もしもお客様が【セルフオフ】をして来たら…「危険性の正しい伝え方」とは
アイリストとしては、マツエクの施術からオフまですべてをプロに任せてもらいたいものですが、中には「オフだけ自宅でしてきました」と言われるお客様もいますよね。そんなとき、みなさんはその危険性をきちんとお伝えできていますか?今回の記事では、セルフオフについて勉強していきます。
セルフオフが横行する理由
まずは、お客様が「セルフオフしよう!」と思ってしまう原因から考えていきましょう。
2.花粉症の症状が出始めたから外したくなった
3.時間やお金を節約したい
4.残り少ないから外してしまいたい
以上のようなシチュエーションが考えられるでしょう。
おそらくお客様にとって、マツエクのオフとは、マニキュアを落としたりジェルネイルをオフする感覚と変わらない認識。セルフマツエクは難しそうだけれど、オフぐらいなら自分でできそうだと思われてしまうのでしょう。
そのため、早急にマツエクを外したいときやサロンが遠くて足を運べないとき、少しでも料金を節約したいときなどに、セルフオフされることが予測されます。ただ、セルフオフといえばさまざまな危険性がありますよね。お客様にその危険性をきちんと説明できますか?次の項目で、しっかりと復習しておきましょう。
自分でオフする危険性
セルフオフにも
・リムーバーを購入してオフ
・指でグルーを削りオフ
・オイルに弱いグルーの特性を生かしてさまざまなオイルでオフ
と、色々な方法があります。それぞれの方法別に、考えられる危険性についてご紹介しましょう。
<リムーバー>
リムーバーとは、マツエクのグルーを溶かす液剤。ネット上にはサロン専売品以外に、個人向けのリムーバーも多数販売されているため、一般の人でも簡単に手に入れられるでしょう。しかし、手軽に購入できるからといって、安全なワケではありません。セルフの場合、片目を開けた状態でオフを進めていくため、リムーバーが目に入る可能性が高いですよね。リムーバーには通常、アセトンやメチルエチルケトンなどといった刺激の強い成分が配合されています。これらは、目に入るとトラブルを引き起こす成分。例えば
・充血
・激痛が走る
・目が乾く
・結膜炎や角膜炎などの眼病
以上が主なトラブルです。特に結膜炎や角膜炎などの眼病は、症状によっては失明する可能性もあります。失明は免れたとしても、視力が低下する場合もあるようです。「自分でもできそう!」と軽い気持ちで挑戦したセルフオフに、これほどまでの危険性があるとは思っていないお客様ばかりでしょう。だからこそ、私たちアイリストがきちんと伝える必要があるのです。
また、自まつげへのダメージも要注意。マツエクのリムーバーは刺激が強く、使用時には自まつげが傷んでしまいます。そのためサロンでは、グルーの付着した根元部分にのみリムーバーを馴染ませることで、自まつげのダメージを最小限に抑えるのですが、セルフオフの場合はそうもいきません。毛先までしっかりとリムーバーを馴染ませてしまい、自まつげを弱らせてしまうでしょう。傷んだ自まつげは、エクステの重さや刺激に耐え切れないため、抜けやすくなります。時間やお金を節約し、手軽にエクステを外せるセルフオフですが、目や自まつげのことを考えると、とてもオススメできません。
<指>
まれに、グルーの付いた部分を指で削ってエクステをオフする人もいます。溶剤が目に入るような危険性はありませんが、自まつげのことを考えるとやはりこちらもNG。グルーでしっかりとくっついているため、無理に抜いたり引っ張ったりすると、自まつげごと抜けてしまうでしょう。そうすると、次にマツエクを付けたいと思っても、自まつげの量が少なく、満足にマツエクを付けられなくなるかもしれません。「時間がもったいない」「少しでも節約したくて」と安易に指でエクステを取ると、次回のマツエクにも悪影響があることを説明し、ご理解いただきたいですね。
<オイル>
オイルに弱いというグルーの特性を利用し、オイルクレンジングやベビーオイル、美容オイルなどでセルフオフするお客様もいます。リムーバーとは違い、即効性はありませんが、オイルを馴染ませることで取れやすくはなるでしょう。しかし、付けたばかりのマツエクやしっかり装着されたマツエクの場合、オイルでのオフは時間と労力がかかります。待ち切れず結局指で引っ張ってしまい、自まつげごと抜けてしまったというお客様も多いため、アイリストとしてはオススメできませんよね。
さらに、オイルクレンジングOKのグルーで装着している場合は、オイルでオフすることは難しいでしょう。必ず専用のリムーバーを使い、サロンでオフしてもらうようお伝えしてください。
いかがでしょうか。セルフオフにもさまざまな方法がありますが、目やまつげのことを考えるとやはり推奨できません。
正しいオフの方法
最後に、正しいオフの方法についても振り返っておきましょう。
※目の形に合うように。
②伸ばしたコットンを目の下に挟む
③根元を中心にリムーバーを塗付する
※コットンを少し立てると、リムーバーがコントロールしやすい
④3~5分放置
⑤綿棒で上から押すようにオフ
※少しずつ横にズラしながら押す
⑥乾いた綿棒でまつげに残ったリムーバーを拭き取る
⑦前処理剤で拭き取る
⑧しっかりと乾かす
以上が一連の流れです。
サロンでは皮膚や毛先にリムーバーが付かないよう、切ったコットンをアーチ状に伸ばしたり、コットンを軽く立てたりという工夫をしています。また、お客様の目は両目閉じた状態であるため、リムーバーが目に入るリスクは低いでしょう。さらに、リムーバーを塗付したあとしっかりと放置時間を確保していれば、自まつげを引っ張ることなく簡単にオフできますよね。自まつげのダメージも最小限で抑えられることを考えると、やはりお客様にはサロンでのオフをオススメしたいところです。
まとめ
セルフオフの危険性について、詳しく勉強してきました。アイリストとしてはそのリスクをきちんとお客様に伝えるだけでなく、オフする時間をできるだけ短縮するよう技術を磨くことも求められます。通常20~30分かかる全オフも、技術次第では15分程度に短縮可能。そうすることで「時間がもったいない」というお客様にもサロンでオフを提案しやすくなるでしょう。さらに、「装着後1週間以内はお直し無料」や「自店オフ無料」などの特典を用意しておくと、「思った仕上がりじゃなかったから」「節約したかったから」というお客様からも、サロンでのオフを選ばれやすくなります。お客様の目元を守るためにも、プロとしての知識とスキル、そしてサービスを兼ね備えておきたいですね。