出張マツエクサロンって?法改正で変化はあったの?客層やニーズを解説!

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以前、Beautéでも取り上げた「出張マツエク」。2015年の法改正によって、サービスの提供が可能となりました。しかし、まだまだメジャーになっていないのが出張マツエクの実情。実際に出張マツエクを利用しているの は、どのようなニーズのある客層なのでしょうか。出張マツエクに対する「?」について、深堀りしていきます。

出張エステ/出張マッサージ…「出張●●」は怖いイメージ?ニーズはあるの?

みなさんは、「出張●●」という言葉に対してどのようなイメージを抱いていますか?近ごろ、施術者が出張マッサージ先で暴行被害にあう…というニュースがよく取り上げられており、出張サービスに対してネガティブなイメージを持っている人が増えています。

そもそも、出張でマツエクの施術をしているアイリストは、どんなニーズに応えるべく開業したのでしょうか。

出張マツエクは怖いものなのか?

男性客も対象となるケースがある出張マッサージや出張エステとは違い、出張マツエクの施術対象は基本的に女性。マツエクサロンにはちらほら男性客の来店もありますが、出張サービスを利用するのはほぼ女性です。主張マツエクを希望するのは、介護をしている人や小さい子どもの育児をしているママがメイン。お客様から危害を加えられるという危険性は、他の出張サービスにくらべかなり低いと言えます。

しかし、出張マツエクならではの危険が発生するのも事実。小さい子どもがいる家庭で施術を行なう場合、サロンでは考えられないような邪魔が入るケースもあります。施術中にまわりを走り回られたり、ふとした拍子に子どもがママのところへやってきたり…。

また、一般のご自宅で施術を行なうため、グルーアレルギーなどについても十分に配慮しておく必要があります。マツエクは、消費者庁で健康被害が多く報告されている美容メニューのひとつ。マツエクの施術をするために設けられている場所であるマツエクサロンとは違い、自宅はマツエクの施術に向けた対策などが一切行われていません。サロンでの施術とは違うということをしっかりと頭に入れておかなければ、お客様の目元や体に不調をきたしてしまうということも想定されます。違う意味での“怖さ”は、出張マツエクにおいて避けられないものと考えておいたほうがいいでしょう。

出張マツエクのニーズは?

法律で対象者が限定されている出張マツエク。サロンに行きたいけれど、一人で自宅を離れることができないという人からニーズのあるサービスとなっています。マツエクサロンに行くとなれば、施術時間だけでなくサロンまでの往復時間など、トータルすれば短くても半日ほどは必要。自宅を空けることができない人にとって、半日を要する予定はなかなか入れられないものです。自宅にはいるけれど外出する時間がないという人にとって、出張マツエクはありがたいサービスのひとつと言えます。

どんな人が利用する?関連法律やルールを確認しよう

出張マツエクに関しては、出張美容に関する法律で厳しいルールが設けられています。出張マツエクを利用できるのは、美容法で認められている人のみ。どのような人が利用できるのか、法律やルールを再確認してチェックしておきましょう。

出張マツエクの施術が許可されている人とは

徐々に認知度が上がってきている出張マツエクですが、限られた客層しかターゲットにできないため、なかなかサービス提供を開始するアイリストも少ないもの。そもそも、マツエクサロンに行って施術が受けられる人の中には、“出張マツエクってなに?”という状態の人がいるのも事実です。

出張マツエクの施術が受けられるのは、「理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号に基づく出張理容・出張美容の対象について」で認められている人だけ

1 理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号には次のような者が該当すると考えられること。

 

(1) 疾病の状態にある場合のほか、骨折、認知症、障害、寝たきり等の要介護状態にある等の状態にある者であって、その状態の程度や生活環境に鑑み、社会通念上、理容所又は美容所に来ることが困難であると認められるもの

 

(2) 自宅等において、常時、家族である乳幼児の育児又は重度の要介護状態にある高齢者等の介護を行っている者であって、その他の家族の援助や行政等による育児又は介護サービスを利用することが困難であり、仮に、自宅等に育児又は介護を受けている家族を残して理容所又は美容所に行った場合には、当該家族の安全性を確保することが困難になると認められるもの

(出典:厚生労働省「理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号に基づく出張理容・出張美容の対象について」平成28年3月24日 生食衛発0324第1号)

