マツエクをつけたら「かゆい」!!これって、グルーのせい??

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いくつか考えられるマツエク装着後のかゆみの原因。 原因がアイリスト側のミスによる一時的なかゆみなのか、グルーアレルギーによる危険なかゆみなのかで、今後そのお客様へマツエクの施術ができるかどうかも大きく変わるでしょう。今回は、マツエクでかゆみを感じる原因、グルーアレルギーの知識とアレルギーのお客様へのご案内方法についてご紹介します。

マツエクを付けたらかゆい!!なぜ?考えられる原因とは

大切なお客様への施術で、あってはならないマツエクのトラブル。しかし残念なことに、施術によるトラブルに遭遇する危険性はどのアイリストもゼロではありません。マツエクの装着による目や目のまわりのかゆみには、さまざまな原因があるためです。

出典:独立行政法人国民生活センター

上記は、国民生活センターが実施したwebアンケートをグラフ化したものです。マツエクの施術で、目や目のまわりの「かゆみ・異物感・かぶれ」などのトラブルを経験したことがある10代~50代の女性250名を対象に行われました。アンケート対象者が経験した目や目のまわりの「異変や違和感の原因」として考えられることを複数回答しています。

アンケート結果から、かゆみの原因には「アイリスト側のミス」と「お客様の体質や体調」の2つがあるようです。

・エクステをまぶたに巻き込んでチクチクしてかゆい

・浮いたエクステの根元が皮膚に当たってかゆい

・装着したエクステの根元が近くてかゆい

など、未熟なアイリストが起こしやすいかゆみの原因については、継続的な技術のブラッシュアップ以外に対策はないでしょう。また、

・お客様の額に人工毛やグルーを乗せない

・お客様の顔まわりに施術器具を置かない

・アンダーテープの上でグルーの量を調節しない

などの基本的なポイントも厳守してください。
さらに、不十分な説明で本来は起こり得ないかゆみを招くことも、アイリスト歴に関係なく絶対に防ぎたいもの。サロンに備え付けの資料以外にも自分用のチェックリストを作ったり、同僚のアイリストと定期的にロープレを行ったりして、お客様へのご説明に抜け・漏れがないように対策しましょう。

一方で、お客様ご自身の体調や体質、とりわけアレルギーが原因のかゆみへはどのように対応すれば良いのでしょうか?

グルーアレルギーとは

グルーアレルギーとは、グルーに含まれる成分が原因となって目や目のまわりにかゆみや腫れなどの炎症を引き起こすこと。エクステ装着後48時間以内に根元に赤みや腫れ、かゆみがあらわれた場合はグルーアレルギーの疑いがあります。

グルーアレルギーを引き起こすものは、

・ホルムアルデヒド

・シアノアクリレート

・アクリル系樹脂

・ラテックス

・カーボンブラック

などのグルーに含まれる代表的な成分。しかし、お客様の体質によってはグルーに含まれるその他の微量な成分でもアレルギーを起こす危険があります。

では、どのような体質のお客様がグルーアレルギーを起こしやすいのでしょうか?

グルーアレルギーとその他のアレルギーの関係

出典:独立行政法人国民生活センター

上記は、同じく国民生活センターが実施したwebアンケートをグラフ化したものです。10代~50代の女性1,000名を対象に、まず「マツエクをして目や目のまわりに異変や違和感を覚えたことがあるか」(真ん中の円グラフ)の調査を実施。さらに、どちらのグループでも「アレルギーやかぶれなどの経験はあるか」(左右の円グラフ)の調査が行われました。

食品・花粉・動物・化粧品などでアレルギーやかぶれを経験したことのある人のほうが、経験したことがない人に比べてグルーアレルギーを起こしやすいという結果に。アレルギー体質のお客様は、体調不良や花粉の季節などは特に目や目のまわりが敏感になり、グルーアレルギーが起こりやすくなるようです。
ただし、過去にグルーアレルギーを経験したことのないサロンの常連様やマツエク歴が長いお客様でも、「今後もグルーアレルギーは起こらない」とは言い切れません。グルーアレルギーも他のアレルギーと同じで、ある日突然発症する恐れがあるためです。

では、グルーアレルギーを起こしやすいアレルギー体質のお客様へは、何に気を付けてご案内すれば良いのでしょうか?

