いつもは大丈夫なのに、突然グルーが白くなるのはなぜ??『白化現象』を理解しよう
いつも通り施術を進めていたはずなのに、なぜかグルーが白くなった…という経験が、アイリストなら一度はあるでしょう。実はこの現象が、よく耳にする「白化現象」です。ではなぜ白化現象が起きてしまったのでしょうか?今回は、改めてグルーの白化現象について勉強していきます。
グルーの『白化現象』知っていますか?
まず、「白化現象とは何か」について知識を深めていきましょう。
白化現象とは、グルーが硬化する際に発生する揮発成分が水分と反応し、グルー自体が白っぽくなる現象のこと。白くなった部分を「シアノアクリレートポリマー」と呼びます。梅雨や夏場などの湿気の多い時期に起こりやすいため、サロン内の湿度管理には注意しておきましょう。
「白化現象が起きたら、グルーに何か問題が発生しているのでは?」
と心配されるかもしれませんが、万が一白化現象が起きたとしても、持続力に影響はありません。
ただし、自まつげやエクステが通常黒であるケースが多い中、グルーが白くなっていると目立ってしまいますよね。客観的に見ると、目にホコリやゴミが付いているような印象を受けます。せっかく美しい目元を手に入れたくてマツエクの施術を受けられているのに、白化現象でまつ毛の根元が白くなるとお客さまとしてはガッカリしてしまうでしょう。
だからこそ、白化現象の発生を予防する必要があるのです。
『白化現象』の原因とは?
白化現象を予防するために、まずは原因を把握しておきましょう。白化現象が起こる原因は、主に7つ挙げられます。
1.適切な前処理ができていなかった
私たちは施術前、自まつげに付着した汚れや油分を落とすために、前処理を行いますよね。実は前処理が、白化現象を予防する大切な工程です。自まつげに汚れや油分が残っていると、白化現象を引き起こしてしまいます。前処理剤を活用し、丁寧に進めていきましょう。
2.前処理後のまつげを指で触った
せっかく丁寧に前処理を行っていたとしても、その後お客様の自まつげに触れてしまうと意味がありません。人間の指には皮脂や水分があるのですが、それが自まつげに付着し、白化現象の原因となります。前処理後は誤って指で触れないよう、細心の注意を払いましょう。
3.まつげに水分が残っている
リペアに使用したリムーバーやクレンジングがきちんと拭き取れていない場合や、前処理剤を付けた後にしっかりと乾燥できていない場合も要注意。グルーが水分に反応し、白化現象を引き起こすこととなるでしょう。マツエクを装着する前の自まつげに水分はNG。一つひとつの手順を丁寧に行いたいですね。
4.施術中にお客様の汗や涙がグルーに付着した
ホルムアルデヒドが目に染みていたり、目が乾燥していると、施術中にお客様が涙を流される場合もありますよね。また、サロンの室温やお客様の体質によっては、施術中に汗をかかれるお客様もいます。その水分にも要注意!グルーに付着すると白化現象の原因となるでしょう。
5.グルーの量が多い
「モチを良くしたい!」と思うあまり、グルーの量を増やしていませんか?しかし、量が多いと、グルーが硬化するまでに時間がかかりますよね。硬化するまでに必要な時間が長いと、それだけ水分に触れるリスクも高まると言えます。また、量を増やしたとしても、モチが良くなるわけではありません。
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適正量で施術を進めることが、モチを良くして白化現象を予防する秘訣です。また、粘度の高いグルーも硬化速度が緩やかな傾向にあります。適正量であれば問題ありませんが、量が多ければ白化現象のリスクも高くなるため、注意しましょう。
6.施術後数時間以内に、水分がグルーに付着した
使用するグルーによって異なりますが、基本的にグルーの表面が乾燥するまでに施術から5時間、内部まで完全に硬化するまでには24時間必要だと言われています。この間にもし水分がグルーに付着すると、モチが悪くなるだけでなく白化現象の原因にもなります。特に、表面が硬化していない5時間以内は要注意!洗顔や入浴、プールやエステなど、汗や水分が目に付着しやすい状況は避けていただくようお願いしたいですね。より確実に白化現象を防止するなら、24時間以内は避けていただくと良いでしょう。
7.装着後の乾燥が十分でなかった
梅雨や夏場などの、空気中に湿度の多い環境では白化現象が起こりやすいと紹介しました。そのため、サロン内での湿度管理を徹底することはもちろん、施術中の乾燥も意識したいところです。前処理後、エアポンプやエアコンプレッサーなどを活用して乾燥させること。そして、装着後も最後にまとめて乾燥させるだけでなく、1本つけるごとに乾燥させると白化現象を予防できます。
以上7点が、白化現象の原因です。今までなぜ白化現象が起こるのか、はっきり分かっていないまま施術を進めてきた人もいますよね。ぜひ原因を見つめ直し、適切な対策を打っていきましょう。
白化現象にならないために気をつけること
最後に、見落としがちな注意点についても2点ご紹介します。
<目薬>
ドライアイや花粉症などで習慣的に目薬を使っているお客様の場合、施術後5時間経過するまで待てないケースも多々あります。その場合は、できるだけグルーに付着しないよう、目の横から流れてくる余分な目薬をティッシュで拭ってもらいましょう。また、施術に入る前に目薬を差してもらうこともポイントです。施術中の涙や不快感を防ぐだけでなく、施術後もしばらくは目薬を差さなくても過ごしてもらいやすくなるでしょう。
<グルーの新鮮さ>
古くなったグルーを使用しないことも、大切なポイント。基本的にグルーには使用期限が定められていますが、その期限内に正しく使用しなければ、白化現象を引き起こします。ドロドロしていたり、糸を引いているようなグルーは劣化している証拠です。白化現象だけでなく、持続力や接着力の低下も考えられるため、すぐに廃棄し新しいグルーを使用したいですね。
まとめ
アイリストとしては避けたい、白化現象について勉強してきました。グルーが白くなった場合、元の色に戻すことはできません。一度オフして、付け替えなければならないのです。だからこそ原因と対策を知ることで、白化現象の予防に努めたいですね。しかしもちろん、サロンで気をつけるだけでは100%予防することはできません。お客様にも協力していただけるよう、今回紹介した予防策について、カウンセリング時や施術中にぜひお話させてもらいましょう。