【マツエク技術基礎おさらい】マツエクのモチを改善!グルーの量〜テープワークまで!技術のチェックポイントを見直そう

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施術を受けたお客様の満足度に大きく関わる要素のひとつ、“マツエクのモチ”。どんなに理想通りの仕上がりになっても、モチがイマイチだとお客様の満足は得られませんよね。今回はマツエクのモチをテーマに、技術のチェックポイントの見直しを行います。グルーの量や硬化速度、接着幅など、マツエクの施術に欠かせない技術基礎のおさらいから、見直しポイントを探っていきましょう。

マツエクのモチのポイント①グルーの量

マツエクのモチの改善でまず注目したいのがグルーの量です。特に初心者のアイリストには「グルーの量が多いほどしっかり接着できてモチが良い」と思われがちですが、グルーに関しては適量を守ることが第一。多すぎても少なすぎてもマツエクのモチは改善されません。その理由として、グルーの量が多い場合と少ない場合のメリット・デメリットを見てみましょう。

<グルーの量が多い場合>

メリット

・モチが良い

・濃く見える

デメリット

・グルーがなじみきらない

・エクステの毛が太く見える

・接着面が凸凹して見栄えがイマイチ

グルーの量を多くすることのメリットはモチと目力のアップですが、細かく見ていくとデメリットになりうる要素でもあります。
モチについては、あくまで“グルーの量が少ないときと比べて”というのが前提。適量よりも多いグルーを使うことで、内部ゆがみが起きやすくなることを考えると、モチに関しては適量がベストということになります。
また、カーボン配合の黒いグルーを多めに使うと目力アップの効果を狙えますが、量を増やすことで不自然に見えることも。美しく、自然に目力をアップさせるには、適量のグルーでエクステ本数を多くするほうが良いでしょう。

<グルーの量が少ない場合>

メリット

・揮発成分が少ない

デメリット

・モチが悪い

施術に使うグルーの量が少ないと、そのぶん硬化時に発生する揮発成分も少なくなります。しかし、サロンの室温や湿度管理が適切で、施術が正しく行われれば、適量のグルーを使っても揮発成分の発生量を安全基準値内に抑えられるもの。そのことを考えると、揮発成分の少なさはあまり大きなメリットとは言えません。
デメリットのモチの悪さについては、“多いときや適量と比べて”という意味です。グルーの量が少ないことで接着面も小さくなり、モチの悪さにつながる…お客様の満足度に関しては、こちらは大きなデメリットと言えます。

グルーの適量と見極めについて

グルーの適量を見極める参考として、多い場合、少ない場合も含めた3つの写真を見比べてみましょう。

<適量>

グルーの適量と見極めについて

自まつげになじませやすく、接着面もきちんと確保できる状態。

<多い場合>

<多い場合>

適量のときよりもグルーの玉が1つ多い状態。グルーのはみ出しや仕上がり時の違和感の原因に。

<少ない場合>

<少ない場合>

グルーの玉が1つしかなく、接着面を確保できない状態。根元の浮きの原因にも。

グルーの適量を見極めるポイントは、装着時のスライド幅を考慮して接着幅よりも少し短い位置までグルーがついていること根元とその上にグルーの玉が2個あること。この2つをクリアできるように、安定したグルーの取り方を練習することがマツエクのモチの見直しポイントです。

グルーの適量については、こちらの記事も参考にしてみてください。

マツエクのモチのポイント②グルーの硬化速度

グルーの量と合わせて見直したいポイントは、グルーの硬化速度です。メーカーによってグルーの質感や硬化速度は異なり、ベストな状態で装着位置に持ってくるには慣れが必要になります。硬化や劣化により常に状態が変化し続けるグルーは、アイリストにとってかなり神経を使うアイテムです。そのため、自分に合うグルーを研究することもアイリストに欠かせない仕事のひとつと言われています。
グルーの硬化速度を考えるときには、“グルーをエクステにとってから、実際に装着するまでのタイミング”にも目を向けてみましょう。グルードームから取った瞬間に硬化がはじまるグルーは、装着位置に持ってくるまでの間も硬化が進みます。タイミングが遅いとグルーの硬化が進みすぎて自まつげとなじみにくくなる、速すぎると装着しているエクステを支えきれず向きが倒れやすくなってしまう…と見極めは難しいところ。ベストなタイミングを見極めるには、グルーの硬化速度とアイリストの装着速度をうまく調節することが大切です。自分に合うグルーの研究が必要な理由には、タイミングも関わっていますよ。

グルーの硬化速度は変わることも

グルーは季節によって微妙に使用感が異なる場合も。「いつも使っているグルーなのに何かが違う…」と施術時に戸惑わないように、季節ごとのグルーの硬化速度について知っておきましょう。

