【画像付きで解説】まつ毛ダニが要注意な目元とは?お客様への対応の仕方と改善方法

肉眼で確認することが難しいまつ毛ダニ。お客様のまつ毛の状態を見て「これは怪しい……」と気付くためには、注意すべき状態を知っておくことが大切です。そこで今回は、まつ毛ダニを疑う状態の画像を5つ紹介します。まつ毛ダニが疑われるお客様への対応の仕方や、アイデザイナーができる改善策、お客様へのアドバイスなども紹介しますので、ぜひサロンで活用してくださいね。
マツエクを付けていてかゆいときは「まつ毛ダニ」を疑おう
まつ毛ダニとは、まつ毛の根元にすみつくダニのことです。まつ毛ダニは最大0.4mmほどと小さく、肉眼での確認は難しい生き物。そんなまつ毛ダニは、目元に存在すること自体に大きな問題はないものの、数が増えすぎると目元の不快症状を引き起こします。まずは、まつ毛ダニが増殖する原因・引き起こす症状を知りましょう。アイデザイナーをはじめ、お客様自身がセルフチェックする際にも役立つ項目をご紹介します。
まつ毛ダニの原因は「目元の不衛生さ」
まつ毛ダニが繁殖する原因は、「目元の不衛生さ」です。酸化した皮脂や汚れ・メイク残りなどをエサとしているまつ毛ダニは、目元の不衛生な状態が大好物。まつ毛の根元まできれいに洗えていない状態が続くと、どんどん繁殖してしまいます。
とくにマツエクを付けていると「長持ちさせたい!」という思いから、クレンジングには気を遣うもの。優しくクレンジングすることで、まつ毛の根元までしっかり洗えていない場合があります。
繁殖するとさまざまな不快症状が起こる
まつ毛ダニが繁殖すると起こる症状は以下のとおりです。
• 目がかゆくなる
• 目がゴロゴロする
• まつ毛が抜ける
• 充血する
• 腫れる
• ドライアイになる
マツエクを付けている場合、原因が分からない!というときは、まつ毛ダニが繁殖しているせいかもしれません。まつ毛ダニ自体に強い病原性はないとされていますが、アレルギー反応によって上記のような症状が表れると考えられています。ときには、症状が悪化し、ものもらいや結膜炎など、眼病へと進行する恐れがあるため要注意。まつ毛ダニによって目元にトラブルが発生したり、毛穴にすみついたりすることで、まつ毛が抜けやすくなることもあり、早めの対処が欠かせません。お客様の目元に炎症などのトラブルが起きている場合は、マツエクの施術をせずに眼科の受診を促しましょう。
まつ毛ダニの生態や危険性については、こちらの記事で詳しく解説しています。
画像で確認しよう!まつ毛ダニが繁殖する目元の特徴
左が不潔なまつ毛、右が洗浄後の清潔なまつ毛の画像です。左右を比べると、まつ毛ダニを疑う左の画像には以下のような特徴があります。
小さなまつ毛ダニは肉眼で見えません。しかし、「これからまつ毛ダニが大繁殖しそう!」と疑うには、まつ毛周辺の様子だけで十分。上記のような特徴は、まつ毛ダニが繁殖するために最適な環境といえるでしょう。
【画像付き】まつ毛ダニが要注意なケース5選
ここからは、まつ毛ダニが要注意な目元の画像を5つ紹介します。まつ毛ダニが繁殖しやすい状態を実際に見て学び、症状が出る前にケアをしましょう。
ケース①:アイシャドウが残ってキラキラしている
一見きれいに見えるものの、まつ毛の根元にはキラキラとしたアイシャドウが残っています。
メイク残りはまつ毛ダニの栄養素。メイクが落としきれていない状態が続くと、まつ毛ダニの繁殖につながります。サロンでは施術前のアイシャンプーをおすすめし、自宅でのクレンジング方法もお伝えしましょう。
ケース②:まつ毛の根元がボコボコしている
出典:gluck_5399さん
酸化した皮脂やメイク残りが蓄積され、全体的にまつ毛の根元がボコボコとしています。
まつ毛の根元がポコッとしている状態は、毛穴が詰まっている証拠。毛穴が詰まってものもらいなどの眼病を引き起こす前に、汚れを取り除いてあげることが大切です。まつ毛の中間部分には、フケのようなものがまつ毛に絡まっているのも見受けられますね。
ケース③:「付けまつ毛ののり」のようなものが付いている
出典:gluck_5399さん
