起業で女性が成功するには?美容業界での起業のコツや支援制度を紹介

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「現在はサロンで働いているけど、いつかは独立したい」「自宅でサロンを開業したい」と思っているアイデザイナーの方は少なくありません。今回は、そんな方に向けて美容業界で女性が起業するコツや支援制度についてご紹介します。最後に、アイビューティ業界で起業・独立し、活躍する女性たちの声もまとめました。起業の第一歩として、基礎知識をみていきましょう。

女性は起業しやすい?美容業界の特徴

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美容業界では、たくさんの女性たちが活躍しています。はじめに、美容業界で起業・独立するメリット、必要な資格についてみていきましょう。

アイデザイナーや美容師として独立するメリット

アイデザイナーや美容師として独立すると、下記のようなメリットがあります。

・仕事とプライベートを両立しやすい

従業員として働くよりも、自由に使える時間が増えることは独立の大きなメリットです。個人サロンを構えた場合には、営業日・営業時間を自分のライフスタイルに合わせることもできるでしょう。自分や家族のプライベートな予定があるときにも、休みを取りやすくなります。

・施術メニューやサロンのコンセプトを自分で決められる

自分が得意とする技術を積極的に提供したり、性別・年齢のターゲットを絞ったコンセプトのあるサロンにしたりすることも可能です。

・自分のペースで働ける、復職できる

働く女性の中には結婚・出産を機に、長期の休みを取得したり、ときには仕事を辞めたりする方もいます。しかし、個人サロン経営の場合、自分のペースで休みを取得でき、仕事復帰の時期も決められるなどのメリットがあります。

美容業界での起業に必要な資格

美容師として働くためには、各都道府県知事が指定する美容師養成施設を卒業して、美容師国家試験を受験、合格する必要があります。

また、アイデザイナーとして働くためにも、美容師免許を取得する必要があります。日本でマツエクが流行し始めた平成16年頃には、免許を取得していない人でも施術が可能でした。しかし、国民生活センターにマツエクによる危害が多く寄せられたことから、アイラッシュ施術者に美容師免許の取得が義務付けられたのです。

美容師免許があればアイデザイナーとして働くことはできますが、その他にも取得することでキャリアアップにつながる民間資格があります。その中から、いくつかおすすめの資格をご紹介します。

・「JEAまつ毛エクステ検定試験」「JEAまつ毛カール検定試験」
運営:一般社団法人日本アイリスト協会
リンク:https://www.eyelist.or.jp/

・「まつ毛エクステンション技能検定試験」
運営:一般社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構
リンク:https://jeca-eyelash.com/

・「プロアイリスト検定®︎」
運営:一般社団法人NEA日本まつげエクステ協会
リンク:https://www.eyelash-exte.jp/

起業の前にチェック!美容関連のビジネスモデルとは

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美容関連のビジネスモデルには、さまざまなパターンがあります。ここでは、代表的なビジネスモデルを3つご紹介します。

サロン経営

最もポピュラーなビジネスモデルは、美容をサポートするサロン経営です。マツエクやネイルのサロン(店舗)を構え、運営・集客・サービスの提供を行います。サロン開業までのステップは、概ね下記の通りです。

1. 事業計画書の作成、提出
2. 資金調達
3. 内装工事、サロンの宣伝
4. 設備・器具・備品の搬入
5. サロンの開業

コンセプト決定からサロンのオープンまでは、少なくとも1年は準備期間がかかるでしょう。スケジュールに余裕を持って進めることが理想的です。

美容関連商品の開発・販売

店舗を構えるだけでなく、商品の開発・販売などを生業にすることも可能です。一例として、アイデザイナーとして活躍しながら、まつげトリートメント処理剤やグルー(接着剤)などを開発・販売している方もいます。美容業界ではトレンドによって求められるものが日々変化しているため、商品開発は今後も市場開拓の余地がある領域といえるでしょう。

