これで心配ナシ!妊娠中のお客様への対応の仕方とは

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「マタニティ期間中、お手入れに時間はかけたくない…でも、手軽に綺麗でいたい!」そう願う妊婦さんたちも多いものです。アイリストとしても、そのお手伝いをしたいと思う人は多いはず。一方で、妊娠中は体調変化の多い時期でもあります。トラブルを未然に防ぐため、お客様への対応・ご説明には注意が必要です。今回の記事を参考に、しっかりと理解しておきましょう。

妊娠中ってマツエクはしてもいいの?

アイリストのみなさんなら、
「マツエクをするとき、赤ちゃんに悪い影響はないの?」
と、妊婦さんに質問された経験があるでしょう。グルーに含まれる成分や、グルーが硬化する際に発生するホルムアルデヒドなどに不安を感じ、赤ちゃんに悪影響があるのでは?と気になるお母さんが多いようです。しかし、マツエクはまだ新しい技術。日本国内で広がっていった時期は2003年頃であるため、データ自体がまだ少ない状況です。

そのため今のところ、赤ちゃんへの影響が確認された実例はないが、データが少ない」という結論になるでしょう。

妊婦さんへの施術に関しては、サロンによって判断が分かれているようです。万が一に備えて施術をお断りしているサロンもある一方、お客様からのご要望があればお受けする、というサロンも存在しています。データが少ない以上、どちらが正しい!とは言えません。しかし、妊婦さんの施術を受け入れる場合でも、妊婦さん自身の体にかかる負担についてきちんと説明し、ご理解いただいてから施術に入っていきたいですね。また、少しでも快適な施術となるよう、きめ細やかな心配りも必要です。
ここからは、妊婦さんの施術における注意点や求められる行動について紹介します。

妊娠さん全員共通の注意点とアイリストにできること

さっそく、妊娠初期~出産までの妊婦さん全員に共通する注意点と、アイリストができる対応策についてご紹介していきます。

<妊婦さん共通の注意点>
まずは、どの妊婦さんにも可能性がある、マツエク中の体調の変化について知識を深めていきましょう。

・体調の変化
妊娠中は、体調の変化が起こりやすい時期と言われています。妊婦さん自身も予測していない、急な変化も珍しくありません。たとえば、妊娠期間中は、妊娠前には感じたことのない貧血の症状に悩まされたり、十分な睡眠を取っているはずなのに常に強い眠気を感じたり…。妊娠前には起こらなかった、さまざまな体調の変化を感じる可能性があるでしょう。もちろん、中には特に目立った不調はないという妊婦さんもいますが、いつ・どの妊婦さんに変化が起きるか分からないため、油断できません。
 それはつまり、予約時には不調を感じていなくても、施術直前に体調不良を感じるお客様もいるということです。
あまり心配し過ぎる必要はありませんが、他のお客様よりも多めに
「体調にお変わりないですか?」
と声をかけるようにしましょう。

・アレルギーの可能性
 妊娠中のホルモンバランスは急激に変化することで知られています。「なんだか妊娠してからシミが増えた気がする」と聞いたことはありませんか?その原因は、女性ホルモンの一種である「プロゲステロン」。妊娠中は、女性ホルモンが大量に分泌されます。なんと妊娠前の100倍にもなるのだとか。「プロゲステロン」が増加すると、メラニン細胞が活性化してしまいます。結果、シミの増加につながるのです。
このように、ホルモンバランスの変化で、肌質も変わる可能性がある妊娠中。注意点はシミだけではありません。妊娠中は、マツエクグルーやテープによるアレルギー反応も起こりやすいと言われています。妊娠前から何度もマツエク施術を受け続けている妊婦さんでも、妊娠をきっかけにアレルギーを起こす場合もあるようです。
カウンセリングでは、そのリスクについて必ず説明しておきましょう。

・グルーのニオイ
妊婦さんの中には、グルーのニオイを強く感じる人もいます。気分が悪くなる場合もあるため、グルーを準備したタイミングで
 「ニオイが辛かったら遠慮なくおっしゃってくださいね」
と一声かけておくと、お客様も安心できるでしょう。
もし複数グルーを用意しているサロンであれば、できるだけニオイの少ないタイプをご提案しましょう。

・まつげが抜けやすくなる
妊娠中や産後は、母体の栄養が胎児や母乳に取られてしまうため、抜け毛に悩まされるお母さんが多いと言われています。寝起きやお風呂に入るたびに、自分の抜け毛の量に驚いた…という体験談も多いですよね。実は、髪の毛だけではありません。妊娠中や産後は、まつげも抜けやすくなるのです。
 せっかく付けたマツエクも、妊娠前より持続力が弱く感じられるかもしれません。何も知らない妊婦さんは「アイリストの腕が落ちたの?」と不信感を覚えるでしょう。カウンセリングできちんと説明し、ご納得いただくことが、アイリストにとってもお客様にとっても大切です。

