顧客満足度の高いマツエクサロンのレセプションに聞く!接客の基本、電話応対のノウハウとは
マツエクサロンにとって大切な「レセプション」という役割。アイリストが電話対応をしているサロンも多いと思いますが、多くのお客様が集まる人気店には、ハイレベルなアイリストだけでなく、ハイレベルなレセプションがいることも多いです。今回は、そんな重要なレセプション業務にスポットをあて、スキルアップのポイントや対応テクニックについて考えてみましょう。レセプションとしてレベルアップを目指す人には必見のテーマです!レセプションがいないサロンの方にも参考になる内容ですよ。
有名マツエクサロンには優秀なレセプションあり
マツエクサロンの“顔”ともいわれるレセプション。
アイリストが目の前の施術にしっかりと集中して良いパフォーマンスをするために、とても重要な業務を担ってくれる存在です。
レセプションの業務は、
- 電話での接客対応(予約やお問い合わせなど)
- 予約状況の管理
- お客様のお出迎えなどの接客
- 次の施術にむけてのベッドメイキング
などがメイン。ただ、サロンによってはレセプションが店長を兼任するケース・アイリストがみんなで兼任するケースもあるようで、その業務の幅はさまざまです。
ただ、どんなレセプションであってもスキルアップを目指さなくてはならないのが、電話対応スキル。なぜなら、電話での会話でお客様が得られる情報はレセプションの音声のみ。レセプションの対応次第でそのサロンの印象は大きく左右されることになります。
レセプションとしてスキルアップするためには、声のトーンや印象、言葉遣いはもちろん、話の進め方、臨機応変な対応力などさまざまなチェックポイントをクリアする必要がありそうですね。
的確に聞き出し、的確に伝えるには?
お客様に不快感や不安感を与えないためには、声のトーンや言葉遣い、会話スピードなどに気を配ることは基本中の基本。これについては、以前のBeautéでも解説しましたね。
今回は、話し方よりもさらに深く踏み込んで、「聞く力」「伝える力」に焦点をしぼってみましょう。
「聞く力」を育てるためには?
相手の話をしっかりと聞くことは、普段から徹底しておかないとお客様からの不信感につながりかねない重要なポイント。メモに取りながら聞くことはもちろんですが、日頃の会話から相手の話の要点を掴むことを意識するようにしましょう。
そして、聞く力を養うためには、次のようなポイントも大切。
- 相手の話を遮らず、最後まで聞く(否定をしない)
- 「〇〇でございますね、ありがとうございます」と復唱する(お礼も忘れずに)
- あいづちは、声のトーンや言い回しを使い分ける(声に表情をのせて)
- 聞き取れなかったときは必ず聞き返す(曖昧なままでは集中できない)
これらは全て、内容を把握するためだけでなく、相手に「ちゃんと話を聞いています」ということを伝えるためにも必要なこと。電話の内容がクレームであれば、お客様も感情的になっていたり、会話が複雑になりやすいため、より意識しなくてはなりません。ぜひ実践してみてくださいね。
「伝える力」を育てるためには?
お客様の求める情報や注意事項など、分かりやすく誤解の無いように伝えるのもレセプションに求められるスキルのひとつ。
伝える力を養うために、気をつけるべきポイントを挙げてみましょう。
- 「お伝えしたいことが○点ございます」といったように、話の全体像が分かる説明をしてから本題に入る
- 事実(結論)を最初に伝える
- 複雑な内容になるときは、ところどころで理解してもらえているか確認する
- お礼や謝罪の際には実際に頭を下げる、など動きをつけながら話す
これらは、ビジネスの世界では基本とされるような電話対応テクニックですが、ベテランであっても新人であっても心がけるべき重要なこと。また、機械的にならないように、電話先での表情や動きにも気をつけてみましょう。顔の見えない電話ではありますが、レセプションの様子は意外と伝わるものです。
そして、マツエクサロンのレセプションとして、女性らしく品のある言葉遣いや雰囲気を心がけることも大切。マツエクをする女性から「素敵な人!」と思ってもらえることも、サロンへの好印象につながるはずです。
人気サロンのレセプションに学ぶ!対応ノウハウとは?
今回、とある人気サロンのレセプションのみなさんにアンケートを実施。普段心がけていることや今後の目標について答えていただきました!
1.まずは、レセプションになった経緯について教えてください。
- 「人と関わることが好きで、接客業が好きだったからです」
- 「以前は美容系の施術者として働いていましたが、同じ美容系でも違った仕事をしてみたいと思ったからです」
みなさん、レセプションを目指したきっかけは「接客が好き」という想いから。美容系職種は資格必須のものが多いですが「美容系で働きたかったけど資格がなくって…レセプションなら資格不要というところにも惹かれた」との声もありました。
2.お客様に信頼され、満足いただける電話対応をするために心がけていることは?
- 「電話は顔が見えないので声で笑顔を表現できるように、明るいトーンでハキハキと。機械的にならないことも大切ですね」
- 「お客様と話す速さを揃えます。ゆっくり喋る方、早口の方など…」
- 「その方にとって親近感、安心感を持ってもらえるような話し方。『行くのが楽しみ!』と、ウキウキしてもらえるような会話を心がけています」
やはり、基本は「明るく、ハキハキと喋ること」。電話先でも笑顔でいることで、自然と“笑声(笑顔を感じさせる声)”になるようです。
3.クレーム対応の際に心がけていることや必要なスキルは?
