『どんなイメージが似合うかわからない…』イメージがない方への提案の仕方をマスターせよ
初めてマツエクの施術を受けられるお客様から、「どういうデザインにしたいかわからない」と相談されるケースも多いですよね。みなさんは、どのような提案を心がけていますか?初めてお会いするお客様だと、アイリストにとってもデザイン提案の難易度が上がりますよね。しかし、もし初対面の人にも戸惑うことなくデザインを提案でき、かつ満足してもらえているアイリストなら、「毎回同じデザインだから、なんとなくデザインを変えてみたい」という常連のお客様のご要望にも自信を持って応えられるはず。そこで今回は、なりたいイメージが定まっていないお客様へのデザイン提案の方法とコツについて、一緒に学んでいきましょう。
ステップ1 まずは普段のメイクを聞いてみよう!
最初に知っておきたい情報は、お客様が普段どのようなメイクを好まれているかという点です。
しかし多くのサロンでは、マツエク施術時に薄いメイクで来店してもらったり、そもそもメイク自体を控えてもらうようお願いしていますよね。そのため、服や髪型の雰囲気から察するだけでなく、直接お客様へ普段のメイクについて聞いてみる必要があります。確認したい内容は
・マスカラは塗りますか?
・アイライナーはどのように引きますか?
・そもそもアイメイクをしますか?
・全体的にどのようなメイクを意識していますか?
という5点。その確認内容から、どのようなことが汲み取れるのでしょうか。
1.ビューラーはしますか?
想定できる回答としては、大きく分けて3パターン。ビューラーをまったくしないか、1回のビューラーでゆるくカールさせる場合、そして何度もビューラーをしてしっかりとカールを付けるかに分けられるでしょう。
ビューラーをまったくしないお客様にはJカール、ゆるめのカールを好まれるお客様にはJカールもしくはCカール、しっかりめのカールが好きなお客様にはCカールやCCカールが提案できそうですよね。
2.マスカラは塗りますか?
こちらも大きく分けて3パターンの回答が予測できます。1つはマスカラをまったく塗らないパターン。次いで1回程度マスカラを塗るパターンがあり、最後にマスカラ下地を塗った上で何度もマスカラを重ねるパターンが考えられるでしょう。
この質問では、エクステの太さや長さ、本数が絞れます。
マスカラをまったく塗らないお客様には、自まつげに近い0.12mmの太さを選び、本数も80本~100本あたりの控えめが好まれるでしょう。長さは9mm程度だとナチュラルに仕上がります。
1回程度のマスカラであれば、太さは先ほどと同じく自まつげに近い0.12mmを選び、100~120本程度をご提案。普段のマスカラが「ロングタイプ」のお客様には少し長めの10~11mm程度を提案できそうです。
もしマスカラを何度も重ね、ボリューミーなアイメイクを意識されているお客様であれば、0.12~0.16mm程度の少し太めの毛を120~160本程度でご提案したいですね。先ほどと同じく、「ロングタイプ」のマスカラを使われているお客様には、10~11mmの長さをピックアップしても良さそうです。
ただし、「普段は面倒でマスカラを塗らないんだけど…本当はこんな目元になりたい」というケースも考えられるため、あくまでも参考にしながら詳しくヒアリングしましょう。
3.アイライナーはどのように引きますか?
アイライナーは人によって大きく引き方が異なります。
・目尻部分だけ下向きにラインを引き、タレ目っぽく見せている人
・目頭を中心にラインを引き、離れ目をカバーしている人
・目頭から目尻まで引き、目力をアップさせている人
・目尻のラインを上向きに引き、クールなイメージにしている人
など、さまざまな回答が得られるでしょう。また、ペンシルタイプやリキッドタイプなど、種類によって大きく印象が変わることも。
そんなアイライナーの印象からは、希望する本数やデザインが絞れます。
お客様が重点的にアイライナーを引いている部分は、マツエクでもボリュームが欲しい部分。たとえば「目尻部分だけ下向きにラインを引き、タレ目っぽく見せている人」であれば、マツエクも目尻にかけて長さを出し、タレ目デザインに仕上げると満足してもらえそうです。
また、アイライナーが濃いお客様は本数多め、アイライナーが薄いお客様には本数が少なめだと判断できます。
4.そもそもアイメイクをしますか?
最近は、リップメイクを主役としたメイク方法も人気で、普段からアイメイク自体をしないお客様も増えてきましたよね。そういったお客様の場合、ファッションや髪型は華やかでも、実はマツエクデザインは控えめが好まれたりもします。もしアイメイクをされないお客様であれば、ナチュラルデザインをオススメすると、仕上がり時に違和感が少ないのではないでしょうか。
いかがでしょうか。少しずつ、目指す方向性が見えてきましたよね。このように、まずはお客様の好みを知ることが大切です。
ステップ2 お持ちのイメージはありますか?
