「いつも遅れて来るお客様…時間通り来ていただきたい!」効果的な方法や言い回しとは?
マツエクサロンのみならず、美容院やネイルサロンなどで悩みの声としてよく挙げられるのが「お客様の遅刻」について。体調不良や交通機関の影響などを受けた場合だけでなく、常習的に遅刻をするお客様もいらっしゃいます。サロンとしては、一人のお客様の遅刻によってほかのお客様へご迷惑がかかることもあるため、できるだけ遅刻を減らしたいもの。しかしダイレクトに注意するのも難しいため、どのように対処すればいいかわからないというサロンも少なくありません。
そこで今回は、いつも遅刻をしてくるお客様への対処法について深堀り。サロンを守ることはもちろん、遅刻をしてくるお客様の気分を害さないよう注意するには、どんな方法を取るのがベストなのでしょうか。
そもそもなぜ遅刻してしまうの?
予約時間にいつも遅刻をしてくるお客様。「仕方がないな」と思える理由を述べるでもなく、当たり前のように予約時間を過ぎてから到着されるお客様は、多かれ少なかれどんなサロンにもいるものです。
そもそも、なぜお客様は毎度遅刻をしてくるのでしょうか。遅刻の理由は、もしかするとサロン側にあるのかもしれません。
スタッフのやさしさが裏目に出てしまっているケース
お客様が5分ほど遅刻して到着されたとき、ついつい「大丈夫ですよ」などと声をかけてしまった経験はありませんか?お客様から「遅れてすいません!」と言われれば、接客業をしている立場の人間ならほとんどの人がお客様を気づかうような言葉をかけることかと思います。オウム返しのように発してしまうこともある、この「大丈夫ですよ!」という言葉。実はこの言葉こそが、お客様の遅刻を常習化させてしまう理由のひとつなのです。
遅刻をして焦っているところへ、サロンのスタッフから「大丈夫ですよ!」という言葉をかけられると、お客様はほっと一安心。その“一安心”から、お客様の中に「遅刻しても怒られないんだ」という油断が生まれてしまうのです。初めて遅刻をしたときは焦っていたお客様も、二度目三度目ともなれば遅刻に対して“慣れ”が生まれてしまっているもの。とりあえず「すいません!」と言えば「大丈夫ですよ!」と許されることを知っているので、遅刻に対しての罪悪感がどんどん薄くなっていきます。
もちろん、遅刻をしたときに「大丈夫ですよ!」と言葉をかけられても「申し訳ないことをした」と反省して、次回以降はきちんと時間通りに到着するお客様もいらっしゃいます。
しかし、スタッフのやさしい言葉かけによって遅刻が常習化してしまうお客様がいるのも事実。遅刻に対しては、安易にお客様を気遣うような言葉をかけてしまうと遅刻を常習化させてしまう恐れがあるのだということも、頭の片隅に置いておきましょう。
サロンの待ち時間がお客様の遅刻に対する意識を下げてしまっているケース
あなたが働いているサロンでは、お客様を施術ブースへご案内するまでに、どれくらいの待ち時間が発生していますか?お客様の来店と同時にご案内できているというところもあれば、いつも少し待たせてしまっているというところもあることでしょう。
しかし、予約時間までに来店いただいたお客様をお待たせてしているサロンは要注意!実は、サロンでの待ち時間がお客様の遅刻に対する意識を下げてしまう引き金となっているケースも多いのです。
美容系予約サイトで実施された遅刻に対する意識調査によると、美容系サロンに待ち時間はつきものと考えている人が多数派。“時間通りに行っても必ず待たされる”や“待たせて当たり前だと思われていそう”など、「どうせ待たされるんだ」と考えている人が多いのです。
遅刻を推奨するわけではありませんが、「時間通りに行っても待たされるんだから多少遅れても問題ないだろう」というのは、自然な考えのようにも感じてしまいます。サロンによっては、予約時間通りに到着したお客様をさんざん待たせたうえで、「お待たせしました」の一言で施術ブースへ案内してしまう場合も。このような対応が当たり前になってしまうと、お客様自身も待たされることを嫌って、遅刻が常習化してしまう可能性も高くなります。
遅刻が常習化してしまっているというお客様を抱えているサロンは、一度お客様をお待たせしていないかということを見直してみるのも一つの方法。お客様へどのように指摘をすればいいか考える前に、まずは自分たちが遅刻の引き金となるような行動をとっていないかを確認しましょう。
効果的な言い回しとは?
