マツエクのグルーが取れやすくなる原理とは?水・温度など弱点を調査

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マツエクのグルーは空気中の水分で硬化する、ということは、もう皆さんご存知のはず。そこで、ふと疑問に思うのが「グルーは水分で硬化するはずなのに、湿気などでマツエクがとれてしまうのはなぜ?」ということ。
「水分で硬化するグルーが水分に弱い」…いっけん矛盾しているように思えるメカニズムですが、ちゃんと理由があるのです。グルーが取れやすくなる原理をきちんと理解できれば、お客様に「マツエクを長持ちさせるコツ」をきちんと説明できるようになるはず。この記事では、マツエクのグルーが取れやすくなる原理を分かりやすく解説していきます。

マツエクグルーはなぜ水に弱い?

グルーが水に弱い理由、それは接着剤の原理に置き換えて考えて見ると分かりやすいでしょう。
そもそも、どんな物質でも表面は凸凹しているもの。本来、2つのことなる物体を重ね合わせても、その凸凹がぴったりと一致することはありません
そこで、接着剤の出番。接着剤は物体同士の「凸凹のあな」に入り込んで、その凸凹を埋めてしまうのです。さらに接着剤の主成分は「シアノアクリレート」。
シアノアクリレートは空気中の水分で硬化する性質を持っています。
つまり、物体同士の凸凹に入り込んだ接着剤が空気中の水分で硬化し、ふたつの物体をしっかりとホールドすることによって、物体の接着部分に相互作用が働き、物体同士が強い力で引き合い固定されるのです。これを「分子間力」と呼びます。

 引用元:セメダイン株式会社「(C)CEMEDINE

簡単に言うと 「グルーは、自まつげとエクステをくっつける縁結び役」というワケです。 では、それがどうして「水に弱い」理由となるのか?それは、水の持つ性質にヒントが隠されています。 そもそも水には「分子間力を分断する性質」があります。 そのため、水に触れれば触れるほど分子間力は分断されるため、物体同士がはがれやすくなる、というわけです。 まとめると、グルーは自まつげとエクステを固定し、分子間力を促す役割をしている。一方、水にはくっついた物体の分子間力を分断させる働きがある。そのため、水に触れると、自まつげとエクステの分子間力が分断されて、エクステが取れやすくなる…ということなのです。

マツエクグルーは高温にも弱い?

さて、お客様の中にはサウナやホットヨガなどでマツエクのカールが落ちてしまったので、マツエクは高温にも弱いはず」と思っている方もいらっしゃいます。確かにサウナやホットヨガなど、高温の場所に頻繁に通うことでマツエクの持ちが悪くなったら「マツエクは暑さにも弱いのだ」と考えてしまいがち

しかし、瞬間接着剤「アロンアルファ」の製造元会社である㈱東亜合成によると、シアノアクリレート系接着剤の耐熱温度は80℃であるとされています。いくらサウナやホットヨガスタジオの室温が高いとはいえ、80℃まで達するとは考えにくいもの。
では、なぜサウナやホットヨガに頻繁に通うと、マツエクの持ちが悪くなるのでしょうか。それは、サウナやホットヨガのスタジオが「高温多湿で汗をたくさんかく場所である」からです。

まず、皆さんご存知の通り、マツエクのグルーが内面まで完全に硬化するまでは24時間もの時間が必要となります。完全に硬化する前に、汗や蒸気などの水分に触れてしまうとグルーが白化してしまい、持続力や接着力が低下してしまいます。
また、完全に硬化したグルーであっても水分と油分は大敵。硬化したグルーに水分や油分が付着してしまうと、グルー内部まで浸透してしまい、エクステと自まつげの接着部分をはがしてしまうのです。
汗は水分のみならず油分も含んでいるので、マツエクにとっては天敵中の天敵である、といえるでしょう。

マツエクを長持ちさせるために…気をつけるべきことは?

では、ここまでのお話を踏まえて、お客様から「マツエクを長持ちさせるためにはどうすればいいですか?」と聞かれたとき、どのようなアドバイスをするべきか、考えてみましょう。

施術後のサウナやエステはNG

施術当日はサウナやヨガはもちろんのこと、汗をかくスポーツもNGである、ということをお伝えしましょう。

グルーが完全に乾いた24時間後であれば問題ありませんが、やはり頻繁に通うのは避けたいもの。
どうしても…と言われる場合は、コーティング剤をおすすめするのも良い でしょう。

ホットヨガやスポーツ、サウナに行く場合の対処法

ホットヨガやスポーツジムに通いながらマツエクの持ちを持続させる方法もあります。

汗止めヘアバンドを着用する

スポーツ用のヘアバンドやヨガ用のターバンを使用し汗が目元まで流れるのを防ぐ。

吸水性の高いタオルでこまめに汗をぬぐう

汗が目元に流れないように、こまめに汗をぬぐう。このとき、タオルで顔をこするのではなく、ポンポンとタオルを当てるようにぬぐうこと

また、タオルは吸水性が高いものを使用するのもポイント。ポンポンと軽く叩くだけで汗がきれいにぬぐえるので便利。

レッスン後にドライヤーで冷風を当てる

汗を素早く乾かすのに有効なのが、ドライヤーの冷風です。ドライヤーを一番弱い冷風に設定して、ドライヤーを下方向に固定上向きに風を出してマツエクを乾かします。マツエクのカールが上に上がって行くイメージで乾かすと良い でしょう。
ドライヤーはあまり長時間当てる必要はありません。長くても1分程度で乾きます。

間違っても熱風を当ててしまわないように、マツエクに当てる前に手のひらで冷風が出ているかどうかを確認してからを忘れないように。

 


上記のようなアドバイスをして差し上げるといいでしょう。

番外編:「マツエクの持ちが悪い」と言われたら

もし、お客様から「マツエクの持ちが悪い」「マツエクがすぐに取れる」という訴えがあった場合、まず以下のことをチェックしてみましょう。

  • 施術後すぐに洗顔をした。シャワーを浴びた
  • 施術後24時間以内に湯船につかった。
  • 頻繁にサウナやホットヨガに通った、スチーマーを使用したなど、大量の汗をかいたり、水分にさらしたりした


上記いずれかに心当たりがある、と言われた場合には、施術後すぐに洗顔をしたり、汗をかいたり蒸気に触れたりした際のリスクをお伝えしましょう。

もちろん施術後の注意点としてお伝えしておくことは必須ですが、お客様が忘れてしまう可能性も十分にあります。できれば、紙媒体にしてお客様にお渡ししておくくらい念を入れておけば、クレームが少なくなる効果も期待できます。

まとめ

マツエクのグルーが取れやすくなる仕組みをきちんと理解しておくことにより、お客様へより具体的なマツエクの持ちをよくするアドバイスができます
また、お客様の「どうして水につけてはいけないのか?」の質問にも的確に答えることができるようになるでしょう。自まつげとグルーが接着するシステムは、いっけんすると物理学のようですが、よく読めば仕組みはいたってシンプルしっかりと噛み砕いて、自分の言葉でお客様に説明できるようになれば、またひとつアイリストとしてステップアップできるはずです。191003Eco

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