【スペシャル対談】―サロンを開業する道。サロンで勤務し続ける道―<新田未央さん×青掛里奈さん>
アイリストとしての勤務が長くなると気になり始める、自分の将来像。「一歩踏み出して自分のサロンを開業したい気持ちはあるけれど、なかなか勇気が出ない…」「このサロンが好きでずっと働いていたいけれど、これって甘えているのかな?」など、人それぞれ色々な悩みがあるでしょう。そこで今回は、悩める中堅アイリストに明るい道筋を示すべく、先輩アイリストにお話を伺いました。
今回取材をお願いしたのは…
ホットペッパービューティー全国口コミ総件数№1を誇る「eye+(アイプラス)」を卒業し、独立された新田さんと、eye+取締役を務める青掛さんへお話を伺いました。
2012年1号店を広島八丁堀へOPEN後、次々に店舗を展開。現在は広島・福山・岡山・横浜に7店舗とフランチャイズ店を3店舗抱えるほど、急成長を見せています。主にスクール運営や商材開発などを手掛けており、社員規模は約80名。マツエク業界の中でも、比較的大規模なサロンとして知られています。
さらに、ホットペッパービューティー口コミ総数はなんと全国で第1位!1号店OPEN以来、常に業界へインパクトを与え続ける、注目度の高いマツエクサロンです。
独立を選んだアイリスト、新田未央さん
新田未央さんは、2013年に広島にあるマツエクサロン「eye+(アイプラス)」に入社。元々マツエクの施術経験のある新田さんは、即戦力として期待を一身に受けていました。その期待通り、サロン勤務中は店長として、「店舗賞」を獲得する会社の代表店舗へと牽引しながら、月100万円売り上げるプレイヤーとしても活躍。結婚を機に岡山へ転居し、しばらくは岡山の店舗で勤務を続けたのですが、約1年前に独立されました。今は自宅の一角でサロンを開業し、地域に根付いたサロン経営を目指しながら、日々営業されています。
サロン勤務を選び続けるアイリスト、青掛里奈さん
新田さんよりも少し前に「eye+(アイプラス)」に入社した青掛里奈さん。美容師からの転職で、入社前には「美容師に戻りたい気持ちもある…」と悩んでいたそうです。しかし入社後すぐにマツエクの魅力にハマり、どんどんスキルアップ。入社1年で店長に、入社2年経つ頃にはマネージャーに就任し、自分だけではなく部下やサロン全体でのスキルアップをサポートされてきました。その後結婚を経て、入社3年となる2016年1月には取締役に就任。産休育休を挟み、今では取締役としてスタッフ育成はもちろんのこと、会社運営にも携わりながら、2017年7月にオープンしたばかりの「eye+fam(アイプラスファム)」の店長も兼任するなど、育児・仕事と忙しい日々を過ごされています。
【インタビュー】先輩アイリストが選ぶ"それぞれの道"とは
早速ですが、お2人がアイリストになったきっかけや理由を聞かせてください。
青掛「ちょうど話をいただいたのは2012年の冬。その前までは関西で美容師として働いていたのですが、同棲していた彼(のちの旦那様)と別れ、広島に帰ってきたばかりでした。
当時は美容師としてすぐ働くのではなく、ひとまず飲食店でアルバイトの毎日。そろそろ美容師として戻ろうかなと考えていたタイミングで、知人からeye+を教えてもらいました。正直、美容師への未練もあったのですが、ひとまず話を聞いてみることにした私。社長の第一印象は、とにかく「アツい」でしたね。話を聞きながら感動して号泣したほど(笑)一瞬にして心を奪われたのですが、私自身の気持ちが中途半端な中、無責任に話をお受けできないと思い、一度はお断りしました。それが、年末かな。
その日は「新年会でもしよう!」と言って別れたのですが、社交辞令として受け止めていて(笑)すると、年が明けて本当にお誘いいただいたんです。せっかくお誘いいただいたので、と思ってお会いしたのですが、この日が私のターニングポイント。
とはいえ、説得されたワケではありません。ただ、話の最中に社長が言った『何をするかではなく、誰と働くか、じゃない?』という言葉がガツン!と来たんです。『やってみて、ダメだったら美容師に戻ってみたらいい』という言葉も一緒に、私の背中を押してくれました。
なので私は当初、今のような正社員ではなくアルバイトとして入社。数ヶ月やってみて、自分が本当に美容師に戻りたいのか、じっくり向き合いながら気持ちを整理しようと決めました」
今もアイリストを続けているということは…?
