2019年の夏が来た!「夏のマツエク施術」で気をつけることとは?
暑い季節がやってきました!夏のマツエク施術には気をつけておきたいことがたくさんあります。特に注意しておきたいのが、グルーの管理。グルーには高温多湿に弱いという特性あるため、梅雨〜夏の時期はより徹底したグルー管理やサロン環境の整備が必須です。お客様の安全やマツエクのモチのよさを守るためにも、夏のマツエク施術で気をつけるべきことをチェックしておきたいですね。詳しく確認していきましょう。
ホルムアルデヒドと温度の関係
マツエク施術に必須のグルーの主な成分はシアノアクリレートと呼ばれる有機化合物です。そして、シアノアクリレートが硬化するときに発生するのが、無色の気体ホルムアルデヒドです。
ホルムアルデヒドは濃度が高いほど体に影響を及ぼすもの。その影響には以下のようなものがあります。
0.08ppm |
臭いを感じる |
3ppm |
目や鼻に刺激が生じる |
4~5ppm |
涙が出る |
50ppm |
肺炎を起こす可能性も |
空気中に放散されるホルムアルデヒドによってアレルギー症状を引き起こすことがあるのは、アイリストの周知の事実ですよね。今回注目するのは、ホルムアルデヒドと温度の関係について。詳しく確認していきましょう。
ホルムアルデヒドは温度により濃度が変化する
ホルムアルデヒドは温度により濃度が変化する性質があり、室温や気温が高くなるほど上昇します。臭いでしか判断できないホルムアルデヒドは、低い濃度では認識することはできません。しかし、知らず知らずのうちにホルムアルデヒドを吸収してしまうと、アレルギー症状を引き起こしたり体に異変が生じたりと、さまざまな悪影響を及ぼす恐れがあります。
グルーが硬化するときに発生するホルムアルデヒド。真夏日や猛暑日といった特に暑い日が多い近年の夏は、グルーの管理状態にしっかりと気を配る必要があるといえます。
適正温度は18~23℃
適正湿度は50%~60%
直射日光の当たらない涼しくて暗い場所がグルーの保管場所の必須条件です。正しい保管がグルーの劣化防止につながり、施術のしやすさやモチにも影響を及ぼします。
家庭用冷蔵庫保管はだめ!その理由は?
直射日光の当たらない涼しいところ、という条件に当てはまるもので思い浮かべるのは冷蔵庫ではないでしょうか。「グルーが劣化しないように、定休日や夜間はスタッフルームにある冷蔵庫で保管している」というサロンもあるようですが、それはNG!グルーの劣化を引き起こしてしまう原因になります。
家庭用冷蔵庫がグルーの保管に向かない理由は設定温度。0~10℃と低く、先述したグルー保管の適正温度には当てはまりません。低温でグルーを保管すると、容器内の温度が急激に下がってしまい結露を発生しやすくなります。グルーはまつげや空気中の水分に反応して硬化する性質があるため、グルーに結露=水分が発生するのは大問題。結露が多いと中で本格的な硬化が始まったり、少量なら粘り気が出てドロドロになったり糸を引いたりと、劣化してしまうこととなります。
グルーの適正な保管のためにも、家庭用冷蔵庫の使用は避けておくのがベストです。
夏のサロンで気をつけておきたいことは
夏のサロンで気をつけたいことを確認していきましょう。
施術ルームで気をつけたいことは
サロン環境で気をつけたいこと
気温の変化でホルムアルデヒド濃度を高めないために、まずはサロン環境をきちんと整えることが最重要課題です。
温度と湿度
グルーを使う施術ルームの温度は、23℃以上にならないようにする必要があります。湿度もグルーの劣化に影響を及ぼす要因。加湿器や除湿器でサロンの湿度を一定に保つことも大切です。
また、エアコンや加湿器、除湿器を置く場所にもアイリストの作業する手元に直接当たらないように細心の注意を払いましょう。
直射日光
大きな窓など直射日光が当たる場所があるなら、そこを施術スペースにするのは避けましょう。遮光カーテンを使うことを検討してみるのもおすすめです。
施術中に気をつけたいこと
施術中はエアポンプなどを使ってしっかりと揮発物質を飛ばしながら行うのが基本です。ツイザーを持った状態でも風を出すことができるエアコンプレッサーを導入するのもいいでしょう。
