夏が来た!温度・湿度が高い時期のグルー保管方法おさらい編 冷蔵庫使用時の注意点もチェック
夏が来るにつれて気になるのが、グルーの保管方法。高温でグルーが劣化したり、湿度で硬化が始まったりすることもあります。どういった保管方法がベストなのか、悩むサロンもあるはずです。そこで今回は、夏のグルーの保管方法をおさらいしていきましょう。
温度変化がグルーに与える影響とは?
いつも使っているグルーでも、温度や湿度によって状態は常に変化しています。管理ができていないと、思った仕上がりにならなかったり硬化が速まったりすることも。温度や湿度管理は営業時間中だけでなく、営業時間外でも重要な事柄です。ここでは、温度変化によってどういったことが起こるのか見ていきましょう。
グルーの容器内が高温になって起こること
夏場となれば外気温が30℃を超え40℃ほどになることも珍しくなくなりました。サロン内はエアコンを使うことで適正温度に保つことができます。しかし営業が終わった後のサロン内はどうでしょうか?エアコンを切って窓を閉め切れば、室温が50℃を超えることもあるかもしれません。この状態でグルーを置いておくと、以下のようなことが考えられるでしょう。
◆糸を引いて使いづらい
◆硬化速度が遅くなる
これらは、高温になることでグルーが劣化した証拠です。高温の状態で保管していたために、グルーが揮発して粘度が高まったといえます。粘度が高まることで扱いづらくなり、質感が変わったと感じるでしょう。ただここまで感じるようになってしまえば、廃棄のレベルです。
また問題は高温だけではありません。エアコンを使えば室内が冷やされますが、同じようにグルーも冷やされます。先ほどまで冷やされていたグルーが、エアコンを切った暑い部屋に保管されると容器内に結露が発生する場合も。
グルーは、水分と反応することによって硬化が始まるので、熱を発して容器を触ったアイリストがやけどしてしまったという事例もあるようです。また、熱によって容器が破裂したという話もあります。グルーの劣化も問題ですが、スタッフがケガをするようなことがあってはなりません。
もし劣化したグルーを使ってしまったらどうなるの?
「なんだかいつもとグルーの様子が違う」と感じたら使用中止するでしょうが、もし劣化したグルーを使ってしまったらどういったことが起こるのでしょうか。
◆エクステがすぐ取れる
◆硬化速度の変化
◆目元トラブルが起こる
劣化したグルーの容器内では、硬化が進んでいたり成分に変化が起きていたりと、購入当初のグルーとはかけ離れた状態になっています。そのため、接着力が弱まり「いつもと同じ量でも接着できない」や「接着に時間がかかる」といったことが起こるでしょう。接着力が弱ければ、持続力も下がるので「エクステがすぐ取れた」と指摘されることもあるかもしれません。
また施術前から硬化が始まっている場合もあるので、「硬化速度が速くなった」と感じることも。グルーの劣化が進むと内容成分に含まれる防腐剤の効果が薄れ、目元トラブルを引き起こす可能性だってあるのです。これらはグルーの保管状況やメーカーにもよりますが、劣化したグルーを使うと一般的にはこのようなことが起こると考えられます。
夏場の保管に「冷蔵庫」を使うデメリットとは?家庭用冷蔵庫ではダメなの?