湿度の高い梅雨~夏の時期

・室内の湿度が高くなった影響でグルーの硬化速度が速まる

・グルーの硬化速度が速まることでグルーの耐久性が落ち、マツエクのモチが悪くなる

・まつげの根元部分が白くなる“白化現象”が起こりやすい

空気が乾燥する冬の時期

・水分量が少なすぎてグルーの硬化速度が遅くなる

・硬化速度が遅くなることで施術を難しく感じることも

空気中の水分量やまつげに含まれる水分量のちょっとした変化が、グルーの硬化速度を大きく左右します。また、サロン内の環境変化や自まつげ自体の状態変化もグルーの硬化速度に影響するので、“硬化速度は変化することもある”と頭に入れておきましょう。

季節ごとの注意点や対策については、こちらの記事も参考にしてみてください。

マツエクのモチのポイント③装着幅

マツエクのモチを良くするには、自まつげとエクステの接着幅に注目することも欠かせません。接着幅は大きいほどエクステのモチが良くなり、小さいほど外れやすくなってしまうもの。接着幅を最大限確保することを念頭に施術を行うことが大切です。

自まつげとエクステの角度を合わせる

接着幅は、エクステを支える土台としての役割を持つもの。自まつげとエクステの角度をしっかり合わせて、接着幅をできるだけ大きく取ることがマツエクのモチに影響します。

自まつげとエクステの角度を合わせる

こちらの写真を見てみましょう。右側のOK例はエクステの根元と自まつげがきちんと合っているため、左側のNG例と比べて接着幅が大きくなっています。NG例の接着の仕方だと、まつげに衝撃が加わったとき、エクステが耐えきれず自まつげから外れてしまうことに…エクステだけが外れる原因になるのはもちろん、自まつげへの負担も大きくなり自まつげごと抜ける可能性も考えられます。
自まつげとエクステの角度がきちんと合っていれば、エクステを支えるだけの十分な接着幅を確保できるはず。エクステの装着練習で角度を合わせるスキルを磨くことも大切ですが、施術時に「根元を合わせにくい」「きちんと合っているか不安」と感じる場合はテープの装着方法も見直しポイントになります。

上のOK例と下のNG例

上のOK例と下のNG例を比べると、まつげの根元の見やすさに違いがあります。アンダーテープは下まつげの保護だけでなく、施術中の見やすさも高めるもの。テープを貼るときは、まつげの根元がテープと重なるように貼ることがポイントです。手元が見やすくなると自まつげとエクステの角度も合わせやすくなるので、テープの貼り方も見直してみましょう。

カールの強さの違いによる接着幅について

エクステのカールの強さによって接着幅に違いがあることも知っておきましょう。

カールの強さの違いによる接着幅について

こちらの写真を見ると、カールが強いほど接着幅が小さくなることが分かります。自まつげのカールが強いお客様ならSCカールでも接着幅を大きく取れる、というケースもありますが、カールごとに接着幅の大きさの違いがあることは知っておきたいポイントです。

<接着幅の目安>

Jカール

約4~4.5mm

Cカール

約3~3.5mm

SCカール

約2.5~3mm

こちらの表を目安に、お客様が希望するカールの強さと自まつげの角度を照らし合わせて、どれくらいの接着面を取れるか見極めましょう
モチの面でいえばカールが弱いほど高まることになりますが、「強めのカールがいいけどモチも重視したい」というお客様もいますよね。その場合は、エクステの装着方法が見直しポイントになります。

カールの強いエクステの装着時に発生しやすい、毛先が浮いた状態の写真

カールの強いエクステの装着時に発生しやすい、毛先が浮いた状態の写真です。接着幅は自まつげの根元部分にわずかしかなく、浮いた部分が衣類に引っかかって外れてしまうことも。エクステが上向きに浮きやすく、接着面を確保しづらい上付けは、カールの強いエクステには不向きと言えます。
一方、自まつげのカーブに合わせて接着幅を大きく取れる下付けや横付けは、カールの強いエクステのモチを高められる装着方法と言えるでしょう。お客様が希望するカールに合わせた接着方法も見直しポイントになりますよ。

まとめ

グルーや接着面への注目は、マツエクのモチを考えるアイリストにとって欠かせないものです。「理想通りのマツエクが長持ちする」とお客様に実感してもらえれば、満足度アップはもちろんリピートにもつながるでしょう。「グルーの量はちょうど良い?」「装着のタイミングは?」と日頃の施術と照らし合わせながら、アイリストとしてのスキルアップを目指してください。200518Ehn

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