「そもそもマネジメントって何?」マツエクサロンで求められるマネージャー像とは?
店長の仕事は主にサロンのマネジメントです。漠然とした仕事はわかっていても、いざ店長の辞令を受け取ると、「何から手をつけたらいいかわからない」「そもそもマネジメントって何?」と戸惑う人も少なくないようです。現役店長の失敗談やアドバイスをもとに、店長としての心構えを学んでいきましょう。
店長って何をする人? 心得を学ぼう!
一般的にマネジメントとは?店長の仕事って?詳しく見ていきましょう。
店長の業務とは?
店長の業務は、
① 後輩の育成
② サロンマネジメント
③ アイリストとしての施術&接客
がメインとなります。ひとつずつ確認していきましょう。
①後輩の育成アイリストのスキルアップはサロンの大きな課題
アイリストの仕事は1対1ですべての対応をすることになります。サロンにとって課題となるのは、どのアイリストでも同じくらいの満足度を与えられること。そのため、アイリストのスキルアップは店長にとっても重要な課題になります。それぞれのアイリストの力量を見極めることからスタートし、足りない部分はどこかを把握、補うための方法を模索することになるでしょう。その取り組みを積み重ね、技術の平準化を目指します。
マネジメントから指導までが店長の仕事かというとそうではなく、指導役を任命するのも1つの方法です。適材適所をきちんと把握し仕事を上手く振り分けることも、マネジメントしていくポイントになります。
②サロンマネジメントとは
サロンマネジメントとは、サロンを効率よく運営していくことです。シフトやお客様情報をきちんと管理し、お客様もアイリストも気持ちよく過ごせる環境づくり、これが店長の大きな役割です。もちろん、目標の売上もあるため、達成するためにはどうすればいいかを考える必要もあるでしょう。 ほぼ毎日サロンにいる店長は、サロンの雰囲気を左右する存在になるはずです。マネジメントでは具体的に何を行うのかについては、後半で詳細を説明していきます。
③ アイリストとしての施術&接客
店長=名プレイヤーであることも求められる
店長としての業務もこなしつつ、同時にアイリストとしてお客様に対応するサロンも多いでしょう。『店長=ベテランアイリスト』と考えるお客様も多く、あえて店長を指名する新規のお客様もいるかもしれません。また、店長自身がアイリストのお手本となり、何かあったときには頼られる存在になることもアイリストの信頼を得る大切な要素です。店長という肩書があるがゆえ、求められる技術や基準も必然的に高くなります。しかし、「店長なんだから常にトップでいないと」というのは、やや偏った考え方。②のマネジメントをしっかりと行うことが、サロン全体の売上を上げていくことを意識しましょう。
失敗談、私はこんな経験をしました
実際に店長経験のあるアイリストのエピソードをご紹介します。
仲良しサロンにしたくて……
「役職を超えて仲の良いサロンにしたかったため、休憩時間にはおしゃべりにも参加。くだけた話もできる関係性になりました。しかし、次第にサロン内がゆるい雰囲気に。お客様がいる前で『店長、これってさぁ……』と話しかけてきたスタッフに、これではダメだ!と感じ、コミュニケーションの取り方やサロンの方向性を改めて考え直すことにしました。」
他のスタッフとの距離の取り方に悩む店長も少なくないようです。しかし、職場は友だちを作る場ではありません。店長だからというだけでなく、サロン全体の雰囲気作りの問題でもあります。ある程度緊張感を持った関係性を作っていくのが望ましいでしょう。
スタッフとの見えない壁を感じる
「店長としてサロンをよくしていこう!という想いが強いあまり、スタッフの気持ちを考えず自分の気持ちを優先して押し付けてしまっていました。今考えると、アイリストという仕事に対する熱量の差が大きかったのだと思います。想いが意図したように伝わらず、その時の感情に任せて怒ってしまったこともありました。今なら熱量の差を埋めるための他の手段を考えることもできますが、当時は方法がわからずスタッフとの壁を感じ、店長という仕事の難しさを痛感しました。」
店長を任される人は基本的にアイリストとしての力量もあり、向上心やサロンをよくしようという想いが人一倍大きいもの。スタッフとの温度差やきちんと伝え分かり合うことの難しさから、スタッフとの壁を感じてしまう店長もいるようです。
いっぱいいっぱいで全体が見えず……
「店長になってはじめに苦労したのは数字管理です。売上を意識しながら自店の状況を把握し、どんな策で目標に到達させるか考えなくてはなりません。店長になったばかりの頃は上手くスタッフを頼れず全部自分で背負い込み、結果いっぱいいっぱいになってしまっていました。今ではスタッフとのミーティングなどを取り入れ、サロン一丸となって目標に向かうようにしています。」
店長に求められるのはサロンの状況を冷静に把握することです。店長だけで背負い込んでしまうと視野が狭くなってしまうかもしれません。上手く役割を振り分け、スタッフ一丸となれる体制作りも重要です。
こんな時どうする?何から始めればいい?
店長になった多くの人が感じる壁、どう乗り越えればいいのでしょうか。先輩店長からのアドバイスを参考にしてみましょう。
サロンスタッフのやる気をアップさせる言葉の選び方は?
店長からの言葉はやる気をアップさせたり時にはダウンさせたりと、スタッフのモチベーションにも直結することも。サロンスタッフへの声のかけ方に悩む店長も少なくないようです。
◆ポジティブ語を意識して
◆否定はしない!
