商材通販で失敗しないマツエク用グルー選び
私たちの“相棒”ともいえる、グルー。メーカーによる商材通販を利用して購入しているサロンも多いですよね。しかし、グルーの場合、購入前に使用感を確認できないため、「想像していた使用感と違う…」とガッカリしたことのあるアイリストも多いのでは?そこで今回は、商材通販でグルーを購入する際のポイントについてご紹介します。
何を見てグルーを選ぶ?SDSとは?
実際に触って確かめてからの購入ができないグルー。サロンで求めている使用感やアイリストのスキルに合う商品を、ネット上に掲載されている情報だけで探さなくてはなりません。みなさんは、どのような情報を主にチェックしていますか?
硬化速度や持続期間、粘度、主成分は必ず見ておきたいポイントですよね。まずは、それぞれの項目から分かる情報について簡単にご紹介します。
【硬化速度】
グルーの販売ページには、多くの場合「硬化速度」が明記されているはずです。超速乾タイプで大体2~3秒、速乾タイプで5秒前後ですが、硬化が緩やかなタイプだと8~10秒の商品もあります。硬化が早ければ早いほど上級者向け、緩やかであればあるほど初心者向けと判断できるでしょう。
【持続期間】
モチの良さを判断するときにチェックしたい項目が、持続期間です。もちろん、使用している環境や施術方法によって誤差はありますが、ひとつの目安となるでしょう。2~3週間程度が一般的なグルーの持続期間であるため、3週間以上の持続期間であれば「モチが良い」と言えます。
【粘度】
マツエクの使用感を左右する、粘度。商品によっては記載のないタイプもありますが、「サラサラ」や「中粘度」などと表現されている商品もあります。サラサラしている低粘度タイプは、その分速乾性も高いため上級者向け。一方粘度の高い商品は、硬化速度も緩やかであるため初心者向けと判断できるでしょう。
【主成分】
マツエクのグルーは、主にエチルシアノアクリレートかブチルシアノアクリレートのどちらかが主成分となっています。
多くのサロンで使用されているグルーは、エチルシアノアクリレートが主成分。モチの良さが特徴です。
一方ブチルシアノアクリレートは、医療グレードと表現されるほど低刺激。敏感肌のお客様でも使いやすいと言われています。
用途に合わせて主成分を選びましょう。
いかがでしょうか。以上4点が、グルー購入時にチェックしておきたいポイントです。しかし、この4点はあくまで使用感や用途を確認するためのチェック項目。サロンで使用するとなると安全性にもこだわりたいですよね。
安全性を確認するためのツールが、SDSです。SDSとは「安全データシート」のこと。グルーに配合された成分が明記されています。通常、マツエクのグルーは薬事法上「雑貨」に振り分けられるため、成分表示の義務がありません。そのためSDSシートを取り寄せなければ、中に何が入っているのか分からない状態。決して、お客様に自信をもって「安全です」と言えないでしょう。しかし、そのSDSですら、メーカー側に発行する義務はありません。つまり、SDSに対応していないグルーは、何でできているのか分からないということなのです。反対に、公表する義務のない情報を提示できるということは、それだけ自信を持って開発している証拠。アイリストが自分で内容成分を確認できるため、安心してお客様に提供できるでしょう。
日本製と海外製の違い
グルーを選ぶときに、先ほどのポイントの他にもうひとつ、“製造国”についてチェックしているアイリストも多いでしょう。
海外製品は飛行機や船で輸送しているため、運搬時の温度の変化が激しい場合も珍しくありません。すると、ドロドロとした劣化状態で届くケースもあるのだとか。こういった事態を避けるためにも、できれば日本製を選びたいというアイリストが多いのではないでしょうか?
しかし、日本製には日本製の良い点があり、反対に海外製にしかない魅力があるため、一概に海外製だからNGとは言えません。
例えば、日本製の場合はグルーの安定性が魅力と言われています。国内で輸送されるため、海外製のように「届いたときにすでに劣化している」という状況は避けられるでしょう。また、サービスも整っているため、万が一そういったトラブルが起きても、多くのメーカーが返品・交換対応をしてくれるため安心です。
一方で海外性のグルーは、用途に合った商品開発が豊富に行われています。特に韓国では、グルーの開発が活発に行われていて、求める使用感にピッタリと合う商品が見つけやすい点が魅力です。また、商品によっては日本製の原材料を使用し、グルーの配合を海外で行っている場合もあります。品質・操作性ともに高いグルーとなると、日本製にはない魅力と言えますね。さらに、韓国の「KC認証」のように、国を挙げた品質保証認証制度により安全性を保障している商品であれば、海外製であっても安心して使用できるでしょう。
とはいえ、海外製だと輸送による品質トラブルが起こる可能性があることも事実です。心配な人は、返品・交換に対応してくれるメーカーから購入すると安心ですね。
こんなグルーには注意!
ここまで、グルー選びのポイントについてご紹介してきました。最後に、「こんなグルーは避けたい!」と判断できる、3つの注意点についても勉強しておきましょう。
1.SDSに対応していない
冒頭でも説明した通り、SDSは安全性を判断するひとつの基準です。もちろん、SDSは義務ではないため、対応していないメーカーもあるでしょう。しかし、アイリストに使用成分を開示できないグルーとは何なのでしょうか?おそらく、不純物を多く配合していたり、ホルムアルデヒドの含有量が多いなど、あまり消費者に知られたくない“何か”があるのでしょう。大切な目元を預かっているアイリストとしては、信頼できないグルーを使用したくないですよね。だからこそ、SDSに対応しているグルーを選んだ方が良いのです。
2.持続期間が長すぎる
商品によっては、持続期間が長すぎるものもあります。通常2~3週間程度であるところ、2ヶ月を超える持続力を持つグルーには注意が必要です。持続力が高いということはつまり、接着力が強いということ。強い接着力を発揮させるために、主成分であるシアノアクリレートの濃度を異常に高めている可能性があるでしょう。シアノアクリレートの濃度が高いと、ホルムアルデヒドの放出量も増加。アレルギーや目の痛みなどのトラブルに繋がるため、異常なほど持続期間の長いグルーは避けることをオススメします。
3.必要以上に安売りしている
最後に、値段が安すぎるグルーも注意が必要です。品質の良い原材料はその分コストがかかるため、安売りしたくてもできないはず。つまり、安くした上でも利益が出るようなグルーは、原材料の質が低いと予測されるでしょう。トラブル防止のためにも、安すぎるグルーは購入しないように気をつけたいですね。
まとめ
実際に手に取って選べないからこそ気をつけたい、商材通販でのグルーの購入。サロン側の求める使用感であるか、アイリストに合うグルーであるか、さらにお客様にとって安全な成分で作られているか、といった3つの観点から選べることが分かりました。忙しいとつい、SDSの存在を忘れてしまったり、チェックポイントを見落としがちですが、「想像と違った…」とガッカリしないよう、購入前には妥協なくチェックしていきたいですね。