マツエクを付けないまぶたの上の部分にも、汚れが残っているのが分かります。「マツエクが少なくなってきたら付けまつ毛を付ける」というお客様は、付けまつ毛ののりが残っている場合もあります。粘着力のあるのりは、クレンジングでもなかなか落としきれません。また、メイクが落としきれない原因として、マツエクの他にウォータープルーフのコスメを使っていることも考えられます。
ケース④:毛穴が詰まっている
こちらの画像も、根元の毛穴詰まりが見受けられます。
一見きれいに見えても、根元がボコボコとしている場合は要注意。毛穴が詰まってまつ毛が抜けてしまい、マツエクが付けられなくなることもあります。
ケース⑤:まつ毛の毛先まで汚れが付いている
こちらの画像は、まつ毛の毛先までメイク汚れが残っています。
毛先までメイク残りがある場合、「マツエクが少なくなってきたら上からマスカラを塗る」というお客様に方に多い印象です。画像のような状態が続かないように、毎日のお手入れ方法を伝えましょう。
まつ毛ダニかも?毛穴に汚れがある場合の伝え方
前述した画像5選に当てはまる目元の場合は、お客様に寄り添いながら伝えることが大切です。「まつ毛の根元が不潔な状態にある」と言われることは、誰にとっても決して気持ちの良いものではありませんよね。とはいえ、アイデザイナーとして、まつ毛ダニの温床となりそうな目元を放っておくわけにはいきません。
そのためには、ネガティブな印象を最小限に抑え、お客様が「しっかりケアしよう!」と前向きに思っていただくことが重要です。
ここからはNG例とOK例に分けて、伝え方の具体例を紹介します。
NG例
まつ毛の状態が気になるお客様に対して、単刀直入な言い方では反感を買ってしまうおそれがあります。
NG例は以下のとおりです。
- 「うーん、日頃のケアがちょっと足りていないようですね……」
ネガティブな言葉で伝えることで、信頼関係が崩れてしまったり、失客や悪い口コミにつながったりするかもしれません。お客様への伝え方が難しいと感じるアイデザイナーさんは、次のOK例を参考にしてくださいね。
OK例
お客様との会話の自然な流れで、クッション言葉を使いながら伝えましょう。OK例は以下のとおりです。
- 「マツエクしていると、目元をできるだけ触りたくないって思いますよね」
お客様にとって上記のような声かけは、アイデザイナーが自分の立場に寄り添ってくれていると感じるでしょう。お客様の悩みに共感しながら、「ただ、お客様の目元の衛生面が少し心配なので、アドバイスさせていただけませんか?」と優しく一言添えると◎!
そのあとで、まつ毛ダニの怖さについてお伝えし、毎日のケア方法をアドバイスしましょう。気遣いが感じられて、かつ順序立った説明は、お客様が受け入れやすく、納得感も高まるはずです。
まつ毛ダニを予防!アイデザイナーができる4つの改善方法
まつ毛ダニが疑われるお客様に対して、アイデザイナーができることは「清潔な状態へ導く」ことです。目元の清潔な状態を保ちながらマツエクを楽しんでもらうために、アイデザイナーができる改善方法を4つ紹介します。お客様のまつ毛の状態に合った方法を提案しましょう。
改善方法①:アイシャンプーをする
目元の清潔を保ってまつ毛ダニを予防するためには、アイシャンプーの提案がおすすめです。
Beautéでもこれまでに何度か取り上げてきましたが、アイシャンプーとは目元専用の洗顔料のこと。市販品やサロン専売品など、さまざまな場所で販売されています。余計な皮脂や油分をしっかり洗浄しながら、涙に近い塩分濃度と弱アルカリ性で目に染みない優れものです。
施術前のアイシャンプーは、まつ毛ダニの予防以外にも、マツエクの持続力アップにもつながって一石二鳥です。
「マツエクへの摩擦が気になって、しっかり洗顔できない!」というお客様には、アイシャンプーを提案しましょう。
▼アイシャンプーについては、こちらの記事をチェック
改善方法②:装着位置を通常より離す
根元の汚れを落とすことに苦手意識がある方へは、通常よりも+0.5~1mm離して着けると良いでしょう。通常、エクステはまつ毛の根元から1~2mmほど離して装着します。通常よりも位置を離して装着することで根元に空間ができ、クレンジング剤や洗顔料が届きやすくなるのです。
ただし、それ以上離すとわずかに伸びただけでもデザインにバラつきが出たり、取れやすくなったりします。「モチが悪くなった」と思われてしまわないよう、しっかりと施術前に説明しましょう。また、装着位置を離す場合は、エクステの長さを普段より短くする提案もおすすめです。