青掛「そうですね。あっという間に、マツエクの魅力にハマりました(笑)エクステを付ける。ただそれだけなのに、付け方やエクステの種類、お客様の目の形やお顔立ちなどによって、仕上がりが全然違うことが、とにかく奥深くて。きっと自分の性格に合っていたんです。夜、家に帰ってからも楽しく自主練をしていました。今思い出しても、やる気に満ち溢れる毎日でしたね」
ありがとうございます。努力家な青掛さんの片鱗がすでに垣間見えていますね。新田さんはどうですか?
新田「私もアイリストになる前は、美容師として勤務していました。私自身、目にコンプレックスがあって、マツエクはもちろん、つけまつげやまつげパーマなど、コンプレックスをなんとかカバーできないか色々試していたんです。その中で特に、『目の印象が変えられる』という点でマツエクに魅力を感じ、アイリストに興味を持ち始めました。当時は、カラー剤による手荒れや、無理な体制での勤務によるヘルニアなどで、美容師としての勤務に無理があるような気がしていた時期。美容師としての資格や経験を生かしながら、身体に無理なく働けるアイリストへの転職を決意しました。
はじめてのサロンは、まつげ専門店。そう、マツエク専門店じゃなかったんです。マツエクだけではなく、パーマや他のアイメニューもあり、色々な技術を勉強させてもらいました。その後、マツエクの道を究めたくてマツエク専門店へ転職。少し小さめのサロンだったこともあり、丁寧に技術を教えてもらったことを覚えています。その数年後、友人からeye+の話を聞きました。『働きやすくていい職場。人気店だからお客様数も多くて、技術も磨ける』といった内容だったと思います。そろそろ次のステップに進みたいと考えていた私は、その『お客様数が多い』ところに心を惹かれ、入社を決めました」
ステップアップを目指して入社されたんですね。ではお2人とも入社当時は、どんな将来像を描いていたのでしょう?
青掛「2013年の1月に入社したのですが、どんどんマツエクの魅力にハマり、3月から正社員になりました。当時は将来像を描くとかはまだなくて、とにかく『楽しい!もっともっと学びたい』という気持ちで働いていたと思います。7月に本店の副店長を任せてもらうことになり、徐々に『店長になりたい』という、上を目指す気持ちが出てきたんです」
そのときから、すでにサロン一筋な将来像だったんですね。
青掛「もちろん、独立を考えたこともあります。『自分がお店を出すならこんなお店にしたいなぁ』とか。でも今思えば、本気じゃなかったですね。他のサロンで働きたいとか、辞めたいとかは思ったことがありません。とにかく今の環境にすごく感謝していて、何より私は社長のファン。少しでも多く恩返ししたいと考えています。」
サロン勤務にしかないメリットって何がありますか?
青掛「んー、絞り切れないですが、大きくは4つあります。
1つ目は、安心感。サロン勤務の場合は、会社から守ってもらえるところが心強いです。給与面もそうですし、業務面もそう。自分に何かあったときに自分の代わりに業務をこなしてもらえることは、本当に心強いですね。
例えば私は、取締役になって1ヶ月後に妊娠が判明して、8ヶ月後に産休に入らせてもらいましたが、その間フォローしてもらえたからこそ、安心して休めました。きっと独立していたら不安もあったと思います。他にも、急に病気になったとき、独立していると代わりがいなくてお客様にご迷惑をおかけするかもしれません。でもサロン勤務であれば、誰かが代わりに施術に入ってくれたりする。そういった安心感は、サロン勤務ならではです。また、税金の管理や何らかの手続きなども、会社に専門の人がいるので、任せられる。施術やスタッフ育成、会社運営に集中できる環境で働けているので、ありがたいなと思います。
2つ目は、チームとしての協力体制。先ほどもお話した通り、独立してやってみたい気持ちがゼロだったわけではないんです。でも、いざ独立を思い浮かべたときに、漠然とした大きな不安に襲われました。『私は1人でちゃんとやっていけるのかな』『結果が全て自分1人に返ってくるなんて怖い』など、本当に漠然とした不安なんですが…。もちろん、サロンに勤めていても、結果はすべて自分に返ってくるし、責任も大きいです。ただ、独立と違う点は、1人じゃないこと。どんな壁も、一緒に戦ってくれるスタッフがいると思うと、『よし、やろう!』と頑張れるんですよね。
また、1人ではなくチームとして協力できることや仲間と切磋琢磨しながら、スキルを磨いていける環境は、サロン勤務だからこそのメリットだと思います。たとえば私の場合、入社当時から目標にしている人が2人いて、今でもずっとその背中を追い続けているんです。そんな風に目標とする人が近くにいてくれると、自分が成長し続けられる。その環境がありがたいなと感じています。