最初に、普段のお客様について情報を集めました。しかし、中には「せっかくマツエクを付けるのに、普段と変わらないなんてもったいない」「マツエクでイメチェンしたい」と考えるお客様もいます。
また、あまりアイメイクにこだわりのないお客様の場合、メイクだけでは好みのデザインを絞り切れない場合もあるでしょう。例えばアイライン。先ほど、さまざまな回答パターンを紹介しましたが、そもそも「アイラインで目の印象を変えるテクニックを知らない」お客様も意外と多いですよね。アイライン=目の幅に合わせて引くものだと認識している場合、お客様自身が“自分好み”の目元をアイラインで表現しているわけではないため、アイリストが“お客様の好み”をメイクから察することは難しいでしょう。
それはつまり、普段のメイクに合わせるだけで満足してもらうには、限度があるということ。
そこで次のステップとして、お客様がマツエクに何を求めているのかを知る工程に進みましょう。
・パッチリした目になりたい
・バサバサするぐらいボリュームが欲しい
・普段のメイクが時短できるぐらいにしたい
・すっぴんに合う方がうれしい
など、お客様のイメージをなんとなくでも聞けるだけで、また提案するデザインが変わってくるはずです。
たとえば、先ほどの「普段どのようなメイクを好まれているか」という質問で「アイメイクをしない」と回答されたとします。そうすると、ナチュラルデザインで太さ・長さは自まつげに近いもの。カールはJカール程度の控えめタイプで、本数は80~100本程度を頭に思い描くアイリストも多いはず。しかし、次の質問で
「パッチリとした目になりたい」
という漠然としたイメージが引き出せたとします。いかがでしょうか?先に思い浮かべていたデザインでは、お客様のイメージとは少しズレがあることが分かりますよね。
この2つの情報を掛け合わせると、太さや長さは自まつげに近いエクステを選ぶ点は変わらないものの、カールはCカールやCCカールなどのしっかりしたタイプが好まれるでしょう。本数も100~120本程度で、パッチリとしたイメージに近づきそうですね。
ステップ3 目で見て確認☆
最後に、お客様とイメージのすり合わせを行いましょう。たとえ「しっかりヒアリングしたから大丈夫」と自信があったとしても、実は汲み取りきれていない情報があり、お客様の好まれるデザインと違う仕上がりになるケースも少なくありません。
イメージのすり合わせには、デザイン例がいくつか必要です。イメージしているデザインの写真を見てもらい、
「このようなお仕上がりが、お客様の雰囲気によく似合っていらっしゃるかと思うのですが、いかがでしょうか。」
などとお声がけすると、お客様としてもこれからどのような目元に仕上がるのかイメージしやすく、自分の好みに合っているのか、それとも少しズレがあるのかを施術前に知ることができるでしょう。事前にデザインブックを作成したり、iPadなどのタブレット端末を活用し、画像を自由に見ていただく形式もお客様から喜ばれそうですね。
このとき、デザイン例は1つだけではなく、いくつか見ていただくことも大切!
「この仕上がりは好きだけれど、こっちは好きじゃないかも」
などと、NG例を教えてもらいやすくなります。
たとえば、先ほどの「普段アイメイクはしないけれど、マツエクではパッチリした目元にしてほしい」と言われたお客様の場合。本数カールの角度も確認していただきつつ、「キュートデザイン」が好まれるのか、「ナチュラルデザイン」が好まれるのか、はたまた「タレ目デザイン」が好まれるのかなどを、確認する必要がありますよね。この場合、「ナチュラル」「キュート」「タレ目」の3パターンからまずはデザインを絞っていただき、次に濃さやカールの強さについても画像で見ていただくと安心できるでしょう。
どうしてもイメージが分からなかったり、迷われているお客様には、実際に5~10本程度施術して、自分の目に合うデザインかどうかを確認してもらうことも1つの手段です。特にマツエク自体が初めてのお客様にとっては、まったくイメージが湧かないケースも珍しくありませんが、実際に装着してみるとすぐに好みのデザインが決まったりもします。さらに、実際に装着した状態で確認してもらっているため、仕上がり後のイメージ違いは起こりにくいでしょう。その分、施術に時間がかかってしまいますが、「はじめてマツエクを付けるお客様の満足度」を考えると必要な工程と言えます。初回でイメージ通りの目元が叶えば、次回も継続してマツエクにチャレンジしてくれるのではないでしょうか。ぜひ取り入れてみてください。
まとめ
イメージのないお客様にも満足してもらえる、デザイン提案の方法とコツについて紹介してきました。まずはお客様を“今”を知ること。そしてマツエクへの“期待”が何かを知ることで、アイリストとしての方向性も分かってくるはず。常連のお客様も同じです。今のマツエクデザインのどこが気に入っているポイントで、どこは変えてもいいポイントなのかを知ると、新たなデザインも提案しやすいでしょう。ぜひ明日からのカウンセリングに生かしてみてくださいね。