【アレルギー対応・敏感肌用】ブチルグルー徹底比較!粘度別オススメグルーとは
エチルグルーにアレルギー反応が起きたお客様や、敏感肌のお客様にブチルグルーを使用するサロンが増えてきています。今回はそんなブチルグルーを、粘性という観点から深掘り!自分にとって操作性の良いブチルグルーの粘度を把握しておけば、もうグルー選びに悩まずにすみますよ。
ブチルグルーの特性とは?
エチルグルーではアレルギー反応を起こしてしまうお客様に使うこともある、ブチルグルー。「なんとなく低刺激性なもの」という程度の印象で、取り扱っていませんか。まずはブチルグルーの特性をしっかりと学んでいきましょう。
エチルグルーとブチルグルーの違いとは
ブチルグルーについて詳しく述べる前に、エチルグルーとブチルグルーの違いについておさらいしましょう。
グルーはこのように、主成分と増粘剤・着色剤・安定剤などで構成されています。この主成分の違いにより、グルーの種類は分類されているのです。
以前こちらの記事で詳しくエチルグルーとブチルグルーの違いについて解説しました。
それぞれを比べた場合の特徴を簡単にまとめた表がこちらです。
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エチルグルー |
ブチルグルー |
メリット |
モチが良い 硬化速度が速い |
ホルムアルデヒドの放出量が少ない ニオイが少ない |
デメリット |
ホルムアルデヒドの放出量が多い |
持続力が弱い |
アイリストのみなさんはもうご存知だとは思いますが、ブチルグルーを選択する最大のメリットはホルムアルデヒドの放出量の少なさ。このホルムアルデヒドは、主成分であるシアノアクリレートが揮発するときに発生する物質のこと。ホルムアルデヒドによりアレルギー反応を起こしてしまう人もいるため、過去にグルーでアレルギー反応を呈した人には、ブチルグルーをおすすめしたいですね。
アレルギー用のグルー選びについては、こちらの記事も参考になります。ぜひ読んでみてくださいね。
では主成分が違うエチルグルーとブチルグルーで、モチの良さに差が出るのはなぜなのでしょうか。そこには接着面におけるそれぞれの粒子の違いがあるようです。
ブチルグルーのモチが悪いのはなぜ?
エチルグルーとブチルグルーの接着面の粒子の違いとは、どのような意味なのでしょうか。
エチルグルーでは小さな粒子が集まって、自まつげとエクステを接着させています。そのため接着面が大きくなり、しっかりと密着することができるのです。一方ブチルグルーではエチルグルーよりも粒子が大きいという特性があります。そのため接着面が小さく、かつ一部の粒子が剥がれるとバランスが取りにくく、他の粒子も剥がれやすくなってしまうのです。
ボールの上に置いた板の上に立つことを想像すると、分かりやすいかもしれません。ボールがビー玉だとしたら、たくさんあるうちビー玉が2~3個なくなってもバランスには影響しないでしょう。しかしボールが直径50cmのバランスボールだとしたら、3個のうち1個なくなると、バランスをとるのは難しくなってしまいますよね。これと同じような原理で、エチルグルー(ビー玉)とブチルグルー(バランスボール)でモチの良さに差が出てくるのです。
さらにブチルグルーの特性のひとつに、粘性が高いことが挙げられます。この粘性については過去に説明していますが、ここで再度おさらいしていきましょう。
操作性と粘度の関係について
グルーの操作性は粘度と深く関わっていることは、これまでのBeautéで何度もお伝えしてきました。さらに粘度を数値化した「mPa・s(ミリパスカル秒)」という単位についても、触れたことがあります。ここで簡単におさらいしておきましょう。
ミリパスカル秒は、パスカル値と呼ばれることもあります。数値の特徴は次の通り。
数値が小さいほど、粘度が低く、サラサラした状態
数値が大きいほど、粘度が高く、ネバネバした状態
数値は一定ですが、どれくらいの値から粘度が高い/粘度が低いと感じるかは、人それぞれ。そのため自分が操作しやすいグルーの粘度の値を知ることが大切です。
グルーの粘度と操作性の関係は、表のとおり。
粘度 |
高い(ネバネバ系) |
低い(サラサラ系) |
メリット |
◆自まつげに絡みやすい ◆スライド装着しやすい |
◆マツエクのモチが良い ◆硬化速度が速い |
デメリット |
◆グルーの量が多くなりがち ◆硬化速度が遅い |
