「コロナで潰れる」を阻止しよう!!マツエクサロン・美容院・美容業界はどう乗り越える?各種制度も紹介
新型コロナウイルスの影響によって、人々への被害はもちろん、経済にも大きな打撃が与えられています。緊急事態宣言が徐々に解除され、少しずつ経済活動再開の兆しも見えてきましたが、いつ起こるか分からない 第二波のことを考えると、これからの動き方も考えていかなければいけません。
お客様をお迎えしてはじめてサービスを提供することができるマツエクサロンも、新型コロナウイルスによる経済的なダメージを受けた業種の一つ 。今回は、「#コロナに負けるな!」を行動へと移すために、「コロナで潰れる」を阻止するための方法について考えていきたいと思います。
営業できない状況、何ヶ月続くと経営が厳しい?
日本国内で史上初の緊急事態宣言が出されて以降、今まで経験したことの内容な苦境に立たされているマツエクサロンも少なくありません。休業要請が出された地域では、工夫をして営業を続けることすら難しく、収入がほぼゼロになってしまったところも多いのではないでしょうか。
感染の状況や、その地域の医療の状況などを踏まえ、日本国内で徐々に解除となった非常事態宣言。しかし今も、東京都を含む一部の都市で緊急事態宣言に基づく一部の業態の休業要請が継続されている状況です。
工夫を凝らしながら再開を試みようとしているサロンも多い中、いつになったら今までのように営業できるのか見通しが立たないサロンがあるのも事実。営業を再開するには“3密”を避けることが前提となりますが、職種的に3密の要素を完全に取り払うのは難しいと考えている経営者も多いことでしょう。
一旦サロンの営業を再開できたとしても、感染者の数が増えて医療の現場がひっ迫してしまうと、また休業要請の対象となる可能性もあります。もしこれからも通常の営業ができない状態になるとすれば、どれくらいその期間が続くと経営に響いてくるのでしょうか。
今はまだ「終わりのはじまり」の段階
“〇ヶ月休業が続くと経営が厳しくなる”とはっきり言えるものではなく、さまざまな要因によって致命的なダメージを受けてしまう休業期間が決まります。過去にも不況と呼ばれる時期を何度と乗り越えてきた日本ですが、それまでとはわけが違う状況に置かれている今。努力してどうにかなるわけではない部分が大きすぎて、この先どのように身を振っていけばいいのか途方に暮れているという事業主も少なくありません。
美容業界と同じく苦境に立たされている人が多い飲食店業界も、バタバタと閉店を決めるところが増えてきました。しかし飲食店の場合は、美容サロンと違い“テイクアウト”という非来店型の売り上げを維持することが可能です。
もちろん、お店に人の出入りがあったころに比べれば、収入としては減っているかもしれません。ただ、“売り上げがゼロにならない工夫”をできるのは、美容サロンと飲食店との大きな違いです。
では、テイクアウトのような非来店型のサービス提供による売り上げが見込めないマツエクサロンは、まず何をチェックすればいいのか。どれくらい休業が続くとしんどくなるのかを把握するには、「キャッシュ」がどれくらいあるのかを把握しておくことが大切です。
キャッシュとは、資産を意味する言葉。預金を含め、サロンが使える現金が今一体いくらあるのかを把握しておかなければ、あとどれくらいで本当のピンチが訪れるのかを知ることはできません。
今がピークにしんどいときなのではなく、これからもっと大変な事態が訪れる。不安をあおるような言い方になってしまいますが、この事実を頭に入れて長期的な見立てを立てておくことが、#コロナに負けない!ための第一歩なのです。
固定費の割合が大きいサロンほど運営が厳しくなる
マツエクサロンは、お客様からいただく利益で従業員への給与や家賃、広告費などを賄って運営されています。先ほど、「一概に〇ヶ月休業が続くと経営が厳しくなると言えない」と言いましたが、その理由はまさにこれ。サロンによって、従業員の数も家賃の金額も、広告費の額も違うからです。
例えば、都会のど真ん中一等地で多くのスタッフを抱え、バンバン広告費をかけているマツエクサロン。それに対し、郊外にあるマンションの一室で1人で運営しているサロンとでは、出費の額が大きく異なります。
しかし今、コロナによって営業できなくなっているのは、都会も郊外も同じ(感染者が出ていないような地域では、営業を続けているところもあるかもしれませんが)。となると、収入がないのは同じなのに、出ていくお金の額はサロンによって大きく変わってくるのです。
もちろんサロンの大きさや立地が異なると、キャッシュの額にも大きな違いが現れます。しかし、固定費が多いとキャッシュがいくらあっても出ていくばかり。早めに対策を練っておかなければ、サロンのピンチを早めてしまう結果につながりかねません。
美容業界でも「借り入れ」できる?