夏場の保管方法で知られる冷蔵庫活用法。家庭用冷蔵庫を連想する人もいるかもしれませんが、ただ、家庭用冷蔵庫は様々なデメリットがあるため、使用NG。
家庭用冷蔵を使ってはいけない理由について確認していきましょう。ちなみに、使用OKなのは化粧品用冷蔵庫のみです。温度設定ができ1年中適正温度で管理ができますよ。ただ、専用の冷蔵庫であっても使用する際には注意点がありますので、その点もチェックしていきましょう。
家庭用冷蔵庫を使ってはいけない理由
◆冷蔵庫の場所によって温度が違う
◆衛生的でない
サロン内にスタッフ用として準備している家庭用冷蔵庫があるかもしれません。「それをグルー保管用に使えば良いのでは」と思う人もいるでしょう。しかしそれは上記の理由で使うのは控えてください。
家庭用冷蔵庫の設定温度は0~10℃。グルーの適正温度とかけ離れています。高温が劣化につながると説明しましたが、低温の場合も結露が発生し劣化したり硬化が始まったりする場合も。
また家庭用冷蔵庫は開け閉めによって庫内温度が変動しやすいという特徴があります。庫内の奥の方は温度が低いがドアポケットは温度が高めになり、温度管理ができていない状態となるのです。さらに家庭用冷蔵庫であればお弁当や飲み物などを保管することになり、万一食品とグルーが接触してしまうと菌が付着する可能性が発生します。
衛生面で見ても、食べ物と一緒にグルーを保管するのはリスクが高いといえるでしょう。
化粧品用冷蔵庫を使う際の注意点
家庭用冷蔵庫はNGでも、温度の設定が可能な「化粧品用冷蔵庫」を使えば、悩みが解消できると思った人も多いはず。しかし、使用の際には「容器内の結露」に注意しなければいけません。
グルーの適正温度は18~23℃となっているため、この温度内で設定しているはずです。サロン内の室温も施術しやすい適温になっていれば問題ないのですが、夏場に開店準備を始めたばかりの時間帯などだと、まだ室内の温度が高い場合も。その状態で化粧品用冷蔵庫から取り出して室内に置いておくと、温度差で容器内に結露が発生するかもしれないのです。
こういった結露を防ぐためには、サロン内の室温が25~28℃くらいまで下がっていることを確認してからグルーを出すようにしましょう。温度差が縮まることで、結露は発生しにくくなりますよ。
夏場におすすめのグルーの保管方法
それでは最後に、新品のグルーを開けるときの注意点や夏場におすすめのグルーの保管方法を紹介していきます。
グルーを開けるときの注意点
◆振る方向は横
◆分離した部分は廃棄
グルーは保管しておくと、分離しやすくなります。普段使っているものも分離しますが、新品のものは製造から時間が経っている場合もあるので、しっかり振って混ぜ合わせましょう。振るときは必ず横です。縦に振ってしまうと、破裂する危険性があるので注意してください。
振ってから出したものの、分離していて混ざっていなかった、という場合は、その部分を捨て再度振りましょう。分離したグルーをそのまま使うと刺激が強いため、目や鼻などにしみることもあるようです。
夏場におすすめの保管方法
グルーの基本的な保管方法は、18~23℃の冷暗所に立てて置くこと。またサロンにグルーが届いた状態を考えると、乾燥材とアルミ袋を思い浮かべることでしょう。これらには湿気を取り、アンモニアガスを防ぐ役割があります。これを参考にして、サロンでも乾燥材とアルミ袋を活用して保管するのがおすすめです。
さらに夏場は温度管理が重要となります。化粧品用冷蔵庫を上手く活用して、劣化していないグルーを無駄なく使える環境を整えましょう。
おすすめの化粧品用冷蔵庫はこちら▼
【WERSEON】小型冷蔵庫
引用元:Amazon
大容量の10Lで、-2℃から60℃までの設定ができます。ドア部分がミラーになっているのでスタイリッシュ。起動音や振動音がなく、静かな運転でサロン内に置いていても気にならないでしょう。
【UP STORE】ポータブル冷温庫
引用元:Amazon
-2℃から60℃まで1℃単位で細かく温度設定ができます。仕切り板があるので、庫内の棚も簡単に調整OK。ドア部分は中身が見えるようになっているので、取り出すときも便利です。容量は10L。
まとめ
日本は高温多湿の夏になるので、グルーの保管方法は重要です。たくさん仕入れていても保管が正しくできていなければ、劣化してほとんど使えないなんてこともあるかもしれません。そうするとコストがかかるだけで、無駄なことばかり。必要なものにコストをかけて、不要なものは削るというのがサロン運営の基本です。
夏場の温度管理が難しいという場合は、設定温度の調整が可能な化粧品用冷蔵庫といった、グルー専用冷蔵庫を準備するのもひとつの策でしょう。しっかり管理できれば新品同様のグルーで施術ができるので、お客様の満足度も高まるはずです。また、冷蔵庫で保管していても、使用の際には室内との温度差を意識するなど、注意点を守って使用してくださいね。200621Eyn