実は施術スキルによっても違う!1人分のグルー使用量ってどのくらい??
施術ごとにグループレートに出して使用する、マツエクのグルー。みなさんは、一度にどれぐらいの量を準備していますか?他の人がどれぐらい使っているか、知っていますか?実は、施術スキルの高い人ほど量が少なく、反対に施術スキルの低い人は多く準備する傾向にあるのです。ではなぜ、施術スキルによってグルーの使用量は異なるのでしょうか。詳しくご説明します。
1回だせばずっとつかえる?出し直しが必要な理由とは
施術をスタートするタイミングで、グルーをスタンバイさせる人が多いですよね。しかし、最初に出したグルーを、最後までそのまま使い続ける人は少ないでしょう。
・グルーがドロドロしてきた
・グルーが糸を引く
という症状が出始めたら、グルーを追加するタイミング。そのまま使い続けると、扱いづらいだけでなく、さまざまなトラブルが起こりやすくなるためです。
考えられるトラブルは
・適切な量のグルーをエクステに付けにくくなる
・硬化を始めた部分がダマになる
・接着力が弱くなる
以上3つです。
まず注目したいポイントは、エクステに付着させるグルーの量。サラサラした形状のグルーであれば量を調整しやすいのですが、ドロドロしていると多く付着しがちです。初心者の中には
「グルーが多いと、しっかりと接着して良いのでは?」
と考える人もいますが、実はNG。グルーの重さでまつげが下を向きやすくなったり、自まつげに負担がかかって傷みやすくなったり、グルーの量が増える分、発生する揮発成分の量も増えるため、目に染みやすくなるなど、さまざまなトラブルが考えられます。また、量が多いと乾くまでに時間がかかり、湿気に反応する可能性が高くなりますよね。グルーに湿気が付着すると、白化現象の原因となります。白化現象とは、マツエクのグルーが水分に反応し、白く変化してしまうこと。一度白くなったグルーは元に戻せないため、注意したいですね。
付着させるグルーの量は、エクステの1/3程度が目安。多くても2/3程度に抑え、多く付けすぎないよう気を付けましょう。ドロドロとしていて量を調整できないようであれば、早めにグルーを追加してください。
また、グルードーム内で硬化を始めたグルーは、小さなダマを作り始めます。気づかずそのままエクステをくぐらせると、小さなダマが付着。そのまま装着するとデコボコとした見た目になり、美しくありません。量も適切でないため、やはりトラブルの原因になり得るでしょう。
最後に、劣化したグルーは接着力も低下。その分モチも悪くなります。せっかく付けたマツエクがすぐに取れてしまった…とお客様をガッカリさせないよう、新鮮なグルーを使いましょう。
なお、グルーを追加する際は、最初とは別の場所に出します。先に出したグルーの上に重ねてしまうと、すでに劣化し始めたグルーと混ざってしまい、新鮮さがなくなってしまうためです。グループレートの上に、複数のグルードームを作っていくと良いでしょう。
どのくらいでグルーを交換したら新鮮な状態で装着が可能??
では、具体的にどのぐらいの頻度でグルーを交換すると良いのでしょうか。
目安は10~15分ごとと言われています。
グルーは、プレートに出した瞬間から劣化を開始し、少しずつ粘度を高めていきます。先ほども紹介した通り、粘度が高くなりドロドロし始めると、グルーがまつげに密着しづらく、接着力が低下。エクステのモチが悪くなってしまいます。目安時間ごとに定期的にグルーを出し直し、新鮮なグルーを使い続けましょう。
また、目安は10~15分ですが、サロン内の室温や湿度によっても劣化速度は異なります。湿度が高いとグルーに付着する水分量が高くなり、白化現象が起こりやすいだけでなく、硬化も進みやすくなるでしょう。また、室温が高すぎる場合も要注意。シアノアクリレートは熱に弱い特性があり、接着力を低下させてしまいます。
サロン内はグルーの適正温度である20に合わせた上で、もし目安時間が経過していたとしても、
・グルーがドロドロしてきた
・グルーが糸を引く
といった症状が見られたら、新しくグルーを出し直す必要があるでしょう。
グルー使用量と施術スキルの関係
最後に、本題であるグルー使用量と施術スキルの関係性について解説します。
まず、施術時、一本当たりに使うグルーの量は、ベテランでも新人でも変わりません。なぜなら、適正量は先ほども紹介した通り、エクステの1/3程度であり、多くても2/3程度に抑えるべきであるためです。
しかし、グループレートに出すグルーのトータル量は、施術スキルによって増減します。1度に出す量は大体2~3滴程度と共通ですが、施術時間が長ければ、その分グルーの出し直しが必要であることが理由と言えるでしょう。具体例で説明します。
<ベテランアイリストの場合>
ベテランアイリストの場合、施術だけであれば120本でも40本程度で付け終わるでしょう。先ほど、10~15分程度を目安に出し直すことが大切だとお伝えしました。もし10分に1度の頻度で2滴ずつ取り出したと想定すると、こちらのベテランアイリストの場合、120本の施術で8滴分のグルーを取り出した計算になります。
<新人アイリストの場合>
一方、新人アイリストは120本の施術に90分は必要なはず。ベテランアイリストと同じように、10分に1度の頻度で2滴ずつ取り出してみると、18滴分のグルーを取り出すことになるでしょう。
ベテランアイリストと新人アイリストの差は、10滴。10滴あれば、ベテランアイリストはさらにもう1人施術ができてしまいますね。
まとめ
マツエクグルーの使用量と施術スキルの関係性について勉強してきました。サロンに勤務しているアイリストにとっては実感しづらいかもしれませんが、グルーも経費で購入しています。たかが10滴だと思うかもしれませんが、積み重なればグルー1本分、2本分と変わってくるでしょう。年間で見ると、その差は数千円に膨らむかもしれませんね。装着時に使用するグルーの量を節約する必要はまったくありませんが、使わないまま劣化してしまうグルーの量はできるだけ少なく済ませたいものです。だからこそ、1人ひとりのスキルアップが大切。施術スキルが上がり、施術時間を短縮できると、グルーの使用量が減るだけでなく、より多くのお客様を施術できるようになりますよね。それはつまり、生産性アップにも繋がっているのです。微々たる差だからと甘く見ず、出し直しの回数を1回でも減らせるよう、スキルアップを目指しましょう。