◆グルーの量が少なくなりがち ◆液だれを起こすことも ◆スライド装着しにくい |
一般的に粘度が高いグルーの方が、新人アイリストさんには扱いやすくなっています。自分が扱いやすいグルーを見つけたら、ミリパスカル秒を確認してみましょう。そうすることで、他のグルーでも近い粘度の商品を選べば、操作性を維持することができます。
パッケージや口コミで「粘度が高く、操作しやすい」と記載されていても、それは個々で感じ方の違うもの。評価が一定する数値で確認することが大切です。
「mPa・s(ミリパスカル秒)」についてより詳しく知りたい方は、下記の記事も読んでみてくださいね。
おすすめのブチルグルーを粘度別にご紹介
一目でグルーの粘度と硬化速度を確認できるツールに、「グルーポジショニングマップ」があります。これはアイラッシュガレージの商品カタログ内に掲載されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
アレルギーや敏感肌の人に使用したいブチルグルー。今回は粘度別におすすめアイテムをご紹介していきましょう。
〈粘度:500mPa・s〉Seven Glue ブチルver.2
刺激:★
持続:★★★★
硬化速度:約3~5秒
ブランド:7LASH(セブンラッシュ)
刺激性が低く、柔軟性に富んだブチルグルー。500mPa・sと粘度が高い商品です。赤黒色を採用することで、より自まつげに近い色味を再現しています。自然な仕上がりやアイライン効果を期待するお客様におすすめ。
〈粘度:300 mPa・s〉強力ブチル黒10gBBK
刺激:★
持続:★★★
硬化速度:約4~5秒
ブランド:PREANFA(プリアンファ)
ある程度の速乾性があり、扱いやすいブチルグルー。国内提携工場と共同開発したこだわりがつまっている商品です。密着度も従来のブチルブラックよりアップ。
〈粘度:250 mPa・s〉日本製ブチル速乾グルー
刺激:★★
持続:★★★★
硬化速度:約5~7秒
ブランド:BEAUTY PRODUCTS(ビュプロ)
従来の商品から粒子サイズを10分の1にすることで、なめらかなブチルグルーに。密着度がアップし、扱いやすくなりました。
〈粘度:200 mPa・s〉日本製グルー超速乾α
刺激:★
持続:★★★★★
硬化速度:約2~4秒
ブランド:BEAUTY PRODUCTS(ビュプロ)
カーボンや増粘剤といった余計なものを省き、速乾性と持続性を兼ね備えたブチルグルー。下まつげにも使いやすい、効果速度の速さが魅力です。ブチルグルーでも粘度が低く、施術スピードをアップしたいアイリストさんにおすすめ。
〈粘度:150 mPa・s〉メディカルブチル
刺激:★★
持続:★★★★★
硬化速度:約3~4秒
ブランド:Lash Colors(ラッシュカラーズ)
超敏感肌用のブチルグルー。グルーの刺激を抑え、目の充血や皮膚の炎症が過去にみられたお客様にも使いやすくなっています。エチルグルーと同じような粘度で、施術スピードを確保したいアイリストさんにぴったりです。
〈粘度:60~100 mPa・s〉セーフティグルー
刺激:★★
持続:★★★★
硬化速度:約2~3秒
ブランド:VENUS LASH(ヴィーナスラッシュ)
サラサラテクスチャーのブチルグルー。超速乾タイプだから、スピーディな施術が可能に。安全性も重視した、万能タイプのグルーです。
エイチグルーとブチルグルーがMIXされた商品も販売されています。両方の特徴を兼ね備えた商品だから、扱いやすさもアップ。
〈粘度:230 mPa・s〉国産エチルブチル ブラック 10g
刺激:★★
持続:★★★★
硬化速度:約3秒
ブランド:PREANFA(プリアンファ)
エチルグルーより刺激を抑え、ブチルグルーより密着性や持続力がアップしたグルー。さらに硬化後に接着面が固くならない特徴も。柔軟性のあるマツエクを実現できるため、目元の違和感が気になるお客様にもおすすめです。
ブチルグルーの扱いが上手になりたい人は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてくださいね。
あなたが施術しやすいブチルグルーを見つけよう
ブチルグルーには、アレルギーや敏感肌の人向けの低刺激性という魅力があります。これまで粘度が高く扱いにくいと思っていたアイリストの方も、自分に合うパスカル値のブチルグルーを見つけて、ブチルグルーを使いこなせるようにしましょう。190729Eoa