素朴な質問!最近話題の「男性アイリスト」どのくらいいるの?その需要とは?
今回は、最近需要が高まりつつある“男性アイリスト”についてのお話です。男性アイリストは全国的にも少ない存在ですが、過去に大好評を博したBeautéのインタビュー記事でお話を伺った、HoneyLASH長谷川哲さんも男性アイリスト。このように、現在男性アイリストを目指す人や男性アイリストの人数は増加傾向にあります。そこで男性アイリストの需要や、男性ならではのメリットなどをみなさまにご紹介しましょう。「男性だけどアイリストは目指せる?」と思っている男性や、「男性アイリストを雇用したいけど悩んでいる」というサロンはぜひ参考にしてくださいね。
「男性アイリスト」ってどれくらいいる?需要はある?
男性アイリストは全国的にも少ない
女性アイリストの中でも、「最近男性のアイリストが増えてきた」と感じる人は多いでしょう。その通り、男性アイリストはマツエクが国内で普及するとともに、少しずつ増えつつある存在です。
とはいえ、まだ圧倒的に女性アイリストが多いのは事実。HotpepperBeautyで検索してみると、
◆フリーキーワード:メンズアイリスト→9件
のヒットがありました。合わせてみても、32件。全国的にも少ない例のようです。また、「アイリスト全体のうち男性アイリストが占めるのは、1%にも満たない」という説も。
では、男性アイリストの需要について考えていきましょう。
男性アイリストの需要に兆し
兆しその1:マツエクもできる美容師への需要が高まっている
男性アイリストの需要を考えるべくHotpepperBeautyを見てみると、美容師でありながらマツエクを学び、アイリストになる人が活躍していることが分かります。
アイリストに転身する人もいれば、そのままスタイリスト・アイリストを兼任する人も。美容業界は男性美容師が多いですが、マツエクも装着できる美容師となると話は別ですよね。
スタイリスト・アイリストを兼ねることにより、
◆手荒れやヘルニアなどの理由で美容師職が断たれても、アイリストとして業界で活躍できる
◆お客様のヘアと目元、トータルビューティを叶えることができる
というメリットがあります。
同時に施術を受けるお客様にとっても、
◆ヘアとマツエク両方が同じサロンで施術可能だと時短になる
◆ヘアスタイルと合わせたマツエクのデザイニングが叶う
と感じる方は多いでしょう。
兆しその2:メンズマツエクが普及している
最近、「メンズマツエク」が普及しはじめました。
出典:@kou_aoshimaさん
マツエクの施術を希望する男性には大きく2種類のパターンがあります。
②ファッション要素の強い「イマドキ男子系」
この2つのパターンを解説すると、
①は「まつげに白髪が生え始めたため、カモフラージュのためエクステを装着したい」という希望や、「目元をハッキリとした印象に仕上げてビジネスで活用したい」という意味合いが込められています。
②はカラエクや強いカールなど、デザイン性のあるマツエクで「ファッションを楽しむ」という意味合いがあるそう。
②のマツエクだと、女性に向けたマツエクと変わりありませんよね。極端に言えば、施術を行うアイリストが女性でも男性でも構わないでしょう。中には、「女性アイリストだからこそできるデザイン」を希望されるお客様もいるかもしれません。
しかし、①のパターンでは女性が求めるようなマツエクを希望されているわけではなく、むしろ男性的な部分をより強調するために、マツエクを希望されていると考えられますよね。
すると、お客様の中には
◆女性ばかりのマツエクサロンでは予約しづらい
◆同性の施術者の方が、気兼ねなくマツエクサロンを利用できる
と考える人もいるでしょう。全てのメンズマツエクに言えることではありませんが、一部のメンズマツエクを希望する方に男性アイリストの需要が伺えます。
ここまで男性アイリストの需要の兆しを考えていきましたが、お客様の層としては、女性が多いのは変わらない事実。
そんな中、男性アイリストの持つ「男性ならでは」のメリットとは何でしょうか。
マツエクサロンの中には「男性アイリストから応募があったけれど、採用するとどんな強みを手に入れられるの?」と悩んでいるところもあるかもしれません。そこで、男性ならではのメリットを考えていきましょう。
「男性ならでは」のメリットとは?