セミナー・スクールなどのビューティーコンサルティング

アイデザイナーを目指す方に向けた接客方法・スキルなどのノウハウを学ぶためのコンサルティングを営むケースもあります。その道のプロとして、マツエクの施術について学ぶスクールやセミナーの講師として活躍する方も少なくありません。コロナ禍を経て、通いではなくオンラインでの受講を希望する方も増えています。

女性が起業するために事前に考えておくべきポイント

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起業には、準備することが山ほどあります。ここでは、起業するために事前に考えておくべきポイントを3つご紹介します。

自己分析

起業を考え始めたら、まずは自分の強みと弱みを把握していきましょう。自己分析することで、今後の事業の方向性、軸づくりができるためです。起業するときの経営資源は、自分自身の能力もそのひとつ。強みをどのように活かすか、弱みをどのように補っていくのか、分析することが大切です。自己分析方法として、「SWOT分析」などのフレームワークを使うのも良いでしょう。

市場調査(マーケットリサーチ)

次に、起業の準備として欠かせないことが市場調査(マーケットリサーチ)です。市場調査とは、サービスを提供・商品販売などをするために、必要な情報を集めることをいいます。ターゲットとなる顧客層・サロンを開店する街について調べたり、施術メニュー・価格の妥当性、競合との差別化を検討したりすることもマーケットリサーチの一部です。調査方法としては、自分で行うケース、リサーチ会社に依頼するケースがあります。

ビジネスプランの作成

起業の第一歩としては、ビジネスプラン作成を始めましょう。ビジネスプランは事業計画書とは異なり、事業内容の説明を目的とする資料を指します。事業計画書には売上目標や収益見込みなどの数字をたくさん入れ込みますが、ビジネスプランには具体的な数値を記載する必要はありません。事業の長期的な成長戦略に向けて、下記の内容を盛り込むと良いでしょう。

  • 事業内容
  • 課題と解決方法
  • 商品、サービスの詳細
  • 顧客情報
  • 競合の分析データなど

ビジネスプランを作成する上でも、前述した自己分析や市場調査は非常に役立つでしょう。

女性起業家向けの支援制度と活用方法

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女性が一人で起業するのは大変なこと。政府や各自治体には、起業を目指す方々を支援してくれる制度が数多くあります。ぜひ、チェックしておきましょう。

政府や自治体による女性起業家支援プログラム

経済産業省では、女性起業家たちを支援する懇談会や支援事業などが数多く用意されています。例えば、令和6年度は「ユニコーン創出支援事業(女性アントレプレナーのための地域密着型支援事業)」を実施。各地域の女性起業家たちの支援ネットワーク構築のサポート、全国でのイベントやビジネスプランの発表会などが開催されています。

その他にも各都道府県の自治体で、起業を考える女性に向けたセミナーや交流会、個別面談などが開催されています。起業するにあたっては、ネットワーキング(イベントやセミナーへの参加など)やメンターシップ(プロからの指導・アドバイスを受けるなど)が大切です。政府や自治体主催でさまざまな機会が提供されているため、まずはインターネットなどで情報を調べてみましょう。

サロン開業時などに役立つ補助金制度

自宅などで美容サロンを開業するときには、補助金や助成金などを活用できるケースもあります。ここでは、2つの補助金制度をご紹介します。

・「小規模事業者持続化補助金」
運営:全国商工会連合会
概要:小規模事業者向けの補助金制度
リンク:https://r3.jizokukahojokin.info/

・「ものづくり補助金」
運営:全国中小企業団体中央会
概要:中小企業・小規模事業者向けの設備投資などを支援する補助金制度
リンク:https://portal.monodukuri-hojo.jp/

補助金・助成金を受けるには、対象条件に該当する必要があります。支援内容や申請方法などの詳細は、運営元のホームページなどでチェックしましょう。

起業したばかりの女性ならでは課題とその対策

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起業したばかりの女性たちには、さまざまな課題もあります。よく挙げられる課題やその対策についてご紹介します。

資金調達

まず直面する大きな課題は、開業時に必要となる資金についてです。自己資金で賄えればベストですが、開業時には資金集め(資金調達)を検討する方も多いでしょう。さまざまな資金調達の手段がありますが、ここでは2つの方法をご紹介します。

