コンサルタントという立場からアイラッシュ業界を支える存在|エモーショナルマネジメント株式会社代表取締役林哲平氏にインタビュー
今回お話をお伺いしたのは、美容院やアイラッシュサロンに特化したコンサルタントを行うエモーショナルマネジメント株式会社 代表取締役・林哲平さん。美容業界では特に、独立して施術者から経営者に立場が変わると、経営や財務はもちろん、組織づくりなど多くの方が悩みを抱えるのが実情。そんな悩める経営者をサポートするのが、林さんの役目。アイラッシュ業界のコンサルタントに取り組むようになった経緯や組織づくりへの想いについて、詳しく教えてもらいました。
【経営者プロフィール】林哲平さんとは
エモーショナルマネジメント株式会社 代表取締役 林哲平氏
林式ベーシックサロン経営塾 塾長
一般社団法人アイラッシュワールドカップ 理事
マツエク・ヘアサロンに特化したサロンコンサルタント
愛知県を拠点に東京、大阪、北海道、埼玉、福井、福岡など全国のサロンの売上アップ支援を行う。
<メイン顧客>
プレイヤーとして優秀で独立、小規模サロンから順調に成長し繁盛店をつくるも、規模が大きくなるにつれて上手くいかなくなり困っているサロンオーナー。
詳細は公式YouTubeでも紹介されております。
異業種からコンサル業界へ。経験と知識を深めてマツエク業界に
まずは、美容業界のコンサルタントという仕事を始めたきっかけを教えてください。
父親がエンジニアだった影響もあり大学は電気系の学部に入り、そのままエンジニアとして企業に就職したんです。しかし、自分にマッチしていないと感じて9ヶ月でやめてしまって(笑)
親の背中を追うのではなく、本当に自分のやりたいことや得意なことを仕事にしないとダメだなと感じましたね。そこから自分のやりたいこと、得意なことを考えいろいろ調べているときに、コンサルタントという仕事があることを知りました。人に教えるのが好きだったので塾の講師やスーパーバイザーなどの仕事も良いなと思ったのですが、売上の上げ方を教えながらお互いに上を目指すという点に魅力を感じ、未経験でコンサルタント業に飛び込んだんです。
就職してコンサルタントについて学んだんですね!その後どういう流れで独立に至ったのですか?
当時就職したコンサルタント会社も、美容関連のコンサルタント会社でした。そこは売上至上主義で、担当したサロンさんの中には過去最高売上をたたき出したところもあるんです。ですが、売上は過去最高でも、大変すぎてスタッフはもちろんですが、オーナーすら喜んでないんです。それを見て「これは違うな…」と感じました。
経営はただ売上と利益を上げれば良いというわけではないということを学んで、その会社を辞めることに。そのときについてきて下さったお客様がいらっしゃったので、独立の背中を押してもらえた形になりますね。
美容室業界は、アイラッシュ業界に比べると歴史が長く業界としていろいろな失敗をしてきている分、成長もしているので専門のコンサルタントも多く活躍しています。アイラッシュ業界の場合、開業コンサルはあるものの集客と売上が主で、組織づくりや財務について適切なアドバイスをしている人が少なかった印象です。そこで、美容室コンサルタントの経験と知識を、アイラッシュ業界でも活かすことにしたんです。そこから二転三転してようやく今、売上至上主義ではなく目の前のお客様をきれいにするという仕事で利益が伴うモデルができたと自負しています。これをどんどん広げていきたいと思っています。
林さんから見るアイラッシュサロンは、ヘアサロンと比べてどんな印象ですか?
ヘアサロンとアイラッシュサロンの大枠は同じですが、アシスタントがいない=生産性のないスタッフがいないという利益体質が大きな違いだなと思っています。また自分の磨いた技術で売上を上げていきたいと考えている人が多い印象です。
僕自身、マツエク、アイゾーン美容というのは経験がないものですから、一度体験してみようと思ってマツエクをつけてみたことがあるんです。マツエクをつけてみたら、まさにプチ整形といった感じで、目元が華やかになって驚きました。生産性も高いし、面白い業界だと思います。
ヘアサロンコンサルから見えた歴史。独立してぶつかる壁とは?
