「オイリー肌」の方へのマツエクの付け方のポイント/ケアのアドバイスとは
お客様には、乾燥まつげやオイリーまつげなどさまざまなタイプの方がいらっしゃいます。なかには、まつげの毛質によって、エクステの装着のしやすさやモチに大きく差が生じてしまうことも。しかし、装着のしやすさやモチを左右するのは、まつげの毛質だけはありません。お客様の“肌質”も実は注意しなければいけないポイントです。今回は肌質のなかでも、“オイリー肌の人への施術”という部分に焦点を当てて詳しく解説していきます。
肌質もマツエクに影響するの?
マツエクのモチや施術のしやすさに影響する要因には、さまざまなことが挙げられます。そのなかの一つとして、以前Beautéでは、自まつげには、「オイリータイプ」や「乾燥タイプ」があり、マツエクの施術やモチに関係するという内容をご紹介しました。
簡単におさらいすると、乾燥まつげの人は、ハリやコシがなかったり、水分が少なかったりすることから、グルーが定着しにくい状態にあります。
一方、油分を多く含むオイリーまつげの人は、グルーと油の相性がよくないことから、エクステの劣化スピードが速くなる可能性があるということでしたね。
このように、まつげの毛質がエクステの装着のしやすさやモチを左右することがあります。では、肌質はどうなのでしょうか。実は肌質もマツエクに影響する要因のひとつです。今回のテーマでもあるオイリー肌の人を例に挙げて考えてみましょう。例えば、頭皮は皮膚の一部であることから、オイリー肌の人は頭皮にも油分を多く含んでいます。そのため、髪の毛も油っぽくなりがちです。これはまつげも同様で、オイリー肌の人はまつげの油分量が本来より多めの人が多い傾向にあると言えます。なかには、まばたきをすることで、まぶたや目元まわりの皮脂がまつげについてしまうこともあるかもしれません。自まつげの油分量が多いと、みなさんもご存知の通り、グルーをはじきやすくなり、エクステの劣化を速めることとなってしまいますね。また、奥二重や一重まぶたの人は目元に皮脂が溜まりやすく、まぶたのキワに溜まった皮脂とエクステの接着部分が重なって、結果エクステのモチを縮めてしまうということも考えられます。
このように、肌質もマツエクに影響する要因のひとつとして考えられるのです。では、お客様がオイリー肌の場合、施術ではどのようなことに気を付ければいけないのでしょうか。次で詳しくご紹介しましょう。
施術で注意すべきこと
オイリー肌のお客様にも満足いただける施術をお届けするために、アイリストとしてできる対策法にはどのようなことがあるのか、ここで考えてみましょう。
1 前処理をしっかり行う
前処理はまつげの状態に関わらず、すべてのお客様に施すべきものですが、オイリー肌の人へはより念入りに前処理を行う必要があります。前処理で使用するプレケア剤が目元に付着してしまったり、目に入ってしまったりしないようにと毛先部分を重点的に行うアイリストも多いですが、グルーはエクステの根元に付けることから、根元こそが最も重視しなければならない箇所です。毛先ももちろんですが、根元付近もしっかりプレケア剤を塗布するように意識しましょう。
また、お客様によってプレケア剤を使い分けるのもよいかもしれません。プレケア剤は大きく分けると、「弱酸性」のものと「アルカリ性」のものの2つのタイプに分けられます。弱酸性のものは刺激が弱いため肌にやさしいのがメリット。一方、アルカリ性のものは洗浄力が高く汚れや油分をしっかり落としてくれるのが特徴です。そのため、オイリー肌の人や自まつげの油分が多めと判断できるお客様には、アルカリ性のプレケア剤を選ぶのも方法のひとつです。また、アルカリ性はグルーとの相性がよく、硬化を促進する働きを持つことから、接着力を高めマツエクのモチを持続させる効果も期待することができるでしょう。
2 アイシャンプーをすすめる
