【マツエク技術のコツ】根元を合わせる×接着幅確保のポイントとは
Beauté編集部に「サロン内で、“根元さえ合っていれば、接着面が少なくてもエクステのモチに影響はない”という意見があるのですが、実際はどうなのでしょうか?」という質問が寄せられました。確かに、エクステがまつげの根元としっかり合わせることは、最低限守らなくてはならないポイントです。それに加えてきちんと接着幅を確保しておくことが、よりモチを高めるポイントになるというのがBeautéの見解。詳しく解説してきます。
マツエクのモチに関わることとは?
モチに影響する要因はいくつがありますが、施術による要因としては
- 根元を合わせられているか
- 接着幅をきちんととれているか
というふたつの要素を満たしているかどうかが重要というのが、Beautéの見解です。まずは、それぞれについて考察してみましょう。
根元を合わせる=接着点の確保
根元が浮くということは、引っ掛かりやすいポイントができてしまうということ。根元が浮いていると、少しの刺激でもエクステが根元から取れやすくなってしまう可能性が高くなります。もちろん見た目にも影響があるため、根元浮きをできる限りゼロに近づけることは、アイリストとして目指すべき最低限のポイントとなります。
接着幅を取る=接着面の確保
続いて接着幅について考えてみましょう。
根元の接着は点であるのに対して、接着幅とはエクステを支える土台となる部分です。根元がしっかり装着していたとしても、土台がしっかりしていないことには、エクステの重みを支えることができない可能性も十分考えられます。
マツエクのモチを高めるためには、エクステを自まつげにしっかりと接着するのは必須事項です。しっかりと装着させるためには、自まつげとエクステをある程度沿わせ、接着幅を確保する必要があるでしょう。そもそも、まつげは動くもの。どんなに注意していても、クレンジングやアイライン、マスカラなど、普段の何気ない動作がまつげにも影響を与えているはずです。動くまつげに装着しているエクステは、接着幅が広ければ広いほどモチが高まるでしょう。
点と面の両方がモチを高めるポイントに
自まつげとエクステをしっかりと装着させるためには、点と面の両方を意識する必要があります。根元を合わせること×接着幅をしっかり確保すること、どちらが欠けても、モチに影響する可能性が。両方を押さえた施術方法を身に付け、お客様にモチの良いマツエクを提供してください。
接着面をしっかり確保するために押さえておきたいポイントは
接着面の確保は、施術技術向上の大きなポイントになります。しかし、接着面の確保はそう簡単に身に付くものではありません。経験を重ねたアイリストでも感覚が正しくつかめず、悩んでしまうこともあるようです。
接着面があまり確保できない原因には
◆自まつげとエクステの向きが合っていない
◆装着方法の使い分けができていない
◆カールの強さに応じた接着面が取れていない
といったことが考えられます。反対にいうと、上記のポイントを押さえることが、接着面の確保につながるということ。これを踏まえて、接着面をしっかり確保するポイントを確認していきましょう。
ポイント①自まつげの向きに沿って装着
自まつげには向きがあり、エクステはそれに沿わせるようにして装着するのが大前提。向きの正しい見極めが必要になります。向きをそろえるための練習方法としては、紙にまつげの絵を描き、そのまつげのラインに沿ってエクステを装着していくというもの。目指すべきは、真上から見たときにカールが分からないほどまっすぐ装着できている状態です。まつげの絵はまっすぐ書くようにしてください。
詳しくはばらつきが気になるお客様への的確なアドバイス!「自まつげマネジメント」をマスターせよの記事内で確認することができます。
ポイント②装着方法を使い分ける
自まつげの向きやエクステのカール感により、接着面が取りやすい装着方法が異なります。状況により
◆自まつげの上からエクステを乗せる“上付け”
◆自まつげの下にエクステをくぐらせる“下付け”
◆自まつげの側面にエクステを当てる“横付け”
を使い分ける必要があるでしょう。装着方法は仕上がりにも影響を与えるため、接着面の確保に加えて、お客様の希望とのすり合わせも重要になるでしょう。
それぞれの装着方法や仕上がりについてはこちらの過去記事が参考になります。
ポイント③エクステの種類に応じて接着幅を変える
どのエクステを装着するかによっても、理想的な接着幅は変わります。「CCカールがどうしても取れやすくなってしまうので苦手」という声も多いのですが、これは接着幅が取りにくいのが理由です。カールが強ければ強いほど接着幅が取りづらくなるでしょう。
接着幅の目安は、「突撃インタビュー!「モチに定評のあるアイリスト」ってどうやって装着しているの?コツを伝授♪」でもご紹介した写真をチェックしてみましょう。
カール別の接着幅の違いが分かりますね。具体的な目安は、以下の表を参考にしてみてください。
Jカール |
約4~4.5mm |
Cカール |
約3~3.5mm |
SCカール |
約2.5~3mm |
エクステにもよりますが、3~5mm程度を目安と考えると良いでしょう。
カールの強いエクステの接着幅確保についてはこちらが参考になります。
接着面を取りすぎるデメリットはある?
モチを高めようと接着幅を意識しすぎてしまい、接着幅を取りすぎてしまうこともあるかもしれません。しかし、今度は反対に接着幅を取りすぎてしまうことも考えられますよね。しかし、接着幅の取りすぎもNGです。詳しく見ていきましょう。
接着幅を取りすぎることで起こるデメリットは
接着幅の目安は上記で紹介しましたが、接着幅を取りすぎてしまうことによるデメリットについて考えてみましょう。
◆カールが上がりにくくなる
◆根元が合わせづらくなる
接着幅を取りすぎてしまうと、自まつげに引っ張られてしまうため、どうしてもカール感が出にくくなってしまいます。自まつげは基本的に下向きに生えているので、しっかり自まつげに沿うことでエクステも下向きになってしまうでしょう。お客様の希望にもよりますが、「正面から見たときにしっかり上がるように装着して欲しい」という場合、接着幅を取りすぎることで要望に沿えない可能性も。エクステのカールが活かせる装着幅を見極める必要があるでしょう。
意識して接着幅を確保することで、根元が合わせづらくなってしまい、浮いてしまうことにもなりかねません。根元が浮いてしまうデメリットは前述した通り。接着幅と根元の両方を意識して装着することを念頭に置いた施術技術を身に付ける必要があるでしょう。
優先事項を見極めて接着幅を決めて
モチを高めるため、ある程度接着幅を確保するのは大前提です。しかしながら、お客様の希望するイメージによっては、装着幅を変えることで仕上がりを調節する必要もあるかもしれません。
カール感をしっかり出した華やかなデザインを希望するお客様…装着幅を少し短くする
カールは控えめにしたナチュラルデザインを希望するお客様…接着幅を少し広くする
といったように、お客様の希望に沿ったエクステデザインを提供することが、アイリストの最大の使命。お客様の希望とモチの良さの両方を叶えられるよう接着幅を使い分けて、理想の目元を提供してください。
まとめ
まつげの根元と十分な接着面、この両方を備えて装着することが、よりモチを高めるポイントとなります。接着面確保のポイントをしっかり押さえてモチを追求しつつ、お客様の希望するオーダーに近付けるのが、アイリストとしての目指すべき姿。両方意識するのが難しいという人は、練習あるのみです。他のサロンでマツエクが取れやすかったというお客様も、モチの違いを感じることで、お気に入りのサロンに追加してくれるかもしれません。まずは自分の施術を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。200614Ess