<アイリストにできること>
次に、アイリストが心掛けたい妊婦さんへの気配りをご紹介します。

<アイリストにできること>
・リクライニングを使用してもらう
まだお腹が出ていない安定期前後でも、仰向けの姿勢を苦しく感じる妊婦さんも少なくありません。設備が整っているサロンは、ぜひリクライニングを活用しましょう。フラットな状態での仰向けは、お腹を圧迫しやすくなるため、少し角度を付けると負担が少ないようです。

・施術スピードを意識する
妊婦さんの体にかかる負担は、施術スピードを短縮させることで軽減できます。もちろん丁寧さは維持したまま、少しでも短い時間で施術を終えられるよう意識してみましょう。

妊娠後期の注意点とアイリストにできること

出産間近の妊婦さんには、さらなる注意点があります。ここからは、妊娠後期のお客様に考えられる注意点と、アイリストに求められる気配りについてご紹介します。

<妊婦さん共通の注意点>

・お手洗いが近い
妊娠後期になると子宮が大きくなり、膀胱が圧迫されます。そのため、頻繁にお手洗いに行きたいと感じる妊婦さんが多いのです。マツエクに必要な時間は1~2時間程度。しかしその短い時間でも、お手洗いに行きたくなるほどです。そこでアイリストとしては、カウンセリング前や施術前などのタイミングで
「お手伝いはよろしいですか?」
と声をかけるサポートができるのではないでしょうか。

・座った姿勢もつらいが、仰向けにもなれない
妊娠後期になると、お腹の重さから、頻繁に姿勢を変えないとつらい場面も増えてきます。リクライニングを少し倒した状態であっても、また、仰向けに寝転んだ姿勢でも辛い人が多いでしょう。リクライニングで調整が出来ないベッドの場合は、クッションを腰に挟むなどの対処を考えましょう。施術中は何度か体勢を変えてもらいながら、施術を進める必要があります。もし横向きの姿勢が落ち着くようなら、顔だけ上を向いてもらいつつ、身体は横向きといった形での施術も良さそうですね。

・せっかく施術してもリペアができない場合も
臨月に近いお客様は、せっかく施術をしても、リペアに来られなくなる可能性があります。いくら予定日を逆算してリペアのスケジュールを組んでいても、予定日より早く出産を迎えるケースもあるためです。また、産後はしばらく体を休める必要があり、落ち着いたときには、付けたマツエクがほぼ残っていない場合も。
マツエクの持続力をアップしてくれる、マツエク専用のクレンジングやマスカラなどをオススメし、できる限り長く、マツエクを楽しんでもらえるようにしたいですね。

<アイリストにできること>
・時間にゆとりを持つ
体勢を変えたり、お手洗いに行ったりと、妊娠中のお客様には、通常よりも多く時間を確保しておきたいところです。普段60分で予約を受け付けているメニューでも、可能であればプラス20分程度余裕を持っておきたいですね。

・クッションで腰痛を軽減
大きなお腹を抱えた妊婦さんの多くが、腰痛を抱えています。また、足のむくみを強く感じる人も多い傾向です。施術中はクッションをいくつか用意し、腰を支えたり足を上げられるようサポートしてあげましょう。

・きめ細やかな声掛け
大切なことは、不調を感じたお客様が、遠慮なくアイリストに声を掛けられるような信頼関係を築くこと。そのためにできる行動のひとつが、きめ細やかな声掛けです。「お体いかがですか?」や「お腹は苦しくありませんか?」、「気分は悪くなっていませんか?」など、適度に声をかけることで、万が一の際も早めにSOSを出しやすくなります。また、お客様が苦しそうな表情をしていないか、手に力が入っていないかなども、気にかけておきましょう。
もし、マツエクに対しての不安が強いお客様がいれば、施術を急がず、病院に許可をもらうようご提案してみても良いでしょう。安心して施術を受けてもらえるはずです。

まとめ

「いつでも綺麗でありたい!」と願うことは、妊娠中の女性も変わらないものです。美容業界に携わる私たちだからこそ、そのお手伝いができる!と考えると、なんだか嬉しく感じますね。私たちアイリストを信頼して来店してくださったお客様の期待に応えられるよう、正しい知識ときめ細かな接客対応を身につけておきましょう!

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