従業員のモチベーションを左右する!評価制度でサロンの指針を示そう
サロン経営において、従業員のモチベーションアップは重要な課題ですよね。やる気を出して日々の業務に臨んで欲しいのは、経営者として当然の願いです。今回ピックアップするのは、従業員のモチベーションに大きな影響を与える評価制度について。さらに、評価制度を最大限に活用すれば、会社の理念をより色濃く浸透させることもできるかもしれません。モチベーションを左右する評価制度について考察してみましょう。
指針を示す!「評価制度」が与える印象とは?
サロンに取り入れたい評価制度について詳しく確認していきましょう。
評価制度が示すものは?
企業理念の大切さと待遇の相関関係を示す
会社としては、会社の目指す方向性(企業理念)の体現者を評価することで、サロンのあるべき姿に近づけることができるでしょう。例えば、どんなに売上が高くても、会社として大切にしている理念を大切にできない人は、評価できないですよね。お客様や他の従業員などの関わりの中でも、「会社と同じ目線を向きながら成果にこだわること」を、「待遇と相関させること」それが評価制度です。また、従業員目線から考えても、働く以上収入増を目指したいと考える人も多いはずです。従業員の賃金や昇進などの待遇の根拠がわかれば、収入増やキャリアップのための方法もわかるでしょう。頑張る方向性が明確なら、それに向けての努力もしやすくなります。
従業員のモチベーションを上げる
モチベーションアップに効果的なのは、わかりやすい目標に向かって頑張ることです。評価制度はわかりやすい目標になりえるはず。目の前の目標をクリアしていくことが、モチベーションの維持につながるのではないでしょうか。
適度な緊張感を与える
従業員には適度な緊張感をもって仕事に取り組んでほしいものですよね。しかし、仕事に慣れが生じると緊張感は薄れてきてしまいます。そんなときに緊張感を与えてくれるのが評価制度です。仕事中のあらゆる場面もチェックの対象であることを示すことで、緊張感をもって仕事に臨んでもらえるはずです。
評価制度の難易度の設定
評価制度があることで目指すべき目標を定めることになり、仕事への目標やモチベーションアップにつながります。しかし、ここで重要になるのが、目標の難易度です。達成が過度に困難な場合、モチベーションはダウンしてしまいます。では簡単ならいいかというと、そうではありません。簡単に達成できる目標では同じくモチベーションアップにはつながらないでしょう。『少し難しいけど頑張ればできるかも』、ここが目指すべき難易度です。モチベーションアップにちょうどいい目標を提示することが経営者としての大きな役割となるのではないでしょうか。
評価制度を明瞭にしよう
評価制度の内容や評価の方法が従業員には不明瞭になっている場合もあるでしょう。曖昧な評価では不平等さや不満を感じる従業員も多く、モチベーションアップにつながりません。管理者だけでなく従業員も評価内容について把握できるようにしておくことが大切です。
どんな評価制度がある?