- 「第一にお客様の心情理解を心がけています。そして、最適な選択肢を状況に応じて、即座に判断するスキルが必要だと思っています」
- 「絶対に反論しないこと。そして、必ず代替策をご提案させていただきます。スタッフだけでなく経営側へしっかりと詳細まで共有するためにもメモは必須ですね」
レセプションとして求められる「聞く力」。お客様もしっかりと聞いてもらえているだけで、気持ちも落ち着き、安心されるでしょう。謝罪をして、その後の対応を考えるのはそれから。お客様が何に不満を抱かれたのか、現状把握に努めることが重要です。
4.レセプションとして目指している次のステップや目標は?
- 「アイリストのように、お客様に覚えてもらうことが目標です。『会えて嬉しい!』と思ってもらえるようなレセプションを目指しています」
- 「どんなお客様でも会話が弾むような“太陽みたいな人”が目標です」
- 「レセプションとして、積極的にお客様とのコミュニケーションを深めていくことです」
レセプションとして目指す人物像もさまざま。中には「店長を目指しています!」という方もいました。しかし、お客様にとって特別な存在になりたいという思いはみなさん共通のよう。一人一人とのコミュニケーションを大切にされているようですね。
5.次のステップのために必要だと感じているスキルは何でしょうか?
- 「お客様の顔や名前を覚えることがとても重要だと考えています。そのため、記憶に残るような印象的な接客を行うことやお客様との会話を大切にしています」
- 「お客様のためになると思うことは何でもやってみるようにしています」
- 「様々なことに視野を広げ把握する力、目標のために逆算して計画たてられる力、今だけではなく先を考えて行動できる力が必要」
- 「まずは会社の考え方を知ることが大切だと考えています」
レセプションとしてスキルアップするためには、お客様といかに深い関係を築けるかにかかっています。とはいえ、お客様の望むままにすればいいということではないはず。レセプションとしての対応は、サロンとして、会社としての方針がベースとなっていなくてはならないでしょう。そのためにも「会社の考え方を知る」というのが大切なのです。
6.レセプションに必要な聞く力、伝える力についてお聞きします。身につけるために必要なことは何でしょうか?
- 「聞く力は、お客様が何を求められているのか要点を理解することが大切。視線や表情などの部分をしっかり見て言葉以外にも気を配り、何を伝えられたいのかを読み取ることが必要です。伝える力は、自分がしっかり要点をまとめて、筋道を立てて分かりやすく伝えることが大切。直接話す練習だけでなくブログや電話などを通じて伝える頻度を上げ、人に伝えることの習慣づけをすることが必要だと考えます」
- 「聞く力を身につけるためには、どんな話にも興味を持って聞く、最後まで聞くことを心がける。相手の立場になって考えながら聞く。伝える力は、とにかくメモをして整理をする。結論から先に伝える。なぜそうなのか、理由も伝えることが必要だと思います」
ただ、お客様の言われることを“聞く”だけではないということが分かりますね。しっかりと話の芯を掴むために、意識的に耳を傾けようとする気持ちが大切です。そして伝えるときも、一方的にならず常に相手の立場から分かりやすくなっているか意識しなくてはなりません。信頼されるレセプションになるためには「お客様の気持ちをどれだけ深く理解できているか」にかかっています。それは日頃から意識していないと、なかなかできないことでしょう。
7.これまでに、印象に残っている電話対応はありますか?
- 「お客様から『マツエクの施術はされてないんですか?』と質問され、してないことを伝えると『お姉さんに施術して欲しかったです、もしする機会があったら指名します!』と言っていただきました。信頼関係を築くことができたのかなと思い、とても嬉しかったです」
- 「お電話で予約を受けた際に、普段の担当者が休みで対応できないことを伝えるとお客様が不安そうにしていらっしゃったので、不安な部分を詳しくお伺いし少しずつ納得いただけるようにしました。そして、最終的には『他のスタッフでお願いします』と言っていただけたのですが、その際にその方から名前を聞かれ『あなたのおかげで不安なくお店へ行けます。ありがとう!』とお礼を言われたんです」
レセプションというのは、アイリストと比較するとお客様と接する時間は少ないかもしれません。しかし、お客様にとって印象に残る存在になることはできるはず。サロンの口コミにアイリストのことではなく「レセプションの電話対応が良かった!」と書かれることもあるようです。
まとめ
マツエクサロンにとって重要な役どころであるにもかかわらず「スキルを身につけるためにはどうすればいいんだろう?」と悩む人も多いレセプションという立場。アイリストのように専門的な講習会が開催されることもほとんどなく、ステップアップの道筋が分かりにくいとの声もよく聞きます。しかし、今回のアンケートからも分かるように、日頃どれだけ多くのことを意識し、お客様のためになることを考えられているか、が成長につながるはず。ぜひ、みなさんの普段の業務に活かしてみてくださいね。190621Esa