近すぎず、遠すぎず!マツエクサロンのお客様とアイリストのちょうどよい距離感とは?

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アイリストという職業は、技術職であると同時に接客業でもあります。そのため、お客様のなりたい目元を忠実に再現する技術力の高さはもちろんのこと、お客様からの信頼感や親近感を高める工夫も必要です。しかし、お客様との距離感に悩むアイリストも多いもの。お客様にとっての心地よい距離感を掴むためにはどうすればよいのでしょうか。今回はお客様との上手な距離感の取り方について検証していきましょう。

お客様にとって「ちょうどよい距離感」とは?

お客様にとっての「ちょうどよい」と感じる距離感とは、いったいどの程度のものなのでしょうか。

お客様が重視しているのは心地よい接客

Beautéの読者のみなさんは、お客様からの信頼度を得るために技術力を重視し、日々スキルアップを目指している方も多いことでしょう。しかし、見ていただきたいのがこちらのグラフ。これは、マツエクをしている100人の女性を対象に「何が決め手となって現在のサロンに通うようになったのか」というアンケートを実施したものです。

確かに3番目に「技術力の高さ」が選ばれていますが、それよりも上位に「スタッフの接客」が選ばれていることが分かりますね。
美しい仕上がりにするためには、お客様とのコミュニケーションや意思疎通が不可欠。また、「サロンで過ごす時間=リフレッシュの時間」と考えているお客様も少なくありません。つまり、アイリストの接客力が満足度向上へとつながり、サロンのリピート率アップや指名率アップへのカギとなっているのです。

ちょうどよいと感じる距離感はお客様によって異なる

お客様の満足度アップのカギとなるのが「接客」ですが、お客様と密にコミュニケーションを取ることがよい接客であるとは限りません。もちろん、スタッフとの会話を楽しみにして来店されているお客様もいらっしゃいますが、必要以上に話しかけられることで、緊張してしまったり不快に感じてしまったりするお客様も。
そのため、「お客様との適度な距離感は?」という問いに対して、コレ!という明確な答えはありません。ちょうどよいと感じる距離感はお客様が決めるものであり、すべてお客様次第。距離の詰め方を誤ってしまうと、お客様の足がサロンから遠のいてしまう原因となることも十分あり得ます。

しかし、スタッフとの会話を楽しみにされているお客様だからと言って、距離感を近づけすぎるのも実はあまりよくありません。たとえば、お客様との距離が近づいたことから、連絡先を交換してプライベートでも交流を持つまでに発展したアイリストの話もよく耳にします。そんなケースでよく見られるのが、お客様が次第に予約をドタキャンしたり、日時変更を依頼してきたりするようになってしまったというエピソード。仲良くなりすぎると、だれしも甘えの部分が出やすいもの。それはアイリスト側も同じと言えるかもしれません。

お客様本人からの思わぬクレーム
お客様本人からの限度を超えた要望

一定の距離感を超えてしまうと、このようなトラブルを招く可能性があります。また、まわりのお客様が、「待遇が自分と違う」と不快に思われる場合もあり、会社の損益だけでなくイメージダウンにもつながりかねません。
では、距離が遠いのがよいのかと言えば、そうではありません。距離が遠すぎると、お客様との信頼関係が生まれにくく、リピーター化しにくいという問題が出てきてしまいます。
そのため、お客様との距離感の取り方は「近すぎず、遠すぎず」がベスト。近すぎず遠すぎずのほどよい距離感を保つことができれば、お客様にとってもアイリストにとっても、心地よい関係性となるはずです。

 

お客様とのほどよい距離感を保つために

ほどよい距離感と言っても、友達のように接するのはNG、またビジネスライクっぽくなりすぎると冷たい印象を与えてしまうことにもなりかねず、簡単に実践できることではないでしょう。では、ほどよい距離感を保つためにはどのようなポイントに気を付ければよいのでしょうか。

お客様のタイプを見極める

お客様とよりよいコミュニケーションを図るために、お客様の性格のタイプを理解することも大切です。そこで役立つツールが、「ソーシャルタイプ」というコミュニケーション理論です。過去にBeauté内でもご紹介しました。

