マツエク施術が難しいクセまつげ!まつげの癖の原因や直し方は?
まつげにも髪の毛のように癖があります。「まつげに癖があるからキレイなまつげにならない!」とお嘆きのお客様も意外と多いはず。また、アイリスト目線でも癖のあるまつげの施術は難易度が上がるもの。できるだけ癖のない状態のまつげが理想ではあるものの、まつげの癖には、直せるものと直せないものがあります。まつげの癖について詳しく把握しておけば、お客様へのアドバイスとしての活用もできるかもしれません。まつげの癖、その直し方に迫りましょう。
生え変わっても治らない?先天的なまつげの癖
「コームでも整えられず、接着面が取りにくい」と苦手とするアイリストの多いクセありまつげ。
まつげの癖は大きく分けて2種類。
先天的なもの
後天的なもの
があります。まず、先天的なまつげの癖から確認していきましょう。
先天的な癖=まつげの生え癖
先天的なまつげの癖とは、まつげの生え癖のこと。髪の毛でいうと天然パーマのようなイメージで、癖が出やすい体質の人がいます。
まつげの生え癖は
①上がりまつげ
②下がりまつげ
③逆さまつげ
の3タイプ。それぞれについて把握していきましょう。
上がりまつげ
上がりまつげとは、上に向かって生えている状態のこと。ビューラーをしなくても上向きになっているため、上まつげの場合はあまり問題になりません。下まつげが上がりまつげだった場合は目に入ってしまうこともあるため、場合によっては医療機関での処置が必要です。
下がりまつげ
下がりまつげは下向きに生えているまつげ。まつげが目にかかって見えるため、何もしていない状態では視界にまつげが入り見えづらくなったり、目が小さく見えてしまったりする傾向にあります。ビューラーでカールしてもカールがつきにくかったり、戻りやすかったりするという人も。マツエクを装着しても重みで下がりやすく、キレイな状態をなかなかキープしにくくなります。
逆さまつげ
逆さまつげとは、上まつげが下向きに、下まつげが上向きに生えてしまう状態を指します。
2つのタイプに分けられる逆さまつげ。本来なら外を向くべきまつげが内に向くのは同じですが、専門的にいうとそれぞれ違います。こちらはどんなものかわかりにくいので、イラストで解説しますね。
①睫毛乱生症
画像出典:医療法人社団博陽会おおたけ眼科
まつげの生え方が不揃いで、まつげが目に接触する状態を指す。少しなら根気よく抜く、ビューラーで目に触れないようにする、などの方法で対応することもできる。
②眼瞼内反症
画像出典:医療法人社団博陽会おおたけ眼科
まつげが角膜にさわるように生えてきて、まつげが目に接触するような状態を指す。生まれつきの眼瞼内反症は自然に直ることも多い。
目がゴロゴロするなどの不快感が起こりやすく、ストレスを感じる人も多い生え癖です。まつげが目に入ってしまい、角膜を傷つけてしまう恐れも!目に支障がなければそのままでも問題ありせんが、何かしらの支障が生じる場合には、眼科での治療が必要になります。
先天的な癖は基本的には直せない
上記の生え癖は、基本的に先天的なもの。生え変わっても基本的に同じように生えてくるため、治療する以外に直す方法はありません。改善する方法については、見出し3で確認していきます。
直す方法がある場合も!後天的な癖
まつげの癖は、先天的なものばかりではありません。髪の毛でいうと、髪のうねりなど、生活スタイルによって生じるのが後天的な癖。後天的な原因のまつげの癖の場合、原因を解消することで直せる可能性もあります。具体的には
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◆まつげの生え方の向きがバラバラ
◆まつげが横向きに流れる
◆目じりのまつげだけ癖がある
といった状態が後天的な癖の特徴。
また、まぶたの形状によりまつげの癖が発生しているケースもあります。多いのは、まつげの生え際にまぶたがかかっている一重さんや奥二重さん。
◆押しあがったまぶたでまつげにカールがついている
◆目尻のみカールがついている
◆部分的にまつげが流れている
といったような場合は、まぶたの形状などが原因で癖がついてしまっている可能性も。やせたら自然とまぶたの肉が落ち、癖が解消されるケースもあれば、まぶたの手術などをしなければ変わらないケースもあるでしょう。
後天的なまつげの癖、引き起こす理由とは?
後天的なまつげの癖が起こる原因には、
◆まつげの成長不良
◆外からのダメージ
といったことが考えられます。詳しく見ていきましょう。
まつげの成長不良
成長不良は、まつげの栄養不足やまぶたの血行不良が一因。体の栄養が不足していると、まつげまで栄養が行き届きません。
◆極端なダイエットをしている
◆コンビニの弁当やファーストフード、カップ麺・一品メニューなど、栄養バランスのとれていない食事が多い
という人は要注意。まつげを作る栄養素が極端に不足することで健康なまつげが生えることができません。細く弱ったまつげはねじれたり切れたりしやすくなり、これがまつげの癖の原因になることもあるでしょう。
外からのダメージ
外からのダメージとしては
◆ビューラー
◆マスカラ
◆つけまつげ
◆スキンケアでの摩擦
などが考えられます。アイメイクによるダメージとスキンケアによるダメージとしてそれぞれ確認していきましょう。
アイメイクによるダメージ
アイメイクで見てみると、挟んでカールをつけるタイプのビューラーは、まつげにとって大きな負担。毎日ビューラーで負荷がかかっているまつげは、生え変わるサイクルよりも早く抜ける、途中で切れるなど、自然な状態よりも弱くなることも。その結果、
◆切れそうになったまつげが曲がる
◆細くなってしまったまつげがねじれる
などしてまつげの癖を引き起こす原因になるようです。
スキンケアによるダメージ
毎日のスキンケアによるまつげダメージも考えられます。特に気を付けたいのがクレンジング。毎日ビューラーとマスカラをつけている人は、しっかりとクレンジングする必要がありますよね。界面活性剤の入ったクレンジングは、まつげが本来必要な水分や油分まで奪ってしまうもの。結果、まつげの栄養不足が引き起こされるのです。
まつげの癖を直すには?