2015年の6月に行われた美容師法の改正によって、出張美容に対しての規制が少しゆるくなりました。改正前は、“病気などの理由で美容サロンへ行くことができない人にのみ対象となっていた出張美容。しかし、法改正後は疾病を抱えている人プラス「要介護状態の人」・「常時乳幼児の育児をしている人」・「常時介護をしている人」も、出張美容の対象となったのです。

自宅にいながらキレイになれる時代

ひと昔前までは、介護をしている間や子育て中は自分の時間を取れないのが当たり前でした。しかし今は、マツエクだけでなくネイルやエステなども出張で行っているサロンが増え、より多くの人が自分磨きの時間を設けることができるように。

マツエクは、カウンセリングから施術終了までにある程度の時間を必要とするので、自宅を空けることができない人にとってハードルが高い美容メニューのひとつです。 

目元の美しさをプロデュースする立場であるアイリストにとって、サロンで働くのとはまた違ったやりがいを感じられるのが、出張マツエクの魅力なのです。

出張マツエクをはじめたい人の手続き・考えるべきこととは

出張メニューを導入するサロンが増えていることから、出張マツエクをはじめてみようかなと考えているアイリストも少なくありません。出張マツエクをスタートするにあたり、必要な手続きなどをチェックしていきましょう。

必要な届け出と営業条件をチェック

出張マツエクを始めるにあたり、まずは必要となる届け出からチェック。以前ボーテでご紹介した記事を、簡単におさらいしていきましょう。

(出典:さいたま市

出張マツエクを始めるための届け出は、サロンに所属しているかしていないかによって異なります。どちらの場合も、“出張美容届”と“出張業務衛生管理等の概要”が必要。所属しているサロンにて従業員登録を済ませていない場合は、美容所の変更届・美容師免許証の原本・健康診断書を提出してまずは従業員登録を行いましょう。

サロンに所属していない場合は、美容師免許の原本・健康診断書・器具の洗浄消毒設備を撮影した写真の3点を用意し、出張美容の届け出をする必要があります。

届け出は、出張マツエクを始める2週間前までに完了していなければいけません。業務を始める日から逆算して、登録を済ませておくようにしましょう。

出張マツエクを始めるには、厳しい条件も設けられています。施術者が美容師資格を有していることはもちろん、器具の消毒や作業環境の清潔保持などについても細かく指定。各都道府県ごとに出張美容に関する条件が提示されているので、まずは出張マツエクの拠点となる自治体のホームページをチェックしてみましょう。

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必要に応じて器具や設備も準備

サロンで施術をする場合は、必要な設備や器具がきっちりと整っているもの。しかし、お客様の自宅に訪問して施術をする出張マツエクは、状況に応じて必要な器具を用意していかなければいけません

実際に出張マツエクのアイリストとして活動している人は、訪問先にあるベッドやソファを施術台にしているケースもあれば、折りたたみベッドを持ち運ぶケースも。ワゴンについても、きちんと自分のものを持って行く人もいれば、お客様の自宅にあるイスなどをワゴン代わりに使用している人もいます。

出張美容の条件を満たしていれば、その条件内ではある程度自由にできるので、設備や器具に関しても自分が仕事をしやすいように揃えていくのがおすすめです。出張先によって変わる設備の違いに翻弄されたくないという人は、折りたたみベッドや折りたたみワゴン、照明などを全て揃えて持参するといいでしょう。

集客難易度は高めなので、HPや媒体でのアピールを

出張マツエクの一番の課題は集客です。サロンにお客様に来ていただくシステムとは異なり、自宅に訪問する以上、信頼できるアイリストであることをしっかりとHPなどでアピールしましょう。エリア×ママ、などのキーワードでの露出を増やしたり、ママ友同士で何人かでまとまって予約をしてもらうことで赤ちゃんを相互にケアしあっていただくなどを行っている人もいます。出張サービスであるがゆえに、集客自体は初回は難易度が高いですが、リピート率は高めやすく、一度固定客がしっかりとつけば安定的に訪問しやすいという特徴もあります。集客についてはクチコミなども活用しながら、信頼性をアピールできるといいでしょう。

まとめ

介護や子育てをしていると、なかなか自分だけのために時間を割くことができません。自分の時間がなかなか取れない人たちにとって、出張マツエクは一筋の光となる事業です。

可能な限りたくさんの人にマツエクの良さを知ってもらいたいという思いから、出張マツエクのサービスを提供しているアイリストがいるのも事実。サロンにいらっしゃるお客様だけでなく、もっとたくさんの人の目元を美しくしたいと考える人は、出張マツエクを視野に入れてみてはいかがでしょうか。190413Eue

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