「目元の整形手術」にはどんな種類がある?整形前後・ダウンタイム中にマツエクはできるの?
目元の整形は、最近ではメイクなどの延長とも捉える方が増えるほど垣根は下がってきており、アイリストとしての捉え方も、もはや「お客様がより理想に近づくための手段」と受け止めておいたほうがいいかもしれないでしょう。アイリストとして日々いろんなお客様を担当するにあたり、「整形しているかも…?」と気づくシーンもあるでしょう。目元の整形をしているお客様への施術では、いつもと違った部分への配慮が必要になります。目元の整形にはどんな種類があるか、整形+マツエクでの注意点など、アイリストとして身に付けておきたい知識を学んでいきましょう。
二重整形だけじゃない!目元の整形ってどんな種類がある?
目元の整形といえば二重整形がメジャーではありますが、他にもいくつか種類があります。目元の整形をしたお客様にマツエクの施術をするシーンを想定し、まずは基礎知識として整形の種類から見ていきましょう。
二重にする整形 |
・埋没法 ・切開法 (小切開法、全切開法) |
目を大きくする整形 |
・目頭切開 ・目尻切開 ・たれ目形成 |
目を開きやすくする整形 |
・眼瞼下垂 |
その他の整形 |
・上眼瞼除皺術 ・上眼瞼脂肪切除術 ・涙袋形成 |
いくつかある種類の中から、多くの人に選ばれている二重にする整形と目を大きくする整形を掘り下げてみましょう。
二重にする整形(埋没法・切開法)
二重にする整形は、埋没法と切開法に分けられます。
二重埋没法
医療用の針と糸を使ってまぶたを縫い留める手術内容。メスを使わずに二重を作ることができます。比較的手軽にできる手術のため“プチ整形”とも呼ばれ、傷跡が目立ちにくく自然に仕上がる、万一の場合もとに戻すことができる、などがメリットです。施術にかかる費用や時間が少なくて済むところも魅力の方法ですが、糸が取れると二重を維持できないというリスクも。10年以上二重をキープできる人もいれば、2回手術を受けても糸が取れる人もいます。
二重切開法
まぶたにメスを入れて縫合し、二重を作る手術内容です。希望する二重の幅やまぶたの状態に合わせてメスを入れる幅が変わり、クリニックにもよりますが、1~2cmなら小切開法、3~4cmなら全切開法と呼ばれます。切開法のメリットは、埋没法と違い半永久的に二重を維持できるところ。リスクとしては、傷跡が残る、二重の幅が安定するまで時間がかかる、ダウンタイムが長くなることなどが挙げられます。
目を大きくする整形
目を大きくする手術は、目頭や目尻の切開、たれ目形成などがあります。
目頭・目尻切開
目頭を切ることで目の横幅を広げる目頭切開は、離れ目の解消に有効な方法です。切開方法にはいくつか種類があり、どの方法でも目頭に傷跡が残ります。目尻を切ることで目の横幅を広げる目尻切開は、切れ長な印象の目元を求める人に選ばれる方法。切開しすぎると目尻の結膜が露出して不自然に見えるというリスクがあります。
タレ目形成
下まぶた目尻側のカーブを下げて目を大きく見せるたれ目形成は、下まぶたを切開して眼瞼腱膜を縫い縮め、たれ目を固定する手術内容です。目元の印象をやわらかくできるところはメリットですが、目尻切開と同じく下まぶたの結膜が見える可能性もあります。
目元の整形には前述の通り、この他にもいくつか種類がありますが、どの整形でも術後の腫れや内出血などの症状はつきもの。これらの症状が落ち着き、いつも通り生活できるようになるまでの期間がダウンタイムです。ダウンタイムの長さは手術内容や個人差で決まります。
目元の整形前後、ダウンタイム中のマツエクについて
続いて、目元の整形前後のマツエクについて考えていきましょう。施術時はダウンタイムとの兼ね合いも考慮することが大切です。
整形前のマツエクについて
目元の整形前にマツエクの施術を受けることは、クリニックの方針にもよりますが、可能です。しかし、可能性として以下に挙げられるリスクがあることも知っておきましょう。
- エクステが手術の妨げになる
- 手術の過程でマツエクが取れる
- エクステによってメイクが落としきれておらず、不衛生になる
- 埋没法の場合、エクステが糸にからまる
- 手術で敏感になった皮膚がグルーに反応してかぶれる
マツエクをしていると手術で邪魔になることから、マツエクありの状態での手術を断っている美容外科もあります。これらのリスクを把握するのはもちろん、マツエクをしたままの状態で手術を受けられるかどうかもチェックしておきたいポイントです。もしお客様との接客の中で「近いうちに目元の整形手術を受ける予定がある」とわかった場合は、手術前のオフを勧めることも検討しておきましょう。
整形後のマツエクについて
いつから?