アレルギーのお客様へのご案内方法

グルーアレルギーを起こさないために、アレルギー体質のお客様へは予約時・カウンセリング時・施術前・施術後のステップごとにマツエクの注意点をしっかりご案内しましょう。

<予約時のご案内方法>

予約を受けた際、マツエク経験のあるお客様へは施術後に目や目のまわりに赤み・腫れ・かゆみなどのアレルギー症状が出たことがないか伺いましょう。お客様の回答次第で、施術できるかどうかが変わります。

【施術NGの場合】

・グルーアレルギーの症状が出たことがある
・過去の施術で2回以上目や目のまわりが腫れた
というお客様へは、基本的に施術をお断りします。「今後、どのサロンで施術しても同じ症状が出る心配があります」とご説明してください。また、アナフィラキシーなどの命にかかわる重いアレルギー症状が出るおそれがあることもお伝えしたいですね。

【施術OKの場合】

・目やまぶたが少し赤くなったことがある
・一時的にかゆみが出たが、すぐ収まった
と言った程度であれば、パッチテストをしていただき問題なければ施術をお受けします。もちろん、予想されるアレルギー症状のご説明をし、お客様にご納得いただかなければなりません。

【強く施術を希望される場合】

アレルギーの危険性について十分にご説明しても、施術を望まれるお客様もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、パッチテストのご案内と同時に、眼科や皮膚科などの専門医へ一度相談に行っていただくようお願いしましょう。施術OKとなった場合は、医療グレードのグルーを使い、専門医との連携も必要になるかもしれません。

<カウンセリング時のご案内方法>

カウンセリングシートでチェックする

・アレルギーはありますか?

・目や目のまわりの病気はありますか?

・充血しやすいですか?

・マツエクの施術で異変や違和感を覚えたことがありますか?

・本日の体調はいかがですか?

など、カウンセリングシートでお客様の体質や体調についてチェックしましょう。また、すべてのお客様へパッチテストをご案内します。

承諾書にサインをいただく

承諾書は、グルーアレルギーの危険性をお客様へご理解いただき、アイリストが説明責任を果たしたことを証明する資料にもなります。施術ごとに毎回お客様にサインしていただきましょう。あわせて、トラブルが起きた際は迅速に対応するためにも、必ずお電話でサロンへご連絡いただくようにお伝えしたいですね。

<施術前のご案内方法>

まつげやまぶたをこすらない

施術中に目のまわりをこすると、皮膚・粘膜・眼球に傷が付くおそれが。傷付いた場所からは、普段よりもアレルギーの原因となる成分が体を刺激しやすくなって危険です。特に、初めてマツエクをされるお客様へしっかりお伝えしたいポイントですね。

施術中は目を開けない

アレルギーの原因になるグルー中の揮発成分が、必要以上に目や粘膜に触れないようにするためです。アイリストが「目を開けても大丈夫ですよ」というまではしっかり目を閉じるようご案内します。お客様が驚かれないように、不用意にベッドを揺らしたり、床に器具を落としたりしないよう注意しましょう。

<施術後のご案内方法>

施術後の洗顔や入浴に注意を促す

マツエク装着後はグルーが完全に乾くまで洗顔や入浴をしないようにご案内しましょう。グルーが乾く際に出る気体のホルムアルデヒドが水に溶け、目や目のまわりの皮膚に付きやすくなるからです。洗顔や入浴ができるまでにかかる時間は、使用するグルーごとに違うため、グルーの説明書に従ってください。

施術後のトラブルはサロンへ連絡&専門医の受診を

マツエク装着後、目や目のまわりなどに異変や違和感があった場合は、軽度でも自己判断せず皮膚科や眼科などの専門医を受診していただくようお願いしましょう。また、サロンへも報告いただき、サロンの方針にもよりますが、診断書と診察料の用紙をご持参いただくようお伝えします。

まとめ

マツエクの装着でお客様が「かゆい!」と感じられる原因の中で、今回はグルーアレルギーについて詳しくご紹介しました。グルーアレルギーは、もともと食品・花粉・動物・化粧品などにアレルギーを持つお客様がなりやすく、過去に問題がなかったお客様でも突然発症することもあるようです。グルーアレルギーの経験や過去に施術でかゆみがあったお客様へは、残念ながら施術をお断りすることが鉄則。また、施術の際はすべてのお客様へグルーアレルギーが発症するおそれがあることについてご説明し、パッチテストもご案内しましょう。施術前後で注意していだだきたいポイントも抜け・漏れなくお伝えすることも忘れないでください。お客様もアイリストも安心してマツエクの装着ができるサロンを目指したいですね。

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