着強化剤を使う
すでに取り入れているアイリストも多いかもしれませんが、接着強化剤を使う方法もおすすめです。接着力をアップすることで施術時間の短縮にもつながります。過去記事にて詳しく解説しています。参考にしてくださいね。
硬化していないかも…と感じるときの原因や対処法は?
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「硬化しきっておらず、接着できなくて馴染んでいない感じ」の場合、サロン内の環境が影響している、目元や自まつげの乾燥による水分不足であることが原因かもしれません。グルーが硬化するプロセスにおいて、水分=湿度はとても重要な条件の1つです。
硬化しない…その原因とは?
硬化しない原因は何なのでしょうか。こちらも、サロン側・お客様側それぞれの要因に分けて考えてみます。
◆サロン内の温度・湿度が一定でない
◆前処理にエタノールが含まれるものを使用している
◆まつげの水分不足
できる対策は?お客様にお声がけするときはどうしたら良い?
次は対策について見ていきます。お客様にご協力いただけそうな項目は、どのようにお声がけしたら良いか、例文も紹介しています。
温度・湿度を一定にキープする
温度・湿度管理はバッチリ!というサロンも多いはず。しかし実は、温度や湿度に高低で差がある場合も。一般的に湿った空気は上昇しますが、乾いた空気は下に落ちます。これは乾いた空気よりも湿った空気のほうが軽いため。湿っているほうが重い気がしますが、逆なのです。
そのため、床の上に設置した施術用ベッドがある位置と、壁の上のほうに設置してある温湿度計がある位置とでは、誤差が生じているかも。可能であれば、場所を変えて何個か温湿度計を設置してみては。
前処理に使っている商材を見直してみる
目元の汚れなどをしっかり落とすため、前処理にエタノールが配合された商材を使用しているサロンもありますよね。しかし、ちょっと注意が必要です!
通常、皮膚を正常な状態に保つには多少の油分が必要で、油分によって水分の蒸発を防ぎます。揮発性のエタノールによる拭き取りで必要な油分まで除去されてしまうと、自まつげ周辺の水分が蒸発し、まつげが乾燥状態に…。結果的にグルーが硬化する際に必要な水分が不足して、硬化しづらくなってしまうのです。
エタノールが配合されていないものや、ヒアルロン酸など保湿ケア成分入りの肌にやさしいタイプのものに変えるなど、使っている商材を見直すのも1つの方法です。
エクステの接着方法を工夫してみる
通常の施術ではエクステの根元にグルーを必要量つけ、その後自まつげに添わせるようにしつつスライドしながらエクステを装着しますが、ピッタリつかないことも。1度自まつげにグルーをなめすようにしてからスライドさせずに圧着すると、しっかりついてくれるかもしれません。
硬化しないという点に直接アプローチする方法ではありませんが、「なんだか馴染まないな…」と感じたとき、すぐに施術方法を変えることも有効です。
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目元の保湿をおすすめしてみる
グルーの硬化には水分が必要ですが、自まつげが乾燥しているとグルーが硬化しないため、自まつげのケアも大切です。美容液などを使って普段からケアしていただけるようおすすめしてみてはいかがでしょうか。
アドバイスとして、「こすってしまうとまつげのキューティクルが開いて乾燥しやすくなってしまうので、こすらないように注意してくださいね」と添えてみて。
まぶたの状態が良いことが自まつげのコンディション維持につながることを説明したうえで、「アイクリームなどを使ってまぶたをケアするのもおすすめですよ」と伝えてみても良いかも!
まとめ
グルーが馴染まないという悩みに直面するアイリストは多いです。しかし、原因をきちんと突き詰め、サロンの環境や使っている商材を見直す・接着しやすい方法にシフトチェンジするなど対策を取ることで、「馴染まない問題」と決別できるかもしれません。201001Eiy