美容師免許や民間アイリスト資格以外に、持っておいたほうが良い資格とは?
アイリストとして就職したい、スキルアップしたい、またはなにか「ウリ」がほしいと考えるときに、資格取得を思い浮かべる人もいることでしょう。ただ、「そもそもアイリストに資格は必要?」「本当に必要な資格って何だろう?」と悩む人もいるかもしれませんね。今回は、そんな疑問にお答えするために、アイリストの資格事情について解説。資格取得について悩んでいる人はぜひ読んでみてください!
アイリストにおすすめの資格紹介
まず、アイリストになるためには美容師免許が必要になります。
かつて日本でマツエクが流行りだした当初、アイリストたちの間では「美容師免許は必要ない」という考えが一般的でした。しかし、これは誤った認識。もともと美容師法では「首から上の美容」を対象として扱っていたためマツエクもその範囲に含まれていたのですが、あまり浸透しなかったのです。
その後、美容師免許を持たないアイリストが質の低い施術を行ったことで、トラブルが続出。そこで2008年3月、厚生労働省によって美容師免許取得を必須とする再通達が行われたのです。このことについては過去のBeautéで解説しているので、ぜひ読んでみてくださいね。
ただし当然ながら、美容師免許だけではなくアイリスト技術も身につけなければ施術を行なうことはできません。
美容専門学校の中にはアイラッシュカリキュラムを必修科目としているところもありますが、全カリキュラムのうち1割程度しかアイリスト向けの授業を行わないスクールもあります。そのため、中には美容専門学校卒業後にアイラッシュスクールで技術を学ばなくてはならない人もいるでしょう。
また、必須ではないものの、アイリスト向けに実施される専門資格もあります。スクールの中には授業の一環として資格取得をサポートしてくれるところもありますが、そのような授業を受けることなくサロンに就職したアイリストの中には、専門資格を持っていない人も珍しくありません。
まずは、簡単にアイリスト向けの資格について解説しますね。
① 就職でも有利に!民間の専門資格
現在、アイリスト向けの資格試験を実施しているのは、
といった民間施設。これらの試験では、アイリストの基本テクニックだけでなく、接客力や提案力、衛生的な施術を行なうための知識など、アイリストにとって総合的なスキルが身についているかを問われることになります。つまりこれらの資格を持っているアイリストは、サロンにとって即戦力になる可能性が高いということ。当然、就職の際に有利になることも多いでしょう。
② +αで取得!アイリストに活かせる資格
アイリスト専門資格ではないですが、取得することでマツエクに活かせる資格はあります。
アイコーディネーター
「アイコーディネーター」とは、マツエクだけでなく、アイブロウ、アイメイクやアイケアなど、目元全般のトータルコーディネートできる人のこと。アイビューティーに関するスペシャリストを目指す人のための資格です。取得するためには、次の試験を受けることになります。
<アイ・コーディネーター検定>NPO法人日本ビューティ・コーディネーター協会(JBCA)
受験レベル |
1級~3級 |
受験資格 |
1級:美容師免許を有していること 2~3級:特になし |
受験地 |
1級:東京・名古屋・大阪 2~3級:全国 |
受験料 |
1級:15,000円 2級:5,000円 3級:3,000円 |
申し込み方法 |
・ホームページの申込フォーム (http://www.jbca.jp/user_data/form_top) ・JBCA加盟団体に申請 |
公式HP |
お客様一人一人に似合うデザイン提案が苦手と感じるアイリストは、アイコーディネーター資格を目指してみるといいでしょう。アイコーディネーターになると、目元の特徴はもちろん、その方の顔全体の骨格や眉も含めたアイメイク、お顔立ちの雰囲気など総合的な分析力が身につきます。
カラーコーディネーター
カラーマツエクなども扱うアイリストにとって、色彩感覚を身につけることも大切なこと。カラーコーディネートに関する資格には次のようなものがあります。
<カラーコーディネーター検定試験>東京商工会議所
受験レベル |
1級~3級 |
受験資格 |
特になし ※1級、2級からの受験、複数級の併願受験も可能 |
受験地 |
全国で実施 |
受験料 |
1級:9,440円 2級:7,340円 3級:5,250円 |
申し込み方法 |
・ホームページの申込フォーム |
公式HP |
カラーマツエクのデザイン提案で求められるのは、色彩感覚。色にはそれぞれ相性やイメージがありますよね。これらを知ることは、複数のカラーエクステを組み合わせるときやお客様の普段のアイメイクへの似合わせデザインを提案するときに役立てることができます。
<パーソナルカラリスト検定>日本カラリスト協会
受験レベル |
1級~3級 |
受験資格 |
特になし ※ただし1級受験は2級取得者のみ ※2~3級は併願受験可能 |
受験地 |
1級:札幌・東京・名古屋・大阪・広島・福岡 2~3級:札幌・仙台・足利・東京・新潟・金沢・長野・名古屋・大阪・和歌山・岡山・広島・福岡 及び団体校 |
受験料 |
1級:17,280円(1次・2次免除者は10,800円) 2級:10,800円 3級:7,560円 |
申し込み方法 |
・ホームページの申込フォーム (https://www.rvsys.jp/Colorist/Reserve_PersonalColorist.php) |
公式HP |
カラーマツエクの提案には、お客様のパーソナルカラーも重要な判断基準のひとつ。その知識を身につけるためにはパーソナルカラーの専門資格を取得するのも有効な手段です。その方のパーソナルカラー診断、相性のいいカラーについてのアドバイスを交えながら提案することができるようになるでしょう。
有資格者を採用することでサロンにどんなメリットがある?
