花粉症の時期のマツエクはつけてOK?NG?気をつけるべきポイントとは
春先は、お客様から花粉症とマツエクの関係を相談される時期。花粉症の症状があるお客様にマツエク施術をしても大丈夫か、迷ってしまうアイリストもいるでしょう。そこで、花粉症の症状がある人がマツエクをするデメリットや、お客様からどうしてもマツエクをしたいと相談された際の注意点、マツエクデザインやグルーを選定する際のポイントをご紹介していきます。
花粉症の人がマツエクをするのは危険?
花粉症と聞くと、春先のスギ花粉やヒノキ花粉を連想する人が多いでしょう。スギは日本の国土の12%を占め、花粉症患者の原因の約70%にもなるそうです。花粉症は植物の花粉に対する体の免疫反応で、鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどさまざまな症状がみられます。
花粉症の原因となる植物は、実は50種類以上もあり、地域に生息する植物の違いや、個人の体質の差などにより異なるものの、一年を通して罹患する可能性がある身近なものです。そのため、花粉症のお客様への対応方法や施術ポイントをおさえておくことは、アイリストにとって重要といえるでしょう。
花粉症のお客様にマツエクの施術はOK?
花粉症の自覚症状があるお客様がマツエク施術に訪れた際に気をつけたいことは、目元に症状があるかどうか。とある製薬会社の調査によると、花粉症を自覚している人の半数以上が、症状として目のかゆみを挙げたそうです。目の充血や涙、目やに、まぶたが腫れるなどの症状が表れるアレルギー性結膜炎を発症している場合もあり、花粉症のお客様が来店された際には気をつけてカウンセリングする必要があります。特に目元にかゆみがあるお客様には注意が必要です。
粉症により目元がかゆくなり、マツエクした目元をこすってしまうと、
- 目元を傷つけてしまうリスクがある
- 摩擦によるダメージで肌が敏感になっているため、グルーの揮発成分の影響が表れるリスクがある
- マツエクのモチが悪くなる
- 自まつげが抜けてしまう
といったことが考えられます。
そのため、 花粉症で目元に症状がみられるお客様にはマツエクはおすすめできません。
マツエクが花粉をキャッチしてしまうことも
マツエクにより密度や長さが増したまつげが、いつも以上に花粉をキャッチしてしまうことも考えられます。カールが強いデザインの場合はまつげが眼球をカバーできないため、目に花粉がダイレクトに入りやすくなってしまう可能性も…。すると、どうなるかは想像がつきますね。目元のアレルギー症状が悪化してしまうリスクもあるのです。
これらの理由により、花粉症の症状が落ち着くまでは、お客様にはマツエクをお休みしてもらうことが安心です。目元のかゆみを我慢しながら施術を受けることはお客様にしても辛いでしょう。
目元が気になるお客様へのマツエクデザイン
花粉症の症状がひどくないお客様や、花粉症の症状があったけれども落ち着いてきたからマツエクを再開したい、といったお客様へマツエク施術をする際はデザインへの配慮が必要です。
- 長さ・太さ・本数を控えてナチュラルな仕上がりに
- 目頭・目尻はいつもより広めにあける
長さ・太さ・本数を控えてナチュラルな仕上がりに
ボリュームたっぷりのデザインにすると、前項で述べたようにマツエクが花粉をキャッチしやすくなります。またカールが強いまつげが上向きのデザインの場合、目に花粉が入りやすくなってしまうので、ボリュームを抑えたナチュラルなデザインを提案することがおすすめです。お客様に、デザインによっては花粉症に影響する可能性を説明し、エクステを選ぶ際は長さや太さは控えめのものを、デザインを決める際は本数抑えめのナチュラルな仕上がりを提案しましょう。
目頭・目尻はいつもより広めにあける
目頭の自まつげは細くて短い毛が多く、マツエクを装着すると違和感を覚えやすい敏感な場所です。お客様が不快感から目元をこすってしまうリスクを少しでも軽減させるため、目頭の装着開始位置まですき間は、いつもより広めにとりましょう。一般的にいわれている5mmよりも広く間をとり、長さやコシが十分にある健康な自まつげを選んで装着することがポイントです。目尻もさわったり、かいたりしやすい場所なので、目頭と同じようにいつもよりも広く間をとるよう心掛けましょう。
目元をこすり、マツエクとともに自まつげが抜けて減ってしまうと、リペアの際に十分に装着できません。つまり、花粉症の症状が完全におさまっても、自まつげがしっかりと生えてくるまでボリュームのあるマツエクデザインを楽しむことができなくなってしまいます。そのため、 少しでも目をこすってしまう心配がある時期は、無理な施術をしないことが大切です。
グルーの選択にも一工夫を
花粉が肌に付着することにより、皮膚に赤みやかゆみを感じるケースもあります。かいてしまうことで肌のバリア機能が低下したり、肌を傷つけたり、肌荒れを引き起こしてしまうことも…。そこで、花粉症でお客様の肌が敏感になっているときは、 目元や肌に負担の少ないグルーで施術するのも一つの手段です。
ブチルグルーに変更してみる
ブチルグルーはご存知の通り、硬化する際のホルムアルデヒドの放出量が少ないため、エチルグルーと比較して 刺激が少ないメリットがあります。花粉症のお客様は、目元をこすることで目の周りの肌が敏感になっている可能性があるため、少しでも負担の少ないグルーで施術すると良いでしょう。
また、ブチルグルーはエチルグルーに比べて粘度が高く、やわらかい、という特色もあります。目がかゆくて目元を触ってしまったときに、エチルグルーよりも柔軟性の高いブチルグルーのほうが自まつげにダメージがかかりにくい可能性もあります。
ブチルグルーを常備していない、というマツエクサロンでも、花粉症患者が多い春はブチルグルーも選択肢として提案できるよう、準備してみてはいかがでしょうか。
SDS(安全データシート)を参考にして選ぶと◎
お客様のためにブチルグルーを新たに導入する場合、最もこだわりたいポイントは 安全性ではないでしょうか。刺激が少ないグルーを導入するなら、成分をきちんと把握して選びたいものです。ところが、グルーには明確な成分の表示義務がありません。それは、グルーが薬機法の分類上「雑貨」とされているからです。そこで頼りとなるのがSDS(安全データシート)です。マツエクグルーに関して、メーカーはSDSの発行は義務付けられてはいませんが、だからこそ発行できるメーカーの製品は信頼できるといえるのではないでしょうか。SDSを発行しているメーカーのグルーから選んでみるのもおすすめです。
まとめ
お客様が花粉症の場合は、目元の症状が落ち着くまではマツエクをお休みしていただきましょう。マツエクをつけた状態で目元をこすると、目元が傷ついたり、自まつげが抜けたり、揮発成分の影響を受けやすくなったりといったリスクがあります。症状が落ち着いたお客様へマツエク施術をする場合は、花粉症を助長しないデザインや、ブチルグルーなどを提案しましょう。なるべく目元に負担をかけない、安全な施術を提供したいですね。210322Esm