アイシャンプーとは、目元に使う専用のシャンプーのこと。泡の力で目元を洗浄し、メイクの洗いの残しや皮脂、油分等を洗い出せるのが特徴です。前処理とアイシャンプーを併用すれば、前処理で落としきれなかった汚れや油分をしっかり除去でき、結果マツエクのモチがアップする効果が期待できます。そのため、オイリー肌や油分多めの自まつげのお客様にはこちらをすすめてみるのもよいでしょう。また、アイシャンプーは油分や汚れをオフするほかにも、皮膚を清潔に保つことで自まつげの成長を促したり、まつげ美容液の浸透を高めたりといった別の嬉しい効果も期待することができます。こちらも併せてお伝えするようにしましょう。
近頃ではアイシャンプーを施術内容のなかに組み込んでいるところや、オプションメニューとして導入しているサロンも多くなってきているようです。もし、まだ自サロンに導入していないのであれば、アイシャンプーのメニュー化を検討してみるようにしましょう。
ケアで気をつけていただくこと
オイリー肌のお客様へ施術する際には、施術前の油分オフがいかに重要であるかということが分かりましたね。では、お客様ができるケアとしてはどんなアドバイスができるでしょうか。こちらも考えてみましょう。
1 コーティング効果のあるまつげ美容液の使用をすすめる
近頃では、ホームケアとしての使用を目的としたまつげ美容液がたくさん市販で展開されています。また、自サロンで美容液を店舗販売しているというところもあるのではないでしょうか。まつげ美容液と聞くと育毛のイメージを持たれる人も多いですが、なかにはコーティング効果を持つタイプの美容液もあります。このコーティング効果を持つ美容液は、まつげを薄い膜で覆い、湿気や水分、皮脂や油分などから保護する役割を持つのが特徴です。オイリー肌でマツエクのモチに悩んでいるお客様がいらっしゃったら、こちらの使用をおすすめしてみるのもよいかもしれません。クレンジングや洗顔で簡単にオフできてしまうため持続力はありませんが、まぶたの皮脂がまばたきによってまつげに付着したり、手でまぶたに触れた際にまつげに手の皮脂が付着したりといったことは防ぐことができるでしょう。
2 こまめに皮脂をオフすることを習慣づける
オイリー肌の人は、時間が経つにつれじんわりと皮脂が浮き出てしまったり、メイクがヨレてしまったりすることもあるでしょう。そうなると、まつげに皮脂が付着してしまいやすい状態となります。マツエクのモチを良くするためには、気付いたらこまめに目元をティッシュでオフすることも大切です。このとき、まつげになるべく触れないようにやさしくオフすることもいっしょにアドバイスしてあげてくださいね。
3 目元への油分を与えるスキンケアの見直しを提案
前処理やアイシャンプーなど、サロン側でしっかり皮脂対策をたてているにも関わらずマツエクのモチが十分でない。そのうえ、マツエクが取れやすくなる生活習慣も見当たらない。そのような場合、普段お客様が愛用されているスキンケアアイテムとの相性が良くないというのもひとつの可能性として考えられます。こってりとしたテクスチャーの乳液やアイクリームなどは、油分量が多く含まれていることも。また、オフするためのクレンジング剤に油分が含まれていて、十分に洗い流せていないというケースもあるでしょう。
こちらはオイリー肌の人だけに限ったことではありません。しかし、どんなスキンケアアイテムを使っているのかヒアリングしてみることで、マツエクに影響する要因となるものが見つけられるかもしれません。お客様がマツエクのモチについて悩まれているようであれば、ぜひ一度どのようなスキンケアアイテムを使用されているのかヒアリングしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
施術時に「エクステが装着しづらいな…」と感じたり、「マツエクのモチが悪い」とお客様より相談されたりした場合、もしかするとその要因はお客様のオイリー肌にあるのかもしれません。オイリー肌の人は、まつげに油分が多く含まれていることや、皮脂が付着してしまっていることが懸念されます。そのため、まずは施術前にしっかりと油分を除去することが重要です。まつげの環境を整えて、お客様に満足いただける施術をお届けできるように努めていきましょう。190188Emm
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