【動画解説】眉毛パーマの軟化の見極め方は?コツをチェック
マスク生活が続く中で、目元の印象を大きく変えることができる眉毛メニューの人気が高まっています。自分の眉毛を活かしながら毛流れをナチュラルに整える眉毛パーマもその中のひとつ。お客様のニーズに応じて、眉毛パーマメニューの導入をお考えのサロンも多いのではないでしょうか?今回は、眉毛パーマの施術をする上で重要なポイントとなる「軟化の見極め方」がテーマ。基本のチェック方法について、動画とともに解説します。
眉毛パーマの軟化とは?
眉毛パーマの軟化について解説するまえに、まずは眉毛自体の構造や眉毛パーマの仕組みについておさらいしてみましょう。
【おさらい】眉毛の構造と傷みの原因
眉毛の構造…というと難しく感じますが、基本的には、髪の毛やまつげなどの“毛”と変わりはありません。
眉毛やまつげなどの毛髪は、内側よりメデュラ・コルテックス・キューティクルという 3層構造となっています。ポイントとなるのは、表層部分のキューティクルと中間層であるコルテックス。キューティクルは、髪の表面組織であり、外部の刺激から守って、毛髪にツヤを与える役割もあります。コルテックスは、ケラチンたんぱく質を主成分としており、髪の毛の強さや硬さなどに影響する組織です。
毛髪のパーマでは、まず 1剤で表層にあるキューティクルを開き、中間層であるコルテックスまで薬剤を行き渡らせることが重要なポイントとなります。
注意したいのは、パーマをかける過程で、開いたキューティクルが剥がれて、毛髪全体がダメージを受けやすい状態となること。また、1剤の塗布時間が長すぎると、結合しようとする作用も働き始めるため、毛髪のダメージやカールの持ちにも影響することを覚えておくと良いでしょう。
眉毛パーマとは?
眉毛パーマとは、自分の眉毛を活かしながら、専用のセット剤を使って毛流れを美しく整える技術。特に、眉毛の形が左右で違う人や、毛流れが揃っていないボサボサ眉毛の人におすすめのメニューです。
眉毛パーマでは、ヘアのパーマと同様に、1剤と2剤を使用します。1剤の役割は、眉毛の表面のキューティクルを開いて、毛を柔らかくすること。これを軟化といいます。2剤では、柔らかくなった(軟化した)眉毛の毛流れを整えて、形を固定していきます。サロンごとに異なりますが、眉毛パーマにはまつげパーマと同じ薬剤を使うケースが多くあります。仕組みとしては髪の毛にかけるパーマと同じ方法ですが、デリケートな目元に合うよう化粧品登録されている薬剤などを使用しているのがポイントです。
軟化に注目!眉毛パーマが掛かる仕組みとは?
パーマは、シスチン結合を利用して行うのが特徴です。このシスチン結合とは、毛髪の主要成分であるケラチンを特徴づける強固な結合のこと。眉毛パーマの施術では、還元剤が配合された1剤で毛髪内のシスチン結合を切断。毛髪を柔らかく(軟化)することができます。続く2剤では、1剤で切断したシスチン結合を再び結びつけます。つまり、新たな毛流れを固定することで、パーマをかけることができるのです。
眉毛パーマで重要なポイントとなる“軟化”は、1剤を塗布したときに起こる働き。眉毛パーマでは、この「軟化の見極め」がとても重要になります。軟化とは、シスチン結合が切断されて眉毛が柔らかくなった状態のこと。軟化が不十分な状態では、2剤でうまく毛流れを固定することができず、パーマ失敗となってしまうので注意が必要です。
【眉毛パーマの軟化の見極め方】コツを動画で解説
眉毛パーマの仕上がりを左右するのは、軟化の見極め方。ここでは、軟化チェックの手順や、その他の注意点について詳しくみていきましょう。
眉毛パーマの軟化チェックの方法は?