3つ目のメリットは、求められる点が『働く時間』ではなく『売上や業績』であること。
実は今、通勤に1時間半かかっていますが、家族との時間も大切にしたいので、16時半上がりにしていただいています。もちろんミーティングなどで月に何回かは遅くなる日もありますが、そういった時短勤務をさせてもらいながらも不安がないのは、企業に勤めているからこそです。
私の場合、評価される観点は『店舗の売上や会社の業績』。決して『働く時間の長さや多さ』ではありません。求められている分野で結果が出せれば、自分自身だけでなく、担当している部下の昇給や昇格を目指していけます。責任はとても重大ですが、時短勤務でもきちんと結果が出せれば評価してもらえるところが、働きやすいですね。
でも、それが独立サロンだと違うんじゃないかなぁ。自分の売り上げた金額が全てである以上、今の私のように時短勤務をすると、それに応じて収入まで下がってしまう。リスキーな部分が大きいと私は感じています。だからと言って、他の人を雇用して今の会社の規模まで自分で経営となると…想像できません。今の立場でこれだけ多くの仲間たちと、喜びや悔しさを分かち合い、人の成長へと携われる今の環境にとても感謝しています。だからこそ、サロン勤務を選んできました。
そして、先ほども少しお話ししましたが最後のメリットは、リスクを負わずに経営者に近い経験をさせてもらえていること。
私は取締役である以上、社会的にも『経営者の1人』として扱われます。つまり、独立サロンを開業して経営者となるアイリストと、業務は変わらないという認識です。でも、今お伝えした通り、リスクは当然サロン勤務の方が少ないと言えます。リスクを負わず、経営者の1人として会社運営に携わらせてもらっていること。これは他には代えられないメリットなのではないでしょうか」
長く同じ会社で働いていると、少なからず壁にぶつかったりしませんか?
青掛「もちろんあります!たくさんありますが、1番心に残っているのは、入社7~8ヶ月後に副店長を任せてもらった時期でしょうか。当時の私は、やる気が空回りしていたんです。気合が入り過ぎて、とにかく後輩への指導が厳しかった…。『スタッフに成長してもらいたい』『お客様に満足してもらいたい』という強い想いがあったからなのですが、その想いを一緒に追いかけてもらえるほど、スタッフとの信頼関係ができていなかったんですね。色々な人に相談して、『まずは背中を見てもらおう!』と軌道修正し、結果を出すことに専念してみると、今度は『自分の予約を取ることしか考えていない』と言われてしまったり。本当の想いとは違う、周りからの評価に何度も悩みました。
それに、そのときの私は周りが見えていなくて、店長のことも信頼できていなかった。私のいないところで、当時の店長は私のフォローをして回ってくれていたのですが、その姿をみて『スタッフと一緒に私の悪口を言っているのでは』なんて疑心暗鬼になったり。店長には店長の大事にしたいことがあって、私には私なりの“想い”があって…、それ自体は悪いことではないのですが、その想いを共有したり、理解し合う努力ができていなかったんですね。そのことに気付けたのは、店長になってから。その立場にならないと分からないことがあるんだなと痛感しました。」
今の青掛さんを見ると想像できない話ですね!今同じように悩んでいるスタッフさんもいるのではないでしょうか。
青掛「そうですね、私自身も色々な人と関わらせてもらっている中で、本当にたくさんの出来事があり、その1つずつにきちんと向き合ってきたからこそ、少しずつ知見が深まってきた気がします。だから、今悩んでいるスタッフがいれば、いくらでも相談に乗りたいです。
例えば先ほどの話でいくと、副店長時代の私の葛藤は、役職に就いたばかりの人にありがちな経験なのではないでしょうか。「お店をよくしたい!」「会社からの期待に応えたい」と、やる気が空回りしてしまう…というか。
先ほどもお話ししましたが、当時の私はまず、目の前のお客様に一生懸命向き合って、背中を見てもらう期間を意識して作っていたものの、最初はスタッフに想いが全く伝わらず、より溝が深まってしまいました。そのときの自分は、とにかく辛いし悔しくて。「こんなに辛い想いをしながら頑張っているのに、なんで誰も付いてきてくれないんだろう。なぜ“今”の自分では評価してもらえないんだろう」と考えていました。あのとき私はとにかく認められたかったんですよね。