資格を持つアイリストを採用することは、サロンにとって
◆他サロンとの競合優位性を出せる
◆資格取得へのモチベーションが高まる
◆スタッフの技術力を底上げすることができる
といったメリットがあります。
ただ、お客様にとって「アイリストの資格」がそれほど浸透していないのも事実。そのため、資格は集客に直結しないと考え、新人アイリストを採用する際にも資格をそれほど重視しないサロンも多いです。
しかし、技術力の高さというのはなかなか履歴書からは判断できないもの。そのため、専門資格を持っていることが、技術力や仕事に対する熱意をサロンの採用担当者に伝える手段となることもあります。人気の高いサロンへの就職を希望するアイリストは、資格を取っておいた方が堅実かもしれませんね。
大切なのは「資格の有無」ではなく「モノにしている知識量の幅」かも
こちらは、あるマツエクサロンのお客様100名を対象に「サロン探し(はじめていくサロンを探す時)の時重視するのは何ですか?」というアンケートの結果です。
お客様が見ているのは「料金の安さ」、次に「口コミ」「立地」と続きます。口コミというのは「下手な施術を受けて失敗したくない」「本当にいいサロンなの?」という疑問を解消するためにはかなり有効な手段のひとつ。一方、価格や立地というのは、アイリスト個人というよりもサロン全体の特徴ですよね。お客様にとっては、「通いやすさ」が第一条件となる傾向が強いことが分かります。
また、こちらのアンケートも見てみましょう。同じくお客様100名に対して「あなたはアイリストを指名したいですか?」とお聞きした結果です。
なんと「無名であれば指名する」「特に指名しなくていい」が上位という結果に。アイリストのレベルにはこだわらず、「満足できる仕上がりで安く済ませたい」という方がほとんどのようですね。
“資格はもちろん持っていた方がいい”、それは決して間違いではありません。
人よりも努力をして資格を取得したアイリストは、職場でも一目置かれる存在、周りのアイリストから目標とされる存在となることでしょう。そして、もちろん資格取得にともなう専門的な技術や知識が身についているはずなのです。
しかし、”資格を必ず持たなければならない”かというと、これは少し違います。なぜなら、資格の質や数だけがアイリストの価値を決めるものではないからです。資格をたくさん持っているアイリストの方が、無資格のアイリストよりも技術力が上とは限らないですよね。世の中には、専門的な資格を持たなくても多くのお客様に信頼される人気アイリストとして活躍している人が数多くいます。
スキルアップしたいアイリストの中には、つい資格をとることが目標となってしまう人もいますが、それは本来の目指すべき姿ではありません。資格をとってからどのような働き方をしたいのか、どんなアイリストになっていきたいのかを考えることが大切です。
今、ここまで読んでいただいたアイリストのみなさんの中には、資格をとるべきか悩んでいる人もいるかもしれませんね。ただ、資格相当の技術や知識をすでに身につけているのであれば、無理にとらなくていいこともあります。本当に活かせる資格かどうか、日々のお客様への接客や施術に役立てられる資格かどうかを見ながら、資格取得を検討してみましょう。
まとめ
アイリストのスキルアップや就職にも役立つ資格。「アイリストに+αで必要な資格って何だろう?」と考えると、今回ご紹介したもの以外にもさまざまなものがあるでしょう。大切なのはあなたにとって、またはあなたのお客様にとって本当に必要な資格かどうかということ。資格をとるためには、それなりに準備期間が必要となります。あなたの貴重な時間を有効に使うためにも、資格取得について、またその資格を得ることでどんなことが出来るようになりたいのか、改めて考えてみましょう。
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