まずは、軟化チェックの手順を簡単にご紹介します。
1.眉毛パーマの1剤を塗布して、薬剤の使用方法に従い、既定の時間おく
2.時間になったら、マイクロスティックなどを使って、本来の毛流れとは逆方向になでつける
3.軟化不足と判断した場合は、1~2分ほどおいて再度チェックする(その後も軟化が不順分な場合は、1~2分間隔で細かくチェックする)
では、軟化ができている状態とは、具体的にどのように見えるのでしょうか。まずは、1剤をつけた眉毛が軟化してない状態について、動画を見ながら確認してみましょう。
【動画解説】
マイクロスティックで軟化具合を確認した際、眉毛にしっかりとコシがあり、なでつけた方向から元に戻ろうとしていることが分かります。軟化のチェックでこのような状態の場合は、まだまだ軟化不足といえるでしょう。このままでは、うまく毛流れを固定できないので、手順通り1~2分ほどおいて再度軟化チェックをします。
続いて、眉毛パーマの軟化が完了した状態の動画をご覧ください。
【動画解説】
眉毛パーマの軟化では、「毛の戻り」を見極めることがポイントです。1剤を塗った眉毛が柔らかくなり、元に戻る毛がなくなったことが確認できれば、軟化完了のサインです。動画では、毛流れと反対向きになでつけると、元の方向には戻らずにそのままの状態となっています。先ほどご紹介した、軟化不足の状態と比較すると、毛が柔らかくなり、なでつけた方向から戻らないことがハッキリと見て分かりますね。
以上のような手順でチェックすれば、眉毛パーマの軟化をしっかりと見極めることができます。軟化チェックで「毛の戻り」がある場合は、1~2分ごとに時間をおいて、こまめにチェックしましょう。
眉毛パーマの軟化チェックでの注意点は?
眉毛パーマの軟化について、毛戻り以外に注意したいポイントをまとめてみました。
- 1剤塗布後のおく時間は、使用方法をきちんと守ること
- 軟化できていない場合、再チェックまでの時間をおきすぎないこと
- お客様の眉毛の状態を見ながら、薬剤をおく時間を調整すること
- カウンセリングでお客様の毛の短さを事前にチェックすること
軟化チェックでは、毛の戻り以外にも注意したいポイントがいくつかあります。
まず、眉毛パーマで1剤を塗った後におく時間は、使用する薬剤によって異なります。サロンで使用している薬剤の使用方法を確認して、規定の時間を守るようにしましょう。軟化不足だからといって、時間をおきすぎると、眉毛が傷んだり、パーマがかかりにくくなったりする原因にもなります。長い時間放置しないように気をつけてくださいね。
また、ヘアのパーマと同様に、軟化の時間は、お客様の眉毛の状態によって異なります。眉毛が傷んでいる人や脱色している人などは軟化が早いので要注意。逆に、眉毛が剛毛な人は軟化しにくいケースもあります。
そして、もうひとつ忘れてはいけないのが、短すぎる毛は薬剤を塗っても軟化しづらいこと。
こちらの写真を見ると、ツンツンと立った短い毛は、1剤を塗っても毛流れが変わっていないことが分かります。短い眉毛は軟化しづらいので、長く伸ばしてから再度パーマをかけましょう。
眉毛の長さが足りないお客様には、毛が短い部分にはパーマがかかりづらいことを事前に説明することが大切です。カウンセリングでは眉毛の状態をしっかり確認し、お客様にも丁寧に説明をするように心掛けてください。
まとめ
幅広いお客様から人気を集めている眉毛メニュー。眉毛パーマを導入することで、お客様のニーズにさらに応えられるのではないでしょうか。眉毛パーマで重要となるのが、軟化した状態の見極め方です。眉毛を逆方向に動かしても毛の戻りがなく、柔らかい状態となったら、軟化完了のサインです。眉毛メニューに慣れていない方や自信がないという方は、今回の動画を参考に、眉毛パーマのコツをぜひマスターしてください。220130Esh