では、男性アイリストならではのメリットを考えていきましょう。
◆男性目線での“かわいい”を提供できる
◆他サロンとの差別化ができる
ここでお伝えするポイントはこの3つ。ひとつずつ、詳しく解説していきますね。
男性ならではの理論的なコミュニケーション
美容師という職業で考えてみましょう。男性美容師と女性美容師、それぞれに特性がありますよね。
もちろん、人にもよりますが、いろいろな日常の相談ができたり、ファッションやメイクも含めて相談できる女性美容師。対して、とにかく技術力や作るデザインに対して信頼が集まりやすい男性美容師。
男性は、自分自身が女性ではないので、理論的・構造的に「どうすれば可愛くできるか」を学び、それを伝えてくれる人も多いですよね。同じことがアイリストでも言えます。
男性アイリストで活躍されている有名な方は、薬剤や商材に関する知識がとてもマニアックなことが多いのですが、同様の力学が働いているとも言えるでしょう。
男性目線での“かわいい”を提供できる
アイリストならピンとくるかもしれませんが、女性の考える「かわいい」と男性が考える「かわいい」、この2つには微妙なニュアンスの違いがあります。
女性は「目元をパッチリと」「大きさを強調させるように」といった目的でマツエクを装着しますが、実はバサバサとしたマツエクをしている女性は苦手…と感じる男性は多いそう。以下のアンケート結果をご覧ください。
Q. あなたは女性のメイク(化粧)は濃い方と薄い方どちらが好きですか?
出典:株式会社ヒューマ
男性と女性の意見の差は少しではありますが、やや女性の方が「濃いメイク」が好みの人が多いという結果に。そのため、女性のお客様がマツエクに「モテ」を求めているにも関わらず、女性アイリスト視点での「かわいい」を追求すれば、男性の好みから離れていく結果になることも考えられますよね。
その点、男性アイリストはまさに「男性視点」でのかわいいマツエクデザインをお客様にご提案できます。「男性目線での“かわいい”を、お客様に提供できる」。これは、男性アイリストが持つ最大の強みと言えるでしょう。
他サロンとの差別化ができる
全国的にも少ない男性アイリスト。首都圏では男性でも業界で活躍しているアイリストはたくさんいます。しかし、地方になると「地域で唯一の男性アイリスト」となることもしばしばありますよね。
そこで、男性アイリストを雇用したことで、他サロンとの差別化になるという点について考えてみましょう。
◆男性目線の“かわいい”デザインを叶えられるのは、男性アイリスト在籍の当サロンだけ
このようなサロンのイメージ付け、ブランディングができるというのも、男性ならではのメリットです。
男性アイリストや男性アイリスト在籍サロンが気をつけるべき注意点とは?
さて、男性アイリストだからこそ持つメリットをお伝えしましたが、注意したいこともあります。確かに需要・人数が増加傾向にある男性アイリストですが、まだまだ業界内では少数派で珍しい存在。そしてお客様の中には、「マツエク・マツエクサロンは女性だけの世界」と認識していらっしゃる方もたくさんいます。
そこで、男性アイリストや男性アイリスト在籍サロンが気をつけるべき注意点を以下にまとめました。
◆女性に施術する際は、接客態度に気を配ること
ひとつずつ見ていきましょう。
男性アイリスト在籍サロンであることを公表しておくこと
まずはサロン側が気を付けるべき注意点です。HotpepperBeautyに掲載されている情報を見ると、「男性アイリスト在籍サロン」「男性アイリスト活躍中」の文字はよく見かけます。先ほどもお伝えしたように、やはり、お客様が「マツエクは女性だけのもの」と認識されているようなら、男性がマツエクサロンにいるだけで驚かれる方はいらっしゃるでしょう。お客様が知らずに予約してしまい、サロンに行って初めて男性がいることに気づいたなら、サロンへのイメージダウンや不信感を抱く可能性も考えられます。
そのため、すべてのお客様に対して「サロンには男性アイリストがいる」ことを知らせた方が良いです。
インターネットの広告記載にはもちろん、電話予約で女性アイリストを指名した新規顧客がいたとしても、
こうした確認をするひと言は大切です。
女性に施術する際は、接客態度に気を配ること
次は、男性アイリストが施術・カウンセリングの際に気を付けたい注意点。男性アイリストは当然男女どちらのお客様も施術することかと思いますが、業界的に多いのは女性のお客様。女性の方への接客態度は、男性である分女性アイリスト以上に気を配らなくてはなりません。
現在活躍する男性アイリストは、やはり女性客の多いマツエク業界で人気を集めるだけあって、「物腰が柔らかい」「女性的な気配りが上手」といった特徴が挙げられるようです。
では、実業務で理想的な接客態度とは何か、を考えてみましょう。例えば、自分では普通だと思っていたツイザーをステアライザーに置く動作。これが、女性のお客様にとっては「男性だからかな。物音が大きいな」「動作が男性的で威圧的に感じる」と思われるかもしれません。
男性だからこそ、こうした些細な動作にも心配りが必要。過剰になる必要はありませんが、「女性のお客様への繊細な心配りを徹底する」。男性アイリストは、これを心に留めておきたいものです。
まとめ
需要が高まる男性アイリスト。今回は男性アイリストならではのメリットや注意点をお伝えしました。メンズマツエクの普及や、男性アイリストの人数が増えていること。これらの理由から、「マツエクは性別関係なく楽しめるもの」という考えが定着するとも考えられますよね。女性だけでなく男性アイリストも活躍できる業界を、みなさんの手で作っていきたいものです。190326E3s