【画像解説あり】マツエクのモチを左右する!装着する自まつげ選定のおさらい
アイリストにとって、モチの良いマツエク施術を行うことは重要なテーマです。モチを左右する要因のひとつが、エクステを装着する自まつげの選定。言うまでもなく、エクステはすべての自まつげに装着できるものではありません。装着NGの自まつげにエクステをつけてしまうと、デザインがばらついたり、お客様の目元トラブルにつながったりすることも……。今回は、自まつげの選定について画像付きで詳しく解説します。
自まつげ選定の重要性
日本人の平均的なまつげを知ろう
まず、日本人女性の平均的なまつげを知ることで、健康的なまつげの基準を理解しておきましょう。
【長 さ】上:5~10mm前後
自身のまつげと比べていかがでしょうか?このデータに近いまつげを持っている人もきっと多いはず。上まつげは、5~10mmと長さの範囲が広いことも特徴です。
基本を踏まえたうえで、お客様の目元にあわせた自まつげ選定が大切になるでしょう。
自まつげの選定には毛周期の見極めが大切
出典:PIXTA
髪の毛と同じように、育っては抜けてを繰り返すまつげ。まつげは、1日に平均4~5本抜け落ち、3週間~4ヶ月で生え変わる(個人差あり)と言われています。自まつげの成長状態を表している毛周期は、「成長初期」「成長後期」「退行期」「休止期」の4段階。それぞれの期の自まつげの特徴を見てみましょう。
- 成長初期:細くてコシがない産毛のような状態
- 成長後期:まつげのハリやコシ、長さがアップする
- 退行期:まつげの成長が止まり、目元を保護する
- 休止期:新しく生え変わる準備段階
エクステの装着に最も適しているのは成長期の終わりから退行期の始まりまでです。まつげがしっかりと成長しているため、エクステやグルーの重さにも耐えることができ、抜け落ちるまでに時間もあるためモチも期待できます。
逆に、エクステを装着してはいけないのが成長初期と休止期のまつげ。成長初期のまつげは弱いため、エクステやグルーの重みに耐えられず、エクステを装着してしまうと自まつげにダメージが出たり装着後にまつげが伸びてデザインバラついたりする可能性があります。また、休止期のまつげは、早めに抜けて落ちてしまうためマツエクのモチが期待できず、エクステの装着には不向きといえるでしょう。
エクステ装着に適した自まつげの特徴
エクステの装着に適した自まつげを選定するためには、お客様の自まつげをよく観察することです。まず、1番分かりやすいのは成長初期のまつげ。周りのまつげと見比べて、明らかに細く短いものは成長初期とみて間違いないでしょう。
次に、成長後期の終わりから退行期の始まり頃の自まつげの特徴は、太くて長い健康毛です。周りと比べて成長しきっている自まつげを見つけると良いでしょう。最後に、1番見極めが難しいのが休止期の自まつげ。
休止期の見た目は退行期と似ているので、見て分からない場合も多いでしょう。分からないときは、前処理でまつげの拭き取りを行う際に、休止期のまつげを落としてしまうのがおすすめです。
【画像解説】装着して良いまつげとダメなまつげ
ここで、装着しても良いまつげと、適していないまつげを、画像を見ながら解説していきます。
△…短め・細めのエクステの装着が望ましいまつげ
×…基本的にはエクステの装着がNGのまつげ
◎層の自まつげは、長さ・太さとともに十分に成長したまつげです。1番太くて長いまつげを基準となる健康毛とし、基準に対して1~2mm程度の差であれば問題なくお客様が希望するデザインのエクステが装着できます。
△層の自まつげは、◎の自まつげと比べると、2~3mm短いため、まだ成長する伸びしろが残っていることが推測できるでしょう。しかし、装着してはダメというほど弱い自まつげではありません。そこで△のまつげにおすすめなのが、短めまたは細めのエクステを装着すること。エクステの長さは、自まつげの長さから+1mmまで、細さは0.05~0.07mmのエクステを1Dまたは2Dで装着すると良いでしょう。
短く細いエクステは、自まつげへの負担を極力減らすことができるためモチが良くなり、装着から時間が経ってもデザインが大きく乱れにくいという利点があります。
最後に、×層の自まつげは、まだまだ成長しきっていない短くて細い自まつげ。
エクステを装着してしまうと、早く抜けてしまったり、自まつげの成長によりデザインがバラけてしまったりするデメリットがあります。また、成長初期の自まつげ以外にも、生え癖が強すぎる毛や極端に下向きの毛も、エクステの装着は避けたほうが良いでしょう。
このように、まつげの長さや太さを他のまつげと比較しながら観察することで、どのまつげが装着できてどのまつげがダメなのかを見極めることができます。自まつげの選定の良し悪しは、今後お客様がマツエクを長く楽しみ続けてもらうための重要なファクターです。ぜひ、お客様のまつげとよく向き合ってみてくださいね。
お客様が希望する本数がつけられないときは?