夏は高温多湿になる傾向にありますよね。温度と湿度の変化による関係は以下の通り。
<温度との関係>
<湿度との関係>
以上から、高温多湿の環境の場合、
◆グルーの粘り気が減る
◆硬化速度が速くなる
という扱いづらい状態になることが考えられます。
上記の異変を感じるようであれば、硬化速度の遅いグルーを試すのも方法のひとつ。使いやすいグルーを検討してみるのもいいでしょう。
人気マツエク通販サイトのアイラッシュガレージが公開している、グルーポジショニングマップについての過去記事もあるので参考にしてみてくださいね。
また、ノズルにグルーが残っているとノズルつまりやキャップが開かないという不具合が起こることもあります。ノズルにグルーが残らないようにしておくことも大切です。
劣化したグルーでのマツエク装着には
◆施術のしにくさ
◆モチの悪さ
と、アイリスト目線でもお客様目線でもデメリットしかありません。劣化していると感じたら、使用を控えて新しいグルーを使うよう周知徹底してください。グルーの使用期限と保管方法はこちらの過去記事をチェックしましょう。
ホルムアルデヒド対策に有効な商材を取り入れる
ホルムアルデヒドが体に及ぼす影響を鑑み、最近ではホルムアルデヒド対策に有効な商材がたくさん登場、ラインナップも充実しています。例を挙げてみてみると
◆ホルムアルデヒドの放出量が少ない低刺激グルー
◆ホルムアルデヒドをキャッチする置き型除去剤
◆有害物質吸着や抗菌作用等の機能を備えたハイブリッドエクステンション
◆ホルムアルデヒドを中和分解する成分が配合された目元保護クリーム
◆ホルムアルデヒドを除去するスプレー
といったものがあります。
特に暑い夏はこれらの商材をしっかりと活用し、サロン内のホルムアルデヒドの濃度を低く保つことが大切になるでしょう。
ホルムアルデヒド除去スプレーについては過去記事でも触れていますので、参考にしてみてください。
グルー専用冷蔵庫を導入する
家庭用の冷蔵庫はグルーの保管に向いていませんが、グルー用専用冷蔵庫も販売されています。営業時間外に冷暗所が確保できないという場合は、グルー専用の冷蔵庫を導入するのもひとつの方法です。
グルー専用の冷蔵庫は18℃前後というグルーに適した温度設定にできるのが特徴。オープン準備の際、施術ルームの温度が 25℃~28℃程度に涼しくなってから取り出しましょう。ただし、グルーは冷えていると扱いにくいため、施術開始 30 分前には常温に戻しておかなければなりません。
イベントの多い夏だからこそ!お客様にお伝えしたいこと
夏の接客ではどんなところに気をつけるのがいいのでしょうか。
マツエクの取り扱いや注意点をしっかり説明
夏は海やプール、野外フェスやBBQなど、野外イベントの多い時期。汗をかいたり海に入ったりと、マツエクのモチを悪くする要素がたくさんありますよね。
アイリストとしてもお客様としても、せっかく装着したエクステを長持ちさせたいはず。エクステ装着時の取り扱いについて、マツエク初心者さんはもちろん常連さんにも今一度しっかりお伝えしておくと丁寧です。また、モチを良くするためのアドバイスとして
◆コーディング剤
◆まつげ美容液
をおすすめするのもいいでしょう。
予約の頻度を早める提案をする
海やキャンプと、野外での夏イベントの予定があるお客様もたくさんいるのではないでしょうか。マツエクが取れやすいと思われるイベントを控えたお客様には、通常4週間のところ3週間での来店をおすすめするなどして、予約の頻度を早める提案をするのもいいかもしれません。これなら、マツエクが取れてスカスカ!という事態も防ぐことができるはず。次の夏イベントに備えてばっちりまつげでいたいお客様にはうれしい提案かもしれません。
まとめ
高温多湿になる夏は、グルーの硬化時に発生するホルムアルデヒドの放散量が増えるという側面が。マツエク施術に欠かせないグルーの適正保管が、より求められる季節です。まずはサロンの環境を見直し、グルーにもお客様にもよいサロン環境を整えることから夏対策を始めましょう。ホルムアルデヒド対策商材もたくさん販売されているので、サロン環境に合ったものを選んでみるのもおすすめです。1年を通して変わらないサービスを提供できるサロンを目指しましょう。190630Ess