改善方法③:装着本数を減らす
あまりにも多くの本数を装着することで、目元の洗浄が不十分になっている方へは、装着本数を減らすことを提案しましょう。隣り合ったエクステ同士が密着するほどの状態は、クレンジング剤や洗顔料がまつ毛の根元に届かないおそれがあるためです。
また、目元の印象が変わりすぎないよう、エクステの種類やデザインの提案も必要になります。
改善方法④:マツエクを全オフする
お客様がリペア希望だったとしても、汚れが残りすぎている場合は、全オフがベスト!「まつ毛の根元をきれいにして、状態を確認させてください」とお願いしましょう。そして、すべて新しいエクステを装着し直します。
ただし、まつ毛の脱落やハリ・コシの低下が見られる場合には、その日の施術は取りやめましょう。その後しばらくは、お休み期間を設けていただく必要があるかもしれません
アイデザイナーからお客様にアドバイスできること
まつ毛ダニを施術で対策する他に、お客様自身にも普段から目元のケアに取り組んでもらうことが大切です。そこで、アイデザイナーからお客様にアドバイスしたい3つのポイントをご紹介しましょう。まつ毛ダニが気になる、予防したいといったお客様にお伝えしてみてください。
アドバイス➀:クレンジング・アイシャンプーの方法を指導する
日々のメイク残りが蓄積しないよう、まずは正しいクレンジング方法を伝えましょう。クレンジングが不十分でメイク残りがある状態は、まつ毛ダニが繁殖するのにぴったりな環境です。
クレンジング方法の一例は以下のとおりです。
②強すぎない力で、毛流れに沿って優しくなで洗いする
③細かい部分は、綿棒で優しくオフする
サロンでクレンジング剤やホームケアで使えるアイシャンプーを販売している場合は、あわせておすすめしましょう。もちろん、サロンの施術でアイシャンプーを使用するのも、まつ毛ダニ対策として効果的です。一度サロンでアイシャンプーの使用感を体験してもらうことで、お客様にとってハードルが下がる場合もあります。ホームケアとしてアイシャンプーを持ってもらう場合には、使い方もしっかり説明しましょう。
アイシャンプーの使い方は以下のとおりです。
②アイシャンプーを適量取り出し目元に伸ばす
③まつ毛の根元を意識しつつ優しくマッサージするように洗う
④ぬるま湯や水で洗い流す
アイシャンプーもクレンジングや洗顔のように毎日行うのが基本です。お客様に習慣化してもらえるよう、使い方やアイシャンプーの重要性についてきちんとお伝えしましょう。
アドバイス②:衛生管理について
日々クレンジング剤やアイシャンプーを使って目元を清潔にすることはもちろん、メイク道具や寝具などを清潔にすることもまつ毛ダニ対策になります。メイクブラシやビューラーなど、目元に使うアイテムは定期的に洗浄・消毒するようお伝えしましょう。また、枕などの目元に触れる可能性のある寝具は、定期的な洗濯や交換が大切であることもお客様に知ってもらいたいポイント。普段の生活の中で衛生面に配慮することで、まつ毛ダニ対策ができます。
アドバイス③:病院の受診を促す
まつ毛ダニが繁殖している可能性がある、目元に違和感があるといったお客様に対して、場合によっては眼科の受診を促すことも大切です。医療機関を受診することで的確な治療やアドバイスがもらえます。
まつ毛ダニは生命力が強く、眼軟膏や抗菌目薬といった市販薬などで完全に除去するのはなかなか難しいもの。そのため、まつ毛ダニの治し方として、眼科でもアイシャンプーを用いるケースもあるようです。場合によっては長期的な治療になる可能性もあるため、さまざまなトラブルに見舞われる前に眼科を受診するようにおすすめしましょう。
まとめ
お客様の目元をまつ毛ダニから守るためには、注意すべき状態をしっかりと理解しておくことが大切です。今回紹介した画像のような状態のときは、お客様の悩みや立場に寄り添いながら、改善できるように提案しましょう。クッション言葉を使いながら、目元の状態やまつ毛ダニの説明、アドバイスをしてください。お客様に長くマツエクを楽しんでもらうためにも、ぜひサロンでの実践に役立ててくださいね。
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