「お湯で落ちるタイプ」のマツエク専用マスカラ…なぜ汗や涙では落ちないの?
「お湯で落とせるマツエク専用マスカラって、汗や涙で落ちないのはなぜ?」…お客様からこのような質問をされた場合、はたして即答できるでしょうか?
マツエクのプロとして、お湯では落ちるマスカラのメカニズムを知っておいて損はありません。また、お客様が「汗や涙で落ちないマツエク専用マスカラ」を希望された際のどのような商品をおすすめすれば良い かも知っておきましょう。
この記事では、お湯で落ちるタイプのマスカラの仕組みを詳しく解説していくと同時に、お湯で落ちるフィルムタイプマスカラと、水に強いウォータープルーフマスカラの違いもご紹介します。
お湯で落ちるマスカラ・・・なぜ水や皮脂には強い?
フィルムタイプとウォータープルーフタイプの違い
性質の違い
お湯で落ちるタイプのマスカラは、「フィルムタイプ」と呼ばれており、水や皮脂に強いのが特徴です。同じように水に強いタイプのマスカラに「ウォータープルーフタイプ」というものがあります。しかし、ウォータープルーフタイプのマスカラは、フィルムタイプのマスカラと違って皮脂には弱いという特性があります。
まずはその性質の違いを比較してみましょう。
フィルムタイプ |
ウォータープルーフタイプ | |
成分 |
グルー | 揮発成分 |
特徴 | グルーが乾くと断水性のあるフィルムを形成する | 断水機能を強くするためにオイルを配合している |
油分量 | 少ないため皮脂に強い | 多いので皮脂に弱い |
落とし方 | 38度以上のお湯 | 専用のリムーバー使用 |
フィルムタイプとウォータープルーフタイプは「水に強い」という性質を持っていることから非常に混同されやすいといえます。
メリット・デメリット
では、フィルムタイプのマスカラとウォータープルーフタイプのマスカラ、それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
フィルムタイプ | ウォータープルーフタイプ | |
メリット |
・水や皮脂に強い ・お湯で簡単にオフできるのでマツエクへの影響が少ない |
・水、涙、汗に強い ・カールのキープ力がある |
デメリット |
・カールが直線になりやすい |
・専用のリムーバーを使用しなければオフ出来ない ・クレンジングに手間がかかる |
それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解し、お客様に尋ねられたときにはきちんと説明できるようにしておきましょう。
フィルムタイプのマスカラはなぜ水や皮脂に強いの?
では、フィルムタイプのマスカラがなぜ水や皮脂に強いのかをさらに詳しく解説していきましょう。
フィルムタイプのマスカラは、乾燥すると表面に水をはじくフィルムが形成されます。その膜が防水効果を発揮することで、水がかかってもマスカラが落ちないのです。
また、ウォータープルーフのような油分量が多いマスカラは、皮脂になじみやすい性質を持っているので、皮脂で落ちてしまう可能性があります。しかし、フィルムタイプは油分量が少ないので皮脂にも強いのです。
お湯で落ちる仕組みは?
ここでは、フィルムタイプのマスカラがお湯で落ちる原理を解説していきましょう。
①ぬるま湯がマスカラに浸透する
マスカラを塗ったまつげをぬるま湯につけると、お湯がマスカラに浸透し、マスカラ全体をふやけさせます。
②マスカラが膨張する
時間がたつとマスカラが水分を含んで膨張し始め、マスカラとまつげの間に隙間ができます。
③まつげからマスカラがはがれおちる
まつげとマスカラに隙間ができた状態で軽くこすると、マスカラがまつげからはがれ落ちます。
つまりマスカラをクレンジング剤で「溶かす」のではなく、お湯で「落とす」構造になっている・・・というわけです。
これが、マスカラがお湯で落ちるメカニズムです。
フィルムタイプマスカラ、クレンジングのコツは?
いくらお湯で簡単に落とせるフィルムタイプのマスカラでも、クレンジング方法を間違えてしまうとマツエクが早く取れてしまったり、自まつげを傷めた りする原因となります。
ここでは、フィルムタイプマスカラの正しいクレンジング方法や注意点を説明していきます。
フィルムタイプマスカラのクレンジング方法
①マスカラがついたまつげをお湯になじませる
まずは、マスカラがついたまつげにお湯をつけて優しくなじませます。お湯を含ませたコットンをまつげの上にのせてしばらく置いておくのも良いでしょう。しっかりとお湯になじませることによって、マスカラをふやけさせます。
②ゆっくりと撫でる
マスカラがしっかりとお湯になじんだら、マツエクをゆっくりと撫でてマスカラを落としていきます。決して力を入れてゴシゴシこすらないようにしましょう。マスカラが落ちにくい場合は、綿棒やコットンを使用してもいいでしょう。
油分を含んだクレンジング剤は使用しない
フィルムタイプマスカラをクレンジングする際、絶対にやってはいけないこと、それは油分を含んだクレンジング剤を使用しない、ということ。
油分を含んだクレンジング剤を使用してしまうと、油分がマスカラの上に油膜を張り、水分が浸透しません。フィルムコートの上に油膜でコーティングされたマツエクは汚れがきれいに取れず、どんどん蓄積されてしまいます。
さらに、マスカラの重みが自まつげにかかってしまうので、逆まつげや下がりまつげの原因にもなってしまいます。
つまり油分を含んだクレンジング剤は、マツエクと自まつげ、両方に負担をかけてしまうのです。
その他の注意点
フィルムタイプマスカラを落とす際に注意したいポイントは他にもあります。それぞれ詳しく説明しましょう。
お湯の温度に注意!
マツエクに負担をかけずにないようにマスカラを落とすためにのに重要なのは、お湯の温度。お湯の温度が高い方がマスカラは落ちやすくなりますが、あまり高温でクレンジングしてしまうと、顔の皮脂も一緒に落ちてしまい、乾燥の原因になってしまいます。またあまり温度が低すぎても汚れが落としきれずにマツエクに残ってしまうので気を付けましょう。クレンジングに一番適している温度は40℃程度のぬるま湯程度だ、と覚えておくと良い よいでしょう。
横に衝撃は与えない
マツエクは、縦の衝撃には比較的耐えることが可能ですが、横の衝撃には弱いのが特徴。横に衝撃を与えると、自まつげが切れてしまったり、マツエクが取れてしまったりというダメージが起きやすくなってしまいます。そのため、クレンジングするときは縦方向に撫でるように意識しましょう。左右に力強くこすってしまうのはNGです。
根元までしっかりと落とす
根元に近いマツエクの接着部分にマスカラが残ってしまわないように気を付けましょう。根元にマスカラが残ると、そこに汚れが蓄積されてしまい、マツエクが外れてしまう原因になります。
根元部分はお湯を含ませた綿棒で優しく撫でるようにマスカラを落とすことがポイント。きちんと落としたつもりでも、意外と根元部分にはマスカラが残っているので注意してください。
まとめ
マスカラの性質によって最適なクレンジング方法は異なります。また、マツエクをしている際は、マツエクと自まつげに負担がかからないようなクレンジングをしなければなりません。マスカラをする際や落とす際にほんのちょっとしたことを気をつけ付けるだけで、マツエクのモチ 持ちはずいぶん変わってきます。マスカラの成分や性質をしっかりと理解したうえで、マツエクに負担のかからないようなマスカラの楽しみ方を提案できるようにしましょう。191117Eco