カラーエクステ装着時に「層」を使い分けるサロンがある?分け方や効果をチェック
今回は、以前のBeautéで取り上げた「まつげの層」記事へ頂いた、読者からのリクエストがテーマ。「カラーエクステの際に層を使い分ける効果と方法」について、考えていきましょう。自分のサロンでは導入していなくても、他のサロンが導入しているとなると、どんな効果があるのか気になりますよね。早速、検証してみましょう!
あらためて、『まつげの層』とは?
まずは本題に入る前に、まつげの層について、おさらいしておきましょう。
みなさんは、普段の施術のとき、まつげの角度や長さ、向きだけでなく、生えている位置についても意識していますか?
まつげは、アイラインに沿って一筋に生えているわけではなく、4つの層に分かれて生えています。このことについては、Beautéの過去記事でも詳しく解説しました。
それぞれの層は、眼球に近い方から「第1層、第2層…」と数えるのが一般的。層と層の間隔には個人差があるため、ほとんど境目が分からないほど層が密集している方もいますが、誰のまつげにも必ず4つの層が存在しているのです。
このまつげの層というのは、マツエクの質を左右する重要な要素。施術の際に意識出来ているか、いないかは、仕上がりの美しさにも影響してくるでしょう。その理由は、層によって異なるまつげの角度。例えば、第1層目のまつげは下向きに生えていることが多く、第4層のまつげは上に向かって跳ね上がりやすい傾向にあります。アウトラインを揃えるためには、極端に下向き、または上向きに生えている毛には装着しない方がいいでしょう。ただ、角度の違いには個人差があるため、一概には言えません。第1層と第4層に装着するとアウトラインにばらつきが出てしまう方もいれば、第1層や第4層にも問題なく装着できる方もいます。いずれにしても、仕上がってからばらつきに気付くことのないよう、しっかりと層ごとの角度を見極める必要があるでしょう。
今回のテーマである「カラーエクステのときに層を使い分ける」という方法は、まさに層ごとの角度の違いを活かした技術。これは一体どういうことなのか、次で詳しくお伝えします。
カラーエクステの層を変えて装着するとどうなる?
さて、ここからは、今回のテーマについて考えてみましょう。
今回、読者の方から寄せられたご質問は、次のような内容でした。
「カラーエクステの装着のとき、『層』を使い分けるサロンがあるそうですが、なぜなのでしょうか?理由や効果を知りたいです」
今回のご質問にあるような「カラーエクステの際に層を使い分けるサロン」というのは、そこまで多くはないでしょう。まだ、導入できていないサロンの中には、「いつかは、そこまでのこだわりを持って、カラーエクステ装着に取り組んでいきたい!」というところもあれば、そもそも層の重要性をそれほど感じていないところもあるかもしれませんね。
まずは、「なぜ層を使い分けるのか?」について考えてみましょう。
カラーエクステで層を使い分ける理由
カラーエクステの際に、層を見極めながら装着するというのは、より施術の時間がかかってしまうことにもつながります。それでも層を使い分ける理由としては、次のような2点が挙げられます。
色の深みを出すことができる
例えば、濃紺とパステルブルーなどのように、同系色で明るさの異なるカラーを2層に分けて装着した場合、見る角度によって色の重なり方が変化するようになります。層の使い分けがはっきりしていればいるほど、より色の変化を出すことができるでしょう。
カラーをミックスする際のポイントとして、「下側の層に装着したカラーの方が目立たせることができる」という基本的なルールがあります。このルールを理解しておかないと、仕上がりのイメージがお客様の理想から大きくずれてしまうことにもなりかねません。カウンセリングで「カラーミックスをしたい」と望まれた際には、「目立たせたいカラーはどのカラーでしょうか?」と確認するといいでしょう。
アイライン効果を出せる
アイライン効果については、こちらのイラストをご覧ください。
濃色と淡色を2層に分けて装着しています。濃色の根元のラインが揃うことで、まるでアイラインを引いたように目元がはっきりと見えることがお分かりいただけるでしょうか?
濃淡の異なるカラーをミックスする際に、層を意識せずにつけてしまうと、濃いカラーのラインが曖昧になってしまいますよね。一方、層をしっかりと分けて装着した場合には、濃いカラーの根本が揃い、アイライン効果を強く出すことができるのです。
【画像で解説!】層を変えたカラーエクステ装着例
そもそも「層を使い分けるカラーエクステ」というのは、
① 下の層にローカラー、上の層にハイカラーを装着する
② 上の層にローカラー、下の層にハイカラーを装着する
の2つが基本的なデザインパターン。この2つをベースに、目尻だけ色を変えたり、長さを変えてみたりなど、アレンジを加えることになります。
ここでの上の層、下の層というのは、あくまで”その方の装着できる層の範囲内での上下”のこと。第1層~第4層のすべてに装着可能な方と、角度の差が大きく第2~3層にしか付けられない人では、装着できる範囲の層も異なってくるでしょう。この範囲の中で、上気味の層と下気味の層を見極めることになります。
では、実際のデザイン例をご紹介しましょう。
①下の層にローカラー、上の層にハイカラーを装着する
こちらの例は、
- 上の層:パステル系の明るいブルー
- 下の層:濃いブルー(目尻にだけ濃いピンク)
といったデザインになります。
目立ちやすい下の層に濃色を持ってくることで、よりアイライン効果を強く出すことができます。色味もはっきりと分かりやすいため、目を引く印象的な目元にすることができますね。伏し目のときには、上の層のパステルカラーが見えやすくなり、透明感を出す効果も。層を使い分けるカラーエクステの中では、一般的なデザインと言えるでしょう。
②上の層にローカラー、下の層にハイカラーを装着する
一方、こちらの例は、
- 上の層:濃いブラウン
- 下の層:パステル系のブルーとピンクをミックス
といったデザインになります。
先ほどの①のデザインと比較すると、アイライン効果は弱まりますが、明るいカラーを目立たせたい時には、効果的なデザインです。カラーが強く主張しすぎないため、さりげないオシャレを楽しみたい方にもおすすめしたいデザインですね。
まとめ
今回は、カラーエクステの装着方法のひとつとして、「層を使い分けたカラーミックス装着」をご紹介しました。実は、今回の方法によって得られるような「アイライン効果」や「色の深みが出る」といった効果は、層を使い分けなくても、ある程度は得られるというのも事実。しかし、層を使い分けることによって、より強く効果を出すことができます。この方法を取り入れるかどうかは、あなたがアイリストとしてどこまでこだわりたいか次第。層を意識することで施術時間も多少は長くなってしまうため、そのうえで可能かどうかということも考えなくてはならないでしょう。ただ、マツエクの質は間違いなくアップする方法だということは間違いありません。今後スキルアップを考えるのであれば、ぜひ意識してみるといいですね。
この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事
180908Esa