マツエクサロンが属する美容業界は今、事業の継続と雇用の確保に全力を注がなければいけない状況に立たされています。新型コロナが流行したことによって、引き合いに出されるスペイン風邪。世界で4000万人以上もの死者を出したと言われるスペイン風邪も、収束までに数年かかったと言われています。
新型コロナもスペイン風邪と同様、収束までに数年かかる可能性があると言われており、長期的に計画を立てておく必要があるのです。そこで一つの選択肢として持っておきたいのが、「借り入れ」という方法。
美容業界でも利用できる借り入れについて、ご紹介します。
コロナ対策のために打ち出された特別融資制度
新型コロナ蔓延の影響を受けて売上高が減少した事業者へ向けて、経済産業省より信用保証制度「セーフティネット保証」の4号が全国を対象に発動されました。また、5号の対象となる指定業種も増え、美容業もこの対象となっています。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
◆セーフティネット保証4号
◇保証内容…借入債務の100%(最大2.8億円)
◇条件…売上高が前年同月比20%以上減少などの場合
◇対象地域:全都道府県
◆セーフティネット保証5号
◇保証内容…借入債務の80%(最大2.8億円)
◇条件…売上高が前年同月比5%以上減少などの場合
◇対象…指定業種
認定を受けるには、
①本店・事業所の所在地の自治体に申請
②金融機関or信用保証協会へ認定証を持参。保証付き融資を申し込み。
の手順を踏む必要があります。
担保なしでも融資が受けられる日本政策金融公庫
セーフティネットの役割を果たす日本政策金融公庫からも、コロナの影響で先行きが見えなくなっている事業者へ向けて、融資を行っています。日本政策金融公庫からの融資は、信用力や担保がない場合でも利用可能。融資後3年間は0.9%引き下げされるので、実質は無担保・無利子で融資が受けられます。
対象者や限度額について、以下にまとめました。
◆日本政策金融公庫 無利子・無担保融資
◇対象となる人①…直近1ヶ月の売上高が、前年または前々年の同じ期と比べて5%以上減少
◇対象となる人②…業歴が3ヶ月以上~3ヶ月以上1年1ヶ月未満に該当する場合は、直近1ヶ月の売上高が以下のいずれかと比べて5%以上減少
・直近1ヶ月を含む過去3ヶ月の平均売上
・令和元年12月の売上高
・令和元年10月~12月までの売上高平均
◇融資限度額…6000万円
◇使途…運転資金・設備資金
◇貸付期間…運転15年以内・設備20年以内
コロナ対策で行政が行っている取り組みの紹介
コロナの影響を受け窮地に立たされている事業所が増えている今、行政も給付金や借り入れ優遇などの救済措置を発表。美容業界が利用できる救済措置について、一部をご紹介します。
中小法人と個人事業主を対象とした「持続型給付金」
コロナ感染が拡大したことにより、営業自粛などの大きな影響を受けた事業者に対し、経済産業省より発表された「持続型給付金」。事業全般に広く使えるお金として給付されるため、事業の継続や再起の糧の足しにすることができます。
対象者の情報を一部、以下に抜粋してまとめました。
・中小法人(会社以外の法人も対象)
・資本金の額or出資の総額が、“10億円未満”であること
・資本金や出資の総額が決まっていない場合は、従業員の数が2000人以下であること
・2019年よりも前から事業による売り上げがあり、今後も事業を継続していくつもりがあること
など
スタッフを守るための「雇用調整助成金」
景気の変動などによって事業の規模を縮小せざるを得なくなった事業主が、従業員を休業・出向させたりして雇用の調整を行った場合に助成されるのが、雇用調整助成金。大切なスタッフたちを守るためにも、申請方法をチェックしておきましょう。
・緊急対応期間…4月1日~6月30日
・生産指標…1ヶ月で5%以上低下
・雇用保険の被保険者になっていない従業員が休業した場合も、助成金受給の対象となる
・ハローワークまたは、近くの労働局にて申請
まとめ
新型コロナウイルスは、日本を含む世界の経済にも、大きなダメージを与えています。しかし、「明けない夜はない」という言葉があるように、きっとまたお客様に寄り添いながらアイリストの仕事を全うできる日がやってくるはずです。
長いトンネルの先にある光を自身の目にしっかりとやきつけるためには、今ふんばることが何よりも重要。国からさまざまな支援の手が差し伸べられているので、有効に活用して、今をしっかりと戦いぬきましょう。200505Eue