でも、自分が経営者の立場になって気付いたことは、評価って“頑張っている瞬間”ではなく、頑張り続けた“後”にされるものだということ。
「今これだけ頑張っているんだから、すぐにでも報われてほしい!」と思っている間は、“頑張っている瞬間”だから、評価されなくて当たり前。きっと、たくさんの人が「“今”を見てもらえないから」と心が折れて、評価してもらえる直前で諦めてしまうけど、今頑張っている姿を見てくれている人は必ずいて、頑張り続けた後に、思っていた以上の評価をしてもらえることもある。だから、今辛くて「なんで評価してもらえないの!」と言いたくなる気持ちも分かるけれど、まずは3ヶ月とか半年とか、とにかくやり切ってみてほしいと思います。
サロン勤務を続ける以上、“人”に関する悩みは尽きないですよね。でもそれが自分の成長にも繋がるんです。人間関係の“壁”を乗り越える度に、不思議と自分の力になっている感覚というか。
そういう経験は、サロンで勤務していなければできないこと。苦しいこともたくさんあると思いますが、しっかり向き合ってください。私もその苦しみは痛いほど分かりますが、向き合って乗り越えたからこそ、今があると感じています。
人と働くということは、悩むことももちろんあるけれど、その分喜びも大きくなるなと、最近強く思うんです。苦手な同僚も、しばらく一緒に働くうちに戦友になって、気の置けない相手になっていたり、後から思えば自分を成長させてくれる絶対的なライバルになってくれていたり。悩んでいるときはなかなかそういった視点で考えられないかもしれないけど、少し時間が経てば考え方も変わる。そういった精神面での成長は、仕事だけでなく自分の人間力も磨いてくれるんじゃないかなって私は思います!」
心強いアドバイス、ありがとうございました。続いての質問です。以前はプレイヤー。そして今は管理者として活躍されていますが、やりがいに変化はありましたか?
青掛「そうですね。いちプレイヤーのときは、自分の成長がうれしかったんですが、今は部下が育ってくれることがとにかくうれしく、やりがいです。
eye+の社内用語になるのですが、ミッションとして
1. 美容業界の雇用改革
2. 圧倒的クオリティのサービスを提供する
3. 人創り
を掲げています。中でも「人創り」に今は注力中です。
私の場合、個人の売上ではなく、店舗や会社全体の利益をどれだけ出せるのか、という観点での業務となります。会社としては今、100億企業を目指している最中なのですが、そのためにはスタッフ育成が欠かせません。中でも「店長」の存在は、サロン全体に大きな影響を与えるほど重要な存在。だからこそ、そんな店長たちが成長する姿を見ると、自分のことよりもうれしかったりするんです。
また、プレイヤーのときに考えていたことは基本的に対“お客様”。「どうしたらお客様に満足してもらえるのか」という点に集中していました。でも今は、自分がお客様のことを考えていればOKなのではなく、店長やスタッフ全員がお客様のために一生懸命になれる環境を作ることにも、気を配っています。
eye+の会社理念に、「最高のサービスは最高の環境から生まれる」という言葉があるんですが、この言葉通り、プレイヤーのときにはこの“最高の環境”を与えてもらっていました。だから今は、どれだけ自分が“最高の環境”を提供できるかを常に考えながら働いています。いちプレイヤーだった頃の、自分の成長だけを考えていればよかったときに比べたら責任は重く、難しい部分を多いですが、やりがいは大きいです!」
ありがとうございます!では新田さんはどうですか?
新田「私はむしろ入社のときから、将来的には自分でお店を出したいと考えていましたね。面接のときにはすでに、社長にその想いを伝えていたと思います。もちろん、当時は漠然とした目標でしたけど(笑)」
独立したかった理由は覚えていますか?
新田「はい。実は私の周りに、すでに独立してお店を出している友人が何人かいたんです。その話を聞いているうちに、自分でも何かをやりたい!と刺激を受けたんだと思います」
周りに経験者がいると心強いですね。そして昨年、入社当時の夢を叶えられたとか。
新田「そうですね。ただ、入社当時のような『自分で何かやってやろう!』という気持ちとは、少し違うかも。きっかけは、結婚を機に引っ越したことで、通勤に2時間かかるようになり、家族との時間を取れなくなったことなので。自分の中の優先順位を考えたときに、“独立”という道が見え始めた感じです。あとは『今までの経験を生かしてみたら?』と、周りに後押しされたことも大きな理由のひとつですね」
独立を決めた中で不安はありませんでしたか?