遅刻をしてくるお客様には、遅刻をしないよう指摘をして意識の改革を行っていただきたいものです。「遅刻しないようにしよう!」と思ってもらうには、どのような言い回しをするのが効果的なのでしょうか。
時間通りに来られない場合はつけられる本数が減ると伝える
マツエクサロンの予約時間は、お客様が希望されるメニューやマツエクの本数、アイリストの施術スピードなどさまざまな内容をもとに設定されています。予約時間を過ぎて到着された場合は、あらかじめ希望されていた本数がつけられなくなってしまう可能性も。本数が減ってしまうと、なりたい目元のイメージを実現することが難しくなるため、お客様の満足度は下がってしまうことでしょう。
しかし、そもそも遅刻さえしなければ希望の本数を全てつけることができるのです。お客様の希望を叶えるためにも、“遅刻をするとつけられる本数が減ってしまう”ということを、きちんとお伝えしておかなければいけません。
「○分以上遅刻されると、ご希望の本数がつけられなくなってしまう可能性もあります。できるだけ全ておつけしたいので、予約時間を守っていただけると助かります。」
↑上記のように、“お客様の希望を叶えたい!”という気持ちを全面に出して、遅刻に対しての指摘を伝えるのがベスト。ただ遅刻の指摘をされただけだと、お客様によっては気分を害されるケースもあります。寄り添う意識を忘れないような言い回しをすることで、お客様との衝突を避けながら、遅刻に対しての指摘も行うことができるのです。
次のお客様にご迷惑がかかってしまうことを伝える
大幅な遅刻は、遅刻をされたお客様にじゅうぶんな施術ができなくなるだけでなく、次以降に予約を入れられているお客様にもご迷惑がかかってしまいます。一人遅刻をしてしまうと、それ以降の予約が全てずれ込んでしまうため、時間通りに来店されたお客様もお待たせることに。回転が悪くなるだけでなく、サロン自体のイメージにも関わってしまいます。
自分ひとりが少し遅刻したくらいで特に影響はないと、遅刻に対して甘いイメージを持っているお客様がいるのも事実。お客様の“甘さ”を正していかないと、サロンの運営にも影響を及ぼす可能性があります。
「大幅な遅刻は、他のお客様にもご迷惑となる場合があります。当店は、お客様ひとりひとりのご協力によって成り立っているので、お客様にもぜひお力を貸していただけると助かります。」
↑上記のように、“お客様にも協力してもらいたい!”という気持ちを伝えるのがおすすめ。遅刻が常習化しているお客様に、”自分の遅刻も他の人に影響してしまうのだ”という意識を持ってもらえるよう、誘導していきましょう。
対応のルールは決めるべき?
サロンによって、キャンセルなどの規定があるように、遅刻に対しても規定を設けているところが多くあります。遅刻による対応方法や規定のルールは、決めておくほうがいいのでしょうか。
理由に関わらず遅刻に対してペナルティを設けているサロンも
遅刻は基本的に許されるものではありません。しかし、電車が遅延してしまったり予約時間直前に突然体調不良に襲われたりと、避けようがない遅刻があるのも事実です。
仕方のない遅刻に関しては、特にペナルティを設けていないサロンが大半な中、どんな理由であれ遅刻には全てペナルティを設けているところも。罰金を設けたり、施術自体を断ったりと、厳しいルールを設けているサロンもあります。
お客様によっては、厳しすぎるルールを嫌がってサロンを替える人もいるかもしれません。数あるマツエクサロンの中から、自分に合うサロンを見つけるのはお客様自身。遅刻するお客様を徹底的になくしたい場合は、ルールを守っていただけるお客様だけに選んでもらえるサロンを目指すと割り切ってしまうのも一つの方法です。この方法は、経営方針と密接に関わるかもしれませんね。
遅刻したお客様に無理をして全本数つけるのをやめる
施術スピードが早いスタッフは、お客様が遅刻してきてもなんとかして全本数つけようとするケースがあります。しかし、遅刻したお客様が毎回施術スピードの早いスタッフに当たるとは限りません。そのため、「前回は遅刻しても全本数つけてもらえたのに、なぜ今回はつけてもらえないのか」というクレームを言うお客様も。
施術スピードに自信のあるスタッフは、よかれと思って取っている行動かもしれませんが、遅刻してきたお客様にはスタッフ間で施術の本数を統一するのもひとつの方法。施術スピードが早いスタッフも遅いスタッフも、遅刻してきたお客様へは全本数つけないように徹底すれば、余計なクレームを増やしてしまう心配がなくなります。
お客様自身も、「遅刻したらちゃんとつけてもらえない」と認識できるようになるので、サロン内で“遅刻をしてきたお客様へは無理をして全本数つけない”とルールを設けておくのも一つの策です。
まとめ
遅刻グセのあるお客様は、まず意識改革をしてもらうことからスタートしなければいけません。お客様の中で遅刻へのハードルを上げていただかなければ、遅刻を撲滅するのは不可能だと言えます。遅刻がなくなると、サロンにとってメリットがあるだけでなくお客様にも時間的余裕が生まれるので、ウィンウィンの関係になるのです。
お互いが気持ちよく施術の時間を過ごすためにも、遅刻するお客様を減らすよう努力をしていきましょう。190421Eue