まつげの癖を治すための方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
後天的なまつげの癖の直し方は?
一般的に、太さのあるしっかりとしたまつげよりも細いまつげの方が癖がつきやすい傾向にあります。健康的なまつげを作ることで、まつげの癖を最小限にとどめることができるケースも。
後天的なまつげの癖を直すための方法は
◆食生活や睡眠時間などの改善
◆まつげへの負担を減らす
◆まつげ美容液でのケア
が挙げられます。ひとつずつ見ていきましょう。
生活習慣の見直し・改善
まず見直すべくは、食生活の改善です。まつげ美容液などで外から栄養を与えても、まつげの元となる栄養素が不足していては意味がありません。意識的に摂取したいのが
◆メチオニン(豚肉・鶏肉・鮭・ブロッコリーなど)
◆ビオチン(アーモンド・あさり・レバーなど)
◆亜鉛(牡蠣・卵黄・ナッツ・牛肉など)
といった栄養素。もちろん、これらだけでは活発に働いてくれないため、バランスの良い食生活で、体にもまつげにもしっかりと栄養を届けることが大切です。
また、睡眠不足や睡眠リズムの乱れはストレスに直結し、ひいてはまつげにも悪影響を及ぼします。人によって適切な睡眠量は異なりますが、最低でも6時間の睡眠時間は確保するようにしてください。
メイクやクレンジングの負担は最小限に!
メイクやクレンジングでかかるまつげの負担を減らすことも大切です。
◆マスカラを使用する場合はお湯で落とせるタイプにする
◆挟むタイプのビューラーからホットビューラーにする
◆まつげや目元はこすらず優しく洗う
これまでマツエクをしていないお客様には、マツエクへの切り替えもメイクやクレンジングの負担を減らすひとつとして提案できます。マツエクですっぴん目元にボリュームを出すことで、メイクやクレンジングの負担を減らすことにつながるはずです。
まつげ美容液で外からまつげの栄養を
スキンケアやヘアケアは欠かさないのに、酷使しているはずのまつげケアはしていない人も少なくありません。洗顔後、毎日つける習慣をつけることで、健康的なまつげを育て、クセまつげを防止することができます。
先天的なまつげの癖の対処法は?
先天的なまつげは先述した通り、医療機関での治療の以外に根本的に直す方法はありません。逆さまつげさんの場合、根本的に直すための方法としては、まぶたを引き上げて二重にする埋没法などの治療法になるでしょう。
それほどではないけど気になる!という下がりまつげさんや逆さまつげさんになら、
①ビューラーでまつげをカールする
②まつげパーマ
③アップワードラッシュなどでの施術
で、キレイな形に矯正することができます。
①ビューラーでまつげをカールする
ビューラーを使うのはまつげを傷める原因にもなるため、頻繁にはおすすめできません。そうしてもビューラーを使う場合は、挟むタイプではなくホットビューラーがおすすめ!マツエクとホットビューラーを併用する場合、グルーの耐熱温度である80℃以下の温度でカールするホットビューラーを選ぶのが鉄則です。おすすめのホットビューラーについては過去記事で紹介していますので、参考にしてくださいね。
②まつげパーマ
まつげパーマは、自まつげを生かしてまつげを上向きにする技術。最近では次世代まつげパーマも登場しており、まつげを根元から80度立ち上げることができます。化粧品登録されている薬剤を使用するため、まつげを傷めにくいのも特徴です。自まつげの長さがある人やナチュラルまつげが好みの人ならまつげパーマをおすすめするのもいいかもしれません。
③アップワードラッシュなどでの施術
専用の保湿剤を使ってカールをつけてから施術するマツエク施術の新技術にはいくつかあります。「アップワードラッシュ」や「カールアップラッシュ」などが有名です。まつげを上げた状態でエクステを装着するため、まつげが上がった状態が固定されやすくなるのが特徴です。薬剤を使用しない技術のため、癖の原因のひとつとなるまつげの傷みも最小限にとどめることができますよ。従来のマツエクですぐ落ちてきてしまったなどの悩みがあったお客様に対応するために、新技術の導入なども検討したいところですね。
しかし、体のバランスが乱れると健康的なまつげが生えず、後天的な癖も併発する可能性も。後天的なまつげの癖と同様、生活習慣の見直し、まつげ美容液での栄養補給、メイクやスキンケアでの負担を減らすなどの対応も必要になるでしょう。
まとめ
まつげの癖に悩んでいるお客様も多いですよね。アイリストとしても、癖のないまつげの方が施術しやすいはず。先天的なまつげの癖の場合、生え変わっても基本的に生えグセは変わりません。それに対して、後天的なまつげの癖なら、直すことができる場合もあるようです。「後天的な原因かな?」と思うお客様には、まつげの癖を直す方法を教えてあげるのも、会話の一環。まつげについての有益な情報をお客様に提供できると、喜ばれるかもしれませんね。190515Ess