【100人に聞いてみた!】「マツエク施術中は個室がいい?気にならない?」

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施術中、寝入ってしまうお客様も多いマツエク。「つい毎回寝てしまう」というお客様の中には、周りの目が気にならないよう個室を選ぶ人も多そうですが、実際はどうなのでしょうか。個室には一体どれくらいのニーズがあり、なぜ選ばれているのか、今回、Beautéが直接アンケートを実施。マツエクサロンに通う、100人のお客様を対象に調査してみました!

Beautéが100人に聞きました!実際のデータを検証

まずは個室のニーズについて、アンケートを実施しました。
Q「施術スペースに対しての要望にあてはまるものを選んでください。」

4割のお客さまが個室を希望され、さらに5割程度のお客さまが「仕切られたスペースであれば個室かどうかは気にしない」を選択されています。一方で、個室でなくても気にしないと回答されたお客様は、全体の1割未満。
多くのお客様が、個室もしくは個室に近い空間での施術を希望されていることが分かりました。
次に、施術を受けるとき、ベッドが良いかリクライニングソファが良いかについても調査を実施。結果を見てみましょう。
全体の7割近くがベッド派であるようです。残りの3割程度がリクライニングソファ派。
アンケート結果をまとめると、個室もしくは個室に近い空間で、ベッドでの施術に対するニーズが高いことが分かりました。

お客様のニーズとサロンのメリット・デメリット

サロン経営者としては、お客様のニーズに応えたい!と強く思うものですが、経営面を考えたときに、個室での施術はどうなのでしょうか?そのメリット・デメリットを一緒に整理していきましょう。

【メリット】
・顧客満足度の高い施術が行なえる
・デリケートな会話ができる
大きなメリットは、高い顧客満足度を得られやすい点。個室に対するニーズが高いため、それに応えられるサロンは、お客様にとって探し求めていた“特別”な存在になりやすいでしょう。また、個室には特別感があります。非日常感を味わえる個室は、マツエクなどの美容サロン=リラックス空間と考えているお客様にとって、欠かせない存在。周りの目を気にすることなく、心からリラックスできるその贅沢な空間に魅力を感じ、リピーターとなってくれる可能性が高いと言えます。
さらに、マツエクの施術中は、意外とデリケートな相談を受ける場面もありますよね。例えば
「二重手術を受けたいと考えているのですが、マツエクはどうしたら良いですか?」
などといったデリケートな内容なども考えられますし、長く通ってくださる方の場合は恋愛相談などプライベートな内容もあるでしょう。そういった内容は、可能な限り他のお客様には聞かれたくないものです。個室の場合は、周囲を気にする必要がない点も大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

【デメリット】
・サロンの空間生産性が低下する
・建設費用がかかる
・導線が難しい
難しいところなのですが、経営の観点で考えると3つのデメリットが考えられます。
1つ目は空間生産性の低下。
個室を用意するためには、その分スペースを確保しなければなりません。同じ面積のサロンであっても、個室サロンはベッドが5台しか置けない一方、個室以外のサロンはベッドが6台置けるケースも考えられます。マツエクサロンにとって、ベッドの台数は生産性を左右する問題。1台違うだけで、売上にも大きな影響が出るのです。もし、1人当たりの客単価が5,000~6,000円と高い傾向のサロンであれば、ベッド1台の売上も高いためあまり問題がないかもしれませんが、3,000円程度の客単価が低いサロンであれば、ベッドの台数を増やし、回転率を上げなければなりません。そう考えると、経営者としては完全個室を取り入れにくいと言えます。
2つ目は建設費用の増額。完全個室を作るためには、扉の数や壁の枚数も増えるでしょう。そのすべてに費用が掛かるため、完全個室のサロンは建設費用が高いと言われているのです。それだけではありません。採算を取るためには、その分、客単価を高く設定する必要が出てきます。しかし、客単価の高いお店に対してお客様は、高級感や特別感のある空間を期待されることでしょう。どれだけ取り扱っているエクステの毛質が良く、技術が高かったとしても、店内の雰囲気がチープなだけで
「値段と合っていないのでは?」
と不満が生まれてしまうのです。そのため、期待に応えられるような空間づくりには、インテリアやベッド、設備面への投資が不可欠。結果として、開店までのコストは大幅に膨らむこととなるでしょう。

そして最後に、導線が限られる点に注目。
導線とは、お店の入口からベッドまでの道筋のこと。壁や仕切りなどがなければ、どの角度からでもベッドに向かえますが、個室の場合はその入口からしかベッドに向かえません。例え営業開始後に店舗内のレイアウトを変更したいと思っても、導線が限られている個室サロンは、大幅な変更ができないことを頭に入れておきましょう。

メリット・デメリットを見てみると、完全個室は経営面でのリスクが高いことが分かります。しかし、アンケート結果を見てみても、完全個室にこだわるお客様より、仕切られていれば良いと考えるお客様の方が多い様子。顧客満足度と円滑な経営のバランスを取るためには、完全個室ではなく仕切りのある半個室にすると良いかもしれませんね。

要注意!個室と「消防法」の関係

 

最後に、サロン経営者として見逃せない存在が「消防法」。

消防法とは、「火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的」とする法律のこと
※引用元:東京都消防設備協同組合(http://tfs.or.jp/syoubouhou/index-01-09.htm)

個室といっても、天井まできっちりと壁があるタイプと、天井付近に隙間が開いているタイプがあります。前者が完全個室、後者が仕切りのある個室と考えてください。
前者の場合は、他の部屋との仕切りがしっかりと設けられているため、外に会話が漏れにくいメリットがあります。会議室などでよく見られる形式です。しかし、消防法上1つの「部屋」として判断さるため、各部屋に火災報知器・排煙設備の設置が義務づけられています。その分工事費用が必要です。
後者の場合、天井付近の仕切りがないため、部屋の中での会話も外に聞こえやすいでしょう。しかし、消防法上「部屋」とは分類されないため、火災報知器・排煙設備の設置義務はありません。開業コストを抑えたい経営者にとっては、消防法の観点から考えてみても、仕切りのある個室の方がメリットは多いのではないでしょうか。

なお、反対に仕切りすらなく、サロン内にベッドやリクライニングソファを並べているだけのサロンもあるでしょう。もし「もう少し顧客満足度を上げたい」と考えているなら、パーテーションやカーテンの設置を検討してみませんか?今回Beautéが独自で調査した結果を見ると、仕切られたスペースを求めるお客様が最も多いようでした。つまり、完全個室である必要はないとのことなのです。すでに営業しているサロンに完全個室を導入することは難しいですが、蛇腹式のパーテーションやカーテンなどの導入は難しくないでしょう。周囲の目を気にせず施術を受けられるだけで、顧客満足度は向上するはず。ぜひ前向きに検討してみてくださいね。

まとめ

今回独自のアンケートをもとに、サロンの施術スペースについて考えてきました。お客様のニーズを考えると完全個室も魅力的ですが、経営的には難しい部分もあるでしょう。そこでBeautéとしては、パーテーションやカーテンなどを活用した半個室タイプを推奨します。個室風に仕切られるため顧客満足度は下がらず、かつコストも低いため開業資金も抑えられそうです。その分、アイリストの育成や空間づくりへの投資ができますよね。経営者だけでなく、アイリストや大切なお客様にとってもメリットの多い選択肢と言えるでしょう。サロン開業を検討している経営者のみなさん、ぜひ参考にしてみてください。

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