プチテクニック!目頭を空けて装着する理由とは?
目を触る癖があったり、花粉症やアレルギーなどで目をこすってしまうお客様には、「目頭空けテクニック」がオススメ!エクステを無意識に触らなくても済むよう、目頭付近を少し空けて施術する方法です。コツや注意点、仕上がり例について詳しくご紹介します。
目頭はどれくらい空けるのが正解?
「目頭のエクステが視界に入って気になる…」
「花粉症で目がかゆくなってこすったときに、指にエクステがあたって気になる…」
などの声は、アイリストのみなさんなら1度は聞いたことがあるでしょう。懸念すべき点は、お客様が気になって触った結果、自まつげが傷んでしまうこと。指でエクステを引っ張ったり横にこすったりすると、自まつげごとエクステが抜けるケースも珍しくありません。たとえ抜けていなくても、引っ張られた衝撃や摩擦により、自まつげのキューティクルが傷んでいることは確かです。
だからこそ、今回紹介する「目頭空けテクニック」は習得必須!お客様の癖に合わせるだけでなく、仕上がり時のデザインを考慮した上で施術できれば、目頭の自まつげを育成でき、かつお客様の「なりたい目元」も実現できる高度なテクニックです。まずは、どれぐらい空ければ良いのか、目安から見ていきましょう。
基本的に、目頭の生え始めから5mm程度空けて装着します。目頭はそもそも産毛の多い部分ですが、その中でも特にこの5mmの範囲内は産毛が多く見られる部分。エクステを付けると違和感を覚えるお客様が多いため、避けておくと良い箇所です。ただし、産毛の多い範囲は人によって異なります。その人にあった範囲を見極め、成長期の毛が増える位置から施術を始めると良いでしょう。
さらに、そのお客様がどの程度の範囲まで気になるのか次第で位置が変わってきます。目頭から8mm空けるだけで気にならなくなる人もいる一方、黒目の始まる部分まで空いていなければ気になる人もいるでしょう。
どこから装着するのかは、鏡を見ながらお客様と一緒に考えることが大切です。
「健康毛」と「両目のバランス」をチェック
付け始める位置を決めるときには
・健康毛であること
・両目のバランスが合っていること
以上の2点に気を付けなければなりません。ここからはそれぞれのポイントをご紹介します。
<健康毛を選ぶこと>
元々目頭には産毛が多く生えています。さらに、花粉症やアレルギーなどで目頭を頻繁にこすったり、癖で何度も触ってしまう人の場合、産毛以外の毛も弱っている場合が多いです。産毛や弱っている細い毛は避け、長さが十分でハリツヤもある健康毛を付け始めの位置に選びましょう。これにより、目頭の違和感を軽減するだけでなく、周辺にある傷んだ毛の育成も可能です。
<両目のバランスが合っていること>
付け始める位置は左右同じでなければなりません。たとえば左目は目頭から5mmの位置に付けているにもかかわらず、右目は目頭から8mm離れた位置から付け始めたとします。すべてのエクステを装着後、正面から見るとアンバランスな仕上がりになっているはずです。必ず同じ位置から付け始めるようにしてください。
目尻も同じです。付け終わる位置も左右同じで、かつ健康毛でなければなりません。
このように、目尻側の一番端に付けるのではなく、健康毛の中から一番目尻側にある毛を付け終わりの毛として選びましょう。このお客様の場合、少し長い毛が目尻側に見えますが、まだ細く長さも足りません。このままエクステを付けてしまうと、自まつげがエクステの重さに耐えきれず、垂れ下がってしまいます。不自然に伏し目がちになったり、眠たそうな見た目に仕上がってしまうため注意が必要です。
では、目頭の位置と目尻の位置が決まったら、早速施術スタートしましょう。
このように、中央に1本装着したら目頭側に1本、そして目尻側に1本装着し、土台を作っておきましょう。その後はいつもと同じ施術方法です。
①中央に1本装着
②目頭側に1本装着
③目尻側に1本装着
④目頭と中央の間に1本装着
⑤目尻と中央の間に1本装着
⑥最初から繰り返す
以上の流れで進めていきます。もちろん、片目ばかり施術するのではなく、両目の施術を並行して行い、両目のバランスを見ながら進めることがキレイな仕上がりを実現する秘訣です。
先ほど、目頭から5mm程度空けて施術するとお伝えしましたが、顔の雰囲気や目の位置などによっては、5mm空けない方がキレイに仕上がる場合もあります。たとえば、目の位置が離れていることをコンプレックスに感じているお客様の場合、目頭ギリギリに付けたり、カールの強いエクステを目頭周辺に持ってきて、目尻に進むにつれてカールを緩やかにしていくと良いでしょう。実際よりも目の位置が近づいて見えるため、コンプレックスをカバーしやすくなります。
きちんと健康毛を選んでいるけれど、お客様の希望するデザインから遠ざかっていたり、反対にお客様の希望は汲み取っているけれど、目頭の悩みが解決していない…となると、お客様の満足度は低下してしまいます。
健康毛であり、かつ目の位置や顔の雰囲気などに合ったデザイン提案を身に付けましょう。
ケース別 どれくらい空けている?
