マツエクサロンあるある!施術時間がおしてしまうほど話が止まらないお客様への対処法
お客様とコミュニケーションを取ることも、アイリストの大切な仕事です。中には、アイリストとの会話を楽しみに来店してくださる方もいらっしゃるでしょう。しかし、ひとりのお客様だけに長い時間を費やしてしまうわけにはいきません。お話が大好きなお客様が来店された場合、気分を害することなく会話を切り上げるにはどうしたらよいのでしょうか?
こんなお客様いませんか?
今回、アイリストの皆さんに、「お話好きのお客様に悪気はないのはわかるけれど…ちょっと困ったな」という経験をしたことはありませんか?という質問を投げかけてみました。
回答いただいた中からいくつかピックアップしてご紹介いたします。
◆施術中もずっとお話をされていた方がいた。たまに身振り手振りがつくのでヒヤヒヤした
◆カウンセリングや注意事項の説明の最中に「そういえば…」と話が脱線。話を戻すのに苦戦した
◆施術中に、お話に夢中になり、途中で急に眼を開けられたお客様がいた
◆施術終了後もお話をされていて、次のお客様の来店時間になってしまった
どのお客様も決して施術の邪魔をしようと思っているわけではありません。むしろ、たくさんお話をしてくださる、ということは、それだけ心を開いてくださっている、という証拠。アイリストとしては誇らしいことなのです。
しかし、残念ながら時間は有限です。どのお客様にも平等に、最高の施術を行うためには、ひとりひとりのお客様の持ち時間をしっかりと把握し、その時間内にすべてを終わらせることができるようにしなければいけません。
また、施術中にお話に夢中になられてしまうと、思わぬ事故の引き金になってしまうケースも。
次に 、施術中のおしゃべりの危険性について、詳しく解説しましょう。
実は危険!!施術中の会話には注意が必要
では、どうして施術中のおしゃべりが危険なのか?
いまいちどおさらいの意味を含めてまとめてみましょう。
ツイザーで目を傷つけてしまう恐れ
マツエク施術中に使用するツイザーは、先端がとがっており、非常に鋭利です。しかもまつげは眼球のすぐそばに生えています。もし、何かのはずみでお客様が顔を動かして、手元が狂ってしまったら…。最悪の場合、失明に至るケースもあります。
仮にそこまでの事態は免れたとしても、お客様の目元に怪我を負わせてしまう可能性はじゅうぶんに考えられます。
目の黒目にあたる角膜部分は、痛みを感じやすいデリケートな場所です。ほんの少しの傷でも強い痛みを感じます。そんな角膜部分をツイザーで傷つけてしまうと、お客様に大きな苦痛を与えてしまうことになるのです。
グルーが顔や髪についてしまうことも
お話に夢中になってしまうと、どうしても顔が動いてしまいます。お客様の顔が動いて手元が狂い、グルーが髪や顔に付着してしまうこともじゅうぶんに考えられます。
グルーがもし大量皮膚についてしまった場合、皮膚の水分に反応してグルーが熱を帯び、火傷をしてしまう可能性があります。また、肌に付着したグルーはぬるま湯で落とすことができますが、髪に付着してしまったグルーは、リムーバーを使用しても完全に取りきれない可能性があります。最悪の場合グルーが付着した部分をカットしなければならないことも。服に付着してしまった場合はぬるま湯でもリムーバーでもオフできません。グルーが付着した部分は、黒い点となって残ってしまうのです。
また、手元が狂ってグルーがお客様の目元に流れ込んでしまうケースも大いに考えられます。グルーが目に入ると、充血や痛みなどの症状を引き起こし、とても辛い思いをさせてしまうのです。
リクエスト通りのデザインに仕上げられない可能性も
細いまつげに一本一本エクステを付けていく作業は、非常に神経を使いますし、細心の注意が必要です。しかし、施術中にお客様がお話をされると、どうしても顔が動いてしまいます。動いている目元に、きれいにエクステを付けるのは至難の業。いくらアイリストが一生懸命頑張って、持ちうる限りの技術を駆使しても、結果失敗に終わる…というリスクが非常に高くなってしまうのです。
どのようにお伝えすればいい?不快にならない伝え方とは
施術中のお話を控えていただきたい場合
アイリスト、お客様、双方のリスクを考えても、施術中はお話をされないのが一番。カウンセリングの際に注意事項として、施術中のお話をご遠慮いただきたい、ということをしっかりとお伝えすることが大切です。
「マツエクの施術は、先のとがったピンセットのようなものや、取扱いに注意が必要な薬品を使用します。施術中にお目元を動かされると非常に危険ですので、施術中は顔やお目元を動かされないようにご協力お願いいたします。施術中に何度かお声掛けをさせていただきますので、気になることがあれば、遠慮なくお伝えくださいね」
と、マツエクの施術は非常にデリケートな作業である、ということをご理解していただくようにお伝えしてみるのもひとつの方法です。このとき、「お声掛けをしますので、」とお伝えすることで、お客様も口を開いていいタイミングがいつか、というのが把握できるため、施術中のお話の抑止効果が期待できます。
また、
「お話をされると、お目元が動いてしまいますので、マツエクをきれいに付けることが難しくなっていまいます。せっかくお越しいただいた〇〇様にも御満足いただきたいので、何か不安なことや疑問点は、今お伺いしておいてもよろしいでしょうか?また、施術中に何かお気付きになったことがあれば、施術が終わってからお話をお伺いいたしますので、よろしくお願いします」
と、お話をしない方が美しい仕上がりになる、ということをお客様にご理解いただくトークも有効でしょう。
時間がおしているのでお話を切り上げたい場合
中にはカウンセリングやアフターカウンセリングの際にお話が止まらなくなってしまうお客様もいらっしゃることでしょう。ここでは、そんなお客様が不快にならないような、さりげない会話の切り上げ方をご紹介しましょう。
カウンセリングの際、お客様のお話がなかなか終わらない場合は、お客様が一呼吸おいたタイミングですかさず
と話しかけてみましょう。またお話を聞きながらさりげなく施術の準備を始めることで、「そろそろ施術に入りますよ」という姿勢をアピールするのもいいかもしれませんね。
また、
「お手洗いは大丈夫ですか?」
と次の動作を提案することで、会話を切り上げるのも有効です。
また、施術後のアフターカウンセリングの際に、緊張感が一気にほぐれ、饒舌になってしまうお客様もいらっしゃいます。
そのような時は、先方に気遣いを見せながら、切り上げる方法が有効です。
と時計を指して、時刻をお伝えしましょう。時間を確認することで
「あぁ、そろそろ…」とお客様も腰をあげられるかもしれません。
それでもお話を続けられるお客様には
と申し出ましょう。
このとき
と付けくわえることで、「まだまだ話しの続きをしたいんだな」とお客様に思っていただくことができ、角を立てずに会話を切り上げることができるでしょう。
まとめ
お客様に悪気がない場合、どのようにお客様の気分を害することなく会話を切り上げられるか…これは接客に携わる人々共通の悩みと言えます。ここでスムーズに会話を終わらせてこそ、接客のプロ。コミュニケーション能力の高さが問われる局面と言えるでしょう。お客様にそうとは悟られず、自然と自分の流れへと持ち込む術を身につける。これも一流のアイリストの必須項目、なのかもしれませんね。190511Eco