・「創業支援制度」で融資を受ける
運営:日本政策金融公庫
概要:新たな事業を始める方に向けた創業支援制度
リンク:https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/

・クラウドファンディングの活用
クラウドファンディングとは、不特定多数の支援者より資金を集める方法を指します。プロジェクトページをつくり、目標金額を設定。事業の魅力を伝えて、多くの方に宣伝することで資金調達を行います。

ワークライフバランスの確立

起業家は「ライフスタイルに合わせて自由に働ける」といったイメージがある一方で、多くの方がワークライフバランスの確立に苦戦している現実もあります。とくに女性の場合は、家事・育児・介護などの負担が大きく、仕事とプライベートの両立に課題感を持つ方も少なくありません。

ブランディング戦略

全国各地にさまざまな美容サロンがある中で、商品や提供するサービスの差別化が難しくなっています。他社との差別化・認知度アップのためにサロン独自のブランディングがポイントになるでしょう。ブランディング戦略とは、商品・サービスに対して共通のイメージを持ってもらえるよう検討、戦略を立てること。戦略立てのためには、「SWOT分析」「PEST分析」「3C分析」などのフレームワークを活用するのもおすすめです。

起業・独立したアイビューティ業界で活躍する女性たちの声

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最後に、アイビューティ業界で起業・独立を叶え、活躍する女性たちの事例をご紹介します。

Mays lash&brow design/小野 菜摘さん

元々は、美容師のアシスタント・スパニストとして働いていた小野さん。約15年前にアイビューティ業界に足を踏み入れました。アイラッシュサロンなどで業務委託などさまざまな働き方で約6年間勤務。

その後、運命的な出逢いがあります。たまたま行った美容室で「実はアイラッシュ部門を開設しようと思っている。ここで始めてみたら?」と誘われ、その美容院のアイラッシュ施術者として正社員で5年ほど働くことに。

その後、独立して現在のサロンをオープンすることになりました。今では、カラエクを使ったワンホンマツエクを取り入れる唯一無二のサロンへと成長を遂げたのです…

続きは、Beautéのインタビュー記事をご覧ください!

Lash Plus/Kikiさん

Lash Plus(ラッシュ プラス)代表のKiki(キキ)さんは、海外サロン経営やオフライン大会への参加、マツエク商材の販売・開発など幅広く活躍する女性起業家。初めてサロンをオープンしたのは、ワーキングホリデーで行ったオーストラリアのシドニーでした。サロンを開業した後は、「オーストラリアで一番のサロンになること」を目標に、さまざまな困難を乗り越えてきました…

続きは、Beautéのインタビュー記事をご覧ください!

BONBON BEAUTY STUDIO/佐々木 凡子さん

子どもがまだ1歳のときに離婚を経験した佐々木さん。「手に職をつけて、自分の好きなことを仕事にしたい」と考えました。細かい作業が得意なこと、「家でも働けるかも」といった想いから、たどり着いた職業がアイデザイナーでした。昼間は仕事、夜は通信課程で勉強をして、アイデザイナーとして働くための美容師免許を取得。苦労した経験もたくさんありましたが、負けず嫌いな性格で踏ん張り、独立までには3つのサロンで経験を積みました…

続きは、Beautéのインタビュー記事をご覧ください!

まとめ

美容業界は、美容室やマツエク、ネイルサロン経営など、ライフスタイルに合わせて一人で開業できる仕事も多くあります。つまり、女性が活躍できる可能性が高いフィールドといえるでしょう。「自分や家族のライフスタイルに合わせて働きたい」「自分の得意なことを活かしたい」「好きなことを仕事にしたい」といった方には、独立・起業はうってつけの選択肢です。政府や各自治体でも、起業支援制度が充実しています。これから美容業界における女性起業家を目指す方は、さっそくチェックしてみましょう。

※本記事の内容は、令和6年11月時点のものです。最新情報は、公式ホームページよりご確認ください。

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