施術後、目が乾燥する。グルーによって乾燥するの?テープ貼りのチェックはできていますか?
施術が終わった後、目をギュッと閉じたり、何度も瞬きをしているお客様も多いですよね。それは目が乾燥しているため、涙の分泌を促し、瞳全体に潤いを行き渡らせようとしているのです。ではなぜ、マツエク施術中に目が乾くのでしょうか?もしかしたら、テープを正しく貼れていなかったことが原因かもしれません。今回の記事では、「目の乾燥」という観点から、テープ貼りの技術についてお話しします。
なぜ施術後乾燥するの?
マツエクの施術は、1時間程度目を閉じた状態で行われます。通常、私たちの目は瞬きによって潤いを維持していますが、閉じた状態ではその瞬きができません。そのため、涙の供給ができず、施術後に目が乾燥してしまうのです。
目を閉じた状態での乾燥は、マツエク中にだけ起こる症状ではありません。普段朝起きたとき、目がかすんだり、自然と瞬きの回数が増えた経験はありませんか?これは、睡眠中に瞬きができず、涙の供給が間に合っていないため、目が乾燥している状態を引き起こしているのです。
「でも朝起きたときの乾燥よりも、マツエク施術後の乾燥の方がきつく感じるのだけれど…」
という人もいますよね。それは、マツエクを装着しやすいよう貼っているテープのせいかもしれません。
通常、テープを貼っても目は閉じたまま。隙間が開いていないため、ドライアイの人以外はあまり強い乾燥は感じないでしょう。しかし、もし正しいテープ貼りができていなければ、1時間程度の施術中、常に目が開いた状態です。普段、私たちは1分間に20~30回まばたきをしていると言われています。そう考えると、1時間薄目を開けたままでの施術は、非常に目が乾燥することが想像できることでしょう。では、その乾燥を防ぐためには、どのようにテープを貼ったら良いのでしょうか?次の項目で詳しくご紹介します。
乾燥を防ぐためのテープの貼り方
マツエク施術時には目を閉じてもらい、目の上下にテープを貼りますよね。
下まぶたに貼るテープが、アンダーテープ。
上まぶたに貼るテープが、アッパーテープです。
まずはそれぞれの役割から確認していきましょう。
<アンダーテープ>
1.施術時に下まつげを巻き込まないよう保護する
2.グルーが皮膚に付かないよう保護する
3.仕分けをしやすくする
以上がアンダーテープの役割です。テープを2本使用し、目頭から下まつげを押さえるように貼っていきます。こうすることで、下まつげを施術時に巻き込まず、さらに仕分けもしやすくなるでしょう。
さらに、最初に貼ったテープの上からさらに和紙素材のテープを重ねることで、皮膚の保護も行います。
<アッパーテープ>
1.仕分けをしやすくする
2.装着しやすくする
以上がアッパーテープの役割です。まつげの根元近くにテープを貼り、優しく引き上げることで上まつげの根元を見えやすくします。まつげの生え際が見えるということは、施術がスムーズに進められるということ。テープを貼ると、マツエクの施術は格段に進めやすくなるため、欠かせません。
目の乾燥を防ぐためには、このアッパーテープの貼り方が重要です。強く引き上げすぎていると、薄目が開いてしまいます。テープ貼りが完了したら必ずチェックを行いましょう。
そのとき、頭側からではなく口側から確認することが大切です!頭側からだと陰になって薄目に気付きづらいですが、口側から確認するときちんと目が閉じられているかすぐに確認できます。もし目が開いているようなら、一度テープをはがし、力を緩めて再度引き上げるようにしましょう。
また、貼った時点では目を閉じていても、まれに眠ったタイミングで目が開いてしまうお客様もいます。施術時には定期的に目が開いていないか確認するようにしてください。もし開いていたら、上まぶたに優しくトントンと触れると目が閉じていきます。ぜひ試してみてください。
白目が出たままだとどうなる??
もし薄く白目が見えたまま施術を進めるとどうなるのでしょうか。
1.目が乾燥する
2.ホルムアルデヒドが目に染みやすい
3.ツイザーが目に入る可能性がある
以上3つのトラブルが考えられます。1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.目が乾燥する
誤って目が開いたまま施術を進めると、眼球の水分が蒸発してしまう一方、瞬きによる涙の供給ができないため、目が乾燥します。すると、脳が目の危険を察知。瞬きをしなくても、瞳を守るために涙を分泌します。施術中に涙が流れてきた場合、目が乾燥していることが原因です。
ここで注意すべき点は、白化現象。
みなさんご存知の通り、グルーが完全に乾燥する前に水分が付着すると、白化現象が起こりますよね。涙も水分であるため、グルーに触れると白く変化してしまいます。一度白くなったグルーは元に戻らないため、一度オフして再度付け直す必要があるでしょう。ここでテープの貼り方に問題があると気がつけば良いのですが、そのまま進めてしまうと同じことの繰り返しに。正しくテープを貼って、施術中の涙を防ぐとともに、目を乾燥させないよう気をつけましょう。
2.ホルムアルデヒドが目に染みやすい
マツエク施術中に目が染みる現象は、グルーが硬化する際に発生するホルムアルデヒドが、目の水分に反応して刺激を与えることが原因です。無色透明な気体であるホルムアルデヒドは、目を閉じていても隙間から水分に反応し、刺激を与える可能性もある成分。目の開いた状態では、なおさら刺激を受けやすくなりますよね。そのため、テープを貼った後は目が閉じているか確認し、できる限り目にホルムアルデヒドが入らないような環境を作る必要があるのです。
3.ツイザーが目に入る可能性がある
マツエクの施術は、ツイザーで進めていきますよね。私たちの仕事はmm単位での世界で進められるため、使用するツイザーも先端が非常に細くなっています。基本的にまぶたにすら触れないよう、細心の注意を払って施術を進めているはずですが、お客様が急に動かれた場合や地震が起きた場合などに、誤ってツイザーがまぶたに触れることもあるでしょう。そのとき、眼球を守っている存在がまぶたです。もしテープを正しく貼れておらず薄目が開いていた場合、誤って動いてしまったツイザーの先端が、直接眼球に当たる可能性もあります。
「隙間が開いていても微々たるもの。ツイザーが入るわけがない」
と思っていませんか?しかし、ツイザーの先端は細くなっているため、少しの隙間でも角度によっては目に入ってしまいます。すると、眼球に傷がついたり、炎症を起こすだけでなく、失明の恐れまで考えられるでしょう。たかがテープ貼りですが、その手順を甘く見ると、大きな事故を起こす可能性があります。プロとしてしっかり頭に入れておきましょう。
他にも、仕分けがしづらくなり、誤って産毛や複数の毛をグルーに巻き込んだまま硬化するトラブルも考えられます。テープを貼り終わったら、施術に入る前に正しく貼れているか、必ず確認するようにしましょう。
まとめ
施術後の目の乾燥に直結する、テープ貼りの技術について紹介してきました。どれだけ仕上がりがキレイでも、施術後の乾燥がひどいと「このサロンは施術が下手なのかな」と思われてしまいます。基本であるテープワークを常に振り返り、できる限り快適な環境で施術を進められるよう配慮しましょう。冬などの乾燥が強い日には、サロンの湿度を定期的に確認し、必要に応じて加湿器などを活用しても良いですね。