避けたい!「アイリストのグルーアレルギー」安心・安全にグルーを使う方法
お客様をグルーアレルギーから守るため、施術には細心の注意を払う必要があります。ところが、グルーアレルギーはお客様だけに発症するものではありません。むしろ、グルーを近距離で長時間扱い続けるアイリストの方が、グルーアレルギー発症のリスクは高い可能性もあります。今回は、グルーがアイリストに与える影響やグルーアレルギーから身を守るための対策をまとめました。
グルーがアイリストに与える影響とは?
施術中や施術後に、お客様がグルーアレルギーを発症されるケースがまれにありますよね。グルーアレルギーの主な原因は、グルーの硬化の過程で発生する揮発成分が目の粘膜など刺激するため。元々アレルギー体質の方や花粉症などの持病を持っておられる方、体調不良の方の場合に、アレルギーは発症しやすいといわれています。しかし実は、グルーアレルギーを発症するアイリストも少なくないようです。
お客様の場合、目の粘膜からエクステの接着面まで数mmしか離れていないため、揮発成分による影響が大きく、アレルギーの発症リスクは高いことが予想されます。では、なぜお客様に比べてグルーから離れた場所で作業をしているアイリストもグルーアレルギーを発症してしまうのでしょうか?
問題なのはシアノアクリレートの蒸気!?
グルーの主成分であるシアノアクリレートは、硬化する過程で一部が蒸発することが知られています。そして、蒸発したシアノアクリレートが空気中の水分と反応することにより重合(じゅうごう)と呼ばれる化学反応が起こります。すると、肉眼では確認できないシアノアクリレートの蒸気が生成されるのだそう。さらに、空気の流れが滞っていると局所的に白い粉をふいた状態になる場合があります。このように粉末状になったシアノアクリレートの蒸気が空気中を漂い、アイリストの目や鼻などの粘膜を刺激します。もしくは、施術中に手や指先にシアノアクリレートの蒸気が付着し、その手で目や鼻などを触ることでアレルギー物質を体内に取り込んでしまう可能性などが示唆されます。
グルーアレルギーのリスクは低いが“ゼロ”ではない
グルーの硬化の過程で生成されるシアノアクリレートの蒸気の量はごく微量であり、蒸気がアイリストの体に影響を及ぼす可能性もかなり低いと考えられます。とはいえ、施術室の換気が不十分であったり、施術が立て続いたりした場合などは、アイリストがグルーアレルギーを発症する可能性もあるといえるでしょう。もし、施術中や施術後に以下のような症状がみられる場合にはアレルギーを発症している可能性もあるので軽視しないよう注意が必要です。
- 目ヤニが増える
- 目のまわりのかゆみ・赤み・腫れが出る
- まぶたがカサつく
- 目がゴロゴロする・異物感がある
- 涙が出やすくなる
- 目が充血する
- くしゃみ・鼻水が出る
- 喉がイガイガする など
お客様への対応と同じく、アイリストも上記のようなアレルギーの症状が思い当たる場合には、早めに専門の医療機関を受診しましょう。
【対策1】グルーアレルギーを発症させない環境づくり
シアノアクリレートの蒸気による影響を最小限に抑えるためには、施術室内の換気をしっかりと行うことが大変重要です。空気が流れることにより、シアノアクリレートの蒸気が粉末になることを防げると考えられます。ちなみに、室温が高すぎるとグルーの硬化不良につながるだけでなく、揮発成分の発生量も増えるそうなのでやはり換気は大切!
換気の方法はサロンの設備環境によって異なりますが、施術室に窓がある場合は、施術が終わり次第窓を開け、空気を入れ替えましょう。施術室に窓のない場合は、空気清浄機やサーキュレーターを活用し、空気を動かすのがおすすめです。特にエアコンを利用しているサロンの場合、体感は“快適”なので換気がおろそかになりがちに…。そのためエアコン作動中であっても、施術が終わるたびに空気の入れ替えをすることを徹底しましょう。もちろん、施術中のエアポンプの利用もグルーアレルギーのリスク軽減に有効です!
また最近では、有害物質を除去するジェルも登場しています。「施術室に窓がなく換気が十分に行えているか心配…。」「より安心な施術空間をつくりたい!」という場合におすすめです。
【7LASH】置き型有害物質除去 アンティアレジーゲル
引用元:EYELASHGARAGE
こちらは、『7LASH(セブンラッシュ)』の「置き型有害物質除去 アンティアレジーゲル」。グルーから発生する揮発成分や有害物質などを強力に吸着&無害化するアイテムです。お客様はもちろん、アイリストのグルーアレルギーのリスク軽減に役立つ優れもの。フタを開け、ワゴンの上やグループレートの近くに置くだけと使い方も簡単ですよ。
【対策2】グルーアレルギーを防ぐための施術中の装備や体調管理
グルーアレルギーを防ぐためには、サロン環境の整備も大切ですが、アイリスト自身の施術中の装備や体調を整えることも大変重要です。では、アレルギーから身を守るためのポイントをまとめました。ぜひ日々の生活や施術の際に実践してみてください。
マスクの着用を徹底
グルーに含まれる有害物質が目や鼻、口などから体内に侵入することを防ぐためには、マスクを着用することが効果的!着用の際には、自身のサイズに合ったマスクを用いること、鼻までしっかりと着用することも徹底しましょう。有害物質を通しにくい2~3層構造のマスクがおすすめです。
さらにマスクと併せて、花粉症用やウィルス対策用のメガネを装着すれば、なお安心ですよ。
施術後の手洗い・うがいを徹底
施術後は、シアノアクリレートの蒸気が手や指先、喉に付着している可能性があります。有害物質が付着した手で、食べ物を食べたり、目元を擦ってしまったり、指先でリップクリームを塗ってしまったりすることで有害物質が体内に取り込まれ、結果アレルギーを発症するというケースもあるでしょう。そのため手洗いやうがいを徹底し、グルーアレルギーの発症リスクを軽減することが大切です。
また有害物質は髪や頬、おでこなどに付着している恐れもあるので、帰宅後はなるべく早いうちにシャワーを浴びて、顔や髪に付着したグルーの成分を洗い流すのがおすすめ!
生活習慣を整える
体調が悪くなると、アレルギーを症状しやすいといわれています。元気に仕事に打ち込むためには体が資本!しっかりと睡眠をとる、栄養バランスのよい食事を摂るなど、生活習慣を整え、免疫力アップを心掛けましょう。また、ストレスもアレルギーと深く関係しているともいわれています。上手に発散しながら、ストレスが溜まりすぎないよう注意しましょう。
まとめ
アイリストのグルーアレルギーについて、原因や対処法などをご紹介しました。アイリストにとって、グルーアレルギーは死活問題。発症リスクはかなり低いとはいえ、“自分には関係ない”と考えるのではなく、“誰にでも発症の可能性がある”ことを認識するのが大切です。日々の施術や生活の中でグルーアレルギーを防ぐための対策を実践し、自身の大切な体を守りましょう。200412Euk