最後に、目頭をどの程度空けて施術するのか、画像を元にご紹介します。
<花粉症でよく目をこするお客様の目頭>
こちらが、今回のモデルさんの目元です。目頭を見てみると、やはり産毛や細い毛ばかりで、健康毛は見当たりませんね。通常5mm程度空けると紹介しましたが、コチラのモデルさんの場合はもう少し範囲を広げると良さそうです。
最も目頭側にある健康毛は、目頭から7mmに位置していました。そのため、このように健康毛である7mmから付け始めていきます。
「7mmだと隙間が空きすぎて、仕上がりに違和感が出るのでは?」
と不安に感じられるかもしれません。では、仕上がりを見てみましょう。
いかがでしょうか。目頭を空けて施術しているとは感じられないほど、自然な仕上がりになっていますよね。むしろ、こちらのモデルさんの場合は目頭側の自まつげが薄く、目尻に向かって量が増えているため、あえて目頭を少し空け、目尻に向かって流れるようにエクステを装着してすることで、より自まつげに馴染んでいます。モデルさんとしても、気になる目頭のストレスが解消され、過ごしやすくなったのだとか。仕上がりがキレイで、かつ快適さもある施術ができれば、お客様もまたリピートしたくなるでしょう。
<目尻側に毛が残っているけれど、傷んでいるため避けている例>
先ほど、目尻も一番端の毛ではなく、健康毛の中から一番目尻側にある毛を選ぶようご紹介しました。では、一番端にある傷んだ毛は、仕上がり時に目立たないのでしょうか。実際の写真をご覧ください。
いかがでしょうか。確かに目尻側に数本細い毛がありますが、正面から確認してもほぼ目立ちませんよね。また、写真にハッキリと写りこまないぐらい毛が細く、弱っていることが分かります。このまま施術を進めてしまうと、目尻が不自然に下がってしまうため、装着を避けて正解です。あまり目尻が下がりすぎていると、お客様が気になってしまい、目頭と同じように手で触ってしまいます。その衝撃や摩擦で自まつげごと抜けたり、自まつげが傷む原因になるため、エクステの重さに耐えきれる健康毛にだけ施術することが大切です。
まとめ
目がかゆいときや眠たいときには、つい無意識に目を触りがち。特に春や秋のように、多くの人が花粉症に悩まされる時期は付け方に工夫が必要です。カウンセリング時にはお客様の癖やアレルギーについてヒアリングを実施し、必要に応じて今回紹介した「目頭空けテクニック」を実践してみてください。華やかな目元を実現しながら、お客様の抱える小さなストレスも解消できるかもしれません。たとえお客様から「特に目をこするような癖はありません」と言われたとしても、カウンセリング時に無意識に手が目元へ伸びる人も少なくないですよね。意識してはいないけれど、実は無意識にマツエクが気になっていたり、そもそも「マツエクをしていたら多少の違和感があっても仕方がない」と思い込んでいるお客様もいるでしょう。そこで、今回のテクニックの出番。付け方次第で快適さも手に入れられると知ったお客様は、きっとあなたへの信頼をグンと高めてくれるはずです。丁寧なカウンセリングと確かな技術、そしてプラスαの工夫により、さらなる顧客満足度向上を目指しましょう。