目元の整形後にマツエクの施術を受けられるのは、2~3ヶ月経過が目安と言われています。サロンによって施術開始時期が少し異なる場合もありますが、一般的な目安期間として把握しておきましょう。
整形直後のマツエクがNGの理由とは?
目元の整形直後のマツエクがNGとされる理由のひとつに、グルーの刺激によるトラブルがあります。どんな整形の種類を選んでも、手術によって目元はダメージを受けることに。特に、まぶたにメスを入れる整形であれば、まぶたの受けるダメージは大きくデリケートな状態が長く続きます。少しの刺激にも敏感な状態でマツエクの施術を受けると、まぶたが腫れる、荒れるなどのトラブルの原因になりかねません。
また、手術した箇所のずれも理由のひとつになります。先ほど紹介した埋没法の整形をした場合、整形直後は二重が安定していないことになります。そのままマツエクの施術を行うとテープワークなどで糸に負担がかかり、糸が取れたりずれたり原因になる可能性も。整形手術から時間が経ってある程度二重が安定した時期と比べて、整形直後は糸が取れやすくなるリスクは高いと言えるでしょう。
ダウンタイム中にマツエクの施術を受けるのはNG!?
美容外科医が示すダウンタイムとは、
- メイクで隠せて社会生活ができるようになるまでの期間
- すっぴんである程度暮らせるようになるまでの期間
- 二重幅が完全に完成するまでの期間
この3つにあたる期間が対象となります。ダウンタイムの代表的な症状である腫れや内出血が落ち着き、上記の条件をクリアするまでの期間は、整形後のマツエク施術開始時期の目安よりも短いことがほとんどです。ダウンタイムの経過例を画像で見てみましょう。
こちらの経過例では、手術直後から腫れの症状が現れ、日が経つにつれ少しずつ症状がおさまっています。二重の手術では、まぶた全体ではなく二重の幅自体が腫れるもの。ダウンタイム中は希望の二重幅よりも広くなるケースが多くあります。
二重幅が安定しない状態でマツエクを装着すると、重みや皮膚のつっぱりを感じたり、かゆみでこすってしまったりして手術箇所に影響が出る可能性も。2~3日で症状が落ち着く、1~2週間症状が続く、などダウンタイムの個人差が大きいこともふまえて、サロンでは慎重にお断りするなどの対応方針を決めておくべきでしょう。
完全になじんで目元が落ち着くには1~3カ月かかるという美容外科医の意見もあることから、安全なマツエクの施術を考えるならダウンタイム中のマツエクはNGということになります。クリニックの医師に許可されていたとしても、なにかあってからでは責任が取れないシーズン。サロンとしてはお断りする期間などの方向性を決めておくべきと言えるでしょう。
参考文献:あかけん先生のわかりやすい美容整形塾
まとめ
目元の整形とマツエクの施術には、どちらもお客様にとって「より美しくなりたい」「理想に近づきたい」という想いが込められています。アイリストとしてお客様の希望を叶えるサポートするために、整形に関する基礎知識やマツエクとの関係性にも目を向けてみましょう。200411Ehn