同じ長さ・カールでも仕上がりに違いが出る!?エクステのメーカー差に注意
『「いつもと同じ長さ・カールで!」としっかり確認したのになんで?』事前確認はしたのにも関わらず、お客様と仕上がりイメージが異なってしまうことがあります。その違い、メーカー差によるものかも。メーカーによる長さの差がなぜ起こるのかを知って事前のカウンセリングに活かしましょう!
メーカーによって長さ・カール・太さが異なる
マツエクのプロであるアイリストでも、実は見落としがちな「メーカー差」。同じCカールでも、A社ではJカールに近い弱めのカールである一方、B社ではDカール?と思うほどの角度が付いている場合もよくあります。また、違いはカールだけではありません。メーカーによって長さや太さが異なる場合も多いのです。
例えば、同じ12mmで注文したはずが、装着してみると11mmになってしまうケースなどがあります。
ではなぜ、メーカーによって差が生まれるのでしょうか。
長さやカールに差が出る理由とは
大きな理由として、マツエクに関する基準が統一されていないことが挙げられます。ヘアカラーで例えてみると分かりやすいかもしれません。美容院でヘアカラーを頼むと、トーンチャートを見せてもらえますよね。各美容院で明るさを揃えられるよう作られていて、そのおかげで基準が明確になっています。7トーンや8トーンなど、企業によってはヘアカラーに制限がある場合も多いですが、トーンチャートで確認する場合も多いほど普及されているようです。
しかし、マツエクの場合、その基準が設定されていません。結果、長さや太さ、カールの角度に違いが生まれることとなります。実際に起こりうるケースを見てみましょう。 普段使っているCカールの12mmが欠番となったため、新しいメーカーのCカール12mmを発注したとします。しかし、実際に届いたエクステを測ってみると11mmしかないのです。「これって、採寸ミスなのでは?」と思うかもしれませんが、実はミスではありません。
メーカーによって、「実寸12mm」にする場合と、「装着後12mm」になるよう作製する場合があるためです。装着後12mmにする場合、装着時に自まつげの根元から0.5~1mm離すことを想定しています。そのため、実寸自体は11~11.5mmで作製。その差を感じないお客さまもいますが、アイリストとしては1mmの差で仕上がりに違いが生まれる可能性も大きいと言えるでしょう。 本来、そういった基準を定める役割は各協会が担います。例えばヘアカラーの場合、以前は各メーカーがトーンチャートを出していました。しかしそれぞれに差が生まれていたため、NPO法人の日本ヘアカラー協会によって統一されたのです。一方、マツエクには数多くの協会があるものの、明確な基準が設定されていません。結果として、カールや太さ、長さにおいてメーカー差が生まれている状態になっています。 アイリストとしてできる対策は、新しいメーカーに発注する際にアソートを取り寄せること。一般的に、各メーカーからは、さまざまな長さが少しずつ入ったアソートが販売されています。まずはそこで毛の状態を確認し、気に入った場合に限り、まとめて発注すると良いでしょう。 アイリスト自身の好みもあるため、自分の目で見極めることが大切です。
デザインクレーム予防!施術前確認・サンプル画像確認をしっかりと行おう
「以前のサロンではJカールの11mmでした」と、お客さまに言われたあなた。そのまま自店にあるJカールの11mmを装着していませんか?前述したとおり、メーカーによってさまざまな差が生まれています。マツエクブームに伴い、メーカーも急増したため、おそらく他店とは違うメーカーを利用しているケースがほとんどでしょう。
もし、お客さまの感じているJカールと自店にあるJカールが異なっていたらどうなるでしょう? 装着後、「思っていたイメージと違う!」というデザインクレームに繋がるかもしれません。プロのアイリストとして、デザインクレームは避けたいところ。では、一体どのような対処が正解だったのでしょうか?
答えは、”丁寧なカウンセリング”にあります。 サロンの方針によっては、カウンセリングよりも施術にかける時間を重視せざるを得ない場合もあるかもしれません。しかし、その結果としてデザインクレームとなると、リピーターを失ってしまう可能性も。できるだけお客さまの話を聞き、サンプル画像も確認してもらいながら、イメージのすり合わせを行ないたいですね。
しかし、「丁寧」と一言で言っても、具体的にどういったカウンセリングが良いのか分からない人もいるでしょう。そこで最後に、カウンセリングの実例を挙げながら、イメージ違いを防ぐカウンセリング方法についてご紹介します。
イメージ違いを防ぐ、カウンセリングと施術のポイント
実際に、カウンセリングに力を入れているマツエクサロンで働く店長に話を聞いてみました。イメージ違いを防ぐポイントは3つあります。1つずつ詳しく見ていきましょう。
1、実物と比べる
カウンセリングなどで、お客さまから「以前はCカールの12mmをつけていました」と伺っても、そのまま施術に入ってはいけません。まず、目元に残っている他店のエクステをオフし、自店のエクステと比較します。違いがあれば
「コチラが今までつけられていたエクステです。自店のエクステに当てはめると、Dカールの11mmが近いようですが、いかがでしょうか。」
と説明。お客さまにご納得いただいた上で、エクステの種類を決めていきます。
2、長さの好みを確認
カウンセリングでは、アレルギーの有無や目の健康状態だけでなく、希望するデザインについても丁寧に話を聞くはずです。みなさんの中にも、タレ目デザインやカラーのポイント使いなどについては、時間を割いて聞いている人も多いでしょう。しかし、実は長さもしっかりと聞いておきたいポイントのひとつ。目の印象は大きく異なります。例えエクステ自体の実寸が同じでも、付ける位置が変わればまた印象も変わるのです。そこで、
「付けたばかりのときと今、どちらの長さがお好みですか?」
と声をかけてみてください。時期によっては自まつげが伸びていて、付けたばかりの頃と長さが大きく異なる場合があります。例えば、モチが良かったあまり、以前の施術から1ヵ月経過していたとしましょう。今の長さが好みの人は、以前と同じ長さのエクステを選んでも、満足していただけないかもしれません。付けたばかりの時期より、長さが伸びているためです。 エクステ自体の長さだけでなく、仕上がり時の長さが好みかどうかもしっかり聞くことがポイントです。
3、お客さまの目に合わせる
エクステ自体の形や付ける位置が決まっても、まだ安心できません。お客さまの目を分析する力が必要です。たとえばお客さまの中には「女優のAさんと同じ目元にしたいです。SNSを見ていたら、Cカールの11mmとありました!」と言われる方もいます。たしかに、同じオーダーさえすれば、同じデザインに仕上がるはず!と思われる方もいるでしょう。しかし、そこはアイリストの腕次第。1人ひとり目の形やまつげの角度が異なりますよね。その違いにしっかりと向き合って、希望されているデザインに近づける技術もアイリストには必要なのです。しかし、どうしても難しい場合もあります。その場合は、理由を説明しながら代替案を提案しましょう。
「お客さまの場合、Aさんと比べると自まつげの角度が上向きでいらっしゃいます。そのため、Cカールの11mmからJカールの10mmに変えられると、お仕上がりの印象がよりAさんに近く、かつお客さまにお似合いかと思いますがいかがでしょうか?」
以上のように、お客さまのイメージをできるだけ実現しつつ、違いはきちんとお伝えすることでクレームを予防できそうです。
まとめ
メーカーによって形が異なる理由やその対処法について紹介してきました。マツエク商材メーカーやサロンは近年急増しているため、今後もメーカー差を実感する機会は多くなるかもしれません。いざ直面した時に、どのような対処ができるのか、お客さまにどのような説明ができるのか、事前にシミュレーションしておくと安心ですね。