独立した人の多くが直面するのはどんな問題なのでしょうか。
初めから独立を考えているのはひと握りで、サロンで働いていてある程度自分で売上を上げられるようになると、「オーナーと合わない」「この会社では先がない」といった理由で、独立する人が多いんです。でも、そういった場合、施術者としての力はあるけれど、経営者としての経験や力は身についていません。それはそうですよね、技術者としては経験があっても経営者としては新人なわけですから。
施術者と経営者の必要なスキルは当然ながら違います。技術力がありスタッフから慕われていても、次第に経営者としてのスキルが求められるようになります。小規模サロンで経営している間は良くても、店舗数が増えたり従業員が増えたりとスケールアップする段階で、どう経営していくべきか悩むケースが多いです。次第に自分が何をやりたかったのかわからなくなりモチベーションが下がり、組織も傾きはじめるといったサロンを多く見てきました。
「僕の仕事はサロンオーナー様が求める経営モデルをデザインすること。」
林さんの会社で行っているコンサルタントについて詳しく教えてください。
私の会社は、開業など立ち上げではなく経営が傾いているサロンのV時回復を得意としています。経営には集客と育成、定着、採用、財務という5大テーマがありますが、組織づくりと財務に重きをおいてアプローチしています。アイラッシュ施術者がお客様の求めるまつげを毛質や状態、好みに合わせてデザインするように、僕もクライアント様が描く希望像に合わせて形をつくっていくのが仕事です。みなさんがアイラッシュのプロだとしたら、僕はサロンオーナーのビジョンをもとに組織や利益体質の良いサロンモデルを形にするプロと思ってもらえるとしっくりくるかもしれません。
林さんのコンサルタント=売上と働き方デザインのプロととらえると確かに分かりやすいですね!
そうですね、「コンサルタントって何するのが仕事?」と思われる方もいらっしゃると思います。経済的な成功ももちろん大切ですが、それよりも重要なのは事業が継続的に続くことです。「サロン経営をもっと面白く」をコンセプトに、自分たちの好きな”人をきれいにする仕事“に集中しながら売上もついてくる。そんな働き方をデザインしていきたいと思っています。
多くのサロンを見てきた林さんが感じる組織づくりで大切なことを教えてください。
多くの組織で足りていないと感じる点は、従業員のマインドとスタンスの教育です。マインドとスタンスの教育は、愛社精神やチームワークに直結する部分。プレイヤーとして育てるために技術は教育するけど、社会で働くためのマインドやスタンスが身についていないと、育ったあとに辞めてしまったり、指示を聞かなくなったりしてしまいます。
例えば未経験者であれば「技術も知識もないのに給料をもらえる源泉はどこにあるのか」、技術がある中途社員であっても「目の前のお客様は誰の努力によって用意されているのか」、といったようなことを、理解していて当たり前ではなく言語化してきちんと伝えることが大切です。会社は支え合いであることを始めの時点で共有することが大事だと思っています。こういった下積みにより、経営者と社員の目線が同じになり、従業員をしっかり組織に巻き込むことにつながっています。
また今後も美容というカテゴリは、なくなることはないと思っています。戦後すぐに化粧品のCMが流れたことからも分かる通りです。きれいになることで活力を得ている人も多いですよね。人の美に携わることが力になると信じて片手間ではなく真剣に取り組めば、サロン経営は成功すると思っています。
数字だけでは満たされない。物心共に満たされるからこそ、働くことは楽しくなる
今日話を聞いてすごく大変な仕事だなと感じたのですが…林さん自身はこのお仕事は好きですか?
そうですね、エネルギーは激しく消費しますけど(笑)手前味噌かもしれませんが、自分だからこそできる、という気持ちがあるからですかね……本当に、この仕事は天職だと思っています。売上だけではなく物心ともに満たされるからこそ、働くことは楽しくなる。それはオーナーさんにもお伝えしていますし、僕自身も大事にしていることです。
美容業界は今、さまざまな価格帯や形態のサロンがたくさんあり、集客方法も多様化しています。昔ながらの、技術と接客のみの勝負では生き残れない時代です。集客、採用、開業を学ぶ場所は多いものの、経営を続けていくための組織づくりや財務について学べる場所はそう多くありません。組織づくりや利益で悩んでいるなら、ぜひご相談ください。
まとめ
サロンに特化したコンサルタントに取り組む林さん。今回お話を伺い、違う目線で美容業界を見ることができました。技術を身に付けて独立する流れはそう難しくないものの、経営者としての立場になってから直面する悩みもたくさんあるはず。強い組織をつくることがサロン経営を続ける必須条件であることを再認識しました。経営の面からアイラッシュ業界をサポートしてくれる林さんの今後の活躍に期待が高まります。
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