唯一無二の視点で作り出すサロン専売コスメ「Odette(オデット)」を運営 | 株式会社Plan S代表・石井誠一氏インタビュー
今回お話をお伺いしたのは、まつげ美容液をはじめとしたサロン専売商品メーカー「Odette eyelash cosmetics(オデットアイラッシュコスメティクス)」を運営する、株式会社Plan S代表取締役・石井誠一さん。石井さんがアイラッシュ業界に携わるようになったきっかけをはじめ、商品開発や仕事をするうえで大切にしていることなど、詳しくお話を聞かせてもらいました。
【経営者プロフィール】石井誠一さんとは
2006年 エステサロンの営業、ネイルサロンのマネージャーを経て独立
表参道にてまつげエクステ専門店「PLUME EYE BEAUTY」開業
2007年 まつげエクステ専用コスメ&商材「Odette eyelash cosmetics」開業
2008年 「PLUME EYE BEAUTY恵比寿店」オープン
2009年 「ジェルネイル専門店オル」オープン
2010年 リラクゼーションサロン「ジャンナ代々木上原店」オープン
2011年 リラクゼーションサロン「ジャンナ恵比寿店」オープン
2012年 「PLUME EYE BEAUTY銀座店」オープン
2012年 エステサロンを運営する株式会社グルーム代表取締役に就任
2014年 「PLUME EYE BEAUTY自由が丘店」オープン
2015年 香港、シンガポール、アムステルダムのアイサロンと業務提携
現在はオデットアイラッシュコスメティクス、PLUME EYE BEAUTYの運営、アイラッシュサロンのコンサルティング業務など、アイラッシュ関連の事業に注力している。
石井さんとマツエクとの出会い
もともとエステサロンの営業、ネイルサロンのマネージャーをしていたということなのですが、美容業界に興味があったのですか?
美容への興味は、自分自身あまりないのが正直なところです。ですが、サロン運営に携わる前、宝飾品や美顔器の営業をしており、女性の美に対する好奇心や行動力の高さを肌で感じていました。所属していた事業部がなくなってしまったため、何も分からないままエステサロンやネイルサロンに携わるようになったという感じです。
そうだったのですね!そこからマツエクと出会ったきっかけは?
会社に所属してサロンに携わったあと、独立へと動き出しました。独立の手はじめとして雑貨店を表参道に出そうと考えていたんです。その計画段階で、ひとりのアイラッシュ施術者と出会ったのが、方向転換をするきっかけに。前職の知識を踏まえてサロンを開くアドバイスをしていたのですが、ご縁あって一緒にサロンを運営することになりました。それが15年前です。
当時はまだマツエクは新しい技術で、マツエクそのものがほとんど認知されていないような状態。マツエク専門でやっているサロンはほとんどありませんでした。
いざオープンしてみると、「マツエク?何それ、やってみたい!」という人がたくさんいて、当時施術者は2人だけだったのですが、オープンしてすぐに年内の予約が埋まってしまうほど。私もカウンセリングや電話対応をして、必死にサロン運営に携わるという感じでした。
15年間前というと、マツエクが広がり始めた頃ですね。15年間で変わったのはどんなところですか?
創業してからこの15年間、マツエクを取り巻く環境や業界の認知度はとても大きく変わりましたね。当時はサロンを開くために銀行や不動産会社に行くと、「マツエク?なんのお店?」と言われていたくらい。今では、美容感度の高くない人にも認知されるまでになりました。アイラッシュ施術者を目指して美容学校に入ったというスタッフもいますしね。
ただ、女性の美容に対する好奇心やキャッチアップのスキルは、今も昔も変わず、すごいなと感心させられるばかりです。もちろん今では、女性だけでなく男性も美容感度の高い人が多いというのは、15年前と比較して大きな違いかもしれませんね。
サロン運営の傍らコスメアイテムを中心としたサロン専売品を作るメーカー
マツエクサロンをオープンした翌年にOdetteをスタートされたのですね。メーカー業を始めるきっかけは何だったのですか?