◆褒めるポイントを探す
以上を意識してコミュニケーションをとるようにしてみましょう。
「次はお客様からクレームにならないようにしようね」=ネガティブ語
「次はお客様を笑顔でお見送りできるようにしようね」=ポジティブ語
同じ内容でも受ける印象は異なるのではないでしょうか。肯定語を意識的に使うことで、「次は頑張るぞ!」と前向きな気持ちにさせることができます。
店長にもなると指導しなくてはならない場面もあるかもしれません。しかし、否定はやる気をそぐ原因になることも。できるだけ否定はせず、努力を認めた上で頑張る方向を正してあげるようにしましょう。褒めるポイントは毎日の業務の中でしっかりと目を光らせておき、気が付いたときに言葉に出して伝えるのがおすすめです。スタッフのご機嫌とりをする必要はありませんが、笑顔で働けることはサロンの雰囲気をよくすることにつながるはず。小さなことでも認めてもらえると、頑張る糧になるかもしれません。
サロンスタッフとのコミュニケーションの取り方は?
一線を引いて緊張感を持つのも大切ですが、信頼していることはしっかりと伝えましょう。店長はサロンの空気をキュッと引き締める存在であるべきです。リラックスさせるためにくだけた関係性を作る場面が必要なときもありますが、一線を引いて緊張感を持って接するのがいいでしょう。ただし、「一線を引かれているな」と感じてしまうような接し方では、スタッフも相談しにくかったり本音が言いにくくなってしまいます。信頼や感謝を口にして日々伝えることで、絶妙な距離感が生まれます。「この人の期待に応えたい」と思ってもらったり、「この人の手助けをしてあげたい」と思いあえるような関係性を作れるといいですね。また、サロンの外へ出てもどこにお客様がいるかはわかりません。接客はもちろん、お客様がいない場所でも常に見られているという意識を持っておきましょう。
サロンマネジメントで心掛けることは?
サロンマネジメントで心掛けたいのは
◆どんなサロンにしたいのかを明確に伝える
◆スタッフの持ち味を活かした役割作り
が挙げられます。
サロンマネジメントで重要なことは、サロンの方向性を明確に伝え共有することです。大きな目標を共有せずにそれに向けた小さな取り決めをスタッフに伝えると、取り決めの理由がわからず混乱や反感につながる可能性もあります。どんなことでも自分の思いをしっかりと伝えていくことで、自ずとスタッフの努力の方向性も同じになるはずです。
また、最小限の人数で効率的にサロンを運営していくためには、スタッフの持ち味を活かした役割作りが必要になります、スタッフそれぞれに得意不得意があるはず。スタッフの強みを見つけ出せるよう目を光らせておく必要があるでしょう。上司が自分をしっかりと見てくれると、それが仕事に対するモチベーションアップにもなり、サロンで働く意義を見出すことにもつながるはずです。
目標達成に向けての頑張り方が知りたい!
毎月の売上目標など、数字管理もサロンマネジメントの重要なポイントです。サロン全体の数字管理にあくせくする店長も多いのではないでしょうか。店長1人で達成できるものではないため、スタッフといかに目標を共有できるかどうかがポイント!まずサロンの方向性や目標をきちんと全スタッフと共有することから始めましょう。店長に就任して間もない場合、徹底的にスタッフとの信頼関係を構築することが第一ステップになります。スタッフ同士の信頼と明確な目標があれば、自ずと同じ方向に向かって努力を重ねることができるはずです。サロンの現状を把握した上で目標に到達するためにどんな策をとるのか、そのステップをわかりやすく示すことが店長の重要な役割になるのではないでしょうか。
月間の売上目標があるとして、それを営業日数で割るとどうなのか、一日あたりの予約件数の進捗で、現時点ではどうなのか…など、具体的に落とすことが重要です。そして、スタッフに対してはわかりやすく「今日できること」や「今週の目標接客数」などの振り返りのしやすい小さな目標を設定し、ひとつひとつ超えていくことが重要でしょう。目標に届いていないときに、ブログの更新やクーポンの打ち出しを変えるなど、適宜対処を行うのも、店長の役割だと言えます。
マツエクサロンの店長に求められる素質とは
マツエクサロンの店長に求められる素質には
◆高く安定したマツエク技術や接客能力
◆コミュニケーション能力
◆現状分析能力
が挙げられます。
マツエクサロンはほとんどが女性ばかりの職場。働きやすい環境づくりのためには、コミュニケーションは必須です。立場や経験年数などで区別することなくスタッフの話をきちんと聞き、的確でわかりやすい指示を出すという、高いコミュニケーション能力が求められます。
細かいことはもちろんのこと、サロン全体を広く把握できることも必要です。目標達成のために必要となるポイントを正確に見極めることのできる現状把握能力は、店長に必須の要素でしょう。施術中は個室や半個室というサロンも少なくないはず。お客様のプライベート空間を演出できる人気の施術スタイルですが、施術に入ってしまうとサロンの状況が把握しにくくなってしまうという店長側のデメリットもあります。サロン内で起きたトラブルや、目標達成までの進捗など、都度スタッフからの報告をもとに現状をしっかりと分析するようにしましょう。
まとめ
店長の辞令を受けると、いちアイリストとしての視点からマネジメントの視点への切り替えが必要になります。新たに増える仕事内容はもちろん人間関係でも悩みや葛藤があるかもしれません。しかし、難しく考えすぎるのはNG!まずはスタッフとのしっかりとした信頼関係を築くことから始めましょう。スタッフ全員で同じ方向に努力するための舵取りをし、お客様にもっと支持されるサロンを目指しましょう。190132Ess