長くて太い健康な自まつげにエクステを装着することが、自まつげ選定のセオリーでした。しかし、自まつげが傷んでいる、生え変わり時期の毛が多く装着に適した自まつげが少ないなど、お客様の自まつげの状態はさまざまです。お客様の希望する本数が、装着できる自まつげより多いこともあるでしょう。
お客様の希望の本数やデザインと、自まつげの状態がマッチしない場合、まず大切なのは事実をきちんとお伝えすること。装着できる自まつげの本数が希望とするエクステの本数よりも少ないことに加えて、短くて弱い自まつげに装着した場合のデメリットもしっかり伝えることが大切です。
その場合、お客様自身にまつげを見てもらいながら説明すると、伝わりやすいでしょう。1番NGなのは、何もお伝えせずにお客様の希望通りのマツエク施術を行うこと。施術が終わった直後はご満足いただけるかもしれませんが、施術直後でもマツエクが抜けたりデザインがバラついたりしやすいため、お客様満足度が下がり、リピートにはつながりにくいでしょう。
お客様に事実をお伝えしたあと、自まつげの状態に合わせたデザインに変更していただけることもありますが、それでも希望のマツエクを希望されることもあります。デザイン優先のお客様の場合でも、できる限り自まつげのことを考えながら、お客様の希望と自まつげの状態とのすり合わせを行いましょう。
上の章で紹介した画像を例にあげてみます。
目頭付近には◎のエクステ装着に適した自まつげが少ないことが見てとれるでしょう。この自まつげの状態では、エクステ選定のセオリーを守るとスカスカなデザインになってしまいます。
対処法としては、お客様の了承が得られた場合、短め・細めのエクステをつけることです。デザイン的に違和感がなく、自まつげが伸びたときにも良い感じに馴染む可能性があります。この画像の目元は、目頭が短く目尻に向かうにつれて長くなる傾向にあるので、目尻の成長しきった自まつげと目頭の自まつげの長さを比べる必要はありません。
目頭の範囲の中で自まつげを見比べ、成長率を予測しながら成長期の終わりの自まつげを見つけると良いでしょう。お客様の要望を吸い取りつつ、臨機応変に対応することで、お客様にご満足いただけ、きっとリピートにつながっていきますよ。
まとめ
自まつげをきちんと選定して施術を行うことで、お客様の自まつげを無駄に傷めることなく、モチの良いマツエクライフを楽しんでいただけます。自まつげ選定のコツは、まつげ全体を観察して毛周期を見極め、成長後期~退行期に入ってすぐの成長しきった自まつげを見つけること。もしお客様の希望と自まつげの状態がマッチしないときは、お客様に事実をきちんとお伝えし、ご満足いただけるように希望と自まつげとのすり合わせを丁寧に行うと良いでしょう。210428Ekm
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