【マツエク商材基本知識】グルーの種類によってモチが変わる理由とは
マツエクの施術をしていて、「使うグルーによってモチが変わる」と感じることは少なくないでしょう。またグルーによって、メーカーが表記している持続性の表現や基準も異なりますよね。このようなモチの違いは、使用するグルーがエチル系かブチル系かでももちろん変わってきますが、それ以外にも理由はあるのでしょうか?考えられる要因をご紹介するので、グルーを上手に使いこなすためにも、モチが違う原因についてきちんと理解しておきましょう。
シアノアクリレートの種類の違い
グルーのモチが変わる理由としてまず挙げられるのが、グルーの主成分であるシアノアクリレートの種類が違うことです。まずは商材の基本知識として、シアノアクリレートの種類によって、グルーの性質がどう変わるのかを確認しておきましょう。
比較的モチが良いエチル系
エチルグルーは、ひとつずつの分子が細かく、サラッとしたテクスチャー。硬化速度が速く、硬化後は固めで接着力が強いのが特徴です。しっかり接着するため、施術後のモチも良くなります。
ただしエチルグルーの場合、ホルムアルデヒドの放散量が多い点がデメリットです。そのため、お客様によっては「刺激が強い」と感じられる場合もあります。
刺激が少ないブチル系
ブチルグルーは、エチルグルーに比べると分子が大きいのが特徴です。硬化後はエチルより柔軟性がある反面、持続力には欠けます。
ブチルグルーは、エチルグルーよりもホルムアルデヒド放散量が少なくニオイもきつくないため、刺激が少なく、敏感肌の人などでも使いやすいグルーです。
使用するグルーがこのどちらの種類かということが、グルーのモチにも関係します。
持続性には操作が重要?
続いて、シアノアクリレートの種類以外に考えられる可能性について見てみましょう。
本当にシアノアクリレートの種類だけが理由?
前述のように、使用するグルーがエチル系かブチル系かということがは、グルーのモチに影響を与える理由のひとつです。
けれど実際には、エチルグルーでもモチが悪い場合があれば、ブチルグルーでも長持ちするケースもありますよね。そのため、「グルーのモチを左右するのは、それだけではない気がする」と感じる人もいるでしょう。
そもそもグルーには、シアノアクリレート以外にも、湿気硬化型ウレタンやカーボンなどの配合物が含まれています。この配合物の違いが、グルーの使用感にも少なからず影響を与えている可能性はあるでしょう。
そのグルーに合った扱い方ができているかが重要
たいていのメーカーでは「グルーがどの程度もつか」という持続性の目安を公表しています。ただしこれは、そのグルーを正しく扱った場合のモチを示すものです。
グルーの主成分や配合物が違うということは、当然、グルーの種類によって扱い方も変わってきます。この違いを理解し、それぞれのグルーに合った「正しい扱い方」ができているかどうかが、実は、グルーのモチを左右する大きな要因です。
持続性に影響を与える扱い方のポイントは?
グルーのモチを左右する操作のポイントとしては、次のようなものが挙げられます。
- つけるタイミングが合っているか
- グルーのつけ方が合っているか
- まつげの状態を把握できているか
- グルーを扱う環境が適切か
つけるタイミングが合っているか
グルーは、種類によって硬化速度が異なり、遅いものなら5秒前後かかるのに対し、速いものだと1~2秒で硬化するタイプもあります。硬化が速いものであれば、当然つけるタイミングも早くする必要があるほか、ズレの修正が難しい場合も少なくありません。マツエクをしっかりつけてモチを良くするためには、グルーの特性を理解し、そのグルーに合ったタイミングで操作する必要があります。
グルーのつけ方が合っているか
エクステにグルーをつける場合、エクステをグルードームに差し込みますが、グルーの種類によって、このときの操作方法も変わってきます。たとえば、サラサラしたタイプのグルーであれば、グルードームからゆっくり出すとグルーの付着量は少なくなりますが、粘り気のあるグルーは逆に多く付着しがちです。
この違いを理解し、今使用しているグルーに合った操作方法を覚えて、常に適量のグルーをつけられるようにしましょう。https://www.beaute-p.com/eyelist/22253/
まつげの状態を把握できているか
お客様によっては、自まつげが乾燥気味だったり、逆にオイリー気味だったりする場合がありますよね。乾燥まつげだとグルーが硬化しづらくなり、オイリーまつげだとグルーが弾かれ、つきにくくなるケースも少なくありません。まずは、このようなまつげの状態をきちんと把握し、それぞれに合った前処理や施術を行うことも、マツエクのモチを良くするために必要不可欠です。
グルーを扱う環境が適切か
マツエクの装着技術そのものではありませんが、グルーを扱う環境が適切かどうかも、マツエクのモチを良くするうえで大切なポイントです。
グルーはその性質上、サロンの湿度が硬化速度に大きな影響を与えます。室内が乾燥しすぎていると硬化が進みにくく、マツエクがうまくつかずにモチも悪くなるのです。一方、湿度が高すぎても、硬化が速くなり扱いにくくなります。グルーを適切に扱える環境としては、湿度は40~70℃の範囲内に収まるように調整しましょう。
施術レベルに合ったグルーを選ぶことが重要
マツエクのモチを左右するのは、実はグルーの成分自体よりも、そのグルーに合った正しい操作方法ができているかどうかである、ということをご説明しました。
ただしグルーによっては、正しく扱うためには、より高い技術が求められるものもあります。そのため、グルーのモチを良くするには、今の自分の施術レベルに合ったグルーを選ぶことも重要です。その際、次の2点が大きなポイントとなります。
- グルーの粘度
- グルーの硬化速度
グルーの粘度
粘度が低くサラサラしたグルーの場合、新人アイリストは、エクステにつける量の調整が難しいと感じることがあります。逆にベテランのアイリストの場合は、ブチル系に多い粘度の高いグルーだと、「スピードが落ちる」「不自然になる」と感じる人もいるでしょう。このためまずは、自分が扱いやすいと感じるグルーの粘度を知る必要があります。
グルーの硬化速度
アイリストの施術レベルによって、扱いやすいと感じるグルーの硬化速度も違う場合があります。たとえば硬化速度の速いグルーの場合、素早くかつ正確な操作技術が必要なこともあり、ベテランアイリスト向けであるケースが少なくありあせん。一方、硬化速度の遅いグルーは、より慎重に装着できるうえ、万が一ズレても多少なら修正が可能という理由から、新人のアイリストでも扱いやすく感じます。
グルーマップを参考にするのもおすすめ
「自分の施術レベルに合ったグルーを選ぶ」と言っても、片っ端から試すのも大変だと感じる人もいるでしょう。そのような場合は、メーカーなどが出しているグルーマップを参考にするのもおすすめです。
引用元:アイラッシュガレージ 2019年版カタログ
グルーマップとは、いろんなグルーの粘度や硬化速度がひと目で比較できるように、マップ上にまとめたもの。なかには、ひとつのメーカーだけでなく、さまざまなメーカーのグルーを一度に比べられるグルーマップもあります。
まとめ
グルーの種類によってモチが違う理由として一般的に挙げられるのは、エチルかブチルかの違いです。けれど単純なグルーの性質の違い以上に、そのグルーに合った正しい扱い方ができているかどうかにも注目する必要があります。そのためには、自分の施術レベルに合ったグルーを選ぶことも大切です。ぜひグルーマップなども参考にして、自分に合ったグルーを探し、そのグルーのパフォーマンスを最大限引き出せる正しい使い方をマスターしましょう。自然と施術後のグルーのモチも良くなり、お客様にも喜んでいただけるはずですよ。200318Ena