こちらの記事にもあるように、性格は大きく分けて4つのタイプに分類されます。

こちらの記事にもあるように、性格は大きく分けて4つのタイプに分類されます。

ドライビングタイプ:
感情を表に出さず、クールな印象。物事の結論だけを知りたがる傾向にあり、人から指示されることや、話を聞くことが苦手。
エクスプレッシブ:
感情表現豊か。人と話すことが好きで、自分の思ったことをどんどん口に出すタイプ。コミュニケーションを取ることが楽しいと思える人。
エミアブル:
主張することがあまり得意ではない。自分の意志や意見よりも、他人のことを優先しがちなお人好しタイプで、日本人女性に多く見られる。
アナリティカル:
リスクを嫌う傾向あり。物事を分析することや理屈を大切にするため、根拠のない話は好きではない。職人気質に見られるタイプ

サロンに来られるお客様も、この4つのタイプのどれかに分類されます。このタイプを見極めることができれば、お客様への接し方や距離感もおのずと見えてくるはずです。ファーストアプローチでは、このタイプを見極めることは難しいですが、4つのタイプを頭に入れて接客することを意識することで、次第にどのタイプに属するかの判断がつくようになるでしょう。

こまやかな声掛けを意識する

何度もサロンをリピートしているお客様だからと言って、声掛けを怠っていませんか?
たとえば、「こちら段差があるので気を付けてくださいね」、「いまから保護テープを貼っていきますね」など、こまやかな声掛けが以前と変わらずできているでしょうか。当然何度も利用されているお客様であれば、サロン内の勝手や施術の流れを把握している方がほとんどですが、声掛けは接客の基本。こまやかな声掛けによって、「自分は大切な存在と思われている」「尊重されている」とお客様が感じていただくことができ、お客様とアイリストとしての関係性を保つことにもつながります。また、初めて来店されるお客様にとっても、安心感を与えるきっかけとなり、のちに信頼関係の構築にもつながっていきます。

DMを送る頻度も注意

来店していただいたときの接客の仕方ももちろん大切ですが、DMの送る頻度もお客様にとっての”適度な距離感”を決定づける要素。たとえば、熱心に毎月DMを送信しているサロンだったとしましょう。こちらとしては、「お客様に再度来店していただきたい」という思いが根底にありますが、果たしてお客様にその思いがストレートに伝わっているでしょうか。なかには、しつこい勧誘と感じられるお客様もいらっしゃるかもしれません。そのため、季節変わりごとなど適度な頻度を意識して送るとよいでしょう。また、お客様の誕生日や記念日など特別な日にDMを送ることで、さらによい印象を与えることにもつなげられるかもしれません。

パーソナルスペースも意識してみるようにしよう

人には、場によって適切な距離感があります。これを「パーソナルスペース」と呼びます。パーソナルスペースは「対人距離」とも呼ばれるもので、大きく4つのゾーンに分類されます。

親しい人との間で許容できる距離…15~45cm
友人や顔見知りの人との間で許容できる距離…45~120cm
商談やビジネスに適しているとされている距離…120~360cm
公衆の前で演説するときなどに適している距離…360cm~

上記が人にとっての適切な距離感です。
知らない人がこのパーソナルスペースよりも近い距離に来られてしまうと、不快に感じてしまうケースも少なくありません。マツエク施術中はどうしてもお客様と近い距離となってしまうため、このパーソナルスペースの理論を実践することは難しいもの。よって、施術前のカウンセリング時などにパーソナルスペースを意識しながら、可能な範囲でよい印象を与えることが大切です。そしてお客様の様子を伺いながら徐々に距離を縮めていき、心理的な距離感も縮めていけるようになれるのがベスト。
お客様とよい関係性を築くためには、物理的な距離「パーソナルスペース」を意識することもひとつの手段となるでしょう。

まとめ

お客様との距離感の取り方は、プロのアイリストでも悩むことの多い難しい課題です。しかし、近すぎず・遠すぎずのほどよい距離感を保つことができれば、お互いにとってストレスのない気持ちのよいコミュニケーションの場となるはずです。また、「再度来店したい」というサロンの魅力アップにもつながるでしょう。ぜひ、今一度お客様との距離感について自信の接客を見直してみてくださいね。190907Emm

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