新田「もちろん、ありました!引っ越した先には友人もおらず、知り合いは主人だけ。土地柄や住んでいる人の雰囲気も分からない状態なので、不安だらけでしたよ。もっと言えば開業前だけじゃなく、開業してからもずっと不安は続きます。
例えば、情報の少なさ。自分1人でやっているので、新しい技術や商材、知識などは自分で探しにいかないと情報が入ってきません。特にマツエク業界は、歴史は浅いものの急速に成長しています。ちょっと油断すると、きっとすぐに取り残されてしまう…。だからこそ、勉強会の開催情報などは常にリサーチして、可能な限り参加するように心がけています。この辺りは、サロン勤務時代よりもアンテナを張っていますね。
自宅サロンは、すべて自分で決められるので、扱う商材や提供する技術なども自分次第。『これがベスト』と思うものを提供するようにしています。そこが、やりがいでもあり怖さでもあるんですよね。私の感性が衰えてしまえば、お客様に提供できるレベルが下がってしまう。お客様に満足してもらうためには何ができるのか、毎日自問自答しています」
不安のたくさんある中、それでも独立を選んだ理由は?
新田「やはり、自分の働きたい形を実現できることですね。以前までは通勤時間がネックで、家族との時間や自分の時間を犠牲にしながら働いていると感じていました。でも今は、定休日もシフトも自分次第。しかも自宅なので通勤時間もありません。プライベートを充実させられるようになったのは、自宅でサロンを開業できたからですね。
とはいえ、独立は体が資本です。
結婚や出産など、女性のライフステージの変化にも対応しやすいように思えますが、自分しかいない怖さもあります。そう考えると、高い利益を目指すというより、『ぼちぼち頑張ろう』みたいな軽い心持ちで始められる環境が整っていれば、独立も考えてみてもいいのではないでしょうか。実際私も、自宅サロンだからこそ開業に踏み切れました。何かあったとしても私“1人”であり、そして自宅だからリスクは少ない。そういった意味では、環境に恵まれていたと言えますね。今の私は、すべてが自分の責任になるのは不安も大きいですが、自分や家族との時間を大切にできるようになったことが何よりの喜び。この道を選んでよかったと感じています」
ちなみに新田さん。サロン時代と比べて収入の変化はありましたか?
新田「そうですね、知り合いや友人のいない土地で、宣伝もあまりせず開業したので、最初の数ヵ月はちょっと厳しいかなぁという感じでした。でも、これは開業前から予測していたこと。少しずつ成長していけたらいいかなと考えていました。そうこうしていると、予測よりも早めに軌道に乗ってきて。もう少しで開業して1年になりますが、徐々にお客様も増え、思い描いていた営業ができるほどになってきました」
すごいですね!ありがとうございます。では続いて、違う道を選ばれているお2人だからこそお伺いしたいのですが、「この選択肢だからこそ」得られたものはありますか?
青掛「気づかせてくれて、自分を成長させてくれる“人”の存在ですかね。取締役として、会社運営に携わる立場になってもなお、指導してもらえて自分の悪いところを直せる。そしていいところは伸ばしてもらえる。自分のことってなかなか自分では客観的に見られないので、こういう環境で働かせてもらえることに感謝しています」
新田「私の場合は、やりがいですね。全てが自分次第で、結果もすべて自分に返ってくる。その目に見えて分かる結果に、やりがいを感じています。これは独立して、経営者になったからこそ得られた想いです」
それぞれの道ならではの回答をありがとうございました。最後に、今の目標を聞かせてください!
青掛「みんなが幸せに働ける会社にしていきたいです。私には、いろんな価値観の人がいることを受け入れられなかった過去がある。そこを理解できた今だからこそ、人を否定せず『そういう考えもある』と受け入れられるような、環境を整えられるのではないかと考えています。私が今の会社が大好きなように、今働いてくれているスタッフやこれからeye+に入社してくれるスタッフも、この会社を大好きになってもらえたらうれしいです!」
新田「これからもどんどん新しい技術や知識を勉強して、増やしていきたいと思っています。そして最終的には、地域に愛されるマツエクサロンになりたいですね」
お2人とも、貴重なお話をどうもありがとうございました!
それぞれの道を着実に歩んでいる2人にお話を伺いました。どちらの人生にも大きな壁が立ちはだかり、そしてそれを乗り越えてきた、かけがえのない経験があったようですね。そして、それぞれの道を選んだからこそ出会えた、大切な想いも。
キャリアと年齢も重ねていくうちに、必ず向き合わなければならないときがくる、自分の人生。特に女性は、結婚や出産などのターニングポイントで、働き方を見つめ直す人が多いようです。ただ、どちらの道を選んでもきっと、それが正解。すべては自分次第ということが、お2人の話からも分かります。どの道を選べば自分の大切にしている“想い”を実現できるのか、そう考えると進むべき道が見え始めるかもしれませんね。