お客様に「ウォータープルーフのマスカラは使わないで」「クレンジングはオイルフリーのものでお願いします」など提案していくなかで、「どれを買ったらいいのか教えてほしい」という声が上がったんです。当時取扱いしていたのは韓国ブランドのものが主流でした。その中で、日本製のものの方が安心感があるのでは、と考え自社で開発を始めるようになったんです。
はじめに作ったのは、サロン名をつけたマスカラです。これが好評を得て、ほかのサロンでも欲しい人がいるのではと、「Odette eyelash cosmetics」というメーカーを立ち上げることにしました。そんな理由からスタートしたメーカーですが、当時、お客様はみんなマツエクが初めてだということもあり、施術と合わせてマツエク専用のマスカラやクレンジングを買い求めてくださることが多かったんです。今ではメーカー業がメインになり、日々試作品と向き合っています。
オデットといえばまつげ美容液が人気ですよね。開発に至った理由を教えてください。
そうですね、まつげ美容液はオデットの看板商品です。ありがたいことに、アイラッシュガレージさんのまつげ美容液ランキングでは、上位にうちの商品がいくつも入っていることもあるくらい。嬉しい結果です。社名よりもブランド名や商品名の方が認知されていますね。
開発に至った理由は、自まつげが傷んでいて、希望する本数が装着できないお客様が多かったことから。オリジナルで開発できないかというスタッフの声を受け、開発を始めました。まつげ美容液の効果は、数ヶ月使用しないと分からないため、最低でも1年以上かかります。まずはコンセプトを固めて複数の試作品を作り、コンセプトに沿うものを仕上げていくという工程を繰り返し、ひとつの商品を作るという流れ。自社のアイラッシュ施術者に、毎日モニターしてもらっています。
効果が出ない、他の会社が同じ成分のものを先にリリースしたなどにより、製品化にならなかったものも、実際にありますよ!
石井さんが考える今後の美容業界
これまでにヒット商品を多数手がけていますが、今後手掛けていきたいものには、どんなものがありますか?
今後やろうと思っているのは、メンズコスメです。メンズコスメというとスキンケアが多いのですが、Odetteはコスメを中心とした商品を展開している会社なので、メンズコスメも同じくアイブロウなどを手掛けてみたいと思っています。
実は5年前にもメンズ向けのまつげ美容液を開発したのですが、失敗に終わったんです。当時は美容に興味がない男性向けの商品をコンセプトにしていたのですが、自分が思っている以上に男性の美容への関心は高かった。そこに着目できていなかった反省点を踏まえて、次こそは形にしたいと思っています。
確かに、男性の美容への関心はますます高まっている感じがありますよね。今後美容業界はどうなっていくと思いますか?
そうですね、今や美容は、衣食住の次くらいの立ち位置になっているのではないかと感じています。これからさらにメンズ美容業界も広がっていくんじゃないかな。だからこそ、男性の美容の関心をサポートできるような商品を開発していきたいですね。
老若男女を問わず、多くの人が関心を寄せている美容業界は、廃れることのない業界だと思っています。
そしてアイ業界で言えば、商材や技術の進歩が速く、トレンドの移り変わりも早いと感じています。だからこそアイラッシュ施術者は、お客様に信頼してもらい、二人三脚で歩めるような立場になることが大切だと思っています。トレンドや技術の押し売りではなく、お客様に本当に似合うデザインを提供できる、信頼の上で成り立つ関係を築くことがアイラッシュ施術者には求められるのではないでしょうか。
石井さんが大事にしているもの
会社を経営するにあたって、石井さんが大事にしていることを教えて下さい。
大事にしているのは、人です。
自分が美容に詳しいわけではないので、スタッフや取引先、ひいてはお客様がいないと、何もできません。「自分についてこい!!」というスタンスではなく、「一緒にやろうよ!」という感覚で運営しています。
ただ、美容に詳しくないからこそ、美容に詳しいスタッフたちとはまた違った発想ができることが、会社の強みだとも思っています。知らないからこそ疑問も多いし、疑問をそのままにしないことで、お互いの気づきや発想のきっかけになる。それがマッチして化学反応を起こしたときに、いいものが生まれるのだと思います。
常に念頭にあるのが、スペシャルな提案をしたいということ。社名のPlan SのSは、スペシャルのSなんです。プランAがだめならプランB、なんならプランSはどうですか?と、たくさんの質の良い提案をしていきたいという思いから社名を考えました。
自分は世界に1人しかいないし、このチームも世界にひとつだけ。そして創業15年というこれまで培ってきた経験も踏まえ、世界にひとつしかないオリジナルなものを、これからもスタッフと一緒に作っていきたいと思っています。
まとめ
Odetteはまつげ美容液をはじめ、数々のヒット作を生み出しているメーカー。石井さんだからこその視点が、魅力的な商品開発につながっているのだと分かり、ヒットの由縁を知ることができました。今後のOdetteが展開する商品も、今から楽しみでなりません!220116Ess