続いてどのような評価制度があるのかについてです。
定量評価と定性評価について
ビジネスを中心に使われる用語に、定量評価と定性評価というものがあります。これは
定量=成果・実績など数字で表すことのできる評価
定性=能力や仕事に対する姿勢など定量以外の評価
というものです。この概念をサロンにおける評価制度に当てはめて考えてみましょう。
定量評価
定量評価とは成果や実績などの数字で表すことのできる評価です。具体的には
◆施術人数(売上)
◆指名客数
◆リピート数
◆商品販売個数
◆売上目標に対する達成度
こちらはほかのアイリストとの差が数字で示されるため、管理者もアイリストもわかりやすい評価です。歩合給はこの定量評価が大きく反映することになるでしょう。
また、定量評価によって
◆賞与
◆年間表彰
◆月間表彰
◆週刊表彰
◆等級制度
などといった方法で頑張りを評価するサロンも多いようです。
あるサロンは定量評価を基に、年間表彰で
◆MVP
◆口コミ件数No.1
◆新人賞
◆ベストレセプション賞
◆店舗賞
などの賞をそれぞれ発表、賞金を授与しているそう。賞金はもちろん、ここで得られるのはアイリストとしての自信。「選ばれたい!」という気持ちが仕事へのモチベーションにつながっているスタッフも少なくないようです。
1年間やる気や実績を保ち続けるのは難しいもの。全従業員のモチベーションにつなげることはできないでしょう。そこで取り入れたいのが、月間表彰や週間表彰など、短いスパンの評価。小さな目標を提示して大きな目標への道筋をつなげていくことが大切です。例えば週間表彰の場合、あるサロンでは5日の売上上位5人に手当てが出るシステムを採用しています。5日という短いスパンのため、シフトの顧客数が少ない新人アイリストでも可能性があるのが大きなポイント。「頑張れば達成できそうな」目標があることで、モチベーションアップにつながるようです。
定性評価
定性評価とは、従業員の能力や仕事に対する姿勢に対する評価のことです。具体的には
◆協調性
◆積極性
◆柔軟性
◆就業態度
◆仕事に対する姿勢
◆クレーム対応能力
といったものが挙げられます。
これらは数字で表れる定量評価とは異なり、図るのが難しいところですよね。どんなポイントをチェックしたいのかを挙げ、
よくできる→3ポイント
できる→1ポイント
できない→0ポイント
というように、具体的に数字にできる仕組みを作るのがいいでしょう。また、定性評価に値する場面は仕事中のどんなところにあるかわかりません。チェックする人が1人だと、きちんと見えてない部分もたくさんあるはず。上司・同僚・後輩など、複数の目からチェックできると、総合的な評価につながるのではないでしょうか。
モチベーションアップの為に取り入れるべき評価項目とは?
従業員のモチベーションアップにつながる評価項目は?確認していきましょう。
強化したいポイントを評価項目に取り込もう
サロンのコンセプトや企業理念によって、重視したいポイントはそれぞれ異なるでしょう。そのポイントを強化していくために、評価制度を利用することもできます。
とにかく売上をあげることが重要=売上の高い人の評価(収入)を上げる
リピート率の高いサロンを目指す=リピート率の高い人の評価(収入)を上げる
というように、会社として強化したいポイントを評価項目に取り込んだり、評価への影響度を高めたりすることで、従業員の努力の方向を揃えることができるでしょう。その努力が認められることで収入UPにもつながるのであれば、双方にとって利となるはずです。
モチベーションアップには定性評価が重要!
数値で表れる定量評価のみを評価項目にしているサロンも少なくないでしょう。しかし、それでは「売上さえ上げればその他の部分はどうでもいい」という思考になってしまいかねません。もちろん売上重視のサロンならそれでもいいかもしれませんが、従業員同士のコミュニケーション不足やフォロー不足などにつながる可能性もあるでしょう。また、「売上が上がらないから収入増が見込めない」という理由で辞めていくアイリストもいるかもしれません。
サロンの雰囲気をよくするためには、定性評価にある項目が重要になるはずです。定性評価もきちんと評価に反映させることが、より質の高いサロン作りにつながるのではないしょうか。例えば、
定量評価7割と定性評価の3割→全体の評価
とするなど、定性評価が評価に反映することを従業員に示してみるといいかもしれません。小さな頑張りや行動を評価されると、モチベーションアップにつながる人も多いはず。また、勤務中のすべての行動がチェックされていることで、どんな小さな仕事でも手を抜かず頑張ることができる従業員を育てることができるのではないでしょうか。
まとめ
評価制度を最大限に活用することで、モチベーションアップに全員で足並みをそろえられることなど、得られるメリットはたくさん。定量評価と定性評価のどちらも明確に評価する制度で、よりよいサロンへの足掛かりにすることができるはずです。また、評価制度は1度定めたらそれで終わりではありません。その都度サロンに足りない部分やよりよいサロンにするための項目を模索して、モチベーションを保ち続けられるような評価制度を定めることが大切です。190312Ess